日刊IWJガイド・非会員版「習近平氏が国家主席に三選! 長期独裁体制の確立!? その中国の仲介でイランとサウジアラビアが歴史的な和解!! 米国の覇権は衰退へ!?」2023.3.11号~No.3831号


┏━━【目次】━━━━
■はじめに~速報2本! 習近平氏が国家主席に三選! 兼務する党総書記、国家主席、中央軍事委員会主席の3つのポストはいずれも任期の定めなし! 長期独裁体制の成立! もうひとつの速報は、外交が途絶するほどいがみあっていたシーア派盟主のイランとスンニ派盟主のサウジアラビアが、電撃的な国交回復! しかも仲介したのは中国!! 中東から消えてゆく米国の政治的影響力!

■エコノミスト田代秀敏氏が緊急寄稿!「習近平氏が国家主席に三選されたことは少しも事件ではない。しかし、サウジとイランの和解を、米国ではなく中国が仲介したことは歴史的な事件である。これはパックス・アメリカーナの終焉の始まりである」

■本日は、3月11日、福島原発事故から12年目! IWJは多彩な特集で、現在進行形の3.11を考えます! ぜひ御覧ください!

■IWJは創業以来、最大の経済的危機です! 2月のご寄付は173件、241万6500円、目標達成率62%でした! ご寄付をお寄せいただいた皆さまありがとうございました! しかし2月の月間目標額より38%下回っており、毎月、累積赤字が増え続けている状況で、第13期の7ヶ月間の累積の不足分は1655万4500円です!「新たな戦争前夜」にあって、偏向メディアにかわり、正確な情報をお届けすべく、IWJは全力で頑張り抜きますので、3月こそは少なくとも月間目標額390万円を達成できますよう、また累積の不足分を少しでも減らせますよう、緊急のご支援・ご寄付・カンパのほど、どうぞよろしくお願いします!

■「第三次世界大戦が現実味を帯びてきているのに危機感なさすぎの我が国のメディアと国民」、「いつも他のメディアで得られない信頼できる情報を提供してくださるので」、ご寄付者様からメッセージをいただきました! ここに感謝を込めて紹介させていただきます!

■【中継番組表】

■日本の経常赤字が過去最大(比較可能な1985年以降で)! 2023年1月の経常収支は、1兆9766億円の赤字で、前年同月比で1兆3962億円、赤字幅が拡大! およそ、10年前から日本の貿易収支は赤字に転落し、そのトレンドは現在も続いている! 貿易収支の長期赤字トレンドに重なるようにして、ロシア制裁とアベノミクスの出口なき円安のトリプルパンチ!

■<IWJ取材報告>放送法解釈をめぐる総務省行政文書について「『捏造』なのか? 高市大臣が嘘をついているのか?」とのIWJ記者の質問に、松本大臣は「国会に行く時間なので」と何も答えず遁走!? 大丈夫なのか!? 日本の総務行政! ~3.10 松本剛明 総務大臣 定例会見
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■はじめに~速報2本! 習近平氏が国家主席に三選! 兼務する党総書記、国家主席、中央軍事委員会主席の3つのポストはいずれも任期の定めなし! 長期独裁体制の成立! もうひとつの速報は、外交が途絶するほどいがみあっていたシーア派盟主のイランとスンニ派盟主のサウジアラビアが、電撃的な国交回復! しかも仲介したのは中国!! 中東から消えてゆく米国の政治的影響力!

 おはようございます。IWJ編集部です。

 中国で開幕中の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)は10日、中国共産党の習近平総書記を国家主席として満票で選出しました。

※習近平氏、中国国家主席に3選 全人代(日経新聞、2023年3月10日)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM09CQW0Z00C23A3000000/?n_cid=BMSR2P001_202303101158

 中国は2018年3月に開いた全人代で国家主席と副主席の任期を2期10年までと定めた憲法を改正し、任期制限をなくしています。

 この憲法改正によって、習氏の国家主席としての3期目入りが可能になる条件が整っていました。

 現在、習氏は、党のトップである党総書記、国家元首に相当する国家主席、軍最高司令官の中央軍事委員会主席の3つのポストを兼務し、いずれも任期の定めがないため、選出されれば、長期政権が可能となります。

 現在、習近平氏は、この6月で70歳。国家主席の任期は5年ですので、4期目を続投するかどうかが問題になるのは、習氏が75歳のときになります。

 米国のバイデン大統領が現在80歳、大統領に就任した時が78歳ですから、習近平氏が75歳であっても、4期目への意思が衰えない可能性はありますが、今後5年の間に、米国の指導者がどういう人物になるのかで、習近平氏の対応が変わってくるのではないでしょうか。

 米中代理戦争の行方も大きく左右すると思われます。

 この意味で、2024年の米国大統領選挙が非常に注目されます。

 もうひとつの速報は、同じイスラム教国でありながら、シーア派の盟主であるイランと、スンニ派の盟主であるサウジアラビアは、外交が断絶するほど対立を深めていましたが、その両国が国交を正常化するという発表がありました。驚きは、この両国の間で仲介したのが中国である、ということです。発表が行われたのも、北京において、です。

※イランとサウジアラビア、外交正常化で合意 中国が仲介
(日本経済新聞、2023年3月10日)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR10C3F0Q3A310C2000000/

 また、中国メディア『グローバル・タイムズ(環球時報)』が、ツイッターで下記のような速報を出しました。

 中国、サウジアラビア、イランは金曜日に共同声明を発表し、サウジアラビアとイランは北京での会談の後、関係を再構築し、大使館を再開することに合意したと述べた。

※China, Saudi Arabia and Iran released a joint statement on Friday saying Saudi Arabia and Iran have agreed to re-establish ties and reopen embassies after a meeting in Beijing.
(Global Times(@globaltimesnews)、2023年3月10日)
https://twitter.com/globaltimesnews/status/1634182300627013633?t=Mmo7RgAPxAUh4xL0sabGaA&s=19

 イスラム教スンニ派の盟主サウジアラビアと、イスラム教シーア派の大国イランは、長年、対立を続けてきましたが、ここに来て、歴史的な和解へと舵を切ることになりました。

 これは、米国の中東覇権における支配的な影響力が、しぼみつつある証左ともいえる大事件です。

 中国の仲介による、このサウジアラビアとイランの国交正常化は、中国と湾岸産油国との急接近を意味しています。石油輸入国の中国としては、イランだけでなく、サウジをはじめ、ペルシャ湾岸の主要産油国との関係が深まることは、自国のエネルギー安全保障にもつながります。

