┏━━【目次】━━━━
┠■はじめに~本日も重要な「号外」を出します!【IWJ号外】シーモア・ハーシュ氏がノルドストリーム爆破事件の「続報」を公開!「現時点では、一部の関係者が大きく離反しない限り、バイデンとその側近はおそらく真実を認めることはないだろう」! 続編の後編を仮訳! 号外でお届け!
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┠■袴田事件、検察が最高裁に特別抗告する方向で協議!? すでに東京高裁は袴田さん有罪の証拠とされた「血染めの5点の衣類」について「捜査機関による証拠捏造の可能性が極めて高い」として検察の抗告を棄却! 事件から57年、一刻も早く再審開始すべき!「袴田巌さんの再審無罪を求める実行委員会」は東京高裁前での座り込み抗議を予定!
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┠■IWJは創業以来、最大の経済的危機です! 2月のご寄付は173件、241万6500円、目標達成率62%でした! ご寄付をお寄せいただいた皆さまありがとうございました! しかし2月の月間目標額より38%下回っており、毎月、累積赤字が増え続けている状況で、第13期の7ヶ月間の累積の不足分は1655万4500円です!「新たな戦争前夜」にあって、偏向メディアにかわり、正確な情報をお届けすべく、IWJは全力で頑張り抜きますので、3月こそは少なくとも月間目標額390万円を達成できますよう、また累積の不足分を少しでも減らせますよう、緊急のご支援・ご寄付・カンパのほど、どうぞよろしくお願いします!
┃
┠■「武器と傭兵を注ぎ込んでロシアをつぶそう、ドンバスの住民を殺し続けようとする西側の”博愛人道主義”を標ぼうする人たちは、目を覚ましてほしいです」、ご寄付者様からメッセージをいただきました! ここに感謝を込めて紹介させていただきます!
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┠■【中継番組表】
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┠■日韓関係改善を公約に当選した韓国の尹錫悦大統領が表明した元徴用工問題「解決策」に、2018年の韓国大法院判決を勝ち取った強制動員生存被害者3人全員が第三者弁済による賠償金受け取りを拒否! 日本の謝罪なき「解決策」に韓国国会は撤回決議を可決!! 識者からは「反法治」との指摘も!!
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┠■<IWJ取材報告 1>東京高裁が袴田事件の再審開始を決定!! 歓喜の中、弁護団は、検察の「特別抗告」についての警戒を解かず、「特別抗告をするな」と検察庁へ申し入れ!! ~3.13「袴田事件」東京高裁前での決定報告 ―登壇:袴田ひで子さん、袴田事件弁護団
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┠■<IWJ取材報告 2>袴田事件弁護団・事務局長 小川氏「『特別抗告』をするなんて考えられないし、するということになれば、検察のわけのわからない権限乱用であり、検察にあるまじき行為だと思う」~3.13日本弁護士連合会主催 袴田事件弁護団 記者会見
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┠■IWJ書店新刊入荷! ジャーナリスト田崎基氏の直筆サイン入り!!『ルポ 特殊詐欺』を10冊限定で、IWJ書店から販売いたします!
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■はじめに~本日も重要な「号外」を出します!【IWJ号外】シーモア・ハーシュ氏がノルドストリーム爆破事件の「続報」を公開!「現時点では、一部の関係者が大きく離反しない限り、バイデンとその側近はおそらく真実を認めることはないだろう」! 続編の後編を仮訳! 号外でお届け!
おはようございます。IWJ編集部です。
ノルドストリーム爆破を仕掛けたのは、米国のバイデン政権であると暴露したシーモア・ハーシュ氏が、3月15日、自身のホームページで、このノルドストリーム爆破事件に関連する「続報」として、新しい記事「あなたのジョージ・ボールは誰ですか」を公開しました。
このタイトルになっているジョージ・ボール(George Ball、1909-1994)氏は、米国の外交官、弁護士で、1961年から1966年まで国務次官を務めました。ボール氏は、ベトナム戦争のエスカレーションに反対した唯一の主要な政治家として記憶されています。
記事の副題は「すべての大統領には反対意見が必要だが、ジョー・バイデンにはそれがあるのだろうか?」となっており、ケネディ政権のときにベトナム戦争に反対したジョージ・ボールのような人物が、ウクライナ戦争のジョー・バイデン政権にはいるのか、とシーモア・ハーシュは問いかけているのです。
後編では、ハーシュ氏は、オバマ政権を振り返り、政権の内部の反対論者「ジョン・ボール」の重要性を説きます。
と同時に、「ジョン・ボール」の限界についても触れるのです。
では、そもそも、バイデン政権には、「ジョン・ボール」のような人物が存在せず、仮にいても、限界があるとしたら、我々はどうしたらいいのでしょうか。
その答えを、IWJなりに示唆しています。ぜひお読みください。
IWJは、ハーシュ氏の全テクストのうち公開されている最初の3段落を全訳し、残りの有料部分は、論旨を抄訳する形で、ご紹介します。本日お送りする<後編>は有料部分です。どうぞお読みください。
号外の前編は、次のURLから御覧になれます。
※【IWJ号外】シーモア・ハーシュ氏がノルドストリーム爆破事件の「続報」を公開! ロシアとドイツの天然ガスパイプライン建設への米国の妨害の始まりはあのケネディ政権にあった!<前編>2023.3.17
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/514777
IWJがご紹介してきたシーモア・ハーシュ氏関連の記事と、ノルドストリーム関連の記事は以下です。
※シーモア・ハーシュ氏関連のIWJ記事
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e3%82%b7%e3%83%bc%e3%83%a2%e3%82%a2%e3%83%bb%e3%83%8f%e3%83%bc%e3%82%b7%e3%83%a5
※ノルドストリーム関連のIWJ記事
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e3%83%8e%e3%83%ab%e3%83%89%e3%82%b9%e3%83%88%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%83%a0
■袴田事件、検察が最高裁に特別抗告する方向で協議!? すでに東京高裁は袴田さん有罪の証拠とされた「血染めの5点の衣類」について「捜査機関による証拠捏造の可能性が極めて高い」として検察の抗告を棄却! 事件から57年、一刻も早く再審開始すべき!「袴田巌さんの再審無罪を求める実行委員会」は東京高裁前での座り込み抗議を予定!
