日刊IWJガイド・非会員版「小西洋之議員が入手した、総務省の内部文書問題! 松本剛明総務大臣が正式な『行政文書』と認める! IWJは総務省と高市早苗氏に直撃取材!」2023.3.9号~No.3829号


┏━━【目次】━━━━
■はじめに~小西洋之議員が入手した、放送法の解釈変更をめぐる総務省の内部文書問題に新たな展開! 松本剛明総務大臣が正式な「行政文書」と認める! IWJは総務省と高市早苗事務所に直撃取材!「捏造文書でなければ議員を辞職する!」と見栄を切っていた高市経済安保大臣の去就は!?

■IWJは創業以来、最大の経済的危機です! 2月のご寄付は173件、241万6500円、目標達成率62%でした! ご寄付をお寄せいただいた皆さまありがとうございました! しかし2月の月間目標額より38%下回っており、毎月、累積赤字が増え続けている状況、第13期の7ヶ月間の累積の不足分は1655万4500円!「新たな戦争前夜」にあって、偏向メディアにかわり、正確な情報をお届けすべく、IWJは全力で頑張り抜きますので、3月こそは月間目標額390万円を達成できますよう、また累積の不足分を少しでも減らせますよう、緊急のご支援・ご寄付・カンパのほど、どうぞよろしくお願いします!

■【中継番組表】

■IWJ検証レポート!「米国が狙った独露間の天然ガスパイプライン・ノルドストリームの阻止!! その6」~2019年末、米国は再びノルドストリームに制裁を発動、あと160kmを残すのみとなったノルドストリーム2を建設中止へ追い込む!

■<IWJ取材報告>「夜はマイナス17度」「狼が死んだ人を食べる」クルド人避難民の証言!~3.6 第40回 難民問題に関する議員懇談会 総会「トルコ・シリア大震災でのクルド人から見た被害実態と在日クルド人コミュニティの課題について」
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■はじめに~小西洋之議員が入手した、放送法の解釈変更をめぐる総務省の内部文書問題に新たな展開! 松本剛明総務大臣が正式な「行政文書」と認める! IWJは総務省と高市早苗事務所に直撃取材!「捏造文書でなければ議員を辞職する!」と見栄を切っていた高市経済安保大臣の去就は!?

 おはようございます。IWJ編集部です。

 日刊IWJガイド3月5日号でお伝えした立憲民主党の小西洋之参議院議員が公表した放送法の解釈変更をめぐる総務省の内部文書(以下、総務省内部文書)に新たな展開がありました。

※<IWJ取材報告 4>日本の自由主義と民主主義の根幹である「放送法」の解釈変更。法規範の破壊はどのように行われたのか? 総務省の職員から立憲民主・小西参議院議員に託された「内部文書」に記された内容とは?~ 3.2立憲民主党 小西洋之参院議員 記者会見(日刊IWJガイド、2023年3月5日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51961#idx-8

 松本剛明総務大臣が、7日午前の記者会見で、小西議員の公表した「内部文書」は、「全て総務省の行政文書である」と認めたのです。

※放送法“政治的公平”文書は「全て行政文書」 総務相が認める(毎日新聞、2023年3月7日)
https://mainichi.jp/articles/20230307/k00/00m/010/033000c

 同日7日、総務省情報流通行政局放送政策課は、省内で保存している78ページの「取扱厳重注意」内部文書を、同省のホームページに全文公開しました。

 公開に際しての総務省のコメントは、次のようなものです。

 「3月2日、小西洋之議員が、放送法第4条第1項に定める『政治的公平』の解釈について、当時の総理補佐官と総務省との間のやりとりに関する一連の文書を公開しました。

 これを受けて総務省では、公開された文書について、総務省に文書として保存されているものと同一かといった点についてこれまで慎重に精査を行った結果、小西議員が公開した文書については、すべて総務省の『行政文書』であることが確認できましたのでお知らせします。

 なお、既に同じ内容の文書が、一般に公開されていることに鑑みて、全て公表PDFすることとしました。また、その記載内容の正確性が確認できないもの、作成の経緯が判明しないものがある点にはご留意いただければと思います」

