日刊IWJガイド・非会員版「本日4月最終日です! 4月の月間目標額の達成まで、33万5400円足りません。ウクライナ報道で孤軍奮闘するIWJをご支援ください!」2022.4.30号~No.3516号


┏━━【目次】━━━━
■はじめに~本日4月最終日です! 4月の月間目標額の達成までにあと、33万5400円足りません。今期の8か月間の累積の不足金額は、297万8184円です! 4月の未達成分とあわせて331万3584円、本日までに必要です! ウクライナ報道で孤軍奮闘するIWJをご支援ください!

■【中継番組表】

■ツイッター「IWJ_Sokuho」4月28日・29日、プーチン大統領が欧米の介入に対して「あらゆる手段で対抗」すると述べる! バイデン大統領はさらに330億ドルの追加支援を議会に要請、「この戦いにかかる費用は決して安くないが、ウクライナの自由と安全に投資することは、ロシアの侵略を罰し、将来の紛争のリスクを軽減するために支払うべき小さな代償である」と米国の国益を強調! ブリンケン国務長官は対中露包囲網で、日本を含む「アジア太平洋4国AP4」がNATO総会出席と発言! 円安だけではない、ユーロ安、人民弊安、ウォン安で米ドルの一人勝ち? 欧州はロシア産資源のルーブル払いで対応が揺れる!

■ラブロフ外相がロシア国営テレビのインタビューで語ったのは「第三次世界大戦」「核戦争の危機」だけではなかった!(第3回)「この民主主義国家がロシアのあらゆるものを禁止し、ロシア正教の教会を破壊したとき、西側の仲間たちはどこにいたのだろうか?」西側民主主義の欺瞞を暴き、「パペット」ゼレンスキーの「千差万別の矛盾」を指摘!!

■4月発行の「岩上安身のIWJ特報!」は2月18日収録の「岩上安身によるインタビュー ゲスト 元外務省国際情報局長 孫崎享氏」から、ウクライナ危機の本質に迫った部分を抜粋! テキストに詳細な注釈をつけて発行します! ぜひ、「まぐまぐ」からご登録ください!! バックナンバーの単独購入も可能です! サポート会員になればバックナンバーすべて読むことができます!
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■はじめに~本日4月最終日です! 4月の月間目標額の達成までにあと、33万5400円足りません。今期の8か月間の累積の不足金額は、297万8184円です! 4月の未達成分とあわせて331万3584円、本日までに必要です! ウクライナ報道で孤軍奮闘するIWJをご支援ください!

 おはようございます。IWJ代表の岩上安身です。

 IWJでは、今期第12期の年間の予算を立てる上での見通しとして、代表である私、岩上安身への報酬をゼロにすることを筆頭に、支出をぎりぎりまでにしぼった上で、IWJの運営上、必要なご寄付・カンパの目標額を、4月からは400万円といたしました。

 昨年8月から始まったIWJの今期第12期は、4月で9か月目に入りました。

 今期スタートの8月1日から3月末までの8か月間の累計の不足分は、あと297万8184円となりました。

 また、今月4月は1日から29日までの29日間で、315件、366万4600円、目標額の92%のご寄付・カンパをいただいています。ありがとうございます。しかし、4月は本日が最終日です! 月間目標額に到達するには、33万5400円、まだ足りません!

 8か月間の今期の累積の不足分297万8184円に、4月の未達分33万5400円を足すと、331万3584円が本日までに必要となります。今期末は7月末までです。あと3か月強です! 今月4月を含めて、期末までの残り3か月と2日間で、不足分がゼロになるように、どうか皆さまのお力で、ご支援ください!

 IWJの会員数は現在3202人です。そのうちサポート会員は1099人です(2022年4月18日現在)。本当に心苦しいお願いではありますが、会員の皆さま全員が1035円ずつカンパしてくださるか、サポート会員の皆さまが全員1人3015円ずつカンパしてくださったならば、なんとかこの赤字は埋められます!

 伏してお願いいたします! どうか皆さまのお力で、この窮状をお助け願います!

 下記のURLから会員登録いただけます。ぜひ、会員登録していただいてご購読・ご視聴お願いいたします。
https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

※ご寄付・カンパを取り扱っております金融機関名です。どうぞ、ご支援のほどよろしくお願いします。

みずほ銀行
支店名 広尾支店
店番号 057
預金種目 普通
口座番号 2043789
口座名 株式会社インデイペンデント ウエブ ジヤーナル

城南信用金庫
支店名 新橋支店
店番号 022
預金種目 普通
口座番号 472535
口座名 株式会社インディペンデント.ウェブ.ジャーナル

ゆうちょ銀行
店名 〇〇八(ゼロゼロハチ)
店番 008
預金種目 普通
口座番号 3080612
口座名 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル カンリブ

 IWJホームページからもお振り込みいただけます。

※ご寄付・カンパのお願い
https://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

 どうか、ご支援のほど、よろしくお願い申し上げます!