 中国と同様、日本も石油の輸入国です。中でも中東からの石油の輸入は、石油輸入全体の9割を占めます。これほどまでに中東に依存している日本は、「台湾有事」の際に、米国の「代理戦争」の先兵として、中国と戦端をひらくようなことがあれば、中国と急接近をはじめた中東産油国をも、敵にまわしかねない状況に陥るかもしれません。

 そうなれば、日本経済と国民生活に必要な石油を、どこの国から手に入れるというのでしょうか。

 米国から、高価なだけで性能の低い戦闘機を買わされるように、石油も、米国産のバカ高いシェールオイルを輸入せざるをえなくなるなら、日本経済と国民生活の破綻は、火を見るより明らかなはずです。それこそウクライナや、NATO支配下の欧州諸国と同じ目にあいます。

 今回のサウジアラビアとイランとの和解による中東の安定化により、米国の一極覇権体制から多極化してゆく世界の変化を、日本は率直に認め、米国依存を見直す好機とするべきではないでしょうか。

 サウジとイランの和解という、到底、ありえそうもなかった外交劇を仲介して実現した中国は、一方では、ロシアとウクライナに停戦を呼びかけ、自らが仲介に入ることと、その条件を提案しています。こちらもこれまでの外交の「常識」からすれば、到底、ありえそうもないことですが、万が一、中国の仲介で、ロシアとウクライナの停戦が実現し、NATOとロシアとの緊張も解くことができたとしたら、もはや米国は出る幕がなくなります。同時に人類は、核戦争の恐怖からも、いったんは解放されそうです。

 繰り返しますが、米国を差し置いて、中国がそれほどの外交力を発揮するということは、これまでの外交の「常識」から考えて、到底、ありえないことです。しかし、ありえないことが今回、実現したわけですから、この先は何が起こるかわからない、と心得ていた方がいいのかもしれません。

■エコノミスト田代秀敏氏が緊急寄稿!「習近平氏が国家主席に三選されたことは少しも事件ではない。しかし、サウジとイランの和解を、米国ではなく中国が仲介したことは歴史的な事件である。これはパックス・アメリカーナの終焉の始まりである」

 習近平が国家主席に三選されることは、昨年の中国共産党全国代表大会(党大会)で総書記に三選された時点で決まっていたことであり、少しも事件ではありません。

 習近平は、中国共産党中央総書記、中華人民共和国国家主席、中国共産党中央軍事委員会主席、中華人民共和国中央軍事委員会主席を兼務しています。しかし2つの中央軍事委員会は構成メンバーが同じであり前者が実体で後者は制度上のダミーです。

 総書記のポストそして中央軍事委員会主席のポストにいることが習近平の権力の源泉であって、国家主席のポストはお飾りでしかありません。

 なぜなら、「中国共産党が中華人民共和国を『領導』する」ことが中華人民共和国憲法で定められているからです。「領導」とは「上下関係を前提とする指導」です。党が上で国が下であり、党が国を指導するというのが「中国の国体」なのです。

 現代中国史を振り返ると、1922年に結成された中国共産党が、1927年に中国人民解放軍を建軍し、1949年に中華人民共和国を建国しました。ですから中国人民解放軍は党軍(党の軍隊)であって国軍(国の軍隊)ではありません。

 大胆な比喩を用いると、中国共産党を会社とすると、第一の子会社が中国人民解放軍で、第二の子会社が中華人民共和国なのです。親会社のトップである総書記が、第1子会社のトップである中央軍事委員会主席を兼任し、さらに、第2子会社のトップである国家主席を兼任しているのです。

 党総書記が国家主席と中央軍事委員会主席とを兼任するのは、天安門事件の後に総書記に就任した江沢民が国家主席と中央軍事委員会主席とを兼務するようになってからの慣例です。

 それ以前は、総書記と国家主席と中央軍事委員会主席とはそれぞれ別の者が担当しました。権力の集中を回避して集団指導体制を構築するためです。

 しかし天安門事件の処理にあたって、権力を集中した結果、党総書記が国家主席と中央軍事委員会主席とを兼任することが慣例となっています。

 習近平以前の総書記は、胡耀邦、趙紫陽、江沢民、胡錦濤です。

 胡耀邦そして趙紫陽は、中央軍事委員会主席であったトウ・ショウヘイによって、それぞれ任期途中で解任されました。

 総書記を江沢民は3期13年(第1期は解任された趙紫陽の任期の残り3年)、胡錦濤は2期10年務めました。江沢民が2期目に入ると、次の総書記として胡錦濤が国家副主席に就任し最高指導部に入りました。胡錦濤が2期目に入ると、次の総書記として習近平が国家副主席に就任して最高指導部に入りました。

 その結果、総書記の2期目に入ると、政権のレイムダック化が進んでしまい、改革が停滞しました。習近平が総書記に三選され、自動的に国家主席そして中央軍事委員会主席に三選されているのは、政権のレイムダック化を防止するためだろうと考えられます。

 習近平の国家主席三選が13時50分に報じられてから8時間16分後の22時06分、中国国務院外交部は、激しい対立を続けてきたサウジアラビアとイランとが中国の仲介によって外交関係を再開すると声明しました。声明を粗訳すると次の通りです。

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 2023年3月10日、中国共産党中央政治局委員で中央外事弁公室主任の王毅は、サウジとイランとの北京対話閉会式を主宰した後、記者に今回の対話会の重要な意義を紹介した。

 王毅は、サウジ・イラン北京対話は重要な成果を上げ、両国の外交関係の回復を宣言したと述べた。これは対話の勝利、平和の勝利であり、現在不安定な世界に重大な朗報を提供し、明確な信号を伝えた。

 第一に、世界にはウクライナ問題の他にも平和に関わる多くの問題があり、国際社会は注目する必要があり、当事者は適時に適切に処理する必要がある。

 第二に、問題がどんなに複雑で、挑戦がどんなに鋭くても、相互尊重の精神に基づいて平等な対話をすれば、お互いが納得できる解決策を見つけることができるに違いない。

 第三に、中東は中東人民の中東であり、中東地域の運命は中東諸国の人々の手に握られなければならない。中東諸国は独立自主の精神をさらに発揚し、団結と協力とを強化し、より平和で安定して繁栄した中東を手を携えて建設すると信じている。

 王毅外相は、北京対話は中国、サウジアラビア、イランの首脳が合意したコンセンサスに基づいて進められたものであり、習近平主席は最初から明確に支持していると強調した。対話は、「グローバル・セキュリティ・イニシアチブ」を積極的に実施する成功事例にもなっている。