袴田事件で、検察が最高裁に特別抗告する方向で協議に入っていることがわかりました。『時事通信』が16日、関係者への取材で判明したと報じました。
※袴田事件、特別抗告の方向 再審開始に不服、検察側協議―審理15年、さらに長期化(時事ドットコム、2023年3月17日)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2023031601278
3月13日、袴田事件第2次請求差し戻し審について、東京地裁が検察の抗告を棄却、再審開始を認めたことで、2008年に始まった第2次請求差し戻し審が15年を経て決着したと、受け止めた人も多かったと思います。IWJも東京地裁の判決を報告する弁護団と袴田さんの姉である袴田ひで子さんの喜びの声を、ライブ中継でお伝えしました。
ひで子さんは「57年かかりました。でも大変うれしい。きょうは本当にうれしゅうございます」と述べました。
※2023.3.13「袴田事件」東京高裁前での決定報告 ―登壇:袴田ひで子さん、袴田事件弁護団(IWJ、2023年3月13日)
https://www.youtube.com/watch?v=VxNZDTU05yY&t=7s
翌日14日に弁護側が開催した、東京高裁決定の報告集会の模様は以下です。東京高裁は「捜査機関による証拠捏造の可能性が極めて高い」と決定理由を示しています。
※検察の即時抗告を棄却した高裁決定は、捜査機関による証拠捏造の可能性が極めて高いと断定! 検察は特別抗告断念を!!~3.14 今度こそ! 誤った裁判のやり直しを「袴田事件」高裁決定報告集会 2023.3.14
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/514722
しかし、検察はこの判決を不服とし、最高裁に特別抗告して、さらに結論を先送りにしようとしています。第2次請求から約15年が経ち、袴田巌さんはすでに87歳です。最高裁まで行けば、さらに数年を要し、袴田さんが最後の判決を見届けることができるどうかわかりません。
事件の経過を振り返ります。
1966年6月30日、静岡県のみそ製造会社「有限会社王こがね味噌橋本藤作商店」の専務一家4人が殺害され、自宅が放火されました事件で、当時30歳だった従業員の袴田巌さんに容疑がかけられました。8月18日、袴田さん逮捕以後、連日10時間を超える厳しい取り調べが行われ、9月6日、犯行を否定し続けていた袴田さんがついに「自白」させられました。
同年11月15日に、静岡地方裁判所の第1回公判で、袴田さんは起訴事実を全面否認し、以後一貫して無実を主張してきました。
しかし、事件から1年2ヶ月も経った1967年8月31日になって、味噌製造工場の味噌タンク内から、「血染めの5点の衣類」が発見されたとして、検察側が「新証拠」を出しました。これが袴田さん有罪の証拠となります。
翌1968年、静岡地裁の石見勝四裁判長が、袴田さんに死刑判決を宣告しました。その後、1976年に東京高等裁判所が袴田さんの控訴を棄却、1980年に最高裁が袴田さんの上告を棄却、1980年12月12日に死刑が確定しました。
1981年、弁護側が再審請求、1994年静岡地裁が再審請求を棄却し、弁護側が即時抗告。2004年に東京高裁が再審請求を棄却、弁護側は最高裁に特別抗告を行い、2008年に最高裁がこの特別抗告を棄却し、第一次再審請求は終了しました。
2008年、最高裁による特別抗告の棄却を受けて、弁護側は静岡地裁に第二次再審請求をしました。弁護側は、1967年に「発見」された「血染めの5点の衣類」の再鑑定を請求し、これを受けて静岡地裁は再鑑定を決定しました。
2014年3月27日、静岡地裁の村山浩昭裁判長が、再審開始と袴田の死刑及び拘置の執行停止を決定しました。袴田さんは同日東京拘置所から釈放されましたが、静岡地検は即日、東京高裁に拘置停止について抗告を申し立てました。
同2014年8月になって、弁護士側の証拠開示要求に対して、静岡地方検察庁が一審当時から「存在しない」と主張し続けていた、袴田有罪の証拠「血染めの5点の衣類の写真」のネガフィルムが、実際には静岡県警察で保管されていた事が判明しました。
2018年、東京高裁が静岡地裁決定を取り消して再審請求を棄却、弁護側が特別抗告をします。2020年、最高裁は、再審請求を棄却した東京高裁決定は審理を尽くしていないとして、高裁に審理を差し戻しました。
最高裁の差し戻しから5年を経て、東京地裁は2023年3月13日、「血染めの5点の衣類」には捜査機関による証拠の捏造の可能性があると指摘し、「袴田さんを犯人とした確定判決の認定に合理的疑いが生じる」として、ようやく再審開始を認める決定をしたのです。
事件から57年、半世紀以上の年月が過ぎました。これ以上争う意味はあるとは思えません。一刻も早く再審開始するべきです。
検察側は、法律の上では、20日の23時59分まで特別抗告ができることになっています。
「袴田巌さんの再審無罪を求める実行委員会」は、検察側の動きに対して、東京高裁前で座り込みの抗議を行う予定です。「袴田巌さんの再審無罪を求める実行委員会」には以下の団体が参加しています。
・アムネスティ・インターナショナル日本
・日本国民救援会
・日本プロボクシング協会 袴田巖支援委員会
・袴田巖さんの再審を求める会
・袴田巖さんを救援する清水・静岡市民の会
・袴田巖さんを救援する静岡県民の会
・袴田さん支援クラブ
・浜松・袴田巖さんを救う市民の会
・無実の死刑囚・袴田巌さんを救う会
IWJも、この座り込み抗議の模様を、録画配信でお送りする予定です。ぜひ御覧ください。
※これまで、IWJが取材してきた袴田事件の関連記事は以下です。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/514722
■IWJは創業以来、最大の経済的危機です! 2月のご寄付は173件、241万6500円、目標達成率62%でした! ご寄付をお寄せいただいた皆さまありがとうございました! しかし2月の月間目標額より38%下回っており、毎月、累積赤字が増え続けている状況で、第13期の7ヶ月間の累積の不足分は1655万4500円です!「新たな戦争前夜」にあって、偏向メディアにかわり、正確な情報をお届けすべく、IWJは全力で頑張り抜きますので、3月こそは少なくとも月間目標額390万円を達成できますよう、また累積の不足分を少しでも減らせますよう、緊急のご支援・ご寄付・カンパのほど、どうぞよろしくお願いします!