岩上安身拝

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◆中継番組表◆

**2022.4.30 Sat.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【IWJ・エリアCh1・兵庫】「参院選に関する内容」
視聴URL: http://twitcasting.tv/iwj_areach1

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◆中継番組表◆

**2022.5.1 Sun.**

調整中

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◆昨日アップした記事はこちらです◆

【IWJ速報3月7日】『UA wire』ロシアとの協議に臨むウクライナ代表が、ウクライナ保安庁に拘束されたまま殺害された件,ウクライナ治安局(SBU)は、ウクライナ交渉団メンバーのデニス・キレエフを拘束中に射殺
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/505222

【IWJ速報3月8日】柳井氏は、ウクライナでの戦闘に反対を表明しており、ファーストリテイリングは国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)に1000万ドルを寄付している。ユニクロはロシアで全店舗の営業を続けることを約束している
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/505226

【IWJ速報3月9日】『SPUTNIK』 (2022.3.7):ロシア国防省によれば、ウクライナの生物研究所では生物兵器の病原体が開発されていたという。この開発は米国防総省による支援を受けて進められていたとのこと
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/505229

【号外第22弾】「『制裁は本当にプーチンを止められるのか』米国のロシア制裁を煽っていたニューヨーク・タイムズが『制裁の出口戦略』に言及する180度の方向転換の社説を掲載」 大手メディアが報じない、驚愕の内容です! ぜひ御覧ください!
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/505252

【号外第23弾】「インドのメディアがロシアの石油は秘密裏に欧州に出荷されているとスクープ! ロシアのタンカーでは目的地不明のタグが大活躍! 西側は自分たちにはローカル・スタンダードがあると考えている」
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/505251

経済安保法案が5月10日参院で委員会採決! 学問への政治干渉、軍事技術の官民連携を懸念!「検察庁法改正反対のような注目と世論の盛り上がりがほしい」!!~4.28 経済安保法案の参議院採決を許さない! 緊急アピール
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/505248

「ワシントンはウクライナ人が最後の1人となるまでロシアと戦う」!! 米国のレーガン政権で外交アドバイザーを務めた保守の論客・ダグ・バンドゥ氏が強烈にバイデン政権を批判する論文を発表! この戦争の主語は「ワシントン」であり、最後の1人まで戦わされるのは「ウクライナ」! これは「正義」の戦争なのか!?
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/505301

【号外第24弾】ウクライナ紛争によって恩恵を受ける軍需産業の株価は軒並み10%~20%上昇! 大儲けで笑いが止まらない! 英国エセックス大学ピーター・ブルーム教授の論文
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/505320

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■ツイッター「IWJ_Sokuho」4月28日・29日、プーチン大統領が欧米の介入に対して「あらゆる手段で対抗」すると述べる! バイデン大統領はさらに330億ドルの追加支援を議会に要請、「この戦いにかかる費用は決して安くないが、ウクライナの自由と安全に投資することは、ロシアの侵略を罰し、将来の紛争のリスクを軽減するために支払うべき小さな代償である」と米国の国益を強調! ブリンケン国務長官は対中露包囲網で、日本を含む「アジア太平洋4国AP4」がNATO総会出席と発言! 円安だけではない、ユーロ安、人民弊安、ウォン安で米ドルの一人勝ち? 欧州はロシア産資源のルーブル払いで対応が揺れる!

 IWJは、ツイッターアカウント「IWJ_Sokuho」で、ウクライナ情勢をツイートしています。テレビでは流れない情報や、石油・天然ガスなどの資源問題、ウクライナの実情もあわせて、多角的にウクライナ情勢をお伝えしています。ぜひ、一度御覧ください。

※IWJ速報@IWJ_Sokuho
https://twitter.com/IWJ_Sokuho

プーチン大統領は27日、第2の都市サンクトペテルブルクで演説し、目に見えてエスカレートする欧米の介入に対して「あらゆる手段で対抗」と述べました。直接、核兵器の使用には言及していませんが、しかし、「弾道ミサイルや核兵器を指している」と『BBC』がフライング気味に報じるなど、西側メディアが一斉に「核兵器の使用を暗示した」と報じ、欧米に強い警戒が広がりました。

※【速報5461】時事、28日:プーチン大統領は27日、第2の都市サンクトペテルブルクで演説し、ウクライナでの軍事作戦で「全ての目標を無条件で達成する」と強調した。
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1519972104124628993

 『BBC』によれば、プーチン大統領は、「外部の者がウクライナに介入し、ロシアに戦略的脅威を与えようとするなら、我々は電光石火の対応を取るだろう」と述べました。

 プーチン大統領は、欧米諸国の介入が「受け入れ難い戦略的な脅威」になるならば「相手が持たない手段」を必要に応じて用いる、と述べました。

 「我々には(対応するための)あらゆる手段がある。(これらの手段があると)自慢できる者はほかにはいない。我々はそれを鼻にかけるのではなく、必要に応じて使用する」(BBC)

 『BBC』は、プーチン大統領がのべた「手段」とは、弾道ミサイルや核兵器を指しているとみられる、と決めつけて報じています。

※【速報5464】BBC、28日:プーチン大統領は、「外部の者がウクライナに介入し、ロシアに戦略的脅威を与えようとするなら、我々は電光石火の対応を取るだろう」と述べた。
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1519972217211084800

 こうした一連の西側メディアの報道を、ロシア外務省のザハロワ報道官は、「言葉を捻じ曲げて伝えている」と批判し、「核戦争という考え自体、ロシアは容認することができない」と強く述べました。

ザハロワ報道官「核戦争を防ぐため、我々はできる限りのことをしてきた。なぜなら、核戦争をめぐる無責任な行動がもたらす本当のリスクと脅威とを理解しているからだ。核戦争という考え自体、ロシアは容認することができない」

※【速報5472】駐日ロシア大使館、29日:ロシア外務省のザハロワ報道官「核戦争を防ぐため、我々はできる限りのことをしてきた。(続く)
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1519972916133199873