 中国は誠実で信頼できる仲介者として、ホストとしての義務を忠実に果たしてきた。我々は、今日の世界のホットスポットの問題を各国の希望に従って適切に処理するために建設的な役割を果たし続け、大国としての責任を果たす。

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 中東の大国であるサウジアラビアそしてイランの和解が、米国ではなく中国の仲介によって実現したことは、歴史的な事件です。

 サウジとイランとが鋭く対立していたからこそ、米国の同盟国でありイランと対立するイスラエルは、「敵の敵は味方」の原理で、サウジとの国交正常化に向かいました。これはアメリカ外交の勝利だとされましたが、サウジとイランとが和解してしまうと、無意味になってしまいます。

 日本は原油の90%以上を中東に依存しています。中東の安定と平和とは日本経済にとっても極めて重要です。これまで、中東の安定と平和とは米国が米軍を中東に派遣して維持してきました。

 その見返りに、中東諸国は原油や天然ガスを米ドル建てで輸出し、中東諸国には巨額の米ドルが流れ込みました。その米ドルで中東諸国は米国債を購入し、米ドルの信認を維持してきました。

 世界有数の産油国であるサウジとイランとが中国の仲介で北京で和解したことによって、米ドルの信認は低下を余儀なくなされます。

 一方、サウジとイランとは原油や天然ガスを中国の通貨である人民幣で決済するようになる可能性が高まります。また、サウジとイランとの間の水域の安全を、米軍に代わって中国人民解放軍が保障するようになるかもしれません。

 サウジとイランとが中国の仲介で北京で和解したことは、パックス・アメリカーナの終焉の始まりです。パックス・アメリカーナが永遠に続くとして対米従属を国是としている日本は国家存立の基礎を揺るがされています。

■本日は、3月11日、福島原発事故から12年目! IWJは多彩な特集で、現在進行形の3.11を考えます! ぜひ御覧ください!

 本日は、3月11日、福島原発事故から12年目の3月11日です。

 IWJは、3.11の12周年にちなんで、日刊IWJガイドにおいて、<シリーズ特集! 福島第一原発事故から12年、進む事故への危機感と恐怖の記憶の風化! 他方、急激に高まる原発×戦争リスク!>として特集記事を連続してお伝えしています。

 また、本日は、午後1時30分から午後3時まで、「経産省前テントひろば」と「たんぽぽ舎」が呼びかけ人となって、東京電力本店前(千代田区内幸町1-1-3)で行われる「追悼と東電抗議」が行われます。落合恵子さんや鎌田慧さん、山崎久隆さんなどのみなさんが発言されます。

 さらに、16時から17時30分まで、日本原電本店前(住友不動産秋葉原北ビル 台東区上野5-2-1)で、「とめよう!東海第二原発首都圏連絡会」の主催で、「第56回日本原電本店抗議行動」も予定されています。

 福島原発事故から12年。時間が経つにつれ、原発事故の記憶の風化や、劣化は、甚だしくなっています。これにつれて、原発の再稼働や新規増設をめざす「原子力村」の動きが活発化しています。

 原発をめぐるリスクも事故当時より、はるかに増えています。事故の起きた2011年当時、日本が戦争に巻き込まれるという現実的な可能性は、一般の国民レベルではほとんど実感していなかったと思います。しかし、2015年集団的自衛権の解釈改憲と安保法制の強行採決により、日本は米軍に即時、追随して参戦する国家となってしまいました。しかし、原発が他国の武力攻撃に対してまったく無防備であることに、何ひとつ変わりはありません。

 2011年当時より、2023年現在、日本は格段にミサイル戦争に巻き込まれる軍事リスクが高まりました。なのに、原発は、相変わらず「撃ってください」と言わんばかりに、海岸線に露天で放置されているのは、自国の安全保障に自ら責任を持つ独立主権国家として、あまりに無防備で無責任です。「戦争ができる」ようになっても、なおも安全保障に主体性と責任感が欠けている、そんな「異常」な状態が、続いていると言わざるを得ません。

 IWJは、ウクライナ紛争において、ザポリージャ原発奪還のマスタープランを有するウクライナ軍が、ロシア軍が確保している原発を攻撃した事実を非常に重くとらえ、福島原発事故の意味が、大きく変わったことに注目しています。

 原発はもはや、地震や津波などの自然災害がもたらす事故だけを警戒していればいい問題なのではなく、戦争において武力攻撃対象になりうる、それが現実的な危険性としてありうるであることが、ウクライナ紛争を通じて明らかになったのです。

 沿岸部に立地する原発54基と六ヶ所再処理工場が、ミサイル攻撃の致命的な標的になりうることは、これまで、くりかえし、IWJは警鐘を鳴らしてきました。六ヶ所村は、仮にミサイルなどで武力攻撃を受け、破壊されたら、北半球すべてが放射線汚染され、人が住めなくなるほどの放射性物質が蓄積されていると言われています。

※六ヶ所再処理工場で事故が起これば福島1000基分の放射能が拡散!? 1万キロ四方の住人が急性被曝で死亡!?~ 岩上安身によるインタビュー 第224回 ゲスト 村田光平(みつへい)氏(元駐スイス大使)2012.7.3
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/21731

※村田光平元駐スイス大使関連のIWJコンテンツは以下です。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/村田光平

※六ヶ所村関連のIWJコンテンツは以下です。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/青森県六ヶ所村

※六ヶ所再処理工場関連のIWJコンテンツは以下です。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/六ヶ所再処理工場

 ウクライナ紛争は、原発へ武力攻撃されたらカタストロフィに至る、というこの警鐘が現実化したものです。幸い、原発は今まで破壊されていませんが、今後も危険性は去っていません。

 日本において、2014年までは具体的な戦争リスクは低いものでしたが、先述した通り、2015年以降は違います。

 日本が米中「代理戦争」の「鉄砲玉」として、ウクライナが米国に空気を入れられて、利用されたのと同様に、日本の自衛隊も、日本の国土自体も、米国のいいように利用されて、日本は戦場になるリスクが高まっています。

 IWJは福島原発事故12周年に臨み、原発と戦争が複合的に起こす大惨事に特に注目し、日刊IWJガイドのコンテンツや再配信、記事の中からも、ピックアップし、特集しています。

 ぜひ、御覧ください。

 また、各党が3.11談話を出しています。

 社民党の服部良一幹事長は次のように指摘しています。

 「(前略)とくに福島県の22年の沿岸漁業の水揚げ量は震災前の2割程度、21年度末の営農再開面積は震災前の4割強に過ぎず、第一次産業の再生はようやく緒に就いたばかりともいえる。それに水を差すように、東電・政府は今夏にも汚染処理水の海洋放出を始めようとしているのである。さらに、政府は「GX(グリーントランスフォーメーション)実現」を口実に原発政策を転換した。これまで『想定しない』としてきた新原発の建設を明記し、『原則40年・最長60年』としてきた原発運転期間の延長を可能とするのである。(後略)」

