日刊IWJガイド・非会員版「東京高裁が検察の抗告を棄却、袴田巌さんの再審開始が決定!!」2023.3.14号~No.3834号


┏━━【目次】━━━━
■はじめに~東京高裁が検察の抗告を棄却、袴田巌さんの再審開始が決定!! 姉の秀子さん「本当に嬉しい。この日が来るのを本当に心待ちにしていた」! 小川秀世弁護団事務局長は「高裁決定の内容は、犯行着衣ではないということをはっきりと否定。抗告は事実上できない」と報告!!

■IWJは創業以来、最大の経済的危機です! 2月のご寄付は173件、241万6500円、目標達成率62%でした! ご寄付をお寄せいただいた皆さまありがとうございました! しかし2月の月間目標額より38%下回っており、毎月、累積赤字が増え続けている状況で、第13期の7ヶ月間の累積の不足分は1655万4500円です!「新たな戦争前夜」にあって、偏向メディアにかわり、正確な情報をお届けすべく、IWJは全力で頑張り抜きますので、3月こそは少なくとも月間目標額390万円を達成できますよう、また累積の不足分を少しでも減らせますよう、緊急のご支援・ご寄付・カンパのほど、どうぞよろしくお願いします!

■「ウクライナでの戦争とその背景についての報道には特に考えさせられるところが非常に多いです」、「IWJがマスメディアと異なり、ウクライナ紛争に関して客観的な情報を提供していることに感謝しています」、ご寄付者様からメッセージをいただきました! ここに感謝を込めて紹介させていただきます!

■<お詫びと訂正・日刊IWJガイド3月12日号の誤り>

■【中継番組表】

■<インタビュー報告1>超高齢化社会は詐欺の時代だった! 岩上安身による 神奈川新聞記者 田崎基氏インタビュー 第2弾を配信しました!

■<インタビュー報告2>「ノルドストリーム1、2」を爆破したのは米国か否か? そもそも「ノルドストリーム」とは何か!? なぜ爆破されなければならなかったのか!? 岩上安身によるJOGMEC(独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構)調査課長原田大輔氏インタビュー第3回

■米国で暗号資産とハイテクスタートアップをターゲットにしていた中堅銀行3行が「取り付け騒ぎ」で相次いで破綻! 急激な利上げが保有する米国債の価値を低下させ、業績悪化の発表で顧客が現金引き出しを加速させる悪循環! 影響で週明けの日経平均も一時500円安! 2008年のリーマン危機の再来!? 米国債を大量に抱える日本は大丈夫か!?
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■はじめに~東京高裁が検察の抗告を棄却、袴田巌さんの再審開始が決定!! 姉の秀子さん「本当に嬉しい。この日が来るのを本当に心待ちにしていた」! 小川秀世弁護団事務局長は「高裁決定の内容は、犯行着衣ではないということをはっきりと否定。抗告は事実上できない」と報告!!

 おはようございます。IWJ編集部です。

 東京高裁は13日、「袴田事件」で検察の抗告を棄却し、袴田巌さんの再審開始が決定しました。IWJは東京高裁前から生配信しました。

 東京高裁前で記者団の前に現れた姉の袴田秀子さんは、「本当に嬉しいです。56年間戦ってきたんです。この日が来るのを本当に心待ちにしておりました。これでやっと、肩の荷がおりたという感じです。本当にありがとう」と、安堵をにじませました。

 また、同席した小川秀世弁護団事務局長は、「私は当然だと思っていたんですよ。だけど、みんな(支援者)が喜んでくれるから、本当にうれしい」と、涙声で喜びを語りました。

 1966年に静岡県清水市(現静岡市)のみそ製造会社専務宅で起きた一家4人殺害事件で、容疑者として逮捕され、1980年に最高裁で死刑が確定した袴田巌さん。しかし、弁護団による再審請求に対し、静岡地裁は2014年、再審開始と死刑及び拘置の執行停止を決定し、袴田さんは東京拘置所から釈放されました。

 ところが、静岡地方検察庁が東京高裁に即時抗告し、東京高裁が2018年に再審開始を認めない決定をしたため、袴田さんは現在も「死刑囚」のままだったのです。これに対して最高裁は2020年、審理が不十分だとして東京高裁に審理を差し戻しました。

※「袴田事件」の再審開始判断が13日に東京高裁で下される! 今度こそ、検察は特別抗告をせず、再審の確定を!(日刊IWJガイド、2023年3月12日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51990#idx-4

 焦点となったのは、袴田さんが犯行時に着ていたとされる衣類に付着した血痕の色調の変化です。確定判決では、事件発生から1年2ヶ月後にみそタンクから発見された衣類に残されていた血痕が「赤味がある」状態だったとされています。

 しかし、弁護側の実験では、血液を付着させた布は短時間で黒褐色に変化しました。一方、東京高検は、脱酸素剤や真空パックを用いた、非現実的な実験にもとづいて、赤みが残る可能性を主張しました。

※袴田さん差し戻し審 血痕「赤み 残りうる」検察証人言及、弁護団は批判(静岡新聞、2022年8月2日)
https://www.at-s.com/news/article/shizuoka/1102147.html

 13日、東京高裁前の会見で、小川弁護士は、「今日、検察に対して特別抗告をするなという申し入れをしに行く予定」だと明らかにした上で、次のように語りました。

 「ただ、決定の内容を見ますと、犯行着衣ではないということを、はっきりと否定してくれていますので、検察は今まで何も立証できなかったわけですから、抗告することは事実上できないと思います」と、見通しを語りました。

