日刊IWJガイド・非会員版「米CIAは丸8年間も秘密の『CIA訓練プログラム』でウクライナ軍に関与! このプログラムは、ドンバス戦争でのウクライナ軍支援が目的!」2022.3.26号~No.3481号


┏━━【目次】━━━━
■はじめに~米CIAは2014年から2022年まで丸8年間も秘密の「CIA訓練プログラム」でウクライナ軍に関与していた! この秘密の「CIA訓練プログラム」は、ドンバス戦争でのウクライナ軍支援が目的だった! しかも、ロシア軍の侵攻直前までプログラムは稼働!

■皆さまへ緊急のお願いです!! 3月のご寄付・カンパは3月24日時点で月間目標額の50%の達成率にとどまっています! 昨年8月1日から始まったIWJの今期第12期7か月間にわたる累積の不足金額は、トータルで470万4268円です! これに今月3月分の目標額未達分の210万4499円が加わり3月末までに680万8767円必要となります。3月末まであと6日間! どうか緊急のご支援をよろしくお願いいたします!!

■<インタビュー報告>「米国主導で大量の武器が送られるウクライナで育つ外国人戦闘員が戦後『白人テロ』拡大の危険を招く! 岩上安身による国際政治学者 六辻彰二氏インタビュー」をお送りしました。3月30日水曜日、午後7時から岩上安身による六辻彰二氏の第2弾をお送りします。

■【中継番組表】

■ツイッター「IWJ_Sokuho」3月25日、ロシアがウクライナに関して独自に作成した人道決議案を否決した安保理、ウクライナ主導の決議案は、国連総会緊急特別会合にて140ヵ国賛成で可決! ロシアを念頭に「避難中の民間人の車列などに対する無差別な砲撃や爆発性兵器の使用」を強く非難! G7はロシアにウクライナからの撤退を要求、ロシアが生物・化学兵器や核兵器を使わないよう警告する首脳声明を発表! EU首脳は米国産LNG輸入を決定! 欧州の安全保障だけでなくエネルギーでも米国の「植民地」に!! NATOは新たにブルガリア・ハンガリー・ルーマニア・スロバキアに戦闘群を配置!

■ロシアが生物化学兵器を使う!? 米国による「戦争扇動」に乗るBS-TBSの「報道1930」! 「生物・化学兵器でも… アメリカの軍事行動はないのか」!? 第三次世界大戦を煽るかのような報道がジャーナリズムと言えるのか!

■<ウクライナのネオナチはロシアのプロパガンダではない! その1>朝日新聞がネオナチ並にジェノサイドをフェイクと主張! しかし、米政治専門メディア『THE HILL』が2017年に指摘! アゾフ大隊司令官ビレツキーは白人至上主義を「ウクライナの使命」と発言!!
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■はじめに~米CIAは2014年から2022年まで丸8年間も秘密の「CIA訓練プログラム」でウクライナ軍に関与していた! この秘密の「CIA訓練プログラム」は、ドンバス戦争でのウクライナ軍支援が目的だった! しかも、ロシア軍の侵攻直前までプログラムは稼働!

 おはようございます。IWJ編集部です。

 米国の独立系報道機関インターセプトは、3月18日に、ウクライナへのCIAの関与について、注目すべき記事を配信しました。

 米国情報機関がウクライナにどのように関与しているのか、これまでまったく報道されてきませんでした。従って、インターセプトのこの記事は、「スクープ」に値します。

 インターセプトの記事は、「米国はロシアとの直接対決を避けつつ、密かにインテリジェンス(諜報活動)でウクライナを支援している」というものです。

 副題は、「ロシアのドローンが一時的にポーランドに侵入したとき、NATOの同盟国はこれを撃墜すると脅した。もし、米国が同じような過ちを犯したら?」となっており、米国の諜報活動での関与が、ロシアとの全面衝突に至りかねないリスクを示しています。

※U.S. QUIETLY ASSISTS UKRAINE WITH INTELLIGENCE, AVOIDING DIRECT CONFRONTATION WITH RUSSIA(2022年3月18日)
https://theintercept.com/2022/03/17/us-intelligence-ukraine-russia/

 インターセプトは、冒頭で次のように、いきなり、重要情報を提示しています。

 「民主共和両党のタカ派議員や報道陣が、ジョー・バイデン大統領に対し、『飛行禁止区域』の実施を含むウクライナへの軍事的関与を求めるなか、米国情報機関による複雑な綱渡りの行動はあまり世間の注目を集めないままである。