 共産党の志位和夫委員長は、次のように述べています。

 「(前略)東京電力福島第1原発の大事故による甚大な被害、福島県民の苦難をなかったことのようにする原発回帰を断じて許すことはできません。原発事故はいまだに収束しておらず、溶け落ちた核燃料を取り出すメドもたたないまま、大量の放射能汚染水が発生し続けています。ところが岸田政権は『安全神話』を復活させて危険な老朽原発を60年以上も稼働させ、原発の新増設に踏み出そうとしています。

 政府と東京電力は汚染水の海洋放出を福島はもとより三陸沿岸の自治体や漁業者の強い懸念と反対の声を無視して強行しようとしています。汚染水の発生を食い止めるために全力をあげ、海洋放出の方針を撤回するべきです。原発ゼロ、省エネと再生可能エネルギーの抜本的強化で気候危機打開とエネルギー自給率の向上を同時に追求することこそ、東日本大震災、原発大事故を経験した日本が進むべき道です。(後略)」

 れいわ新選組は「声明」の中で次のようにIWJと同じ認識を示しています。

 「(前略)ウクライナ危機という『ショック』を背景に、電力の逼迫、電力料金の高騰が殊更に強調され、政府は原発再稼働賛成へと世論の誘導を行っています。しかし、この戦争が明らかにしたように、一度国土が戦場になれば、偶発的であっても稼働中の原発が攻撃の対象となるリスクが格段に高まります。(後略)」

 さらに、立憲民主党の泉健太代表は、以下の文章を寄せています。驚いたことに、原発再稼働や運転延長、さらには、原発と戦争の問題、地元水産業の復興の問題など、日本国民にとって、重要で切実な論点に一つも触れずに、政権批判も政策批判もありません。全文も非常に短く、迫力もまったくなく、いったい、野党第一党代表の自覚があるのかどうか、きわめて疑わしいものです。

 「東日本大震災から12年を迎えて

 立憲民主党代表 泉 健太

 東日本大震災、そして福島第一原発事故から、12年を迎えました。

 あらためてお亡くなりになられた全ての方々に深く哀悼の誠を捧げます。また被災された全ての皆様にお見舞い申し上げます。

 道路や橋、堤防など、被災地のインフラ復旧は確かに進みました。しかし被災者の皆様は、今も生活、仕事、学業、コミュニティの再生などで様々な困難を抱えています。立憲民主党は各地において、生活する皆様に寄り添い、支援を続けます。

 昨年の3月11日は、宮城県石巻市震災遺構『大川小学校』にて慰霊視察を行いました。ご遺族の方が、『悲劇を繰り返さぬために、その日に何ができるかではなく、その前までに、いかに肌感覚で対策を作れているか』と語っておられたことを思い出します。災害対策の立案では、誰もが大切な人を思い浮かべ、助けねばと想像し、検討することが重要です。あらゆる自然災害を想定し、減災、防災対策の強化を通じ、皆様の命と暮らしを守る決意です。

 福島においては、浜通り全域の1日も早い避難指示解除に向け、環境整備に全力で取り組みます。原発の廃炉や処理水の海洋放出について、地元の皆様からの疑問や不安は消えていません。政府には、誠実な対応と慎重な判断を求めます。

 本年4月には、福島県浪江町に福島国際研究教育機構(F-REI)が設立されます。福島復興を新産業の研究開発の面から支えていくことは未来への希望でもあります。私たちも、万全な運営体制と持続可能な予算の確保を実現してまいります。

 全ての被災者の皆様、そして被災地に、もっと良い未来が訪れるよう、立憲民主党はこれからも全力を尽くしてまいります。

 以上」

■IWJは創業以来、最大の経済的危機です! 2月のご寄付は173件、241万6500円、目標達成率62%でした! ご寄付をお寄せいただいた皆さまありがとうございました! しかし2月の月間目標額より38%下回っており、毎月、累積赤字が増え続けている状況で、第13期の7ヶ月間の累積の不足分は1655万4500円です!「新たな戦争前夜」にあって、偏向メディアにかわり、正確な情報をお届けすべく、IWJは全力で頑張り抜きますので、3月こそは少なくとも月間目標額390万円を達成できますよう、また累積の不足分を少しでも減らせますよう、緊急のご支援・ご寄付・カンパのほど、どうぞよろしくお願いします!

 おはようございます。IWJ代表の岩上安身です。

 いつもIWJをご支援いただきまして、誠にありがとうございます。

 IWJの第13期も半期の折り返しを過ぎ、この3月で8ヶ月目に入りました。

 2月1日から28日までの28日間でいただいたご寄付が確定しました。173件、241万6500円でした。これは、単独月間目標額390万円の62%に相当します。ご寄付をお寄せいただいた皆さま、まことにありがとうございました。大切に、効果的に使わせていただきます。

 しかし、月間の目標額より38%下回っており、毎月、累積赤字が増え続けていることにはかわりありません! 今月3月こそは、390万円という月間目標額をクリアし、できれば積み上がった赤字部分を少しでも皆さまのお力で削らせていただきたいと存じます! 3月の不足分も含めて、第13期の目標の累積してしまった不足額は1655万4500円に達しています!

 3月の1日から10日までの10日間でいただいたご寄付は、45件、61万7400円となっています。これは月間目標額390万円の16%にあたります。ご寄付をお寄せいただいた皆さま、まことにありがとうございます。

 3月の月間目標額達成まで、あと84%、328万2600円が必要です! ぜひ、皆さま、今月こそは達成できますよう、どうぞ緊急のご支援をお願いしたいいたします!