 13日の東京高裁前の報告と、その後、日弁連で行われた弁護団による記者会見は、編集が終わり次第、IWJのYouTubeチャンネルとIWJサイトにアップいたします。

 また、本日14日は午後12時から、この高裁決定を受けた報告集会を【IWJ・Ch4】で生配信いたします。詳細は、後段の中継番組表をご確認ください。

■IWJは創業以来、最大の経済的危機です! 2月のご寄付は173件、241万6500円、目標達成率62%でした! ご寄付をお寄せいただいた皆さまありがとうございました! しかし2月の月間目標額より38%下回っており、毎月、累積赤字が増え続けている状況で、第13期の7ヶ月間の累積の不足分は1655万4500円です!「新たな戦争前夜」にあって、偏向メディアにかわり、正確な情報をお届けすべく、IWJは全力で頑張り抜きますので、3月こそは少なくとも月間目標額390万円を達成できますよう、また累積の不足分を少しでも減らせますよう、緊急のご支援・ご寄付・カンパのほど、どうぞよろしくお願いします!

 おはようございます。IWJ代表の岩上安身です。

 いつもIWJをご支援いただきまして、誠にありがとうございます。

 IWJの第13期も半期の折り返しを過ぎ、この3月で8ヶ月目に入りました。

 2月1日から28日までの28日間でいただいたご寄付は、173件、241万6500円でした。これは、単独月間目標額390万円の62%に相当します。ご寄付をお寄せいただいた皆さま、まことにありがとうございました。大切に、効果的に使わせていただきます。

 しかし、月間の目標額より38%下回っており、毎月、累積赤字が増え続けていることにはかわりありません! 今月3月こそは、390万円という月間目標額をクリアし、できれば積み上がった赤字部分を少しでも皆さまのお力で削らせていただきたいと存じます! 3月の不足分も含めて、第13期の目標の累積してしまった不足額は1655万4500円に達しています!

 3月の1日から10日までの10日間でいただいたご寄付は、45件、61万7400円となっています。これは月間目標額390万円の16%にあたります。ご寄付をお寄せいただいた皆さま、まことにありがとうございます。

 3月の月間目標額達成まで、あと84%、328万2600円が必要です! ぜひ、皆さま、今月こそは達成できますよう、どうぞ緊急のご支援をお願いしたいいたします!

 IWJの内部留保も底を尽き、キャッシュフローが不足したため、私、岩上安身が、個人的な私財から、500万円かつ2回にわたってIWJにつなぎ融資しました。

 私がこれまでにIWJに貸し付けてまだ未返済の残高は約600万円。これにつなぎ融資1000万円と合計すると、IWJへの私の貸し付け残高は約1600万円にのぼります。

 私の貯えなどたかがしれていますから、この先も同様の危機が続けば、私個人の貯えが尽きた時、その時点でIWJは倒れてしまいます。

 皆さまにおかれましても、コロナ禍での経済的な打撃、そしてこのところの物価上昇に悩まされていることとお察しいたします。

 しかし、ご寄付が急減してしまうと、たちまちIWJは活動していけなくなってしまいます。IWJの運営は会員の方々の会費(最近の流行語ではサブスク)とご寄付・カンパ(最近の用語でいえばドネーション)の両輪によって成り立っていますが、それが成り立たなくなってしまいます。

 2023年、「新たな戦争前夜」を迎えて、私、岩上安身とIWJは、少しでも正確な情報を皆さまにお届けできるように、その結果として、日本が戦争突入という悲劇に見舞われないように、無謀な戦争を断固阻止するために全力で頑張ってゆきたいと思います。

 先月、2月における、最も特筆すべきエポックメイキングな出来事は、ピューリッツァー賞を受賞した経歴をもつ、米国屈指の独立調査報道ジャーナリストであるシーモア・ハーシュ氏が、米国が、ノルウェーと協力し、ドイツとロシアを直接つなぐ天然ガスパイプライン・ノルドストリームを爆破したという驚愕のスクープを出したことでしょう。日本の新聞・テレビなどのメインストリームメディアは、一切このスクープを報じませんでした。

 IWJは、全文の仮訳を進め、全4回を号外でお送りしました。

※【IWJ号外】ドイツとロシアを結ぶ天然ガスパイプライン・ノルドストリームを爆破したのは、米国だった! ピューリッツァー賞を受賞した米国の最も著名な独立調査報道ジャーナリスト、シーモア・ハーシュ氏が大スクープ!(その1~4)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e3%82%b7%e3%83%bc%e3%83%a2%e3%82%a2%e3%83%bb%e3%83%8f%e3%83%bc%e3%82%b7%e3%83%a5

 私は、ロシア軍がウクライナに侵攻して1年となる2月24日の岸田総理会見で、ハーシュ氏のスクープについて岸田総理に直接、質問しました。

 私が「日本政府は、このノルドストリーム爆破疑惑について、独自に検証や調査を行なっているのでしょうか?」と質問したのに対し、岸田総理は、「米政府は完全なるフィクションであるという評価をしております」「ノルウェー外務省もナンセンスと言っています」「多くの国においてこうした記事に関しては、否定的な評価がされている」とはぐらかし、日本政府・日本国総理としての判断を示しませんでした。

※【IWJ代表:岩上安身質問】ノルドストリーム爆破疑惑について、日本は独自に検証や調査を行なっているのか?岸田内閣総理大臣記者会見ー令和5年2月24日(Movie IWJ)
https://www.youtube.com/watch?v=9uUrTxr_Mss

※はじめに~岩上安身が岸田総理に対して会見で質問!~(日刊IWJガイド、2023年2月25日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51926#idx-1