※政治的公平に関する文書の公開について(総務省、2023年3月7日)
https://www.soumu.go.jp/menu_kyotsuu/important/kinkyu02_000503.html

※「政治的公平」に関する放送法の解釈について(磯崎補佐官関連)(総務省、2023年3月8日閲覧)
https://www.soumu.go.jp/main_content/000866745.pdf

 この問題のキーパーソンは3人です。

 一人は、放送法解釈変更の実務的なやり取りを、総務省との間で実際に行った磯崎陽輔元総理秘書官、二人目が当時の総務大臣だった高市早苗衆議院議員、そして、三人目が当時の総理だった故安倍晋三元総理です。

 この3人の総務省との関係は、総務省内部に明確に記録されています。

 そもそも、この問題の端緒が、2014年(平成 26年)11月26日(水)の磯崎総理補佐官付(当時)が総務省放送政策課にかけた電話から始まっているのです。

 その電話の内容は、「1)放送法に規定する「政治的公平」について局長からレクしてほしい。2)コメンテーター全員が同じ主張の番組(TBS サンデーモーニング)は偏っているのではないかという問題意識を補佐官はお持ちで、『政治的公平』の解釈や運用、違反事例を説明してほしい」というものだったのです。

※「政治的公平」に関する放送法の解釈について(磯崎補佐官関連)(総務省、2023年3月8日閲覧)
https://www.soumu.go.jp/main_content/000866745.pdf

 この総務省から磯崎元総理補佐官に行われたレクは、2015年2月24日まで合計7回に及びました。

 このレクの結果は、2015年5月12日(火)の参議院総務委員会での高市総務大臣(当時)の次の答弁として結実しました。

 「一つの番組のみでも、選挙期間や近接する期間に特定の候補者のみを相当の時間取り上げる特別番組を放送するなど、選挙の公平性に明らかに支障を及ぼすといった極端な場合は、一般論として政治的に公平とは認められない」

※「電波停止」 波紋広げる理由とは(毎日新聞、2016年2月11日より抜粋)
https://mainichi.jp/articles/20160212/k00/00m/040/071000c

 しかも、高市総務大臣(当時)は、この発言の翌年2016年2月8日の衆議院予算委員会で、「電波停止」を命じる可能性にも言及しました。世に言う「停波発言」であり、テレビ局に対する露骨な脅しです。

 高市氏総務大臣(当時)は、野党議員から「憲法9条改正に反対する内容を相当の時間にわたって放送した場合、電波停止になる可能性があるか」との質問に対して、「放送局が政治的な公平性を欠く放送を繰り返し、行政指導しても全く改善されない場合、それに対して何の対応もしないと約束するわけにいかない」と答弁したのです。

 高市総務大臣(当時)が、総務省内部文書に初めて登場するのは、「平成27年(2015年)2月 13日(金):高市大臣レク(状況説明)」です。

 この内部文書問題が発覚してからの高市早苗経済安保担当大臣の対応は、実に見苦しいものでした。

 3月3日の記者会見では「怪文書だと思う」、3月3日の参院予算委員会で、「文書は捏造だと考えている」、捏造ではない場合、「経済安保担当大臣を辞職する」と大見栄を切っていました。

※放送法めぐる文書、総務相「確認できてない」 高市氏は会見打ち切り(朝日新聞、2023年3月3日)
https://digital.asahi.com/articles/ASR333T0BR33UTFK001.html

※総務省内部文書は捏造と高市経済安保相、捏造でなければ辞職も(ロイター、2023年3月3日)
https://jp.reuters.com/article/takaichi-idJPKBN2V50AD

 ところが、前記のように、7日に松本剛明総務大臣が、小西議員が公表した文書は「全て総務省の行政文書である」と認めたのです。「捏造文書でなかったら議員を辞職する」と見栄を切っていた高市早苗大臣は窮地に立たされました。

 ところが、高市早苗経済安保担当大臣は、潔く辞職することなく、見苦しい弁明に終始しました。

 8日の参議院本会議では、「私が発言したことのない記述がされるなど正確な情報ではない」「捏造された行政文書によって大臣や議員を辞職すべきだとは考えていない」などと答えています。