 欧米諸国の介入に強く反発するプーチン大統領を挑発するかのように、バイデン米大統領は28日、330億ドル(約4兆3000億円)の追加予算承認を連邦議会に求めると発表しました。これまでの追加支援は8億ドル、13億ドルという規模ですので、まさに「桁違い」です。

 緊急資金には軍事・安全保障支援に204億ドル、経済支援に85億ドル、人道支援と世界の食糧安全保障向けの30億ドルが含まれます。

 米国のウクライナ支援はこれまでその過半が軍事支援であり、人道支援や経済支援を超えていましたが、ここでも3分の2が軍事支援に割り当てられており、米国によるウクライナ支援の軍事的性格がより先鋭に表れています。

※【速報5383】BBC、29日:バイデン米大統領は28日、ウクライナへの軍事・経済・人道支援を強化するため、330億ドル(約4兆3000億円)の追加予算承認を連邦議会に求めると発表した。
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1519946785808019456

 ホワイトハウスによると、バイデン大統領は、この巨額支援について「この戦いにかかる費用は決して安くないが、侵略に屈することを許せば、もっと高くつくことになる」と述べています。

※【速報5385】ホワイトハウス、28日:バイデン大統領「この戦いにかかる費用は決して安くないが、侵略に屈することを許せば、もっと高くつくことになる」
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1519946884109914113

 バイデン大統領は「我々は数千の対空ミサイル、ヘリコプター、ドローン、グレネードランチャー、マシンガン、ライフル、レーダーシステム、5千万発以上の弾薬を提供した」と述べ、米国のウクライナ支援はロシアの10倍だと胸を張りました。

 「米国は、ウクライナに進駐しているロシア軍戦車1台につき、10台の対人戦闘機を提供したことになる(10対1)」

 これはもはや「支援」ではなく、米国が戦争の「主体」となっていると言ってもいい規模です。

 米国は、兵器だけではなく、戦略上重要な情報も提供しています。バイデン大統領は「我々は、ロシアの猛攻から身を守るために、ウクライナに重要な情報をタイムリーに提供している」と述べています。

 バイデン大統領は、米国の軍需産業が貢献しているとも指摘しました。

 「私はアラバマ州に行き、我々がウクライナに送っている対戦車ミサイル『ジャベリン』を製造しているロッキード・マーティン社の工場を訪問し、アメリカの労働者に、キエフなどウクライナの都市でロシアの進撃を止めるのに役立った兵器を製造していることに感謝したい」

 米国の軍需産業大手は、民生部門の航空機で業績を悪化させているボーイング社を除けば、軒並み、ウクライナ侵攻以降10~20%株価をあげています。まさに、「ウクライナへの軍事支援」が米国の軍需産業を潤しているのです。

 米下院は28日、大統領の権限によるウクライナへの兵器の貸与を容易にする「レンドリース(武器貸与)法案」を賛成多数で可決しました。バイデン大統領が署名し、法案が成立すれば、バイデン大統領はウクライナ政府や東欧諸国に対して兵器などの軍事物資を貸与する際に、本来は必要な手続きが免除され、迅速に支援が実行できるようになります。まさに、米国発ウクライナ行きの軍事物資は、今後も速射砲のようにスピードをあげて送り込まれていくのでしょう。

※【速報5402】朝日、29日:米下院は28日、大統領の権限によるウクライナへの兵器の貸与を容易にする「レンドリース(武器貸与)法案」を賛成多数で可決した。
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1519949018293362688

 IWJで以前取り上げたように、米国はウクライナに大量に供与した兵器の行方を把握できていないと、『CNN』が20日にスクープしています。

※ウクライナに供与した大量の兵器の行方、米国も把握しきれず(CNN、2022年4月20日)
https://www.cnn.co.jp/world/35186566.html

 アフガニスタンでは米国の兵器供与が過剰で、多くの兵器がアフガニスタンに残されました。米軍が2021年8月にアフガニスタンを撤退した後、軍の装備約70億ドル(約9000億円)相当が、アフガニスタンに残されていたと、米国防総省が3月に報告しました。

 報告によれば、186億ドル相当の装備をアフガニスタン治安部隊(ANDSF)に供与しましたが、そのうち約70億ドルをアフガニスタンに残してきたというのです。

 「Mi-17」ヘリコプターや122ミリ榴弾砲など、その一部はすでにウクライナへの支援に転用されているということです。

※【速報5433】CNN、28日:米国防総省は議会に提出した報告書の中で、米軍が昨年8月にアフガニスタンから撤退した際、16年かけて同国政府に移転した軍の装備約70億ドル(約9000億円)相当が、アフガニスタンに残されていたと報告した。
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1519959184283824128

 バイデン大統領は巨額支援の弁明をするかのように、ロシアのオリガルヒの差し押さえ資産をウクライナの復興に当てると述べました。

 「私はまた、ロシアのオリガルヒの責任を追求し、彼らの不正な利益を奪うことを確認するための基本的な努力を強化する包括的な立法パッケージを議会に送っている。(中略)

 彼ら(ロシアのオリガルヒ)のヨットや豪邸、その他プーチンの政治的泥棒(kleptocracy)と泥棒(klep)である連中の不正蓄財を押収する。(笑)こいつらは悪いやつらだ。(中略)

 これらの財産の没収と差し押さえのための迅速な手続きを新たに設ける。(中略)

 ウクライナの建設を支援するために直接使われることを保証する」

 米ホワイトハウスは28日、ロシアへの経済制裁を強化する一連の法案の一環として、同国のオリガルヒから差し押さえた資産をウクライナの支援に充てることを提案しています。