おはようございます。IWJ代表の岩上安身です。
いつもIWJをご支援いただきまして、誠にありがとうございます。
IWJの第13期も半期の折り返しを過ぎ、この3月で8ヶ月目に入りました。
2月1日から28日までの28日間でいただいたご寄付は、173件、241万6500円でした。これは、単独月間目標額390万円の62%に相当します。ご寄付をお寄せいただいた皆さま、まことにありがとうございました。大切に、効果的に使わせていただきます。
しかし、月間の目標額より38%下回っており、毎月、累積赤字が増え続けていることにはかわりありません! 今月3月こそは、390万円という月間目標額をクリアし、できれば積み上がった赤字部分を少しでも皆さまのお力で削らせていただきたいと存じます! 3月の不足分も含めて、第13期の目標の累積してしまった不足額は1655万4500円に達しています!
3月の1日から15日までの15日間でいただいたご寄付は、59件、85万8400円となっています。これは月間目標額390万円の22%にあたります。ご寄付をお寄せいただいた皆さま、まことにありがとうございます。
3月の月間目標額達成まで、あと78%、304万1600円が必要です! ぜひ、皆さま、今月こそは達成できますよう、どうぞ緊急のご支援をお願いいたします!
IWJの内部留保も底を尽き、キャッシュフローが不足したため、私、岩上安身が、個人的な私財から、500万円かつ2回にわたってIWJにつなぎ融資しました。
私がこれまでにIWJに貸し付けてまだ未返済の残高は約600万円。これにつなぎ融資1000万円と合計すると、IWJへの私の貸し付け残高は約1600万円にのぼります。
私の貯えなどたかがしれていますから、この先も同様の危機が続けば、私個人の貯えが尽きた時、その時点でIWJは倒れてしまいます。
皆さまにおかれましても、コロナ禍での経済的な打撃、そしてこのところの物価上昇に悩まされていることとお察しいたします。
しかし、ご寄付が急減してしまうと、たちまちIWJは活動していけなくなってしまいます。IWJの運営は会員の方々の会費(最近の流行語ではサブスク)とご寄付・カンパ(最近の用語でいえばドネーション)の両輪によって成り立っていますが、それが成り立たなくなってしまいます。
2023年、「新たな戦争前夜」を迎えて、私、岩上安身とIWJは、少しでも正確な情報を皆さまにお届けできるように、その結果として、日本が戦争突入という悲劇に見舞われないように、無謀な戦争を断固阻止するために全力で頑張ってゆきたいと思います。
先月、2月における、最も特筆すべきエポックメイキングな出来事は、ピューリッツァー賞を受賞した経歴をもつ、米国屈指の独立調査報道ジャーナリストであるシーモア・ハーシュ氏が、米国が、ノルウェーと協力し、ドイツとロシアを直接つなぐ天然ガスパイプライン・ノルドストリームを爆破したという驚愕のスクープを出したことでしょう。日本の新聞・テレビなどのメインストリームメディアは、一切このスクープを報じませんでした。
IWJは、全文の仮訳を進め、全4回を号外でお送りしました。
※【IWJ号外】ドイツとロシアを結ぶ天然ガスパイプライン・ノルドストリームを爆破したのは、米国だった! ピューリッツァー賞を受賞した米国の最も著名な独立調査報道ジャーナリスト、シーモア・ハーシュ氏が大スクープ!(その1~4)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e3%82%b7%e3%83%bc%e3%83%a2%e3%82%a2%e3%83%bb%e3%83%8f%e3%83%bc%e3%82%b7%e3%83%a5
私は、ロシア軍がウクライナに侵攻して1年となる2月24日の岸田総理会見で、ハーシュ氏のスクープについて岸田総理に直接、質問しました。
私が「日本政府は、このノルドストリーム爆破疑惑について、独自に検証や調査を行なっているのでしょうか?」と質問したのに対し、岸田総理は、「米政府は完全なるフィクションであるという評価をしております」「ノルウェー外務省もナンセンスと言っています」「多くの国においてこうした記事に関しては、否定的な評価がされている」とはぐらかし、日本政府・日本国総理としての判断を示しませんでした。
※【IWJ代表:岩上安身質問】ノルドストリーム爆破疑惑について、日本は独自に検証や調査を行なっているのか?岸田内閣総理大臣記者会見ー令和5年2月24日(Movie IWJ)
https://www.youtube.com/watch?v=9uUrTxr_Mss
※はじめに~岩上安身が岸田総理に対して会見で質問!~(日刊IWJガイド、2023年2月25日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51926#idx-1
このウクライナ紛争は、米国主導の戦争です。
ハーシュ氏のスクープが事実であれば、米国は、同盟国のドイツも多額の出資をしたノルドストリーム・パイプラインを爆破し、ドイツとロシアの仲を引き裂き、ウクライナを戦場にして、欧州とロシアの友好的な関係を完全に破壊し、欧州に天然ガスと石油を高値で売りつけて市場を奪い取ったということになります。
IWJでは、独自のIWJ検証レポートで、ノルドストリームの建設の経緯から、完成したもののウクライナ紛争の勃発と制裁によって使用できなくなり、さらに爆破に至るまで、断続的に連載してお伝えしています。この経緯を知ると、ウクライナ紛争以前から、米国はノルドストリームを何としても阻みたいと思っていたという事実が明らかになります。