 このウクライナ紛争は、米国主導の戦争です。

 ハーシュ氏のスクープが事実であれば、米国は、同盟国のドイツも多額の出資をしたノルドストリーム・パイプラインを爆破し、ドイツとロシアの仲を引き裂き、ウクライナを戦場にして、欧州とロシアの友好的な関係を完全に破壊し、欧州に天然ガスと石油を高値で売りつけて市場を奪い取ったということになります。

 IWJでは、独自のIWJ検証レポートで、ノルドストリームの建設の経緯から、完成したもののウクライナ紛争の勃発と制裁によって使用できなくなり、さらに爆破に至るまで、断続的に連載してお伝えしています。この経緯を知ると、ウクライナ紛争以前から、米国がノルドストリームを何としても阻みたいと思っていたという事実が明らかになります。

 3月3日・4日には、この日刊IWJガイドで、レポートの第5弾と第6弾をお届けしました。ノルドストリームの建設の経緯で、米国が他国のプロジェクトだというのに、理不尽にもどれだけ不当に介入し、身勝手な制裁を加え続けてきたことか、これまで日本ではまったく報じられなかった事実をお伝えします。

 さらに10日の日刊IWJガイドに「その7」、12日には「その8」、そして13日の日刊IWJガイドには、(その9)を掲載しています。ぜひ、御覧ください。

※IWJ検証レポート!「米国が狙った独露間の天然ガスパイプライン・ノルドストリームの阻止!! その9」~米国の制裁に対してロシアは自前で「ノルドストリーム2」を完工! しかし、遂に稼働することのないままウクライナ紛争が勃発!(日刊IWJガイド、2023年3月13日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51993#idx-5

※IWJ検証レポート!「米国が狙った独露間の天然ガスパイプライン・ノルドストリームの阻止!! その8」~ロシア・ガスプロム社は米国の制裁に対抗し自力で「ノルドストリーム2」を完工! ナワリヌイ氏毒殺未遂事件を契機に、米国はさらなる制裁へ!(日刊IWJガイド、2023年3月12日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51990#idx-5

※IWJ検証レポート!「米国が狙った独露間の天然ガスパイプライン・ノルドストリームの阻止!! その7」~なぜ、米国はロシア産天然ガスを敵視し、「ノルドストリーム2」建設を阻止に動いたのか?(日刊IWJガイド、2023年3月10日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51982#idx-6

※IWJ検証レポート!「米国が狙った独露間の天然ガスパイプライン・ノルドストリームの阻止!! その6」~2019年末、米国は再びノルドストリームに制裁を発動、あと160kmを残すのみとなったノルドストリーム2を建設中止へ追い込む!(日刊IWJガイド、2023年3月9日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51980#idx-4

※IWJ検証レポート!「米国が狙った独露間の天然ガスパイプライン・ノルドストリームの阻止!! その5(続編)」(日刊IWJガイド、2023年3月4日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51958#idx-7

※IWJ検証レポート!「米国が狙った独露間の天然ガスパイプライン・ノルドストリームの阻止!! その5」(日刊IWJガイド、2023年3月3日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51950#idx-6

 ハーシュ氏のスクープが事実であれば、米国は、国家テロを起こして、他国を都合よく操作する、邪悪な帝国主義国家である、という疑惑が急浮上したことになります。こんな「帝国」によって、日本はウクライナと同様に、次に米国が仕掛ける対中戦争の「代理戦争」のコマとされるかもしれないことに、日本国民は真剣な疑念と危機感を抱く必要があります。

 他方で、10日、号外を2本出しました。号外の1は、かつてハーシュ氏が記者として勤務していたこともあるニューヨーク・タイムズが、ハーシュ氏のスクープを打ち消すような記事を掲載した件についてです。

 「米当局者」を情報源とするこの記事は、ノルドストリームの爆発は、親ウクライナ過激派と反プーチンのロシア人による犯行とし、米国と英国は無関係とわざわざ断りを入れています。

 ハーシュ氏のスクープを一切報じなかった、西側の大メディアは、このニューヨーク・タイムズの記事にとびついて報道し、あわせて、1ヶ月あまり無視していたハーシュ氏のスクープにも言及して、いかにも「バランス」をとったように見せかけ、あげくハーシュ氏のスクープを中国やロシアが取りあげているのは、「情報戦」だ、などと決めつけています。号外の2で報じたNHK・BSの番組などは、その典型です。この番組自体が、プロパガンダのひとつだともいえます。

 こうした「情報戦」が起こるということは、このノルドストリームの爆破がいかに重大な出来事だったのか、ウクライナをたきつけて、同国内のロシア系住民を痛めつけ、ロシアを挑発して誘い出し、戦端の幕を切って落とさせたのは、このノルドストリームを何としても止めたい、という米国の強い国家意志があったからだ、ということを、こうしたノルドストリーム建設の経緯と、米国が、間接的に説明しているように思われます。

 岸田文雄総理は、1月早々に昨年末閣議決定した「改定版安保3文書」を携えて訪米、バイデン大統領と会談し、日本の軍拡をバイデン大統領から賞賛されて岸田総理は鼻高々でした。

 しかし国会での議論と承認がなされなくても、閣議決定し、米国からの承認があれば軍拡のアクセルを踏んでしまう岸田政権は、日本の主権を米国に丸投げしたも同然です。米国を守るために日本が代わりに犠牲となり、日本は米中の「代理戦争」の戦場とされてしまいます。

 上記の24日の岸田総理会見で、私は、「米国は誠実な同盟国なのかどうか、疑いの出ている中、日本の安全保障を米国に丸ごと委ねていていいのか」、「有事の際の自衛隊の指揮権まで米国に渡してしまっていいのか」と問いました。