 欧州連合(EU)の同盟国は、これまでにロシアの資産300億ドル(約3兆9000億円)以上を凍結。米国は10億ドル(約1300億円)以上相当の船舶や、航空機に制裁などを科し、ロシアの支配層が米国口座で所有する数億ドル(数百億円)の資産を凍結したとしています。

 個人資産を差し押さえて流用するとは、どちらが「泥棒」なのか、問われて然るべきでしょう。

※【速報5405】AFP、29日:米ホワイトハウスは28日、ロシアへの経済制裁を強化する一連の法案の一環として、同国のオリガルヒから差し押さえた資産をウクライナの支援に充てることを提案した。
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1519950926655614976

 バイデン大統領は、ロシア産の資源エネルギーの禁輸についても触れました。

 「米国はロシアの化石燃料の輸入をすべて止めた。私たちは自国の膨大な電力供給を利用できるからだ。(中略)

 (しかし、自国の資源が不足する国々のために)我々は、韓国、日本、カタールなど他の国々と協力し、ロシアからガス脅迫を受けているヨーロッパの同盟国や、彼らのエネルギー需要を他の方法で支援するためのに努力している。(中略)

 これは、ヨーロッパと世界が電力需要の多くをクリーンエネルギーに移行させることが必須であることを改めて認識させるものだ」

 『ロイター』によれば、米エネルギー省は27日、現在建設中と建設計画にあるLNGプラント2カ所から、LNGを出荷することを許可したと明らかにしています。

 エネルギー省が追加輸出を許可した背景には、ポーランドとブルガリアがルーブル建て支払いを拒否したことを受け、ロシアが両国へのガス輸出を停止したことがあるとしています。

 これによって、テキサス州のLNG輸出ターミナル「ゴールデンパス」は、日量3億5000万立方フィートを追加輸出でき、年間輸出量は約16%増えることになる、ということです。

※【速報5427】ロイター、28日:米エネルギー省は27日、現在建設中と建設計画にあるLNGプラント2カ所から、LNGを出荷することを許可したと明らかにした。
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1519957244535746561

 シェール革命によって、世界トップクラスの埋蔵資源を手にした米国が、ロシア産資源を欧州市場から追い出して、輸出量を増やしているのです。

 さらに、米建設大手グレンファーン・グループが建設するルイジアナ州の「マグノリア」LNG輸出ターミナルは、欧州などに日量1億5000万立方フィートの追加輸出が可能になるということです。

 こちらはまだ着工しておらず、27年ごろまで輸出できない見通しだということですが、マグノリアが完成すれば、年間輸出量は約14%増加する見込みです。

 まさに、米国の軍需産業だけではなく、エネルギー資源業界にとっても「ウクライナ特需」は巨大な利益になります。

 バイデン大統領は、さらに食料にも言及しました。
 
 「プーチンの戦争は、制裁ではなく、食料の収穫に影響を与え、食料を必要とする世界中の国々への陸路や海路の移動を妨げている。(中略)

 (今回の追加緊急資金)は、ロシアのウクライナ戦争によって引き起こされた国内外での食料価格の高騰を緩和するのに役立つ。(中略)

 米国の農家が小麦や油糧種子などの作物を、より多く生産するのを支援することになり、それは米国の農村部にとっても、米国の消費者にとっても、そして世界にとっても良いことである」

 軍需産業やエネルギー資源産業だけではありませんよ、米国の食料部門でも大きな利益があると説いています。

※【速報5397】(バイデン、続き)「プーチンの戦争は、制裁ではなく、食料の収穫に影響を与え、食料を必要とする世界中の国々への陸路や海路の移動を妨げている」
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1519948249456545792

 『ロイター』は28日、米穀物商社ブンゲが27日発表した第1・四半期決算によれば、調整後の利益が増加した、ということです。

 堅調な需要があり、そしてロシアのウクライナ侵攻後の供給逼迫を受け、通期の利益見通しを21%引き上げた、ということです。

 ブンゲはいわゆる「5大穀物メジャー」のひとつです。2月23日に99.68ドルだった株価は4月18日には126.76ドルまで、約27%上昇しています。

 穀物・油糧種子の供給は南米など主要生産地域の天候不順による不作で既に逼迫していましたが、ウクライナでの戦争で拍車がかかり、マージン上昇につながったのです。

 ブンゲのヘックマン最高経営責任者(CEO)は、世界の穀物・植物油供給はウクライナ侵攻による混乱から、「長期間」回復しない見込みだとして、食料インフレの抑制には南米など他の生産・加工地域がより大きな役割を果たすとの見方を示しました。

※【速報5445】ロイター、28日:米穀物商社ブンゲが27日発表した第1・四半期決算は、調整後利益が増加した。また、堅調な需要やロシアのウクライナ侵攻後の供給逼迫を受け、通期の利益見通しを21%引き上げた。
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1519962576435642369

 まさに、米国の軍需、エネルギー資源、そして食料まで広範に「ウクライナ特需」が起きているのです。

 バイデン大統領は、330億ドルの追加緊急支援について、「投資」であり、将来を考えれば「小さな代償」だと言明しました。

 「ウクライナの自由と安全に投資することは、ロシアの侵略を罰し、将来の紛争のリスクを軽減するために支払うべき小さな代償である」

 330億ドルの投資は、すぐに大きなリターンとなって米国に戻ってくるのだから、というわけです。バイデン大統領のこの言葉を聞いても、まだ、ウクライナ人は、米国企業を儲けさせるために、戦い続けたいと望むのでしょうか?