岸田文雄総理は、1月早々に昨年末閣議決定した「改定版安保3文書」を携えて訪米、バイデン大統領と会談し、日本の軍拡をバイデン大統領から賞賛されて岸田総理は鼻高々でした。
しかし国会での議論と承認がなされなくても、閣議決定し、米国からの承認があれば軍拡のアクセルを踏んでしまう岸田政権は、日本の主権を米国に丸投げしたも同然です。米国を守るために日本が代わりに犠牲となり、日本は米中の「代理戦争」の戦場とされてしまいます。
上記の24日の岸田総理会見で、私は、「米国は誠実な同盟国なのかどうか、疑いの出ている中、日本の安全保障を米国に丸ごと委ねていていいのか」、「有事の際の自衛隊の指揮権まで米国に渡してしまっていいのか」と問いました。
岸田総理は「自衛隊及び米軍は、各々独自の独立した指揮系統に従って行動をする、これはいうまでもないこと」などと、自衛隊の指揮権は独立して存在しているかのように述べました。
しかし、この総理の発言は、事実と異なります。従来の幕僚長を事実上廃止し、新たに米軍との「統合司令部」を設置する「安保3文書」の改定は、自衛隊を米軍の司令下におく「2軍」にしてしまうものです。
自衛隊が米軍と司令部を統合してしまい、自身で状況判断するための目と耳(情報衛星他)をもたず、独自に判断する頭(内閣に直結した独立した司令部)をもたない、そんな日本が、安全保障において、米軍から独立した主権をもつ、といくら岸田総理が口先だけで言っても、自衛隊のおかれたリアルな現実を国民に説明していることにはなりません。
2月28日、衆議院本会議は与党の賛成多数で、「安保3文書」の改定を踏まえ、防衛費を大幅増額した2023年度予算案を可決しました。過去最大の114兆3812億円に上る2023年予算案は、参議院が仮に可決せずとも、3月中に自動成立してしまいます。
日本は、このまま米国追従を続け、米国の単独一極覇権を支えるために、日本自らは世界最悪の財政危機に直面しているというのに、米国の要請に従って、軍拡という重い財政支出を重ねてゆくのはあまりに愚かではないでしょうか!?
そもそも日本が依存している米国は、誠実な、信頼に値する同盟国といえるのでしょうか!?
日本は、米国への依存から脱却をはかり、独立した主権国家として、そもそも「敵」を作らない、多極的な外交姿勢をめざすべきではないでしょうか?
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どうか、ご支援のほど、よろしくお願い申し上げます!
岩上安身
■「武器と傭兵を注ぎ込んでロシアをつぶそう、ドンバスの住民を殺し続けようとする西側の”博愛人道主義”を標ぼうする人たちは、目を覚ましてほしいです」、ご寄付者様からメッセージをいただきました! ここに感謝を込めて紹介させていただきます!
ご寄付者様からメッセージをいただきました。
メッセージひとつひとつに、岩上安身が返信を書かせていただきます! ぜひ嬉しい励ましのメッセージ、あるいは、ご質問やご提案などにもお答えしますので、お寄せください! ただし、会員の方で、ご寄付者様からのメッセージのみとさせていただきます!
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イスラエル元首相、ハーシュレポート、本当にIWJはよく頑張っている! 武器と傭兵を注ぎ込んでロシアをつぶそう、ドンバスの住民を殺し続けようとする西側の”博愛人道主義”を標ぼうする人たちは、目を覚ましてほしいです。
(匿名希望)
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匿名希望 様
まさに、本当に、その通りです!
ウクライナ側やそれを支持する西側は、ドンバスで戦っているのは「分離派武装勢力」のひと言で片づけてしまいます。
誰も、ドンバスで、普通の暮らしを営んでいる、あるいは営んでいた一般住民について、本当に、真剣に心配していません。
日本人を含め、西側の人々は、東部の住民は、すべて屈強な男の武装勢力であるかのように見なしているのではないでしょうか? とんでもない話で、ドンバスの住民の中には、女性も、老人も、子どももいます。多くがロシア系住民ですが、こんなに痛めつけられるまでは、ごくごく当たり前に、ウクライナ国籍をもつ、ウクライナ国民でした。
2014年から2022年まで、ロシア語という言語から、仕事から、文化から、年金支給まで、ウクライナ国家から奪われ、ネオナチが暴力をふるっても、ウクライナの警察に動いてもらえず、しまいにはウクライナ軍が繰り出して、砲撃や空爆を行い、1万数千人が命を落とした、悲劇のただ中の人々であり、本当ならばウクライナ国民であるはずの人々なのです。
こうした人たちがどういう目にあったのか、日本を含む西側でまともに取りあげようとすると、米国からも、自国内の米国の犬たちからも、「モスクワのプロパガンダだ」などとレッテルを貼られ、悲劇がなかったことにされてしまいます。本当にひどい話です。
おっしゃる通り、西側、特に日本のリベラル派、「博愛人道主義者」たちは、この方々の運命に対して、冷淡であり、無関心です。
もし、NATOのウクライナへの介入が一段と強化され、ウクライナ軍(中身は事実上のNATO軍)が、今、激戦中のバフムトの戦況を引っくり返し、それから次々とロシア軍およびドンバスの2つの人民共和国軍の支配地域をめくっていって、ついには、2014年の国境地点まで押し返したとしましょう。
そうした時、ウクライナ軍の支配下におかれた、ドンバスのロシア系住民の運命はどうなるのでしょうか? 彼らの人権が、ウクライナ政府によって、ウクライナ軍のもとで、守られると誰が信じられるでしょうか? 結局、家を捨て、何十万人もの人々がロシア領へと逃げることになるのではないでしょうか?