 岸田総理は「自衛隊及び米軍は、各々独自の独立した指揮系統に従って行動をする、これはいうまでもないこと」などと、自衛隊の指揮権は独立して存在しているかのように述べました。

 しかし、この総理の発言は、事実と異なります。従来の幕僚長を事実上廃止し、新たに米軍との「統合司令部」を設置する「安保3文書」の改定は、自衛隊を米軍の司令下におく「2軍」にしてしまうものです。

 昨年12月15日に私がインタビューした、元外務省国際情報局長・孫崎享氏は、「日本がミサイルみたいなものを持つ。しかし、(ミサイルを撃つ目的地を指示するのは米国で)日本人自身が判断はできないんですよ」と語っています。

孫崎氏「これ(ウクライナ紛争)、日本でも同じことが起こるんですよ。例えば、ロシアの戦車がいますよね。それを『撃て』と。じゃ、その『撃て』という指示がどこから来るのか。

 当然ながら、(ロシアの戦車の位置などの情報は)情報衛星で取っているわけです。その情報衛星は誰が運営しているかと言ったら、ウクライナ人が運営してるわけじゃないわけだから、アメリカですよね。

 だから、戦争で『どこに撃て』という指示は、ウクライナは引き金を引いてるかもしれないけれども、指示はアメリカから来ているわけですよ。

 例えばロシア(領内のロシア空軍基地の)飛行場に(ウクライナ側がドローンで)撃ちましたよね。『このポイントに撃った方がいい』というのをウクライナ人が判断しましたか。してないんですよ。

 おそらく、それと同じことは東アジアで起こるんですよ。日本がミサイルみたいなものを持つ。その時に、どこか、目的地に向かって撃つ。しかし、その目的地を日本人自身が判断はできないんですよ」

※「ウクライナと同じで戦場になってガチャガチャになるのは日本だけ」~12.15 岩上安身によるインタビュー第1107回 ゲスト 元外務省国際情報局長 孫崎享氏インタビュー 2022.12.15
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/512936

 自衛隊が米軍と司令部を統合してしまい、自身で状況判断するための目と耳(情報衛星他)をもたず、独自に判断する頭(内閣に直結した独立した司令部)をもたない、そんな日本が、安全保障において、米軍から独立した主権をもつ、といくら岸田総理が口先だけで言っても、自衛隊のおかれたリアルな現実を国民に説明していることにはなりません。

 2月28日、衆議院本会議は与党の賛成多数で、「安保3文書」の改定を踏まえ、防衛費を大幅増額した2023年度予算案を可決しました。過去最大の114兆3812億円に上る2023年予算案は、参議院が仮に可決せずとも、3月中に自動成立してしまいます。

 日本は、このまま米国追従を続け、米国の一極覇権を支えるために、日本自らは世界最悪の財政危機に直面しているというのに、米国の要請に従って、軍拡という重い財政支出を重ねてゆくのはあまりに愚かではないでしょうか!?

 そもそも日本が依存している米国は、誠実な、信頼に値する同盟国といえるのでしょうか!? その問いに対する回答を得るためには、ノルドストリームを爆破したのが誰か、ハーシュ氏のスクープは正しいのか、間違っていたのか、知る必要があります。

 日本は、米国への依存から脱却をはかり、独立した主権国家として、そもそも「敵」を作らない、多極的な外交姿勢をめざすべきではないでしょうか?

 皆さまにはぜひ、マスメディアが真実を伝えない、こうした問題について、IWJが追及を続けてゆくために、どうか、会員登録と緊急のご寄付・カンパによるご支援をどうぞよろしくお願いしたく存じます。

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店番号 057
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城南信用金庫
支店名 新橋支店
店番号 022
預金種目 普通
口座番号 472535
口座名 株式会社インディペンデント.ウェブ.ジャーナル

ゆうちょ銀行
店名 〇〇八(ゼロゼロハチ)
店番 008
預金種目 普通
口座番号 3080612
口座名 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル カンリブ

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 どうか、ご支援のほど、よろしくお願い申し上げます!

岩上安身

■「ウクライナでの戦争とその背景についての報道には特に考えさせられるところが非常に多いです」、「IWJがマスメディアと異なり、ウクライナ紛争に関して客観的な情報を提供していることに感謝しています」、ご寄付者様からメッセージをいただきました! ここに感謝を込めて紹介させていただきます!

 ご寄付者様からメッセージをいただきました。

 メッセージひとつひとつに、岩上安身が返信を書かせていただきます! ぜひ嬉しい励ましのメッセージ、あるいは、ご質問やご提案などにもお答えしますので、お寄せください! ただし、会員の方で、ご寄付者様からのメッセージのみとさせていただきます!

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 ウクライナでの戦争とその背景についての報道には特に考えさせられるところが非常に多いです。

(M.K. 様)

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 M.K. 様

 ありがとうございます!

 昨日の原田大輔氏をお招きしてのインタビュー、御覧になっていただけたでしょうか? 過去2回、インタビューしていますが、今回は爆破されたノルドストリームの歴史と、なぜ、誰によって爆破されたのか? という話をしていますが、今回は爆破されたノルドストリームの歴史をたて糸にしてつぶさに見ていくと、誰がこのプロジェクトを煙たく思っていたか、はっきりわかります。

 昨日の2時間半では、終わりませんでしたが、できるだけ近いうちにインタビューの続編をやりますので、ぜひ、ご期待ください!

 IWJの経営は、かなり厳しいです。今後とも、ご支援をどうぞよろしくお願いします!