※【速報5401】(バイデン、続き)「ウクライナの自由と安全に投資することは、ロシアの侵略を罰し、将来の紛争のリスクを軽減するために支払うべき小さな代償である」
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1519948475030327296

 米国のオースティン国防長官は「米国はロシアの弱体化をみたい」(25日)と発言したことについて、米国とロシアの代理戦争ではなく、あくまでもウクライナ人の戦いだと主張しました。

 オースティン国防長官「これまでも、また現在も明らかにウクライナの戦いである。(中略)

 ウクライナの隣国、同盟国やパートナー国はウクライナが成功を収めるために必要なものを持たせる努力を強化している。(中略)

 ウクライナ人は自分の土地で主権を守るために戦っている」。

 「自分の土地で主権を守るために戦っているウクライナ人」に「支援する」と言って、膨大な武器を渡して戦争を煽り立てて、米企業が大儲けをする構図がすっかり出来上がっています。

※【速報5408】CNN、28日:米国のオースティン国防長官は28日までに、ウクライナ戦争に触れ、米国とロシアの代理戦争の様相を深めているとの見方を否定した。
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1519951041839583233

 ツイッターの買収に成功したイーロン・マスク氏ですが、スペースX社のほうも活発に動いています。『SORAE』によれば、4月21日、スペースX社は、衛星インターネットサービス「Starlink(スターリンク)」で用いられる通信衛星を、新たに53機打ち上げることに成功しました。

 スターリンク衛星を搭載した同社の「ファルコン9」ロケットは、米国東部夏時間2022年4月21日13時51分にフロリダ州のケープカナベラル宇宙軍基地第40発射施設を離床したと、報じられています。

 これまでに打ち上げられたスターリンク衛星の数は合計2388機に達し、今後18か月以内に4200機を上回る予定だということです。
 
 ウクライナ侵攻でも、「スターリンク」は、ウクライナ市民にインターネット通信を提供するだけではなく、ウクライナ軍にドローンを操作するための情報を提供するなど、軍事面でも大いに貢献しています。もはや民生と軍事の区分けが意味をなさなくなっています。

※【速報5454】SORAE、28日:アメリカのスペースX社は現地時間4月21日、同社の衛星インターネットサービス「Starlink(スターリンク)」で用いられる通信衛星を新たに53機打ち上げることに成功しました。
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1519965440448995328

 米国はウクライナだけではなく、台湾にも介入を進めています。

 『ロイター』は27日、米下院は27日、台湾の世界保健機関(WHO)総会へのオブザーバー参加復帰を支援する法案を全会一致で可決した、と報じました。

 台湾は、中国の反対でWHOなど多くの国際機関から排除されています。WHO総会へのオブザーバー参加は2017年に停止されました。

 台湾外交部(外務省)は米国の支援に謝意を表明し、今年の総会への参加を目指して努力を続けると述べました。

 中国は台湾の今年の総会参加を支持しない意向をすでに示しています。米国は中国の反対を認識した上で、台湾を使って挑発をかけています。いよいよ東アジアに本腰を入れようとしているのかもしれません。
 
※【速報5415】ロイター、27日:米下院は27日、台湾の世界保健機関(WHO)総会へのオブザーバー参加復帰を支援する法案を全会一致で可決した。国務省に復帰計画の提出を求める。
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1520049024077762560

 バイデン大統領は5月20~24日に日韓両国を訪問する予定です。これまでのところ、21日に米韓首脳会談、23日に日米首脳会談、24日にクアッド(日本で開催)の予定です。

 5月9日に退任する文大統領も、バイデン氏との階段を調整中だということです。

※【速報5418】時事、28日:米ホワイトハウスは27日、バイデン大統領が5月20~24日に日韓両国を訪問すると発表した。
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1519953903726391296

 岸田文雄総理が、6月末開催予定のNATO首脳会議に招請されていますが、韓国大統領にも招請の方針が固まったようです。『中央日報』が28日、報じました。

 出席が決まれば、米国の対中・対露牽制に韓国も参加して、北朝鮮の核問題を「グローバル次元の議題に引き上げる機会になる見通しだ」と『中央日報』は報じています。

 韓国の外交消息筋は27日、「米国側は韓国がNATO協議体に合流できるような方案をすでに数カ月前から検討していた。ウクライナ事態などでこのような計画が具体化したと理解している」と述べています。

 ブリンケン国務長官は26日上院外交委員会の公聴会で、バイデン大統領も出席予定のNATO首脳会議には「AP4が出席する予定」だと述べています。

 「AP4」は、アジア太平洋4カ国、日本、韓国、オーストラリア、ニュージーランドです。「AP4」とNATOを連携する方案は、中国とロシアを同時に牽制するという米国の戦略によるものだと『中央日報』は分析しています。

 「米国の中露牽制構想に呼応すれば韓国は対中国および対ロシア外交で負担を甘受しなければならない。米国に対して拡張抑制実行力強化など、より積極的な安保提供を要求する名分もできるといえる」。(中央日報)

※【速報5421】中央日報、28日:米国が6月末開催予定のNATO首脳会議(6月29~30日、スペイン・マドリード)に韓国大統領を招請する方向で、事実上、方針を固めたことが分かった。
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1519956074731765760

 ウクライナ当局によると、ロシアが28日夕、国連のグテーレス事務総長が訪問中の首都キーウ(キエフ)に向けミサイル2発を発射しました。

 グテーレス事務総長は「キーウで攻撃があったことにショックを受けた。自分がここにいるからではなく、キーウはウクライナ国民にとってもロシア国民にとっても聖地であるためだ」と述べました。