それは、21世紀における民族浄化と言って過言ではありません。
本当にそうした悲劇に目を向けない、言葉も発しないこの国のメディアや政府は、「洗脳」されきってしまっていると思わずにはいられません。
IWJは、目の覚めた人には日々、新たな情報を提供するメディアであり、また、目の覚めない人々には、うるさくウェイクアップコールを鳴らす頑固な目覚まし時計でありたいと思います。
今後とも、どうかご支援をよろしくお願いします!
岩上安身
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◆中継番組表◆
**2023.3.18 Sat.**
あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。
【IWJ・Ch5】13:00~「全国弁連東京集会―内容:二世問題、政治と統一教会の癒着、特に地方政治についてなど」
視聴URL:https://twitcasting.tv/iwj_ch5
「全国霊感商法対策弁護士連絡会」主催の集会を中継します。これまでIWJが報じてきた統一教会関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e7%b5%b1%e4%b8%80%e6%95%99%e4%bc%9a
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【IWJ・エリアCh6・岩手】15:30~「『さようなら原発 岩手県集会2023』終了後のアピール行進」
視聴URL:https://twitcasting.tv/iwj_areach6
「さようなら原発岩手県集会2023実行委員会」主催のデモを中継します。これまでIWJが報じてきた原発関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/nuclearpowerstation
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◆中継番組表◆
**2023.3.19 Sun.**
調整中
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◆昨日アップした記事はこちらです◆
【IWJ号外】シーモア・ハーシュ氏がノルドストリーム爆破事件の「続報」を公開! ロシアとドイツの天然ガスパイプライン建設への米国の妨害の始まりはあのケネディ政権にあった!<前編>
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/514777
◆昨日テキストアップした記事はこちらです◆
「水道水に起因するのか? 依然、高い数値がでた沖縄のPFAS血中濃度」原田准教授 ~12.18「血液検査から見えてきた沖縄のPFAS汚染!」原田浩二 京都大学准教授 講演会
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/512968
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■日韓関係改善を公約に当選した韓国の尹錫悦大統領が表明した元徴用工問題「解決策」に、2018年の韓国大法院判決を勝ち取った強制動員生存被害者3人全員が第三者弁済による賠償金受け取りを拒否! 日本の謝罪なき「解決策」に韓国国会は撤回決議を可決!! 識者からは「反法治」との指摘も!!
昨年5月の韓国の政権交代で、文在寅(ムン・ジェイン)大統領に代わって就任した、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が、昨日16日、就任後初めて訪日し、岸田文雄総理と日韓首脳会談を行いました。本格的な日韓首脳会談は、民主党政権下の2011年の鳩山由紀夫総理と李明博(イ・ミョンバク)大統領との会談以来11年半ぶりです(2018年の日中韓サミットと2019年のG20会合の際に、当時の安倍晋三総理と文在寅大統領が短時間の首脳会談を行なってはいます)。
※日韓首脳会談(概要)(外務省、2011年9月23日)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/korea/visit/0909_sk.html
※日韓首脳会談(外務省、2018年5月9日)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/a_o/na/kr/page1_000525.html
※日韓首脳会談(外務省、2019年12月24日)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/a_o/na1/page4_005531.html
会談後の記者会見で岸田総理は、2019年から続く日本から韓国への半導体の原材料に関する輸出制限の解除や、韓国が対抗措置として2020年にWTO(世界貿易機関)へ提訴したことを取り下げるなど、「輸出管理分野において進展があった」と発表しました。
また、安全保障分野においても、中断していた日韓間の対話を「早期に再開することで一致した」と明らかにしました。
さらに、尹大統領が3月6日に発表した、徴用工問題に関する措置について、「日本政府としては、この措置を、非常に厳しい状態にあった日韓関係を健全な関係に戻すためのものとして評価している」と表明しました。
※日韓共同記者会見(首相官邸、2023年3月16日)
https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/statement/2023/0316kaiken.html
文在寅政権下でソウル中央地方検察庁検事長、検事総長を歴任した尹氏は、2022年の大統領選で日韓関係の改善を公約に掲げて最大保守派野党(当時)の「国民の力」から野党統一候補として出馬し、文大統領の後継である「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)候補を大接戦の末、僅差で破り、当選しました。
※韓国大統領選 野党・尹錫悦氏が当選(聯合ニュース、2023年3月10日)
https://jp.yna.co.kr/view/MYH20220310005600882
今年3月6日、韓国政府は日韓間の最大の懸案事項とされていた徴用工問題をめぐり、2018年の韓国大法院(最高裁)が三菱重工、日本製鉄に命じた元徴用工への賠償を、韓国政府傘下の「日帝強制動員被害者支援財団」が肩代わりする第三者弁済という「解決策」を発表しました。
韓国大法院の決定に対し、日本側は1965年の日韓請求権協定を根拠に、賠償金の支払いを拒否していたからです。
この尹大統領の「解決策」が発表された同じ6日、岸田総理は参院予算委員会で「岸田政権としても、歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として引き継いでいるし、今後も引き継いでいく」と、村山談話を含めた植民地支配への「反省とおわび」を継承することを表明したため、ほとんどのメディアがこの二つのニュースをセットで報じました。
※徴用工問題、韓国が「解決策」を発表 日本は「おわび」継承を表明へ(朝日新聞デジタル、2023年3月6日)
https://digital.asahi.com/articles/ASR363H5JR2XUHBI016.html?