岩上安身

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 メール拝読させていただきました。

 IWJがマスメディアと異なり、ウクライナ紛争に関して客観的な情報を提供していることに感謝しています。

 セイモア・ハーシュの訳文も読ませていただきました。私も彼の言う通り米国主導の秘密作戦だと考えています。

 理由その一は動機、世界での覇権を維持するためには可能性のある同盟国(ドイツ)をも経済的にも社会的にも破壊する。日本も1980~90年代に同様の方法をとられました。

 次にあのような技術的に複雑で困難な破壊工作をできるのは米国ぐらいしかいないこと(海底パイプラインの構造はとても頑丈にできている)。第三番目はあの島周辺の地域はNATOの厳重な監視下にあり、NATO内部の国しかすきを見つけられないこと。

 今回の田代さんのインタビュー。最初音が悪いのでライブでの視聴はあきらめましたが、アップされてから全編を見させていただきました。

 やはり田代さんですね。様々なコメントが意表を突くものばかりでした。エコノミストの立場からみれば、今の日本政府および一般国民が軍備拡張を声高に述べても果たして実現可能性があるのかということを冷徹に見ていました。

 田代さんの言う通り、税金を大幅にあげれば、そのことはボディブローのように国債の値下げ=金利上昇につながります。国債発行で調達しようとすればそれも金利上昇につながり、日本国債の格付けが下がります。いずれにしても、どう資金を調達するのか、果たして市場に影響しない形で調達できるのでしょうか。

 今回あまり触れられませんでしたが、出生率の低下も大問題です。隣の韓国では特殊出生率が1を割ってから久しいようですが、その結果何が起きているのかを日本の人々は知るべきでしょう。

 まずは学校が統合されて次々に閉鎖されていく。徴兵該当者数も減るので軍営も減少。景気が回復している造船業で労働者を募集するも人が足りない。

 日本で勇ましいことを言っても、自衛隊の年齢制限は、今や32歳まで引き上げても定員割れです。そのような現実も機会を見て取り上げたらと思います。

 最期にサポート会員を続けながら寄付することはとてもできません。そのかわり、今年の7月ごろに再度サポート会員費を支払う予定です。

 皆様のご健闘を心から応援しています。

(K.S. 様)

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 K.S. 様

 ありがとうございます。

 田代秀敏さんが2月17日の私のインタビューに応じて、詳細に解説してくださったように、日本の財政は「ありえない」水準に至っています。

※「次の日銀総裁になるということは、火を噴いている船の船長になれということ」「今や日本は『衰退途上国』」~岩上安身によるインタビュー第1110回 ゲスト エコノミスト・田代秀敏氏 2023.2.17
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/514129

 なのに、日本政府は国債を増発して、米国の兵器を購入する予算を組んでいる。身の丈にあっていない財政支出です。このように、中国といたずらに軍事的な緊張を高めていった先に、何が「ゴール」として見えているのか、さっぱりわからない政治が続いています。

 特に、3月10日のサウジとイランの歴史的和解を中国が仲介して、北京で発表したことは、中東に中国の影響力が強くおよび、代わりに米国の影響力が一気に衰退してしまったことを強く世界に印象づけました。今後、中国と中東諸国との間で同盟関係の構築も予想されます。

 石油輸入の9割を中東に依存しているという現実は、一朝一夕に変えられません。普通に考えれば、日本は中国とますます戦争ができない国になった、ということになります。

 この自覚が、日本政府、マスメディアや、一般国民の間に、生まれているかどうか、相当に怪しいと思いますし、そういう無自覚な日本は、相当に危なっかしい、とも思います。

 この上さらに、米国追従を続けていけば、「必敗」の対中戦争に突入して、滅びの道をたどるだけです。今こそ、政治を変えていく必要があります。IWJは、何ものにも忖度せず、かき、どこよりもシャープな視点で国内外の状況をお伝えしていきます。

 どうぞ、今後ともご支援のほど、よろしくお願いします。

岩上安身

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■<お詫びと訂正・日刊IWJガイド3月12日号の誤り>

 平素より、日刊IWJガイドを御読みいただき、ありがとうございます。

 日刊IWJガイド3月12日号に、岩手県田老町を、宮城県田老町とした誤った表記がございました。大変申し訳ありませんでした。

 IWJサイトで修正しましたことをここにご報告し、謝罪いたします。

※はじめに~東日本大震災・東京電力福島第一原子力発電所事故の3.11から12年、WBC侍ジャパンも黙祷、被災地・東京、各地で犠牲となった方々を悼む集会などが開催されました(日刊IWJガイド、2023年3月12日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51990#idx-1


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◆中継番組表◆

**2023.3.14 Tue.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【IWJ・Ch4】12:00~「今度こそ!誤った裁判のやり直しを『袴田事件』高裁決定報告集会」
視聴URL:https://twitcasting.tv/iwj_ch4

 「袴田事件弁護団」、「袴田巖さんの再審無罪を求める実行委員会」共催の集会を中継します。これまでIWJが報じてきた袴田事件関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e8%a2%b4%e7%94%b0%e4%ba%8b%e4%bb%b6
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【IWJ・Ch5】15:50メド~「林芳正 外務大臣 定例会見」
視聴URL:https://twitcasting.tv/iwj_ch5

 林芳正外務大臣による記者会見を中継します。これまでIWJが報じてきた外務大臣関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e5%a4%96%e5%8b%99%e5%a4%a7%e8%87%a3

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◆中継番組表◆

**2023.3.15 Wed.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【IWJ_YouTube Live】18:00~「3.15院内集会 映画『原発をとめた裁判長 そして原発をとめる農家たち』上映後の元福井地裁裁判長 樋口英明氏講演」
視聴URL:https://www.youtube.com/user/IWJMovie/featured

 「戦争をさせない1000人委員会」、「立憲フォーラム」主催の講演を中継します。これまでIWJが報じてきた樋口英明氏関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e6%a8%8b%e5%8f%a3%e8%8b%b1%e6%98%8e

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■<インタビュー報告1>超高齢化社会は詐欺の時代だった! 岩上安身による 神奈川新聞記者 田崎基氏インタビュー 第2弾を配信しました!