 8日付『毎日新聞』によると、「松本剛明総務相は(参議院)本会議で、公文書管理について、17年に記載内容の正確性を期すため相手方に確認することなどを求める文書管理ガイドライン(指針)の改正があったと指摘。その上で、今回の行政文書は指針改正前に作成されているため、『記載内容が正確であることを前提に議論するのは難しい面もある』と述べた」といいます。

 2015年2月13日の高市大臣レクで、高市大臣が発言した内容は、次のとおりです。

高市大臣「『放送事業者の番組全体で』みるというのはどういう考え方なのか。

安藤友裕情報流通行政局長(当時)「例えば『総理と語る』や『党首と語る』番組はどの局でもあり得るところ、国民のニーズに応えるものでもあり、これだけをもって政治的公平を欠くとすることは不適当。むしろ、与野党も含め、いろいろな番組を通じて多様な情報提供を期待するもの」

高市大臣「放送番組の編集にかかわる政治的公平の確保について、これを判断するのは誰?」

安藤局長「放送番組は放送法による自律の保障のもと放送事業者が自らの責任において編集するものであり、一義的には放送事業者が自ら判断するもの」

高市大臣「『一つの番組』についてはどう考えるのか?」

安藤局長「(このペーパーでいう『一つの番組』は、)報道ステーションなら報道ステーション、モーニングバードならモーニングバードの1回の番組を指している」

安藤局長「大臣のご了解が得られればの話であるが、礒崎補佐官からは、本件を総理に説明し、国会で質問するかどうか、(質問する場合は)いつの時期にするか、等の指示を仰ぎたいと言われている」

高市大臣「そもそもテレビ朝日に公平な番組なんてある? どの番組も『極端』な印象。関西の朝日放送は維新一色。維新一色なのは新聞も一緒だが、大阪都構想のとりあげ方も関東と関西では大きく違う。(それでも政治的に公平でないとは言えていない中)『一つの番組の極端な場合』の部分について、この答弁は苦しいのではないか?」

安藤局長「『極端な場合』については、『殊更に』このような番組編集をした場合は一般論としては政治的公平が確保されていないという答弁案になっている。質問者に上手に質問され、その質問を繰り返す形の答弁を想定しているが、言葉を補う等した上で答弁を用意したい」

高市大臣「苦しくない答弁の形にするか、それとも民放相手に徹底抗戦するか。TBSとテレビ朝日よね。実際の答弁については、上手に準備するとともに、1(カッコつきでいいので)主語を明確にする、2該当条文とその逐条解説を付ける、の2点をお願いする」

高市大臣「官邸には『総務大臣は準備をしておきます』と伝えてください。補佐官が総理に説明した際の総理の回答についてはきちんと情報を取ってください。総理も思いがあるでしょうから、ゴーサインが出るのではないかと思う」

※高市大臣レク結果(政治的公平について)(30頁、「政治的公平」に関する放送法の解釈について(磯崎補佐官関連)(総務省、2023年3月8日閲覧))
https://www.soumu.go.jp/main_content/000866745.pdf

 2015年2月17日の発言記録は、次のとおりです。

安藤局長「今回の整理ペーパーに基づき、これまでの経緯を含め高市大臣にご説明した。大臣からは、『総務大臣は(答弁の)準備をしておきます』という点と、『補佐官が総理にご説明した際の総理の発言等についてはよく教えてください』という2点について伝えて欲しいとのご指示があった。総理へのご説明の結果等についてはお取り計らいをいただきたい」

安藤局長「この他、高市大臣からは、(一つの番組の)『極端な事例』に関する答弁部分について、感想的に『(答弁として)苦しいのではないか』というコメントがあった。大臣の真意は不知だが、事務方として忖度すれば、まさに補佐官が企図されているところと思うが、大臣も現実の放送をいろいろとご覧になられている中、放送事業者に対して『効き過ぎる可能性』をお考えになられたのかとも受け止めたところ」