日本国内では、日韓関係が一気に雪解けしたかのように報じられていますが、韓国ではまったく正反対に、この「解決策」は、国論を2分する大問題となっています。
※ここから先は【中略】とさせていただきます。御覧になりたい場合は、ぜひ、新規の会員となって、あるいは休会している方は再開して御覧ください! 会員へのご登録はこちらからお願いいたします。
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日本と韓国の「関係改善」は、米国が対中対立を煽り続けていることと無関係でしょうか? 米国は台湾やフィリピンにも働きかけ、韓国との合同演習を行っています。北朝鮮は、激化する米韓合同演習をやめさせるよう国連に要請しました。日本と韓国の関係は、こうした東アジア全体の情勢と無関係ではないはずです。
徴用工問題については、ぜひ以下のURLより、岩上安身による岩月浩二弁護士インタビュー、岩上安身による滋賀県立大河かおる准教授インタビューや、岩月弁護士による特別寄稿、明治大学・山田朗教授による講演動画を御覧ください。
※(再掲載)韓国大法院判決に対する安倍総理・河野太郎外相の反論は外交史に残る大失敗である!2007年、日本の最高裁は徴用工個人の請求権を認めている!! 徴用工を酷使した暗い歴史に目を背け、現代において奴隷的外国人労働力として再現しようとする安倍政権~岩上安身によるインタビュー 第917回 ゲスト 岩月浩二弁護士 2018.11.2
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/435874
※「徴用工」「女子勤労挺身隊」訴訟に対する韓国最高裁判決に寄せて「元徴用工の韓国大法院判決に対する弁護士有志声明」呼びかけ人・弁護士 岩月浩二氏による特別寄稿! 2018.12.29
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/438559
※シリーズ「政治権力vsメディア」嫌韓煽動一色の日本のメディアと韓国のメディアとの比較~岩上安身によるインタビュー 第959回 ゲスト 滋賀県立大准教授・河かおる氏(朝鮮近代史)(第1回 韓国メディア編・前編)2019.9.14
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/457194
※シリーズ「政治権力vsメディア」日韓対立の深化(あるいは嫌韓煽動)と、起点になった「元徴用工」問題~岩上安身によるインタビュー 第959回 ゲスト 滋賀県立大准教授・河かおる氏(朝鮮近代史)(第2回「元徴用工」問題編)2019.9.14
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/458752
※シリーズ「政治権力vsメディア」慰安婦は普遍的人権問題!河野談話を露骨に否定!? 世界中で被害者を不当に黙らせようとする日本政府! ~岩上安身によるインタビュー 第959回 ゲスト 滋賀県立大准教授・河かおる氏(朝鮮近代史)(第3回「慰安婦」問題編)2019.9.15
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/457313
※シリーズ「政治権力vsメディア」冷戦構造の最前線・戦闘基地を韓国に担わせ米軍基地の7割を沖縄に押し付けて成立した戦後日本の「平和」の脆さ!岩上安身によるインタビュー 第966回 滋賀県立大准教授・河かおる氏(朝鮮近代史)(第4回「歴史」問題編)2019.11.4
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/460179
※明治大学教授・山田朗氏「歴史認識問題と徴用工問題を中心とした植民地支配の問題これは私達が正面から向き合わなければ これからの歴史が作っていけない」!! ~2.8「徴用工」問題から考える日韓関係学習会 2020.2.8
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/467085
■<IWJ取材報告 1>東京高裁が袴田事件の再審開始を決定!! 歓喜の中、弁護団は、検察の「特別抗告」についての警戒を解かず、「特別抗告をするな」と検察庁へ申し入れ!! ~3.13「袴田事件」東京高裁前での決定報告 ―登壇:袴田ひで子さん、袴田事件弁護団
2023年3月13日午後2時、東京高裁前にて、いわゆる「袴田事件」の再審開始決定の報告が行われました。
この日、あいにくの雨の中、袴田巌さんの再審無罪を求める実行委員会(アムネスティ・インターナショナル日本)、日本国民救援会、日本プロボクシング協会 袴田巖支援委員会、袴田巖さんの再審を求める会、袴田巖さんを救援する清水・静岡市民の会、袴田巖さんを救援する静岡県民の会、袴田さん支援クラブ、浜松・袴田巖さんを救う市民の会、無実の死刑囚・袴田巌さんを救う会、そして、報道関係者など、多くの人々が東京高裁前の歩道を埋め尽くし、「旗出し」の瞬間を、それぞれの想いをスピーチしながら、待ち続けていました。
「旗出し」は、スピーチ集会が始まって1時間が経過したころに行われました。「検察の抗告を棄却」、そして「再審開始」と書かれた旗がひるがえり、集まった人々は歓声をあげ、抱き合い、互いをねぎらいあいました。
その後、袴田巌さんの姉である袴田ひで子さんと、弁護団事務局長の小川秀世弁護士が現れ、報道陣のインタビューに応じました。
ひで子さん「みなさまありがとうございます。再審開始になりました。本当にうれしいです!! 闘って来た甲斐がありました。本当にありがとうございます!! ただうれしい! ただうれしい! 本当にうれしゅうございます。(中略)
あのねえ、ともかくねえ、私は56年間闘っているんですよ。この日が来るのを、本当に、心待ちにしておりました。これでやっと肩の荷が下りたという感じでございます。本当にありがとう!」