 グテーレス事務総長は攻撃の直前、ゼレンスキー大統領との共同会見で「安保理はこの戦争を阻止し、終結させるに全力を尽くせなかった。このことが大きな失望、憤りと怒りの源になっている」と述べていました。グテーレス氏は「ロシアが終えさせる決定を下すまで」続くだろうとの見解を示した。

 「安保理はこの戦争を阻止したり終わらせたりするため、自らできることの全てにおいて、失敗した」。

※【速報5484】ロイター、28日:ウクライナ当局によると、ロシアが28日夕、国連のグテレス事務総長が訪問中の首都キーウ(キエフ)に向けミサイル2発を発射した。
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1519980923210502144

 『時事通信』は28日、欧州単一通貨ユーロの対ドル相場が下落していると報じました。28日の外国為替市場では一時1ユーロ=1.05ドル近辺と、約5年ぶりのユーロ安・ドル高水準に急落した、とのことです。

※【速報5526】時事、28日:欧州単一通貨ユーロの対ドル相場が下落している。28日の外国為替市場では一時1ユーロ=1.05ドル近辺と、約5年ぶりのユーロ安・ドル高水準に急落。
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1519994545416466432

 『ブルームバーグ』は28日、クレディ・アグリコルCIBやBNPパリバなど外国銀行7行が中国人民元の相場見通しを引き下げた、と報じました。中国経済が新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けており、今後数カ月で元安が進むと見込んでいるということです。

※【速報5559】ブルームバーグ、28日:外国銀行7行が中国人民元の相場見通しを引き下げた。中国経済が新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けており、今後数カ月で元安が進むと見込んでいる。
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1520004301833220096

 韓国でも韓国企画財政部の李億遠(イ・オクウォン)第1次官が、29日のマクロ経済金融会議で、外国為替市場でウォン安ドル高が進んでいることについて、米国の利上げ加速に対する懸念を示しました。

※【速報5566】聯合ニュース、29日:韓国企画財政部の李億遠(イ・オクウォン)第1次官は29日のマクロ経済金融会議で、外国為替市場でウォン安ドル高が進んでいることについて、米国の利上げ加速に対する懸念、
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1520004594340098048

 円安はやや異次元の状況にありますが、世界で、ユーロ、人民弊、ウォンまでが下落し、ドルの一人勝ちという状況になっています。

■ラブロフ外相がロシア国営テレビのインタビューで語ったのは「第三次世界大戦」「核戦争の危機」だけではなかった!(第3回)「この民主主義国家がロシアのあらゆるものを禁止し、ロシア正教の教会を破壊したとき、西側の仲間たちはどこにいたのだろうか?」西側民主主義の欺瞞を暴き、「パペット」ゼレンスキーの「千差万別の矛盾」を指摘!!

 ロシア外務省が4月25日(日本時間26日)に、国営テレビ『チャンネル・ワン』の番組『ビッグゲーム』で放送されたセルゲイ・ラブロフ外相へのインタビューを、テキストにしてホームページに掲載しました。

 このテキストは、現在ロシア語のみで掲載されています。

※Интервью Министра иностранных дел Российской Федерации С.В.Лаврова программе <Большая игра> на <Первом канале>, Москва, 25 апреля 2022 года(ロシア外務省、2022年4月25日)
https://mid.ru/ru/foreign_policy/news/1810694/

 このインタビューで、ラブロフ外相が、「第三次世界大戦」「核戦争」の危機について語ったことだけは、日本も含めた西側メディアでもセンセーショナルに取り上げられました。

 しかし、IWJが独自にこのインタビュー全文を仮訳してみたところ、西側メディアが一切報じない、米国やNATO、ウクライナにとって不都合な真実が、数多く指摘されていることがわかりました。

 もちろん、ロシア国営テレビによるロシア外務大臣へのインタビューですから、ロシア国民に向けてウクライナ侵攻を正当化するためのプロパガンダであることは否定しません。

 しかし、インタビューで語られたラブロフ外相の言葉の中には、歴史的な奥行きと視野の広さがあり、新たな知見も得られます。

 27日にお届けした第1回と、29日にお届けした第2回では、バイデン政権との間で行われてきた戦略兵器削減条約の延長に関する話し合いを、米国側が放棄したことや、米国の単独覇権主義、米国だけは自分達の「ルール」のもと、国際法や国連に拘束されず何をしても許されるという「例外的な国家」観を有していることを、ラブロフ外相が批判しています。

※ロシアのラブロフ外相が国営テレビのインタビューで「第三次世界大戦」「核戦争」の危機について発言!(第1回)「今は軍備管理・不拡散のルールはほとんどない」!! 米国とその同盟国は、国連憲章に反して、自分達のルールに従うよう強要し、世界を分断している!(日刊IWJガイド、2022年4月27日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/50678#idx-4

※ロシアのラブロフ外相が国営テレビのインタビューで「第三次世界大戦」「核戦争」の危機について発言!(第2回)バイデン政権との間で行われてきた戦略兵器削減条約の延長に関する話し合いを、米国側が放棄したと述べ、米国の単独覇権主義と「例外国家」観を批判!!(日刊IWJガイド、2022年4月29日)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/50694#idx-5

 第3回の今回は、まず、米国やNATOの主張する「民主主義」が、搾取のためのご都合主義に過ぎないことがラブロフ外相によって指摘されます。

 ラブロフ外相は、国連が「民主主義国家」にも「権威主義的な国」にも、国家の持つ主権的平等に差別を設けていないことを指摘しています。そして、国連安保理での常任5か国の拒否権について、「拒否権がなければ国連は国際連盟と同じ、消滅の運命にあった」と述べ、拒否権を切り下げて、大国が脅迫や強制によって多数を得ることを「危険な傾向」だと批判しています。