 この作戦に詳しい現・元米国当局者がインターセプトに語ったところによると、米軍はウクライナ近隣諸国に大規模なISR(情報、監視、偵察)資産(拠点)を配備し、難局にある同国内の動きを監視しているとのことである。この高度な情報体制は、バイデン政権にとって、一歩間違えれば大惨事になりかねない微妙なラインを歩くことを要求している。

 つまり、戦争に積極的に参加し、核武装したロシアと直接衝突する危険を冒すことなく、ウクライナにできる限りの援助を提供するということだ。このバランスは、ロシアが米国の自主ルール遵守を認め、尊重することを前提にしている」

 この米国のISR資産について、インターセプトは、次のように具体的に説明しています。

 「この資産は主に、ウクライナとNATO加盟国との国境沿いを飛行する任務を持つ航空機であり、ウクライナの領空を越えないよう注意しなければならない。現在の作戦に詳しい2人の元米国政府高官によれば、ウクライナの奥深くまで侵入することができるこの航空機は情報を収集し、それをウクライナ側に伝えている。

 元CIA職員によると、航空機にはMQ-9『リーパー』ドローン、ボーイングRC-135『リベットジョインツ』、ボーイングE-3セントリー『AWACS』などがあり、通信傍受や画像情報収集に使用されているという。

 現職の米陸軍信号情報将校によると、ロシアがウクライナ国境沿いに大規模な兵力を増強したことを受け、米国は2月にISR資産の多くを近隣諸国に配備していたという」

 米軍が2月にウクライナ近隣諸国に配備したドローンを中心にしたISR資産は、国境を越えて情報収集しているとは書かれていません。しかし、その目的とウクライナの奥まで飛行できる能力から考えて、すでに国境を越えて活動している可能性もあるのではないでしょうか。

 国境を越えなければ、キエフやマリウポリのロシア軍の画像情報など、最重要の情報をウクライナ軍に送ることはできません。

 インターセプトは「ウクライナ領空に侵入すれば、米国は紛争の直接の戦闘当事者となり、核による対立の危険性が高まる。ある種の情報提供についても、同様のリスクがある」と警鐘を鳴らしています。

 インターセプトは、13日には、ロシア軍のドローンがNATO加盟国のポーランドに一時的に侵入し、NATOの同盟国が武力で対応する可能性を警告する事態に発展したと伝えています。

 このロシア軍のドローンは、ウクライナの国境沿いで米国のISR航空機が行っているのと同じような監視活動をしていたのです。

 それだけでありません。米国のウクライナへの諜報活動の関与は、長年、秘密の「CIA訓練プログラム」という形で存在したのです。

 インターセプトはこのニュースをすっぱ抜いた3月16日のYahoo Newsを引用する形で次のように伝えています。

※Exclusive: Secret CIA training program in Ukraine helped Kyiv prepare for Russian invasion(Yahoo News 英語版、2022年3月16日)
https://news.yahoo.com/exclusive-secret-cia-training-program-in-ukraine-helped-kyiv-prepare-for-russian-invasion-090052743.html?guccounter=1&guce_referrer=aHR0cHM6Ly93d3cuZ29vZ2xlLmNvbS8&guce_referrer_sig=AQAAAK-383fiOrwvBbMgkQQc0gA_32bkS-iIkAfSHkrm6rf-QdhIIPuHG7klebLBtkNmzagg4B5zUjyeqoiiKjHnMcWUU-SpJ2KYLPtNjx3BM8hmrY6LkVo0hVAqIX5Enrfa5fIbV1jjqWXYcVnaTw01i7mEH4QfzYMxNjywiAIoMnqG

 「このプログラムでは、2014年のロシアによるウクライナのクリミア半島併合後、CIAの準軍事将校の小集団が同国に派遣され、ジャベリン対戦車ミサイルの使用法や狙撃技術、秘密通信についてウクライナ人を訓練していた。

 レポート(Yahoo News)は、バイデン政権がその後、その権限が広すぎるのではないかという懸念を受けてこのプログラムを終了し、先月、ロシアの侵攻の脅威の下でウクライナからすべてのCIA職員を引き上げたことを指摘した」

 米国とウクライナの、政治・経済・軍事の異様な結びつきがますます明らかとなってきました。このCIAのウクライナへの関与には、ウクライナ軍によるドンバス地方の弾圧を支援するという目的がありました。

 ドンバス地方のロシア系住民に対するキエフ政権(ポロシェンコ前政権(2014年から2019年)およびゼレンスキー現政権(2019年~))の弾圧に対して、米国は事実上黙認していたどころではなく、積極的に虐殺に関与していたのです。この「CIA訓練プログラム」は、2月24日のロシア軍の侵攻直前まで稼働していました。