小川事務局長「私は、当然だと思っていたんですよ。…だけど、みんなが喜んでくれるから…本当にうれしい!!」
小川弁護士は、この「再審開始」の決定について、ひとつの懸念を口にしました。
小川事務局長「今日、検察官、検察庁に対して、『特別抗告』をするなという申し入れ(※)をしに行く予定でおります。ただ、決定の内容を見ますとね、『犯行着衣』ではないというところははっきりと否定してくれていますので、そういうところで、もう、検察官はね、何も、今まで立証もできなかったわけですから、もう抗告することは事実上できないと思います」。
※「袴田事件」再審開始支持決定を評価し、検察官特別抗告の断念を求める会長声明(日本弁護士連合会HP 2023.3.13)
https://www.nichibenren.or.jp/document/statement/year/2023/230313.html
もし、検察が「特別抗告」をすれば、再び最高裁において事件が審理されることになる。弁護団や支援者らは、取材に集まった報道関係者に向けて、「検察が『特別抗告』を断念するように、きちんと釘を刺してほしい」と何度も訴えました。
現在、特別抗告期限である3月20日に向けて、検察庁の「特別抗告」を阻止するための署名活動(※)も展開されています。袴田巌さんご本人、姉のひで子さん、そしてすべての支援者・関係者のみなさんの長過ぎる闘いに終止符を打つために、ぜひ、署名をお願いしたいと思います。
※【まだ可能性はあります】冤罪袴田事件、検察庁は再審開始を認めた東京高裁決定に対して特別抗告をしないでください。【特別抗告期限3月20日!!】★あなたの署名だけが必要です★寄付不要♪(change.org)
https://www.change.org/
詳細についてはぜひ全編動画をご視聴ください。
■<IWJ取材報告 2>袴田事件弁護団・事務局長 小川氏「『特別抗告』をするなんて考えられないし、するということになれば、検察のわけのわからない権限乱用であり、検察にあるまじき行為だと思う」~3.13日本弁護士連合会主催 袴田事件弁護団 記者会見
2023年3月13日午後2時に行われた東京高裁前での「袴田事件」の再審開始決定の報告を受け、同日午後4時から、東京都千代田区霞が関の弁護士会館にて、日本弁護士連合会主催で、袴田事件弁護団の記者会見が開催されました。
会見冒頭、日本弁護士連合会・会長の小林元治氏より、あいさつがあり、その中で、このたびの再審開始決定、そして、検察側から予想される「特別抗告」について、次のように述べました。
小林氏「すでに袴田巌氏は87歳と高齢になっておられます。検察当局におかれましては、最高裁判所に特別抗告をすることなく、速やかに再審公判に臨んでいただくということを強く求めたいと考えているところでございます。
先ほど東京高等裁判所の方で決定を出されました。この決定要旨を私も読みました。2つの点に注目したいと思います。
その1つは、袴田さん以外の第三者が味噌のタンクですね。タンク内に衣類を隠匿し、味噌漬けにした可能性は否定できない。こう言っております。その第三者とは、捜査機関も含まれ、事実上、捜査機関のものによる可能性が極めて高い。ここに踏み込んで指摘をしているところでございます。
2つ目は、原審の静岡地裁が再審開始決定に当たって、袴田巌氏に対する死刑及び拘置の執行を停止すると、こういう決定をされたわけであります。けれども、これにつきましても、袴田氏の年齢や心身の状況に照らして相当として支持できると言っておられる点であります。
この2点につきましては、注目をしたいと考えているところでございます。私ども、日本弁護士連合会は袴田事件支援委員会を設置し、これまで無罪を勝ち取るため支援を継続してまいりましたが、引き続き、無罪確定までこの支援を継続してまいりたいというふうに考えているところでございます。
あわせて再審法の改正、これも私ども、求めてまいりたいというふうに思っているところでございます。再審法改正とともに、冤罪防止のための制度改革こういったことに対しましても、日本弁護士連合会としては、今後とも活動を継続してまいりたいと思っているところでございます」。
続いて、袴田事件の再審請求人であり、袴田巌氏の姉である、袴田ひで子さんからあいさつがありました。
ひで子さん「袴田でございます。今日の決定は大変うれしく思っております。57年間闘ってきました。袴田巌は今日は来ておりませんが、再審開始になったということもまだ理解しておりません。再審開始はもう終わったと言っております。で、きょうは、あの付き添いの方に連絡だけいたしましたが、本人には家へ帰ってからゆっくり話をするつもりです。
そうすると、『当たり前だ』とよく簡単に話をされるんです。巌にすれば当たり前のことです。それが57年かかりました。兄が言っておりました。亡くなった兄が、30年もすればわかってくれるかなと言ってたんですが、30年どころではありません。57年かかりました。でも、大変うれしい。今日は本当にうれしゅうございます。
1980年の1審の高裁の決定のときには、本当に、大勢皆さまがおいでになりましたけど、みんな敵に見えました。私は何ですか、もう皆さん見てもみんな敵に見えたんですよ。それが日弁連を初め、皆さん弁護士さんたちのおかげでだんだんと薄れていって、今ではそんなことは決して思っておりません。
大変お世話になりました。長い裁判でこれほどお世話になりました。なお、これからも即時抗告があるかもしれませんが、それにも負けないで頑張ってまいります。どうもありがとうございました。大変うれしゅうございます」。
再審開始決定後の重要な問題である検察の「特別抗告」に関して、日弁連が発出した「検察官特別抗告の断念を求める会長声明」の内容について、日弁連副会長の増子孝徳氏より説明が行われました。
増子氏「本日の決定を受けまして、日弁連会長名で会長声明(※)を発出いたします。その内容についてご説明させていただきます。
※「袴田事件」再審開始支持決定を評価し、検察官特別抗告の断念を求める会長声明(日弁連ホームページ)