 一方、ウクライナとの交渉についてラブロフ外相は、3月29日にトルコのイスタンブールで行われた対面での停戦交渉の舞台裏を明かしました。

 この中でラブロフ外相は、停戦交渉にのぞんだウクライナ側代表の交渉姿勢から、米英が紛争を長引かせようとしていることを見て取ります。さらにウクライナ側代表団が、ゼレンスキー大統領にロシア側の提案を見せていなかったことが明らかにされます。

 さらにラブロフ外相は、「ゼレンスキー大統領が、非同盟、非核の地位の準備はできていると公言しながら、ステファンチュク国会議長は、憲法からNATO加盟の意思に関する条項を削除することはない、これまで通りNATOに加盟すると宣言している」と指摘しています。

 西側に都合よく利用されているだけのゼレンスキー大統領について、ラブロフ外相は「彼はいい役者なのだが、時々おかしなことが起こるので、その状態がよくわかる。よく見て、彼の言っていることの本質を読み取れば、1000の矛盾があるはずだ」と、冷静に分析してみせるのです。

 以下、インタビュー仮訳第2回からの続きです。

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■4月発行の「岩上安身のIWJ特報!」は2月18日収録の「岩上安身によるインタビュー ゲスト 元外務省国際情報局長 孫崎享氏」から、ウクライナ危機の本質に迫った部分を抜粋! テキストに詳細な注釈をつけて発行します! ぜひ、「まぐまぐ」からご登録ください!! バックナンバーの単独購入も可能です! サポート会員になればバックナンバーすべて読むことができます!

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 2022年2月16日午前3時――。米国政府と米メディアが、ロシアの軍事行動を世界に向けて大々的に「予告」した日時です。しかし、実際には何も起きませんでした。

 「ロシアがウクライナに攻め込むのは、この日、この時!」と煽り立てたバイデン大統領は、その「虚報」について何の説明も訂正もせずに、すぐに次の「予告」を、まるでツアー日程のように打ち出しました。今度は北京五輪とミュンヘン安全保障会議が終わる2月20日以降が危険で、侵攻は数日以内だというのです。

※Remarks by President Biden Providing an Update on Russia and Ukraine(2022年2月18日、The White House)
https://www.whitehouse.gov/briefing-room/speeches-remarks/2022/02/18/remarks-by-president-biden-providing-an-update-on-russia-and-ukraine-2/

 常々、「ロシアの侵攻はない」と明言していたウクライナのゼレンスキー大統領は、国民向けのビデオ演説の中で、「他国(欧米)が戦争リスクを誇張している」と暗に米国を対象に非難を口にしていましたが、米国はまったく気にかける様子もありませんでした。

 そして、現実にロシアは2月24日、「特別軍事作戦」と称してウクライナに侵攻しました。

 侵攻直前の2022年2月18日に行われた、岩上安身による元外務省元国際情報局長の孫崎享氏へのインタビューをあらためて振り返ることで、NATO、ウクライナとロシアの間で高まっていた緊張関係が見えてきます。日本の大手メディアが単純化した善悪二元論で報じているように、「悪いプーチン」が領土的野心のために一方的に何の罪もないウクライナを侵略したというストーリーが、この時点ですでに周到に用意されていたこともわかります。

 ウクライナ東部のドンバス地域では、2月17日午前0時から19時(現地時間)までに30回から50回の砲撃があり、ミンスク合意違反の重火器やミサイル弾が使用されて、幼稚園も被害を受けたと報じられました。

 そして、同時期に米国の報道官、英国のジョンソン首相、NATOのストルテンベルグ事務総長らが口を揃えて、「ロシアは偽旗作戦をやるかも」「ウクライナ侵攻の口実作り」という根拠のない発言をしています。ウクライナ側からの砲撃やミサイル攻撃をロシア側のせいにして、さらにロシアはこれを口実にして侵攻するだろう、というムチャクチャな言い分です。

 偽旗作戦は、古くは海賊船が相手を欺くために偽の白旗を掲げて油断させる戦術です。相手から先に攻撃を受けたように自作自演し、攻撃の大義名分にしたり、世論操作に利用することもあります。

 岩上安身は、「偽旗作戦はアメリカが散々やってきたことだ」と指摘し、ベトナム戦争のトンキン湾事件、大量破壊兵器がなかったイラク戦争、新聞が好戦的な世論を煽り立てた米西戦争のメイン号事件などに言及。今、「世界戦争だ!」と舞い上がるバイデン大統領をたしなめるのが、第三国の政府やメディアの役割ではないかと語りました。

 孫崎氏は、バイデン大統領が過剰に危機を煽るのは、中間選挙を今年11月に控えて自身の支持率が下がってきており、米国民の目を海外に向けることによって支持率を回復したいこと、米国の力が衰えてきて、独自でロシアに制裁を課しても意味をなさないことなどを指摘しました。

 また、着任したばかりのエマニュエル駐日米国大使が、2月7日の「北方領土の日」にツイッターに投稿した動画メッセージで、「米国は北方領土問題で日本を支持しており、北方四島に対する日本の主権を1950年代から認めています」と述べたことに反論しました。

 孫崎氏は「自分たちがヤルタ協定で、千島列島(北方領土)をソ連にあげると約束したことを、どう考えているのか。今のウクライナ問題でも、かつて米国はNATOの東方拡大はしないと約束した。これを、どう評価するのか。(そういう点に触れずに)ツイッターを日本人の洗脳の場所にするのはやめてほしい」と語気を強めました。

 各号の大まかな内容がわかるよう、以下に目次を掲載します。ぜひ、ご一読ください。

(第553号の目次)
・ベトナム戦争のトンキン湾事件など歴史上多くの偽旗作戦をやってきた米国が撒き散らした虚報! 「ロシア、2月16日に侵攻」
・空騒ぎの「Xデー」の翌日、ドンバス地方に打ち込まれたミサイルはどこから飛んできたのか?
・当事者でもないバイデン大統領が「世界戦争だ!」と舞い上がる。この無責任発言を伝えない日本のマスコミ!