 IWJの内部留保も底を尽き、キャッシュフローが不足したため、私、岩上安身が、個人的な私財から、500万円かつ2回にわたってIWJにつなぎ融資しました。

 私がこれまでにIWJに貸し付けてまだ未返済の残高は約600万円。これにつなぎ融資1000万円と合計すると、IWJへの私の貸し付け残高は約1600万円にのぼります。

 私の貯えなどたかがしれていますから、この先も同様の危機が続けば、私個人の貯えが尽きた時、その時点でIWJは倒れてしまいます。

 皆さまにおかれましても、コロナ禍での経済的な打撃、そしてこのところの物価上昇に悩まされていることとお察しいたします。

 しかし、ご寄付が急減してしまうと、たちまちIWJは活動していけなくなってしまいます。IWJの運営は会員の方々の会費(最近の流行語ではサブスク)とご寄付・カンパ(最近の用語でいえばドネーション)の両輪によって成り立っていますが、それが成り立たなくなってしまいます。

 2023年、「新たな戦争前夜」を迎えて、私、岩上安身とIWJは、少しでも正確な情報を皆さまにお届けできるように、その結果として、日本が戦争突入という悲劇に見舞われないように、無謀な戦争を断固阻止するために全力で頑張ってゆきたいと思います。

 先月、2月における、最も特筆すべきエポックメイキングな出来事は、ピューリッツァー賞を受賞した経歴をもつ、米国屈指の独立調査報道ジャーナリストであるシーモア・ハーシュ氏が、米国が、ノルウェーと協力し、ドイツとロシアを直接つなぐ天然ガスパイプライン・ノルドストリームを爆破したという驚愕のスクープを出したことでしょう。日本の新聞・テレビなどのメインストリームメディアは、一切このスクープを報じませんでした。

 IWJは、全文の仮訳を進め、全4回を号外でお送りしました。

※【IWJ号外】ドイツとロシアを結ぶ天然ガスパイプライン・ノルドストリームを爆破したのは、米国だった! ピューリッツァー賞を受賞した米国の最も著名な独立調査報道ジャーナリスト、シーモア・ハーシュ氏が大スクープ!(その1~4)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e3%82%b7%e3%83%bc%e3%83%a2%e3%82%a2%e3%83%bb%e3%83%8f%e3%83%bc%e3%82%b7%e3%83%a5

 私は、ロシア軍がウクライナに侵攻して1年となる2月24日の岸田総理会見で、ハーシュ氏のスクープについて岸田総理に直接、質問しました。

 私が「日本政府は、このノルドストリーム爆破疑惑について、独自に検証や調査を行なっているのでしょうか?」と質問したのに対し、岸田総理は、「米政府は完全なるフィクションであるという評価をしております」「ノルウェー外務省もナンセンスと言っています」「多くの国においてこうした記事に関しては、否定的な評価がされている」とはぐらかし、日本政府・日本国総理としての判断を示しませんでした。

※【IWJ代表:岩上安身質問】ノルドストリーム爆破疑惑について、日本は独自に検証や調査を行なっているのか?岸田内閣総理大臣記者会見ー令和5年2月24日(Movie IWJ)
https://www.youtube.com/watch?v=9uUrTxr_Mss

※はじめに~岩上安身が岸田総理に対して会見で質問!~(日刊IWJガイド、2023年2月25日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51926#idx-1

 このウクライナ紛争は、米国主導の戦争です。

 ハーシュ氏のスクープが事実であれば、米国は、同盟国のドイツも多額の出資をしたノルドストリーム・パイプラインを爆破し、ドイツとロシアの仲を引き裂き、ウクライナを戦場にして、欧州とロシアの友好的な関係を完全に破壊し、欧州に天然ガスと石油を高値で売りつけて市場を奪い取ったということになります。

 IWJでは、独自のIWJ検証レポートで、ノルドストリームの建設の経緯から、完成したもののウクライナ紛争の勃発と制裁によって使用できなくなり、さらに爆破に至るまで、断続的に連載してお伝えしています。この経緯を知ると、ウクライナ紛争以前から、米国がノルドストリームを何としても阻みたいと思っていたという事実が明らかになります。

 3月3日・4日には、この日刊IWJガイドで、レポートの第5弾と第6弾をお届けしました。ノルドストリームの建設の経緯で、米国が他国のプロジェクトだというのに、理不尽にもどれだけ不当に介入し、身勝手な制裁を加え続けてきたことか、これまで日本ではまったく報じられなかった事実をお伝えします。

 昨日の日刊IWJガイドでも、ノルドストリームの建設の経緯と、米国が執拗に建設・開通阻止のために理不尽な政治力を行使していた事実について、(その7)として掲載しています。そして本日の日刊IWJガイドには、(その8)を掲載しています。ぜひ、御覧ください。

※IWJ検証レポート!「米国が狙った独露間の天然ガスパイプライン・ノルドストリームの阻止!! その7」~なぜ、米国はロシア産天然ガスを敵視し、「ノルドストリーム2」建設を阻止に動いたのか?(日刊IWJガイド、2023.3.10号)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51982#idx-6

※IWJ検証レポート!「米国が狙った独露間の天然ガスパイプライン・ノルドストリームの阻止!! その6」~2019年末、米国は再びノルドストリームに制裁を発動、あと160kmを残すのみとなったノルドストリーム2を建設中止へ追い込む!(日刊IWJガイド、2023.3.9号)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51980#idx-4

※IWJ検証レポート!「米国が狙った独露間の天然ガスパイプライン・ノルドストリームの阻止!! その5(続編)」(日刊IWJガイド、2023.3.4号)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51958#idx-7

※IWJ検証レポート!「米国が狙った独露間の天然ガスパイプライン・ノルドストリームの阻止!! その5」(日刊IWJガイド、2023.3.3号)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51950#idx-6

 ハーシュ氏のスクープが事実であれば、米国は、国家テロを起こして、他国を都合よく操作する、邪悪な帝国主義国家である、という疑惑が急浮上したことになります。こんな「帝国」によって、日本はウクライナと同様に、次に米国が仕掛ける対中戦争の「代理戦争」のコマとされるかもしれないことに、日本国民は真剣な疑念と危機感を抱く必要があります。

 他方で、昨日、号外を2本出しました。号外の1は、かつてハーシュ氏が記者として勤務していたこともあるニューヨーク・タイムズが、ハーシュ氏のスクープを打ち消すような記事を掲載した件についてです。

 「米当局者」を情報源とするこの記事は、ノルドストリームの爆発は、親ウクライナ過激派と反プーチンのロシア人による犯行とし、米国と英国は無関係とわざわざ断りを入れています。

 ハーシュ氏のスクープを一切報じなかった、西側の大メディアは、このニューヨーク・タイムズの記事にとびついて報道し、あわせて、1ヶ月あまり無視していたハーシュ氏のスクープにも言及して、いかにも「バランス」をとったように見せかけ、あげくハーシュ氏のスクープを中国やロシアが取りあげているのは、「情報戦」だ、などと決めつけています。号外の2で報じたNHK・BSの番組などは、その典型です。この番組自体が、プロパガンダのひとつだともいえます。