 IWJは、この2014年3月18日のロシアによるクリミア半島併合から2022年2月24日のロシア軍のウクライナ侵攻までの丸8年間に及んだCIAのウクライナ軍への関与をすっぱ抜いた3月16日のYahoo Newsのレポートを、後日、詳しくお伝えします。ぜひ御覧ください。

■皆さまへ緊急のお願いです!! 3月のご寄付・カンパは3月24日時点で月間目標額の50%の達成率にとどまっています! 昨年8月1日から始まったIWJの今期第12期7か月間にわたる累積の不足金額は、トータルで470万4268円です! これに今月3月分の目標額未達分の210万4499円が加わり3月末までに680万8767円必要となります。3月末まであと6日間! どうか緊急のご支援をよろしくお願いいたします!!

 IWJ代表の岩上安身です。

 IWJでは、今期第12期の年間の予算を立てる上での見通しとして、代表である私、岩上安身への報酬をゼロにすることを筆頭に、支出をぎりぎりまでにしぼった上で、IWJの運営上、必要なご寄付・カンパの目標額は月額420万円(年間5040万円)と算出させていただきました。

 昨年8月から始まったIWJの今期第12期は、3月で8か月目に入りました。

 3月1日から24日までのご寄付・カンパは198件、209万5501円です。24日間で月額目標額420万円に対して50%の達成率となっています。

 今期8月1日から2月末までの7ヶ月間の累計の不足分は、470万4268円となっております。

 さらに今月3月の月間目標額のうち未達成分の210万4499円が加わりますと、3月末までに、680万8767円が必要となります。このままですと、不足額が雪ダルマのように膨れ上がっていきます!

 どうか会員の皆さまのお力で、3月もIWJをお支えください!

 IWJの会員数は現在3243人です。そのうちサポート会員は1111人です(2022年3月24日現在)。本当に心苦しいお願いではありますが、会員の皆さま全員が2100円ずつカンパしてくださるか、サポート会員の皆さまが全員1人6129円ずつカンパしてくださったならば、なんとかこの赤字は埋められます!

伏してお願いいたします! どうか皆さまのお力で、この窮状をお助け願います!

※ご寄付・カンパはこちらからお願いします。
https://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

 IWJは、中立の立場を守り、ロシアとウクライナの間でどのような確執が起きてきたのか、2014年のユーロ・マイダンのクーデターの時点から、ずっと注目して報じてきました。

※【特集】ウクライナ危機 2013年~2015年 ~ユーロ・マイダンクーデターからウクライナによるロシア語話者への迫害・殺戮まで~
https://iwj.co.jp/wj/open/ukraine

※【IWJブログ】ウクライナ政変~揺らぐ権力の正当性――西部の首都キエフを支配した反政権派には米国政府とネオナチの影、プーチンに支援を求める東部の親露派住民 2014.3.6
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/128095

※世界の「いま」は欧米中心主義の断末魔/繋がりあう尖閣・マレーシア・ガザ・ウクライナ ~岩上安身によるインタビュー 第443回 ゲスト 東京大学名誉教授・板垣雄三氏 (IWJ、2014.8.1)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/159297

※ウクライナ危機は「平和的解決」が必要 社会正義の実現と「富の再配分」をめざすドイツ左翼党オリバー・シュレーダー氏が訴える 岩上安身のドイツ取材で~岩上安身によるインタビュー 第481回 ゲスト ドイツ左翼党 オリバー・シュレーダー氏 (IWJ、2014.9.15)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/204079

※ウクライナ危機は「米国によるユーラシア不安定化のステップ」 イングドール氏が警告、東に舵を切れ! 「ワシントンの奴隷国である限り破壊と低迷があるだけ」~岩上安身によるインタビュー 第480回 ゲスト F・ウィリアム・イングドール氏 (IWJ、2014.9.12)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/204610

 2022年の2月24日、それまで何の前提もなく突然、ロシアのプーチン大統領が狂気にとりつかれて、ウクライナに侵攻し始めたのではありません。そこに至るプロセスがあります。独自取材を続けてきたIWJだからこそ、この事態に対してしっかりと客観視する視点をもつことができた、と自負しています。

 こうした「侵攻前」のプロセスを伝えず、「ロシア侵攻」のみを大騒ぎして伝えるイエローペーパーばかりですが、これは本来のメディアの役割を放棄していると言わざるをえません。我々は、どんなに石つぶてを投げられようとも、メディアの王道をいく仕事をし続けます。