 3月13日の岩上安身の連続2本のインタビューの1本目は、神奈川新聞記者 田崎基氏インタビュー第2弾でした。

 岩上安身は、ルフィ事件の発覚から、並々ならぬ関心をこの事件に寄せてきました。

 岩上が、この事件に強い関心を寄せたのは、この事件が、高齢者だけがターゲットとなるのではなく、若い人から働き盛りからリタイアした人まで、ほとんど、全世代が、被害者にもなり、加害者にもなりえる、という認識からでした。

 それを岩上は、端的にこう表現しました。

「超高齢化時代は詐欺の時代だった」

 その意味で、この田崎基氏への連続インタビューの目的は、進化する特殊詐欺の被害者にも加害者にもならないための「リテラシー」を提供することにあります。

 第2弾のインタビューの中心テーマは、主に3つあります。

 1つは、いわゆる古典的なオレオレ詐欺が現在どういう変質を遂げているのか。

 これは、犯罪の形態が電話を使っただけのオレオレ詐欺から、被害者宅に直接押しかけて、強迫や強盗や強盗致死などに至らしめる「犯罪の凶悪化・粗暴化」といった面があります。

 田崎記者は、この特殊詐欺の変質が顕著に表立ってきたのは、2021年からで、その結果が「ルフィ」事件であり、この急激な変化は、コロナ禍による失業が、きっかけのひとつになっている、と指摘します。

 重要な変質が、組織犯罪という観点から見た変質です。

 これまで、オレオレ詐欺は、捜査陣による一網打尽が可能な、かけ子の拠点がありました。組織は指示役やかけ子(電話をかける)、受け子(被害者宅まで行き、現金あるいはキャッシュカードを騙し取る)、出し子(被害者口座から現金を限度額まで引き出す、あるいは別口座に限度額まで送金する、回収役・ライダー(引き出した現金を回収する、出し子が兼務することもある)、リクルーター(それぞれの役割をリクルートする)などの分業が、一つの命令系統で統一されていました。

 かけ子の拠点を一網打尽にすれば、命令系統を上にたどり、使用者責任を特定することができたのです。

 この一網打尽と命令系統の追跡を避けるため、特殊詐欺集団は「進化」してきました。

 現在の変質したオレオレ詐欺は、役割の分業から、アウトソーシングへ移行し、それそれの役割が「業者化」し、独立したために、実行役を捉えても、命令系統は、縦につながっていないのです。

 田崎記者は、この点を具体的に次のように説明しています。

 「私が実行犯から聞いたのは、かけ子の『業者』って言っていましたね。かけ子の業者から『刺さった案件があるよ』(詐欺被害に遭った人)と言って指示役に連絡が来る。ですから、この指示役はかけ子とは別系統の指示系統にいるんですよね。かけ子の業者からリクルーターだったり、その指示役だったりに連絡が来て、受け子・出し子を派遣する」

 いわば、組織がピラミッド型から、複数の命令系統が併存する円環型へ変質したと田崎記者は指摘します。

 2つ目の中心テーマは、現在、具体的にどのような特殊詐欺の種類があるのか、という話です。

 ここで、古典的なオレオレ詐欺に加えて、預貯金詐欺、架空料金請求詐欺、キャッシュカード詐欺盗など、約10のバリエーションが語られます。それぞれが、どのような詐欺で、どうのように対処すればいいのか、防犯のためにも、ぜひ、ご視聴いただきたいと思います。一般の市民が手口を知らないと、やすやすと詐欺被害にあってしまう恐れがあります。

 田崎記者は、手口は、現在も変化しているので、11番目の詐欺が実際行われている可能性があると指摘します。

 そして、インタビューの3つ目の中心テーマが、「金主」の問題です。

 これは、岩上が暴力団との関連性を指摘し、特殊詐欺が単なる詐欺ではなく、暴力団が上部に君臨する構造を持ち、犯罪の投資を暴力団が行っていると指摘してきた点です。

 金主の問題について、田崎記者はこう述べています。

田崎記者「この分野は、私、裏が取れていないですし、会ったこともないですが、こういった存在(金主)がいるんだよいうことは、下の方の方々からは聞いてはいますけれど、実態がつかめない。ここ(パワーポイントの説明)ではヤクザを含めて書かれていますけど、どういう存在なのか、明らかではないと思います」

岩上「ヤクザは任侠道が表向きはありますから、こういうことをやるのはご法度だったんですよ。(中略)だけど、表と裏は違うのが現実だったわけじゃないですか。それと同じように、市民のみなさんに対し強盗殺人などあってはいけないと。そういうことがあったら許せないと。

 (ヤクザの中で)ルフィグループと関連しているんじゃないかと言われているようなところは、今、戦々恐々としている。うちは関係ないと言っていますが、(中略)常に(ヤクザの)名前が上がっているわけですよね。犯罪収益のあるところというのは、結局ケツもち(暴力団が個人や企業や商店等を庇護下に置き、用心棒代など対価を得る行為)を持たないとやっていけないという話があります。

 というのは、たとえば、蛇の道は蛇で情報が流れますよね。その情報が入れば、金庫がここにあるよというのがわかって、一般の人の金庫を狙って叩きに入る(強盗に押し入る)のと同じように、不良グループがそこに叩きに入るということがあるわけじゃないですか。