※礒崎総理補佐官ご説明結果(35頁、「政治的公平」に関する放送法の解釈について(磯崎補佐官関連)(総務省、2023年3月8日閲覧))
https://www.soumu.go.jp/main_content/000866745.pdf]

2015年3月6日の発言は次のとおりです。

安藤局長「整理ペーパーと『礒崎総理補佐官からの連絡』で大臣にご説明。最初大臣は本件についてあまり記憶がなかった様子で、第一声は『本当にやるの?』」

安藤局長「大臣は、最近の自民党からの要請文書やNHK籾井会長の国会審議等を見ていて慎重になっているのかもしれない。整理ペーパーを見ているうちに内容を思い出してきたようで、以下のご発言。

・これから安保法制とかやるのに大丈夫か。
・民放と全面戦争になるのではないか。
・総理が「慎重に」と仰るときはやる気がない場合もある。(前回衆院選の)要請文書のように、背後で動いている人間がいるのだろう。
・一度総理に直接話をしたい。
 → 平川参事官に今井総理秘書官経由で総理とお話できる時間を確保するようその場で指示。(3/6/金~3/8/日の間)」

※大臣レクの結果について安藤局長からのデブリ模様(66頁、「政治的公平」に関する放送法の解釈について(磯崎補佐官関連)(総務省、2023年3月8日閲覧))
https://www.soumu.go.jp/main_content/000866745.pdf

 この総務省内部文書の発言記録が、「捏造」だというのが高市大臣の主張です。

 IWJは、総務省内部文書を担当する総務省情報流通行政局放送政策課と高市大臣に直撃取材しました。

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 おはようございます。IWJ代表の岩上安身です。

 いつもIWJをご支援いただきまして、誠にありがとうございます。

 IWJの第13期も半期の折り返しを過ぎ、この3月で8ヶ月目に入りました。

 2月1日から28日までの28日間でいただいたご寄付が確定しました。173件、241万6500円でした。これは、単独月間目標額390万円の62%に相当します。ご寄付をお寄せいただいた皆さま、まことにありがとうございました。大切に、効果的に使わせていただきます。

 しかし、月間の目標額より38%下回っており、毎月、累積赤字が増え続けていることにはかわりありません! 今月3月こそは、390万円という月間目標額をクリアし、できれば積み上がった赤字部分を少しでも皆さまのお力で削らせていただきたいと存じます! 3月の不足分も含めて、第13期の目標の累積してしまった不足額は1655万4500円に達しています!

 3月の1日から8日までの8日間でいただいたご寄付は、39件、47万6400円となっています。これは月間目標額390万円の12%にあたります。ご寄付をお寄せいただいた皆さま、まことにありがとうございます。

 3月も、どうぞ緊急のご支援をお願いしたいいたします!

 IWJの内部留保も底を尽き、キャッシュフローが不足したため、私、岩上安身が、個人的な私財から、500万円かつ2回にわたってIWJにつなぎ融資しました。

 私がこれまでにIWJに貸し付けてまだ未返済の残高は約600万円。これにつなぎ融資1000万円と合計すると、IWJへの私の貸し付け残高は約1600万円にのぼります。

 私の貯えなどたかがしれていますから、この先も同様の危機が続けば、私個人の貯えが尽きた時、その時点でIWJは倒れてしまいます。

 皆さまにおかれましても、コロナ禍での経済的な打撃、そしてこのところの物価上昇に悩まされていることとお察しいたします。

 しかし、ご寄付が急減してしまうと、たちまちIWJは活動していけなくなってしまいます。IWJの運営は会員の方々の会費(最近の流行語ではサブスク)とご寄付・カンパ(最近の用語でいえばドネーション)の両輪によって成り立っていますが、それが成り立たなくなってしまいます。

 2023年、「新たな戦争前夜」を迎えて、私、岩上安身とIWJは、少しでも正確な情報を皆さまにお届けできるように、その結果として、日本が戦争突入という悲劇に見舞われないように、無謀な戦争を断固阻止するために全力で頑張ってゆきたいと思います。