 戦争は発火した時が、最終段階です。その前に、政治的・経済的・社会的な不満がマグマとしてたまっているのであって、戦争が勃発する前にそのマグマの存在を明らかにし、対話と議論によって平和的解決の道を探して、「戦争」という「政治的解決の最終手段」に至る前に、未然に防ぐことが一番重要です。

 そのためには、「戦前」の段階で、現状を正確に把握することが必要です。メディアが戦時だけ騒いで、洪水のような情報量で一方を「悪」とし、一方を「善」と決めつけて、他方だけの言い分しか取り上げないような偏向報道だけを行えば、一般国民の間に、「悪」とされた国への敵視感情だけが醸成されていってしまいます。

 自国政府も味方の国の政府も、負けず劣らず、プロパガンダしているものですから、相手のプロパガンダであれ、フェイクまじりであれ、相手を知る手がかりを失う、というのは、目と耳を自ら閉ざすに等しく、絶対にやってはならないことです。

 世界は今、100年に1度あるかないかの、巨大な政治的・経済的・軍事的な地殻変動に見舞われています。

 いうまでもなく、日本を含む世界全体に対し、単独覇権国として支配的な影響力を及ぼしてきた米国が衰退し、中国が米国の国力を上回る勢いの新興国として台頭してきており、その中国とロシアは結束を強めています。

 米国対中露が激突する時、日本は地理的にもこの3つの超大国の間にはさまっている、ということを忘れてはなりません! 戦争において地理的位置は、絶対的な条件となります。今のままでは、米国対中国、あるいは米国対中露の戦いに、日本が巻きこまれずに無傷のままやりすごすのは、非常に困難です。

 地球上の覇権国の力関係が、劇的に変わろうとしつつあります。この米中のせめぎあいに、米国の「従属国」に甘んじてきた日本は、モロに巻き込まれつつあります。

 米国につき従っていきさえすれば、安全で繁栄も約束される、というのは、第二次大戦後の米国が、ゆるぎなく、軍事力も経済力も圧倒的に強大で、余裕があり、そしてまだしもモラルが残っていた時代の話です。現在の米国は、昔日の米国ではないのです。

 こうした現実は、既存の大手新聞、テレビなどの御用マスメディアに頼っていては、まったく見えてきません。意図的に、国民の目を現状からそらせるような情報操作ばかり行われているからです! IWJは、国民をないがしろにして戦争準備を進める政府にこれでいいのか! と声を上げ続けてきています!

 こうしたことがIWJに可能なのは、特定のスポンサーをもたないことで、何者にも縛られず、忖度せずに真実をお伝えしてゆく、独立メディアだからです!

 特定の政党や、特定の政治団体などから、隠れ資金を受け取ったことなど、IWJは1度もありません! 市民の皆さまに直接、真実をお届けすることができるのは、市民の皆さまから直接の、会費、ご寄付・カンパによるお支えがあってこそです!

 非会員の方はまず、一般会員になっていただき、さらに一般会員の皆さまには、サポート会員になっていただけるよう、ぜひご検討いただきたいと存じます!

 その会費と、ご寄付・カンパによって支えられてはじめて、IWJは、市民の皆さまのために役立つ、真の独立市民メディアとしてその活動を継続し、その使命を果たすことが可能となります。

 マスメディアが報じない事実と真実を報道し、売国的な権力への批判を続け、主権者である日本国民が声をあげ続けることができるようにすることが、今、絶対に必要なことであり、それが我々IWJの使命であると自負しています。

 本年、2022年は、本当に日本の分水嶺の年となります!

 決して負けられないこの戦いに、私は、IWJのスタッフを率いて全力で立ち向かいたいと腹をくくっています! 皆さまにはぜひ、ご支援いただきたくIWJの存続のために、会員登録と緊急のご寄付・カンパによるご支援をどうぞよろしくお願いしたく存じます。

 下記のURLから会員登録いただけます。ぜひ、会員登録していただいてご購読・ご視聴お願いいたします。
https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

※ご寄付・カンパを取り扱っております金融機関名です。どうぞ、ご支援のほどよろしくお願いします。

みずほ銀行
支店名 広尾支店
店番号 057
預金種目 普通
口座番号 2043789
口座名 株式会社インデイペンデント ウエブ ジヤーナル

城南信用金庫
支店名 新橋支店
店番号 022
預金種目 普通
口座番号 472535
口座名 株式会社インディペンデント.ウェブ.ジャーナル

ゆうちょ銀行
店名 〇〇八(ゼロゼロハチ)
店番 008
預金種目 普通
口座番号 3080612
口座名 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル カンリブ

 どうか、ご支援のほど、よろしくお願い申し上げます!