(第554号の目次)
・「アメリカとロシアが撃ち合いを始めれば世界大戦! 米国人はウクライナから退避を!」と大騒ぎしても、救出に軍隊を出す気なし
・米情報機関発とされる「予告」について、ゼレンスキー大統領は「他国がリスクを誇張している」と非難していた!
・ソ連崩壊の混乱から生まれたオリガルヒ(新興財閥)を操るプーチン。だが、ウクライナは複雑で誰も統治できない!

(第555号の目次)
・割れるロシアの国民感情! 「ウクライナ問題でロシアは介入すべきか」に賛成と反対が同数の43パーセント
・ウクライナロビーは米政界で活発なロビイング! 「ロシアが侵攻するかにかかわらず、制裁を科す」驚きの法案をバイデン政権が支持!
・米国製兵器を「さあ、買った!」と煽るテキ屋商法!? 米シンクタンクのCSISが「欧州の軍備増強を求める」論文を発表!
・軍産複合体がやりたいのは戦争の長期化! ウクライナ東部の混乱が続いて「ロシアはひどい国」とのイメージを作りたい

(第556号の目次)
・バイデンインフレが国民生活を直撃! ウクライナ問題で「われわれが正義」と言われても庶民には響かない!
・米国は「論理なき王朝」。9.11の犯人にアフガン人はいなかったのにアフガニスタン侵攻、ひとつの国をズタズタに!
・ウクライナはバイデン一家のビジネスの縄張り!? 副大統領時代から足繁く訪問、息子の利益のため汚職捜査中の検事総長はクビに!
・エマニュエル駐日大使の「北方領土支援」は、日本をロシアとの戦争に引き込むインセンティブ!?

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 また、孫崎氏に行ったインタビューの続編は、以下のURLから御覧いただけます。こちらもぜひあわせて御覧ください。

※「この国(日本)には考える場所がない」東の「台湾有事」危機と西の「ウクライナ危機」が同時に迫る!~岩上安身によるインタビュー 第1066回 ゲスト 元外務省国際情報局長 孫崎享氏 2022.1.27
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/501593

※「米国の方が現状変更」!「東の『台湾有事』危機と西の『ウクライナ有事』危機が同時に迫る!(続編)」~岩上安身によるインタビュー 第1067回 ゲスト 元外務省国際情報局長 孫崎享氏 2022.1.31
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/501693

※ウクライナ東部独立は悪? 東の「台湾有事」危機と西の「ウクライナ有事」危機が同時に迫る!(第3回)~岩上安身によるインタビュー 第1068回 ゲスト 元外務省国際情報局長 孫崎享氏 2022.2.18
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/502334

※ロシア軍侵攻で世界に衝撃!東の『台湾有事』危機と西の『ウクライナ有事』危機が同時に迫る!(第4回)~岩上安身によるインタビュー 第1069回 ゲスト 元外務省国際情報局長 孫崎享氏 2022.3.3
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/503032

 また、2014年のユーロマイダンの騒乱と、ヤヌコビッチ政権の崩壊、ロシアによるクリミア編入とウクライナ東部の戦闘、停戦協定である「ミンスク合意」へと経過を辿ってきた一連のウクライナ危機については、以下の特集も、ぜひあわせて御覧ください。

※【特集】ウクライナ危機 2013年~2015年 ~ユーロ・マイダンクーデターからウクライナによるロシア語話者への迫害・殺戮まで~
https://iwj.co.jp/wj/open/ukraine

 また、岩上安身はウクライナ軍の一部で、極右ネオナチ組織の「アゾフ連隊」について危機感を示している六辻彰二氏に3回連続インタビューを行っています。こちらもぜひあわせて御覧ください。

※米国主導で大量の武器が送られるウクライナで育つ外国人戦闘員が戦後『白人テロ』拡大の危険を招く!~岩上安身によるインタビュー 第1070回 ゲスト 国際政治学者 六辻彰二氏 2022.3.25
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/503870

※米国主導で大量の武器が送られるウクライナで育つ外国人戦闘員が戦後『白人テロ』拡大の危険を招く!第2弾~岩上安身によるインタビュー 第1071回 ゲスト 国際政治学者 六辻彰二氏 2022.3.30
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/504186

※ブチャ市での民間人大量殺害事件を検証! 米国主導で大量の武器が送られるウクライナで育つ外国人戦闘員が戦後『白人テロ』拡大の危険を招く! 第3弾~岩上安身によるインタビュー 第1073回 ゲスト 国際政治学者 六辻彰二氏 2022.4.6
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/504401

 それでは、本日も1日、よろしくお願いします。

※日刊IWJガイドのフルバージョン(会員版)は下記URLより御覧ください。
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IWJ編集部(岩上安身、六反田千恵、城石裕幸、尾内達也、千浦僚、中村尚貴)

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