 先月、2月における、最も特筆すべきエポックメイキングな出来事は、ピューリッツァー賞を受賞した経歴をもつ、米国屈指の独立調査報道ジャーナリストであるシーモア・ハーシュ氏が、米国が、ノルウェーと協力し、ドイツとロシアを直接つなぐ天然ガスパイプライン・ノルドストリームを爆破したという驚愕のスクープを出したことでしょう。日本の新聞・テレビなどのメインストリームメディアは、一切このスクープを報じませんでした。

 IWJは、全文の仮訳を進め、全4回を号外でお送りしました。

※【IWJ号外】ドイツとロシアを結ぶ天然ガスパイプライン・ノルドストリームを爆破したのは、米国だった! ピューリッツァー賞を受賞した米国の最も著名な独立調査報道ジャーナリスト、シーモア・ハーシュ氏が大スクープ!(その1~4)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e3%82%b7%e3%83%bc%e3%83%a2%e3%82%a2%e3%83%bb%e3%83%8f%e3%83%bc%e3%82%b7%e3%83%a5

 私は、ロシア軍がウクライナに侵攻して1年となる2月24日の岸田総理会見で、ハーシュ氏のスクープについて岸田総理に直接、質問しました。

 私が「日本政府は、このノルドストリーム爆破疑惑について、独自に検証や調査を行なっているのでしょうか?」と質問したのに対し、岸田総理は、「米政府は完全なるフィクションであるという評価をしております」「ノルウェー外務省もナンセンスと言っています」「多くの国においてこうした記事に関しては、否定的な評価がされている」とはぐらかし、日本政府・日本国総理としての判断を示しませんでした。

※【IWJ代表:岩上安身質問】ノルドストリーム爆破疑惑について、日本は独自に検証や調査を行なっているのか?岸田内閣総理大臣記者会見ー令和5年2月24日(Movie IWJ)
https://www.youtube.com/watch?v=9uUrTxr_Mss

※はじめに~岩上安身が岸田総理に対して会見で質問!~(日刊IWJガイド、2023年2月25日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51926#idx-1

 このウクライナ紛争は、米国主導の戦争です。

 ハーシュ氏のスクープが事実であれば、米国は、同盟国のドイツも多額の出資をしたノルドストリーム・パイプラインを爆破し、ドイツとロシアの仲を引き裂き、ウクライナを戦場にして、欧州とロシアの友好的な関係を完全に破壊し、欧州に天然ガスと石油を高値で売りつけて市場を奪い取ったということになります。

 IWJでは、独自のIWJ検証レポートで、ノルドストリームの成り立ちから、爆破に至るまで、断続的に連載し、米国がノルドストリームを何としても阻みたいと思っていた事実をお伝えしています。3月3日・4日には、この日刊IWJガイドで、第5弾をお届けしました。ノルドストリームの建設の経緯で、米国が他国のプロジェクトというのに、どれだけ不当に介入する制裁を操り出していたことか、これまで日本ではまったく報じられなかった事実をお伝えします。

※IWJ検証レポート!「米国が狙った独露間の天然ガスパイプライン・ノルドストリームの阻止!! その5」~トランプ氏は2024年大統領選へのキックオフイベントで、もし自分が大統領だったら、24時間以内にウクライナ紛争を解決できる」とスピーチ!(日刊IWJガイド、2023.3.3号)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51950#idx-6

※IWJ検証レポート!「米国が狙った独露間の天然ガスパイプライン・ノルドストリームの阻止!! その5(続編)」~2017年、米国は制裁第1弾「敵対者に対する制裁法(CAATSA)」を発動! 爆破されたノルドストリームを一番邪魔に思っていたのは米国だった! しかし米国の制裁を振り切って2018年「ノルドストリーム2」着工!(日刊IWJガイド、2023.3.4号)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51958#idx-7

 ハーシュ氏のスクープが事実であれば、米国は、国家テロを起こして、他国を都合よく操作する、邪悪な帝国主義国家である、という疑惑が急浮上したことになります。こんな「帝国」によって、日本はウクライナと同様に、次に米国が仕掛ける対中戦争の「代理戦争」のコマとされるかもしれないことに、日本国民は真剣な疑念と危機感を抱く必要があります。