 こうした「情報戦」が起こるということは、このノルドストリームの爆破がいかに重大な出来事だったのか、ウクライナをたきつけて、同国内のロシア系住民を痛めつけ、ロシアを挑発して誘い出し、戦端の幕を切って落とさせたのは、このノルドストリームを何としても止めたい、という米国の強い国家意志があったからだ、ということを、こうしたノルドストリーム建設の経緯と、米国が、間接的に説明しているように思われます。

 岸田文雄総理は、1月早々に昨年末閣議決定した「改定版安保3文書」を携えて訪米、バイデン大統領と会談し、日本の軍拡をバイデン大統領から賞賛されて岸田総理は鼻高々でした。

 しかし国会での議論と承認がなされなくても、閣議決定し、米国からの承認があれば軍拡のアクセルを踏んでしまう岸田政権は、日本の主権を米国に丸投げしたも同然です。米国を守るために日本が代わりに犠牲となり、日本は米中の「代理戦争」の戦場とされてしまいます。

 上記の24日の岸田総理会見で、私は、「米国は誠実な同盟国なのかどうか、疑いの出ている中、日本の安全保障を米国に丸ごと委ねていていいのか」、「有事の際の自衛隊の指揮権まで米国に渡してしまっていいのか」と問いました。

 岸田総理は「自衛隊及び米軍は、各々独自の独立した指揮系統に従って行動をする、これはいうまでもないこと」などと、自衛隊の指揮権は独立して存在しているかのように述べました。

 しかし、この総理の発言は、事実と異なります。従来の幕僚長を事実上廃止し、新たに米軍との「統合司令部」を設置する「安保3文書」の改定は、自衛隊を米軍の司令下におく「2軍」にしてしまうものです。

 昨年12月15日に私がインタビューした、元外務省国際情報局長・孫崎享氏は、「日本がミサイルみたいなものを持つ。しかし、(ミサイルを撃つ目的地を指示するのは米国で)日本人自身が判断はできないんですよ」と語っています。

孫崎氏「これ(ウクライナ紛争)、日本でも同じことが起こるんですよ。例えば、ロシアの戦車がいますよね。それを『撃て』と。じゃ、その『撃て』という指示がどこから来るのか。

 当然ながら、(ロシアの戦車の位置などの情報は)情報衛星で取っているわけです。その情報衛星は誰が運営しているかと言ったら、ウクライナ人が運営してるわけじゃないわけだから、アメリカですよね。

 だから、戦争で『どこに撃て』という指示は、ウクライナは引き金を引いてるかもしれないけれども、指示はアメリカから来ているわけですよ。

 例えばロシア(領内のロシア空軍基地の)飛行場に(ウクライナ側がドローンで)撃ちましたよね。『このポイントに撃った方がいい』というのをウクライナ人が判断しましたか。してないんですよ。

 おそらく、それと同じことは東アジアで起こるんですよ。日本がミサイルみたいなものを持つ。その時に、どこか、目的地に向かって撃つ。しかし、その目的地を日本人自身が判断はできないんですよ」

※「ウクライナと同じで戦場になってガチャガチャになるのは日本だけ」~12.15 岩上安身によるインタビュー第1107回 ゲスト 元外務省国際情報局長 孫崎享氏インタビュー 2022.12.15
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/512936

 自衛隊が米軍と司令部を統合してしまい、自身で状況判断するための目と耳(情報衛星他)をもたず、独自に判断する頭(内閣に直結した独立した司令部)をもたない、そんな日本が、安全保障において、米軍から独立した主権をもつ、といくら岸田総理が口先だけで言っても、自衛隊のおかれたリアルな現実を国民に説明していることにはなりません。

 2月28日、衆議院本会議は与党の賛成多数で、「安保3文書」の改定を踏まえ、防衛費を大幅増額した2023年度予算案を可決しました。過去最大の114兆3812億円に上る2023年予算案は、参議院が仮に可決せずとも、3月中に自動成立してしまいます。

 日本は、このまま米国追従を続け、米国の一極覇権を支えるために、日本自らは世界最悪の財政危機に直面しているというのに、米国の要請に従って、軍拡という重い財政支出を重ねてゆくのはあまりに愚かではないでしょうか!?

 そもそも日本が依存している米国は、誠実な、信頼に値する同盟国といえるのでしょうか!? その問いに対する回答を得るためには、ノルドストリームを爆破したのが誰か、ハーシュ氏のスクープは正しいのか、間違っていたのか、知る必要があります。

 日本は、米国への依存から脱却をはかり、独立した主権国家として、そもそも「敵」を作らない、多極的な外交姿勢をめざすべきではないでしょうか?

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岩上安身

■「第三次世界大戦が現実味を帯びてきているのに危機感なさすぎの我が国のメディアと国民」、「いつも他のメディアで得られない信頼できる情報を提供してくださるので」、ご寄付者様からメッセージをいただきました! ここに感謝を込めて紹介させていただきます!

 ご寄付者様からメッセージをいただきました。

 メッセージひとつひとつに、岩上安身が返信を書かせていただきます! ぜひ嬉しい励ましのメッセージ、あるいは、ご質問やご提案などにもお答えしますので、お寄せください! ただし、会員の方で、ご寄付者様からのメッセージのみとさせていただきます!

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 苦しい中本当に頑張っておられますね!第三次世界大戦が現実味を帯びてきているのに危機感なさすぎの我が国のメディアと国民。一般会員継続会費と、ほんの1000円ですがそれを足して振り込みました。頑張れ、IWJ!

(匿名希望)

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匿名希望 様

 ありがとうございます!

 「世界大戦規模の戦争が現実味を帯びてきている」と言われても、ぽかーんとしているのが、日本のメディアと日本国民であるとのご指摘、まったくその通りだと思います。

 これは国民が気づかないうちに、戦争準備を進めてしまえ、という日本政府と米国政府の思惑があることは間違いないと思いますし、御用メディアも、そのおとぼけに一役買って現実を伝えないため、世論がなかなか盛り上がらないのだと思います。

 と同時に、実際の問題として多くの日本人は、隣国の中国人を殺してやりたいと思うほど憎んでいませんし、多大な犠牲を払ってでも、中国と戦って、軍事的に打ちのめすのだ、という強迫観念にもとらわれていないのが実状だと思います。

 多くの国民が必要としていない戦争だからこそ、国民の多くが「え?? なんで中国と戦争? 誰も戦いたいなんて思っていないのに? 中国と日本は経済的に相互依存しているし、中国との戦争なんて、起こるわけないでしょ」と高を括っているのは、無理もないことだと言わざるをえません。それはそれで、自然で健全な感覚だと思います。