 そのとき、ケツもちがいないと、(対価を)取り返すこともできないわけじゃないですか。そういう意味でみかじめを持っていないと、強い組織がバックにないと、こういうことはできないんじゃないか」

田崎記者「一つ言えることは、特殊詐欺とそこから凶悪化した粗暴化した強盗とか窃盗とか押し込み強盗の一連の構図の中に、周辺者も含む暴力団等が何らかの形で関与しているということは私の取材の中でもわかっています。

 それがたとえば、金主という形で資金源となっているのか、他人名義のSIMカードを調達してきて、供給しているのか、あるいは、名簿を統括して、きれいに洗って精度を高めたものを供給するとか(後略)」

 この後、詐欺の加害者になった場合、ヤクザとの関係で、どのような大きなリスクがあるのか、といった話題につながってきます。

 さらに、「金主」が具体的な犯罪の指示を出しておらず、犯罪の具体的な中身を知らないという意味で、お金の流れを摘発する民事の使用者責任を問えるのか、また、末端の実行役が犯した強盗殺人の刑事責任を問えるのか、という問題が語られます。

 もっとも重要な役割である「金主」を、きちんと摘発できる法制度が弱いのです。

岩上安身は、今回のインタビューの区切りとして、「ルフィ」事件に象徴される「特殊詐欺事件の変質」で注目すべき3点を次のように述べています。

岩上「ルフィ事件はこれからも、折々報じられていくんでしょう。しかし、肝心なことが記憶に残らないという気がします。(この変質した特殊詐欺事件には)大きな構造があって、表に出てきている人が全部ではない。一番上(暴力団などの犯罪資金提供者、いわゆる「金主」)も出てきていない。

 そして、被害を被った方から学べることもあるので、いかにして被害者にならないか、という点も必要ですね。

 社会の側には、こういう形で本気で防犯に取り組んでいただきたい。政治も行政も警察も司法も真剣に取り組んでいただけるようにアピールしていきたいと思います」

 詳しくは、ぜひインタビュー全編を御覧ください。

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■<インタビュー報告2>「ノルドストリーム1、2」を爆破したのは米国か否か? そもそも「ノルドストリーム」とは何か!? なぜ爆破されなければならなかったのか!? 岩上安身によるJOGMEC(独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構)調査課長原田大輔氏インタビュー第3回

 岩上安身は13日午後7時から、JOGMEC(石油天然ガス・金属鉱物資源機構)調査課長の原田大輔氏に3回目となるインタビューを行いました。今回は、昨年9月に爆破されたノルドストリーム1、ノルドストリーム2にテーマを限定して、原田氏にお話をうかがいました。

 ロシアから欧州へのパイプラインによる天然ガス輸送は、ソ連時代にさかのぼり、冷戦時代も含めてソ連・ロシアは50年間、欧州にとって安定して信頼できる天然ガスの供給源だったという歴史を確認する中で、原田氏は昨年の「ノルドストリーム」の破壊が、これまで築き上げてきたその信頼関係を壊してしまったとして、次のように語りました。

 「去年のノルドストリームの破壊というのは、すごくシンボリックなんです。これまで半世紀(にわたって)築いてきた、供給者(としての信頼)というのが、去年破綻されてしまったんです。欧露の関係が、去年変わったということ。

 ノルドストリームの輸出量を削減したのはロシアですから、ロシア側から変えたというのもありますし、西側がウクライナ侵攻に対する制裁をし、そのカウンター制裁としてロシアも対応しているという側面もある。

 8月までは、まだ復活することができたんですが、それが9月の26日に破壊された。

 これは、信用の問題です。破壊工作の最も重要なポイントは、また同様のことが起こりうるということなんです。プーチン大統領が、ノルドストリームが破壊された2週間後に『アングロサクソンによる国際テロだ』と言ったわけです。彼が言った一つのポイントは、恐れなんです。

 ロシアがやったと思われる方がいらっしゃるかもしれない、それはまだわからないわけなんですけど、彼が言ったのは、この事件によって、『世界中のインフラをいつでも破壊することができるようになった』と。

 じゃあ、誰がターゲットになるかというと、世界で最もパイプラインを持っている国なんです。それはロシアなんです。ロシアは域内に石油と天然ガスのパイプラインが世界6周分もあります。24万キロ以上ですね。

 ノルドストリームは海の中にあったので、狙われないだろうという神話があったんです。安全保障上もわざわざ潜って爆弾を仕掛ける人はいないだろうということだったんですが、破壊されました。

 陸上の世界6周分のパイプラインは、ある程度の爆弾があれば、いつでも破壊できる状態です。プーチン大統領が言ったのはそこなんです。これからロシア国内でも、テロが起きる可能性があるということなんです」

 さらに原田氏は、「天然ガスは制裁対象ではないので、ヨーロッパとしては流してほしいんです。それを破壊してしまうと、ヨーロッパを敵に回してしまうことになる」と指摘した上で、「ノルドストリームは制裁対象でもないのに、なぜ破壊しなければいけないのかということが、大きな疑問として出てくる。誰かが得をする」と語りました。

 また、2006年にロシアがウクライナへのガス供給を3日間停止し、欧州がガス不足に陥って、欧米諸国が「ロシアはエネルギー安全保障上の脅威」だと批判した背景について、原田氏は次のように解説しました。

 「ウクライナを経由するガスというのは、ウクライナとロシアの関係では、ソ連時代もそうですけど、欧州から外貨が入るので、平和主義でやっているわけではなくて、外貨を獲得できるので必ず流してきたわけです。