 岸田文雄総理は、1月早々に昨年末閣議決定した「改定版安保3文書」を携えて訪米、バイデン大統領と会談し、日本の軍拡をバイデン大統領から賞賛されて岸田総理は鼻高々でした。

 しかし国会での議論と承認がなされなくても、閣議決定し、米国からの承認があれば軍拡のアクセルを踏んでしまう岸田政権は、日本の主権を米国に丸投げしたも同然です。米国を守るために日本が代わりに犠牲となり、日本は米中の「代理戦争」の戦場とされてしまいます。

 上記の24日の岸田総理会見で、私は、「米国は誠実な同盟国なのかどうか、疑いの出ている中、日本の安全保障を米国に丸ごと委ねていていいのか」、「有事の際の自衛隊の指揮権まで米国に渡してしまっていいのか」と問いました。

 岸田総理は「自衛隊及び米軍は、各々独自の独立した指揮系統に従って行動をする、これはいうまでもないこと」などと、自衛隊の指揮権は独立して存在しているかのように述べました。しかし、この総理の発言は、事実と異なります。従来の幕僚長を事実上廃止し、新たに米軍との「統合司令部」を設置する「安保3文書」の改定は、自衛隊を米軍の司令下におく「2軍」にしてしまうものです。

 自衛隊が米軍と司令部を統合してしまい、自身で状況判断するための目と耳(情報衛星他)をもたず、独自に判断する頭(内閣に直結した独立した司令部)をもたない、そんな日本が、安全保障において、米軍から独立した主権をもつ、といくら岸田総理が口先だけで言っても、自衛隊のリアルな現実を国民に説明していることにはなりません。

 2月28日、衆議院本会議は与党の賛成多数で、「安保3文書」の改定を踏まえ、防衛費を大幅増額した2023年度予算案を可決しました。過去最大の114兆3812億円に上る2023年予算案は、参議院が仮に可決せずとも、3月中に自動成立してしまいます。

 日本は、このまま米国追従を続け、米国の一極覇権を支えるために、日本自らは世界最悪の財政危機に直面しているというのに、米国の要請に従って、軍拡という重い財政支出を重ねてゆくのはあまりに愚かではないでしょうか!?

 そもそも日本が依存している米国は、誠実な、信頼に値する同盟国といえるのでしょうか!?

 日本は、米国への依存から脱却をはかり、独立した主権国家として、「敵」を作らない、多極的な外交姿勢をめざすべきではないでしょうか?

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店番号 022
預金種目 普通
口座番号 472535
口座名 株式会社インディペンデント.ウェブ.ジャーナル

ゆうちょ銀行
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岩上安身

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◆中継番組表◆

**2023.3.9 Thu.**

調整中

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◆中継番組表◆

**2023.3.10 Fri.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【IWJ_YouTube Live】17:30~「3.10集会『控訴審も勝利へ!~東電株主代表訴訟~』―登壇:海渡雄一弁護士、甫守一樹弁護士ほか」
視聴URL:https://www.youtube.com/user/IWJMovie/featured

 「東電株主代表訴訟」主催の集会を中継します。これまでIWJが報じてきた東電株主代表訴訟関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e6%9d%b1%e9%9b%bb%e6%a0%aa%e4%b8%bb%e4%bb%a3%e8%a1%a8%e8%a8%b4%e8%a8%9f

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◆昨日アップした記事はこちらです◆

「夜はマイナス17度」「狼が死んだ人を食べる」クルド人避難民の証言!~3.6 第40回 難民問題に関する議員懇談会 総会「トルコシリア大震災でのクルド人から見た被害実態と在日クルド人コミュニティの課題について」
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/514584

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■IWJ検証レポート!「米国が狙った独露間の天然ガスパイプライン・ノルドストリームの阻止!! その6」~2019年末、米国は再びノルドストリームに制裁を発動、あと160kmを残すのみとなったノルドストリーム2を建設中止へ追い込む!