 ロシアとの間でノルドストリームの建設を進めてきたドイツにしても、エネルギーの供給の面で、資源輸出国のロシアと安定的な関係を築ければ、一般市民の暮らしにとっても、産業面での優位性を保つ上でも、歓迎すべきことだったはずです。

 米国がいらだちを覚えて、再三、ノルドストリーム建設の邪魔をする制裁決議を可決しても、建設を続けてきたのは、まさか、ロシアとの間で戦争が引き起こされるなんて、ドイツは想像もしていなかったからだと思います。

 ドイツとロシアが安定的な関係を築くのは許さない、という米国の国家意思がそれほどの強固なものだったとは、ドイツもロシアも思いもよらなかったでしょう。

 同じことは日本についてもいえます。日本が中国や隣国のロシアと平和条約を結び、政治的にも関係を深め、友好関係を築いたら、日米安保も在日米軍基地も必要なくなります。それは、米国にとって不都合なことであり、中国と日本、ロシアと日本が、平和的な関係を構築することは、米国は許さないでしょうし、現実にそのような動きがあれば、何としても阻もうとするでしょう。

 平和から、戦争への暗転は、このようにして、第3国である超大国の利害と結びつき、当事国の市民の感覚とはまったく違った展開を見せるのだと思います。

 日本人の多くが、今は戦争の心配をしていない、というのは健全な感覚のあらわれだともいえます。しかし、その無警戒な状況が、戦争によって大儲けを企む「戦争屋」にとっては、事を運ぶために好都合な状況を提供しているともいえるわけです。

 しかし、であるからこそ、多くの国民が油断している間に、戦争は自然現象とは違い、意図的に準備され、作りだされるのだ、ということを、我々は繰り返し強調して、国民に警戒を発しないといけないのだと思います。

 ジャーナリズムの使命のひとつは、「炭鉱のカナリア」であることにあります。危機をいち早く察知して、社会に警戒を呼びかけることは、IWJの使命です。

 IWJはこれからも、危険や危機を予見し、警鐘を鳴らしていきたいと存じます。

 今後とも、ご支援をよろしくお願いします。

岩上安身

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いつも他のメディアで得られない信頼できる情報を提供してくださるので。経済状況が悪いと聞いて。

(M.J. 様)

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M.J. 様

 ありがとうございます。

 「他のメディアで得られない情報」、つまり「オルタナティブな情報」というだけでなく、「信頼できる情報」をIWJが「提供」しているとご評価いただき、とても嬉しく、また誇らしく思います。

 ただ単に「オルタナティブ」であろうとするなら、単にメインストリームメディアの「逆張り」をしていればいいことになります。しかし、何でも「アンチ」というのは、ジャーナリズムとしては間違った態度であると思います。できるだけ客観的に公正に事実・真実を報じるという姿勢が大切で、その結果、メインストリームメディアの報道とは全然違ってしまった、というのは、あちら側に問題があるわけです。

 我々はあくまで、真実を追求し続けていきたいと思います。

 ご指摘の通り、IWJの経済状況はたいへん厳しいものがあります。試練を乗り切れるかどうか、この勝負は五分五分であり、厳しい状況が続けば我々は活動できなくなってしまうかもしれません。その状況を止めることができるのは、皆さまおひとりおひとりのご支援いかんにかかっております。どうぞ、我々IWJの活動を継続させていただきたくご支援を重ねてお願い申し上げます。

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◆中継番組表◆

**2023.3.11 Sat.**

調整中

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◆中継番組表◆

**2023.3.12 Sun.**

調整中

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◆昨日アップした記事はこちらです◆

「今の特殊詐欺グループは、自転車の車輪がいくつも存在していて、そのハブのスポークが、また別の車輪のハブになっているみたいな円環構造」~岩上安身によるインタビュー第1111回 ゲスト 神奈川新聞報道部デスク・田崎基氏
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/514596

【IWJ号外】ハーシュ氏が鼻で笑う!『ニューヨーク・タイムズ』が、ノルドストリーム爆破工作をおこなったのは「親ウクライナ派のグループ」で「ウクライナ人か、プーチン大統領に反対するロシア人」、「米国人と英国人は無関係」とする記事を発表!『ロイター』、『BBC』、『日本経済新聞』など主要メディアが一斉に『ニューヨーク・タイムズ』追従記事を発表!『ニューヨーク・タイムズ』の情報源は匿名の「米当局者」!?
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/514664

【IWJ号外】驚くべき偏向ぶり! NHKが発表以来1ヶ月無視し続けたシーモア・ハーシュ氏のスクープ記事を、「中国が連日報じる、ロシアと連携した情報戦」という文脈で紹介!
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/514673

放送法解釈をめぐる総務省行政文書について「『捏造』なのか? 高市大臣が嘘をついているのか?」とのIWJ記者の質問に、松本大臣は「国会に行く時間なので」と何も答えず遁走!?~3.10 松本剛明 総務大臣 定例会見
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/514650

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■日本の経常赤字が過去最大(比較可能な1985年以降で)! 2023年1月の経常収支は、1兆9766億円の赤字で、前年同月比で1兆3962億円、赤字幅が拡大! およそ、10年前から日本の貿易収支は赤字に転落し、そのトレンドは現在も続いている! 貿易収支の長期赤字トレンドに重なるようにして、ロシア制裁とアベノミクスの出口なき円安のトリプルパンチ!

 日本の経常赤字が、(比較可能な1985年以降で)過去最大になりました!

 経常収支は、貿易収支(財貨(物)の輸出入の収支)、サービス収支(旅行、輸送などサービス取引の収支)、第一次所得収支(対外金融債権・債務から生じる利子・配当金等の収支状況)、第二次所得収支(官民の無償資金協力、寄付、贈与の受払など、居住者と非居住者との間の対価を伴わない資産の提供に係る収支状況)の合計です。

※用語の解説(財務省、2023年3月9日閲覧)
https://www.mof.go.jp/policy/international_policy/reference/balance_of_payments/term.htm

 財務省は8日、2023年(令和5年)1月中 国際収支状況(速報)の概要を発表しました。

※令和5年1月中 国際収支状況(速報)の概要(財務省、2023年3月9日閲覧)
https://www.mof.go.jp/policy/international_policy/reference/balance_of_payments/preliminary/pg202301.htm

 これによると、2023年1月の経常収支は、1兆9766億円の赤字で、前年同月比で1兆3962億円、赤字幅が拡大しました。

 ただし、季節変動を除去して、実質的な変化を表す季節調整済の速報値で見ると、2023年1月の経常収支は、2163億円の黒字となっています。

※6s-a-2 季節調整済国際収支推移(月次)CSV 平成8年(1996年)1月以降(財務省、2023年3月9日閲覧)
https://www.mof.go.jp/policy/international_policy/reference/balance_of_payments/bpnet.htm