 ところがウクライナですとかベラルーシとか、1991年のソ連解体後に新しく生まれた国に対しては、安い価格で供給してきたんです。国力がない、かつ兄弟分ということで。

 ただ、そこの国に、親欧米政権が誕生すると、ロシアは次第に価格を上げ始めたんです。そこで、払えなくなったウクライナは、欧州に流すガスを抜き取り始めた、というのが、(ロシアがガス料金の値上げを始めた)2006年から2009年なんです。

 ロシアは欧州に対してはガスを止めていないんですけど、ウクライナが盗んでしまったので(ガスを止めた)。ウクライナが取らなければ、欧州に対してロシアはずっと流し続けてきたということなんです」

 そして原田氏は、破壊工作が行われたノルドストリームについて「おそらく、半永久的に近い状態で直す目処が立たない」と述べ、「今、我々が目撃しているのは、半世紀にわたって(欧露間を)流れてきた、その信頼関係、お金と天然ガスという商業関係が、去年破綻されたということです」と、懸念を示しました。

 また原田氏は、ソ連・ロシアが冷戦時代も天然ガスを「武器」として使ってこなかった理由を、次のように述べました。

 「(武器として使うということが)去年起きたわけですけど、武器として使えば買わなくなるんです。これは『ホールドアップ問題』と呼ばれるものなんですけど、パイプラインで結ばれた国と国は、稼働し始めると生産国の方が弱くなるという性質を持つんです。

 なぜかというと、生産国側はパイプラインのコストを回収するために、お金が欲しいので、流さざるを得なくなる。ところが、買い手の方は、他にも買うことができるので、買い手の方が強くなる。つまり欧州の方が強くなっていくんですね。

 冷戦期というのは、もし一度でも止めてしまった場合には、欧州はもう買わないんですね。今、それが起きているんです。去年初めて起きたことなんです」

 こうした原田氏の解説を聞いた岩上安身は、「にもかかわらず、こうしたノルドストリーム問題のプロパガンダっていうのは、アメリカがずっと言っていることですけど、ロシアが安定的に石油なり天然ガスを供給することによって、川下の国がコントロールされ続けているという言い方をするわけです。これ、逆じゃないですか」と述べ、「冷静に見れば、アメリカのプロパガンダは間違いだ」と指摘しました。

 13日のインタビューでは、このあと、ドイツとロシアが「ウクライナ外し」の「ノルドストリーム」パイプライン協定を結んだという話まで進んだところで、時間切れとなりました。今後、近いうちに続編となるインタビューを行います! ご期待ください!

 詳しくは、ぜひIWJのYouTubeチャンネルで、生配信のアーカイブを御覧ください。

※フルオープン【3/13 19時~ライブ配信】岩上安身による JOGMEC(独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構)調査課長 原田大輔氏インタビュー 第3弾
https://www.youtube.com/watch?v=dIlzJgbMBMw

■米国で暗号資産とハイテクスタートアップをターゲットにしていた中堅銀行3行が「取り付け騒ぎ」で相次いで破綻! 急激な利上げが保有する米国債の価値を低下させ、業績悪化の発表で顧客が現金引き出しを加速させる悪循環! 影響で週明けの日経平均も一時500円安! 2008年のリーマン危機の再来!? 米国債を大量に抱える日本は大丈夫か!?

 米国で、金融機関の業務縮小と経営破綻が連続して起こりました。

 米国で仮想通貨(暗号資産)を扱う最大手のシルバーゲート銀行の持ち株会社、シルバーゲート・キャピタルが3月8日、銀行業務を終了し、任意精算に踏み切ると発表しました。

 3月9日付け『フォーブスジャパン』は、「1988年に設立されたシルバーゲートは、仮想通貨ブームの初期にこの分野に参入し、2020年9月時点で21億ドル相当の仮想通貨を保有していた。しかし、1月5日の四半期報告書で同社は、昨年9月から12月にかけて約81億ドルが顧客によって引き出されたことを認め、株価を40%急落させていた。資金の引き出しの多くは、大手取引所のFTXの破綻と同時期に起こっていた」と報じています。

※仮想通貨のシルバーゲート銀行が事業閉鎖、FTX破綻の余波で(フォーブスジャパン、2023年3月9日)
https://forbesjapan.com/articles/detail/61514

 3月10日には、新興テクノロジー企業を主な取引先とするシリコンバレー銀行が経営破綻しました。

 10日付け『ロイター』は、「昨年末時点で総資産が約2090億ドルと全米16位だった。米銀の破綻としては、2008年の金融危機で起きた貯蓄金融機関ワシントン・ミューチュアルの破綻以来の規模となる」と報じています。

※シリコンバレー銀行破綻、金融危機以来最大 利上げで脆弱性表面化(ロイター、2023年3月11日)
https://jp.reuters.com/article/global-markets-banks-idJPKBN2VC1SS

 さらに米国時間12日(日本時間13日午前)には、仮想通貨関連企業と取引のあったシグネチャー銀行が経営破綻しました。

 13日付け『日本経済新聞』によると、シグネチャー銀行は、「資産規模は2022年末時点で約1103億6000万ドル、預金は約885億9000万ドルあった」とのことで、資産規模では全米29位でした。

※米銀29位・シグネチャー銀行も破綻 預金全額保護(日本経済新聞、2023年3月13日)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN130CU0T10C23A3000000/

 シルバーゲート・キャピタルは8日の時点で預金は全額返済すると発表しており、シリコンバレー銀行とシグネチャー銀行についても、12日時点で米金融当局が預金保護を表明しています。

※米財務省など「シリコンバレー銀行の預金、全額保護」(日本経済新聞、2023年3月13日)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN130AL0T10C23A3000000/

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IWJ編集部(岩上安身、尾内達也、前田啓)

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