 ウクライナ紛争の裏の顔である資源エネルギー問題とは、ロシアから欧州のガス市場を奪う米国の戦略に他ならず、その鍵は「ノルドストリーム1、2」です。IWJでは、ノルドストリーム問題の検証を進めています。(その6)では、2017年の米国の第1弾制裁を振り切って2018年に着工した「ノルドストリーム2」に対して、米国がさらなる制裁を科し、建設中止に追い込むまでを追います。

【これまでのふりかえり】

 IWJ検証レポート!「米国が狙った独露間の天然ガスパイプライン・ノルドストリームの阻止!! 」(その1)から(その4)までで述べてきたように、ロシアは冷戦下の旧ソ連時代から半世紀にわたって、欧州に安価な天然ガスを供給してきました。

 しかし、ロシアから欧州へ送られる天然ガスのパイプライン通過国であるウクライナの「ガス泥棒」問題でしばしばトラブルが起こり、2006年と2009年にはガス供給停止にまで問題が発展しました。

 ドイツとロシアはウクライナを通らない「ウクライナ外し」パイプラインの計画を進めます。2005年、プーチン大統領はドイツを訪問、バルト海経由でドイツへ天然ガスを直送する総延長1224km、年間輸送量550億m3の「ノルドストリーム(Nord Stream)」パイプラインの協定を結びました。「ウクライナ外し」パイプラインの第1号となる「ノルドストリーム」は2011年に竣工、稼働し始めました。

 ロシアと欧州は、さらなる「ウクライナ外し」パイプラインの計画を進めました。トルコ経由の「トルコストリーム(サウスストリーム)」(年間輸送量315億m3)と、「ノルドストリーム2」(年間輸送量550億m3)です。この2本のパイプラインが稼働し始めれば、すでに稼働していた「ノルドストリーム1」とあわせて年間輸送量は1415億m3となり、ウクライナ経由で欧州に天然ガスを送る必要がなくなるはずでした。

 「トルコストリーム」はトルコ、ハンガリー、ギリシャ、イタリアにも天然ガスを送るパイプラインです。「トルコストリーム」は予定通り、2019年内に竣工し、2020年1月に稼働を始めました。

 一方、「ウクライナ外し」の最後のパイプラインである「ノルドストリーム2」は、2017年に発動された米国による制裁(「敵対者に対する制裁法(CAATSA)」)を振り切って2018年9月に着工しました。しかし、米国政府はさらに執拗に制裁を加え、「ノルドストリーム2」建設を中止に追い込み、「ノルドストリーム2」は予定していた2019年内に竣工できませんでした。

【「ノルドストリーム2」2019年末、わずか160kmを残して建設工事が停止】

 ようやく動き出した「ノルドストリーム2」の建設工事でしたが、2019年に入っても、妨害はなくならないどころか増えていきます。

 2019年の3月にはデンマークが、2つのルート案に変わる第3案の提案をガスプロム社に求めました。建設工事が2018年の9月に半年も経ってから、デンマークがルート変更を求めるのは、工事の遅延を意図したものではないかとみられています。2019年10月になってデンマーク政府はようやく、デンマーク海域での建設を承認しました。

 米国は2019年末に、再び制裁に出ました。12月20日に2020年国防授権法が成立しましたが、その中に含まれていた「欧州エネルギー安全保障保護法(PEESA、Protecting Europe’s Energy Security Act)」が、「ノルドストリーム2」に対する第2弾の制裁です。

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■<IWJ取材報告>「夜はマイナス17度」「狼が死んだ人を食べる」クルド人避難民の証言!~3.6 第40回 難民問題に関する議員懇談会 総会「トルコ・シリア大震災でのクルド人から見た被害実態と在日クルド人コミュニティの課題について」

 3月6日午後5時15分より、東京都千代田区の参議院議員会館にて、「難民問題に関する議員懇談会(難民懇)」の主催により、第40回難民問題に関する議員懇談会総会「トルコ・シリア大震災でのクルド人から見た被害実態と在日クルド人コミュニティの課題について」が開催されました。

 2月6日、トルコ・シリアで大地震が発生し、報道によると、死者はトルコ・シリア合わせて5万1000人を越えています(2/25時点)。M7.8の震源であるトルコのガジアンテップ県や、M7.5の震源のカフラマンマラシュ県周辺の被害は深刻で、その地域は日本で暮らすクルド難民の出身地でもあります。