 前月、2022年12月の季節調整済の経常収支の速報値が、1兆1839億円ですから、黒字とは言え、黒字幅は、大幅に縮小しています。

 この黒字幅の大幅減に「貢献」してしまったのが、貿易収支の赤字、1兆6959億円と、サービス収支の赤字、5560億円、さらに、第二次所得収支の赤字、4040億円です。

 経常収支の赤字についてどう見るべきなのかについて、2014年3月14日の『日経新聞』のコラム「大機小機」が3つの視点を提示しています。

 第一に、赤字そのものが悪いという考え方。要するに、稼ぎが減ったという見方。

 第二に、経常収支の赤字の主因である貿易収支の悪化は、日本の国際競争力の低下を表している、という見方。

 第三に、経常収支の悪化と関連づけて、財政赤字の問題や燃料の輸入増加を指摘するもの。

※経常赤字は悪いのか(日経新聞、2014年3月14日)
https://www.nikkei.com/article/DGKDZO68250830T10C14A3EN2000/

 経常収支の黒字幅の大幅減の内容を見た場合、とりわけ貿易収支の赤字、1兆6959億円が主因となっていることがわかります。

 2014年3月14日付けの『日経』の視点に則れば、これは「貿易収支の悪化は日本の国際競争力の低下を表している」という見方が妥当であるということになります。

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■<IWJ取材報告>放送法解釈をめぐる総務省行政文書について「『捏造』なのか? 高市大臣が嘘をついているのか?」とのIWJ記者の質問に、松本大臣は「国会に行く時間なので」と何も答えず遁走!?~3.10 松本剛明 総務大臣 定例会見

 2023年3月10日午前9時20分頃より、東京都千代田区の総務省にて、松本剛明総務大臣の定例会見が開催されました。

 質疑応答でIWJ記者は、放送法第4条にかかる総務省の「行政文書」について、以下の通り質問しました。

IWJ記者「高市経済安全保障担当相は、この文書について、ご自身にかかわる記述の内容が不正確で捏造だと主張していらっしゃいます。

 松本大臣は7日の会見で、行政文書の内容について、『関係者の認識が異なる部分がある』『一部について正確性が確認できないものがある』とおっしゃいましたが、そもそも総務省では、正確でない文書を、公的な行政文書として保管していることをお認めになるということでしょうか?

 また、高市大臣が『捏造』とまでおっしゃっていることを、松本大臣は『重く受け止めなければならない』とおっしゃっていますが、松本大臣は当時の総務省の官僚が、わざわざ時の総務大臣に『悪意を持った』文書を捏造した可能性が高いとお考えなのでしょうか?

 これは、総務省の官僚のみなさんの名誉と信頼にも関わる問題であり、国民の中には、高市大臣のほうが嘘をついており、反論できない総務省の官僚に責任を転嫁しようとしているのではないか、という声もあるようです。

 文書を作成した総務省の官僚が正しく、高市大臣が自己保身のために嘘をついているのか、または、その逆なのか? お考えをお聞かせください」。

 この質問に対して、松本総務大臣は、「申し訳ありませんけど、私、国会に行く時間になってしまいましたので、『質問をうかがった』ということにさせていただきたいと思います」とだけ述べ、何も答えることなく会見室を出て行ってしまいました。

 この松本大臣の会見が行われたのと同じ、10日の閣議後記者会見で、高市早苗経済安全保障担当大臣は、TBS記者の質問に、次のように答えています。

TBS記者「公文書の大臣の発言については『捏造だ』とおっしゃっていますけど、あれは公文書であることは総務省も認めています。そうすると、総務大臣の発言について、総務省の官僚が捏造したという、大臣の主張になるかと思うんですけども、その点については大臣の監督責任についてはどのようにお考えでしょうか?」

高市大臣「(前略)当時、私が大臣であった総務省に、正確性が確認されていない文書が保存されていたということは、新しいガイドライン(モリカケ問題などを受けて2017年に策定された公文書に関するガイドライン)ができる前のことであっても、やはり大変残念に思いますし、当時の大臣としては、総務省の行政すべてに責任を持つ立場でございますので、責任を感じております。たいへん申し訳ないことだったと存じます」

※高市大臣記者会見(政府インターネットテレビ、2023年3月10日)
https://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg26369.html?t=223&a=1

 高市大臣の「陳謝」は、総務省の官僚が公文書を「捏造」したと結論づけた上で自らの、「監督責任」について「陳謝」したという、「自己弁護の上塗り」のようにしか見えません。

 しかも10日付け時事通信は「10日の参院本会議で高市氏は、文書について『正しい情報ではない』と改めて明言し、『大臣も議員も辞職すべきとは考えていない』と強調した」と報じています。

 「捏造」文書なのだから、辞職の必要はないということのようです。

 つまり、あくまで責任は総務省の官僚側にあり、自分は悪くない、という言い分を押し通すつもりのようです。IWJ記者が松本総務大臣に、「どちらが嘘をついているのか」と回答を迫ったように、「灰色決着」などはありえないので、総務省の担当官僚と、高市大臣と、どちらが嘘をついているのか、この問題は明確にしてもらいたいと思います。

※高市氏「責任感じる」と陳謝 放送法文書、正確性欠く(時事ドットコム、2023年3月10日)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2023031000488&g=pol

 各社記者からも、放送法第4条にかかる総務省の「行政文書」について、質問が集中しました。

 会見冒頭、松本大臣より、「2023年(令和5年)1月分家計調査報告(二人以上の世帯)」について報告があった。

※家計調査報告(二人以上の世帯)2023年(令和5年)1月分(総務省、2023年3月10日)
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01toukei07_01000233.html

 また、この会見の翌日、2023年3月11日で、東日本大震災から12年を迎えるにあたり、今後の抱負と取り組みについて、松本大臣が述べました。

 詳細については、ぜひ全編動画を御覧ください。

※放送法解釈をめぐる総務省行政文書について「『捏造』なのか? 高市大臣が嘘をついているのか?」とのIWJ記者の質問に、松本大臣は「国会に行く時間なので」と何も答えず遁走!?~3.10 松本剛明 総務大臣 定例会見
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/514650

 それでは、本日も1日、よろしくお願いします。

※日刊IWJガイドのフルバージョン(会員版)は下記URLより御覧ください。
https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20230311

IWJ編集部(岩上安身、浜本信貴、尾内達也、前田啓)

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