URL:https://www.nichibenren.or.jp/document/statement/year/2023/230313.html
当連合会は、死刑制度の廃止を訴えているところでございますけれども、本決定が確定して無罪となりますと5件目の死刑再審無罪事件となります。現在も、死刑冤罪事件が存在するということが明らかになるもの、このように考えております。
死刑の恐怖が、袴田氏の心身に与えた影響がはかり知れないことは想像に難くないところでございまして、当連合会といたしましては、検察官に対して本決定について最高裁に特別抗告を行うことなく、速やかに再審公判に臨むよう、強く求めております。
当連合会は、これからも袴田氏が無罪となるための支援を続けるとともに、また後ほどご説明申し上げますけれども、再審請求事件における証拠開示の法制化、検察官の抗告禁止をはじめとした再審法改正を含め、えん罪を防止するための制度改革の実現を目指して、全力を尽くしてまいりたい、このように考えております」。
また、袴田事件弁護団・事務局長の小川英世氏は、このたびの再審開始決定後、検察が「特別抗告」を行なう可能性について、次のように述べました。
小川氏「決定にも書いてありますけど、旧証拠は、何もその点について、十分な証拠はもともとなかったというようなことを言っているわけです。そういう意味では、この死刑事件であるにもかかわらず、この、一番重要な証拠について、本当にこんな欠陥があった判決だったということを、この決定は認めているものというふうに思います。
そういう意味では、検察官がこれに対してもう東京高裁で機会を与えられ、そして、新証拠も出しているにもかかわらず、そこのところは全くカバーできなかったし、旧証拠にも、その点について裏付けるものは何もないというふうに決定でも言われているわけです。
ですから、そういう意味では、『特別抗告』をするなんてことは、もちろん考えられないし、これに対して、するというようなことになれば、もう本当に検察がもうわけのわからない権限を乱用して、本当に、もう。検察のあるまじき行為だというふうに、私は思っています。(中略)
この事件は、もうこれで早く速やかに再審開始を決定して、巌さんに早く無罪の声をかけてあげることが、もう本当に巌さんの今の状態から脱するための不可欠の条件だと私は思っていますので、ぜひ、それに対して皆さん方も支援をまた続けていただきたいというふうに思います。
3月17日現在、検察が東京高裁の決定を不服として、「特別抗告」を検討していると報道されています。(※)
※袴田さん再審、特別抗告へ 検察、高裁決定に不服
2023年3月16日 21時31分(共同通信)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/238477
※袴田事件、特別抗告の方向 再審開始に不服、検察側協議―審理15年、さらに長期化(時事ドットコムニュース
2023年03月16日21時35分)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2023031601278&g=soc
検察側の特別抗告期限は3月20日(月)となっており、その日までに検察が最高裁に特別抗告をしなければ再審開始決定が確定する。つまり、やり直しの裁判が開始されます。
詳細についてはぜひ全編動画をご視聴ください。
■IWJ書店新刊入荷! ジャーナリスト田崎基氏の直筆サイン入り!!『ルポ 特殊詐欺』を10冊限定で、IWJ書店から販売いたします!
今月の3月7日および13日に、岩上安身による連続インタビューに出演された、神奈川新聞報道部デスクの田崎基(たさきもとい)氏の直筆サイン入りの本を、限定10冊で、IWJ書店から販売いたします。
世間を震撼させている連続広域強盗事件(「ルフィ」事件)発覚の3ヶ月も前に上梓された『ルポ 特殊詐欺』(ちくま新書、2022年11月10日)は、新聞社の報道部に身を置く著者の田崎氏が、綿密な取材にもとづいて書かれたルポルタージュです。
こちらは、会員限定の商品になります!
『ルポ 特殊詐欺』(田崎基氏直筆サイン入り)
https://iwj.co.jp/ec/products/list.php?category_id=16
この機会に、会員でない方は、ぜひとも、会員登録していただいて、ご購入ください!
下記のURLから会員登録いただけます。
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岩上安身による田崎氏へのインタビューは、下記から閲覧・ご視聴いただけます!
※「今の特殊詐欺グループは、自転車の車輪がいくつも存在していて、そのハブのスポークが、また別の車輪のハブになっているみたいな円環構造」~岩上安身によるインタビュー第1111回 ゲスト 神奈川新聞報道部デスク・田崎基氏 2023.3.7
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/514596
※背後に「暴力団」が関与し凶悪化する「特殊詐欺」を「高齢者差別」が後押し! ルフィ事件と、高齢者に「集団自決」を求めた成田悠輔氏の発言は同根の大問題! 岩上安身によるインタビュー第1112回 ゲスト『ルポ特殊詐欺』著者・神奈川新聞報道部デスク田崎基氏 第2回 2023.3.13
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/514705
それでは、本日も1日、よろしくお願いします。
※日刊IWJガイドのフルバージョン(会員版)は下記URLより御覧ください。
https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20230318
IWJ編集部(岩上安身、六反田千恵、浜本信貴、尾内達也、前田啓)
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