 深刻な揺れを被った地域では、橋や道路が寸断され、病院にも行けず、続く余震の中、倒壊した建物の外でテントや車中で過ごす人がたくさんおり、不明者の位置がわからず救助もままなりません。日本に住むクルド人のもとには、現地から悲痛な声や写真、映像が次々と送られて来ています。

 会合冒頭、参議院予算委員会の集中審議中の難民懇会長・石橋通宏議員を代行し、立憲民主党・岸真紀子議員からあいさつがありました。

岸議員「今日の一番の問題点は、先日、2月6日に、トルコ南部の地震によって、トルコとシリアで大きな災害が発生しました。今日の夕刊では、5.2万人の犠牲者が出ているということも報道がされています。

 まだまだ全容(解明)が途中であり、本当に、日本政府としても、日本国民としても、この被災者支援をいかに、どうしていくかという問題が残っています。

 その中でも、現地のクルド人の状況が、今、どうなのか、というのが、一番の問題です。特に、難民懇では、難民問題について、クルド人の方々のことを取り上げてきましたので、本日、緊急的ではありますが、難民議員懇談会を開くことになりました」

 続いて、「クルド人難民Mさんを支援する会(※)」事務局の周香織さんが、「トルコ・シリアで5万2000人が亡くなっていると報じられているが、実際の人数はそれよりも多い」、「夜、外はマイナス17度。車の中で順番にあったまる」、「死んだ人のにおいがする。狼が、死んでいる人を食べる」、そして「死んだ人を入れる墓がない」、「とてもヤバい状態です」など、震災被害のためトルコから来日したクルド人の方々からのリアルな証言を交えつつ、このたびのトルコ・シリア大地震の現状について報告・説明をしました。

※クルド人難民Mさんを支援する会(ツイッター)
https://twitter.com/kurd_m_san

※クルド人難民Mさんを支援する会(ブログ)
https://kurd-m-san.hatenablog.com/

 周さんは、涙ぐみながら、次のような訴えで報告を終えました。

周さん「非常に過酷な場所から逃れてきた方ばかりです。ずっと日本にいるクルドの方々も、現地の被災の状況を毎日聞き続け、非常に心を痛められています。

 こちらの(2月)22日に(日本へ)来られた方は、3ヶ月の短期滞在ですので、3ヶ月経てばビザが切れてしまいます。隣にいる方々も仮放免という状態ですので、正規の在留資格がありません。

 今こういった状況で、日本に逃れてきた方を無理やり帰国せるようなことは、ぜひ、しないでいただきたいと思います。ぜひ、日本で安心して暮らせるように、皆さまにお力添えをいただければと思います」

 この後、「日本クルド文化協会(※)」のユージェル・メメット氏より、在日クルド人コミュニティで始まった被災者支援活動と今後の課題について、そして、支援団体「在日クルド人と共に(※)」の温井立央氏、熊澤新氏より、「緊急避難措置」による避難者受け入れの要望についての説明がありました。

※一般社団法人日本クルド文化協会
https://www.facebook.com/nihonkurdish/

※在日クルド人と共に
https://kurd-tomoni.com/

 最後に、難民懇・会長の石橋通宏参議院議員が、次のように約束のあいさつをしました。

 「まだまだ瓦礫の中で苦しんでおられる方、たくさんおられるということで、一日も早く、すべての方々を助け出してあげたいなと思います。

 そのために、日本ができる協力をとにかくやっていくこと。政府だけではなくて、国民全体、国会としても対応させていただくべきだろうというふうに思っております」

 詳細については、ぜひ全編動画を御覧ください。

※「夜はマイナス17度」「狼が死んだ人を食べる」クルド人避難民の証言!~3.6 第40回 難民問題に関する議員懇談会 総会「トルコ・シリア大震災でのクルド人から見た被害実態と在日クルド人コミュニティの課題について」
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 それでは、本日も1日、よろしくお願いします。

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IWJ編集部(岩上安身、六反田千恵、尾内達也、浜本信貴、前田啓)

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