岩上安身拝

■<インタビュー報告>「米国主導で大量の武器が送られるウクライナで育つ外国人戦闘員が戦後『白人テロ』拡大の危険を招く! 岩上安身による国際政治学者 六辻彰二氏インタビュー」をお送りしました。3月30日水曜日、午後7時から岩上安身による六辻彰二氏の第2弾をお送りします。

 昨日、3月25日金曜日、午後7時頃から「米国主導で大量の武器が送られるウクライナで育つ外国人戦闘員が戦後『白人テロ』拡大の危険を招く! 岩上安身による国際政治学者 六辻彰二氏インタビュー」をお送りしました。

 ロシアがウクライナに侵攻してから約一ヶ月が経ちました。ロシアの侵攻はウクライナの北東部だけでなく、西側にも攻撃が及び始めています。また、UNHCRによると、この戦争によりウクライナ国外に避難した難民は349万人にも及んでいます。

 当初、すぐに崩壊すると予想されていたウクライナ軍は、米国、欧州などから提供された対戦車ミサイル「ジャベリン」や自爆ドローンといった重火器の供与で強化され、持ちこたえて続けています。

 ロシアによるウクライナ侵攻以降、日本を含む米欧などの西側諸国は、ウクライナへの支援だけでなくロシアへの制裁を課してきました。世界は「侵攻を始めたロシアが全て悪い」という風潮です。

 しかし、本当にそうでしょうか。

 ロシアによる武力侵攻を認めることはできません。しかし、プーチン大統領が侵攻せざるを得なくなった理由として、これまでウクライナがとってきたロシア語話者への差別的政策や迫害、米国主導によるNATOの東方拡大が止まらない、というロシアへの挑発行為がありましたが、そうした問題はマスコミではまったく報道されていません。報道の「中立化」という言葉は、少なくとも、日本の大手マスコミにおいては「死文化」したと言わざるをえません。

 そこで今回は、報道されない「ウクライナ」の実態について岩上安身が国際政治学者の六辻彰二氏にインタビューを行いました。

 六辻氏は3月5日、ヤフーニュースの個人記事で、ウクライナが世界各国に呼び掛けた義勇兵について、「過激派の巣窟」になるというのではないかと指摘していました。

 2014年のクリミア危機から、ウクライナで「アゾフ大隊」などの極右ネオナチ民兵組織に、欧米各国から極右の活動家などが続々加わりました。六辻氏は、彼ら民兵の捕虜虐殺等の戦争犯罪や、ウクライナ国防軍に編入し「アゾフ連隊」となった後もナチスを賞賛するなどの問題を指摘していました。

 また、IWJは過去に六辻氏にインタビューを行っています。

※岩上安身によるインタビュー 第266回 ゲスト 六辻彰二氏(2013年1月28、IWJ)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/55438

 インタビューの冒頭、六辻氏は、「バイデン大統領がロシアをG20から排除することについて言及した」というニュースを引き合いに、厳しい態度を加速させる米国について、次のような見解を述べました。
 
六辻氏「危険な状況に拍車をかけているとしか思えません。『ロシアが危ない、だから抑え込むか、排除するしかないんだ』という発想だと、排除してしまったらアプローチも何もできない、コミットメントも何もなくなってしまうわけです。

 ただ排除してしまえばいいというのは、まさに冷戦型、関係さえ絶ってしまえばそれでいいんだということになりかねないので、かえって危険を増長させることになるのではないかと見ています」

 また、昨今多くの報道で、ウクライナの一般市民が、武器を取り、ロシアに対し抵抗していることを、肯定的に取り上げていますが、六辻氏は年配の方や子どもまでも武器を取り戦わざるを得ない状況に危機感を募らせています。

六辻氏「難民と化してしまった300万の人達、彼ら、彼女らには責任もないし、保護もしなくてはいけないと思います。しかし、高齢者や子どもまで、戦闘に巻き込もうとする、国民総皆兵みたいなかたちで突き進もうとする。それは、そこまで突っ込むべきなのか、と考えた時に『そうでないのではないか』という声があってしかるべきだと思います。

 しかし、そうではなくて、抵抗しているウクライナ人スゴイ、エライ、という話で終わってしまうということも含め、ウクライナ側の政府中枢部分の中で、白人極右勢力が大きな影響力を持ち、総皆兵化に向けてイニシアチブを発揮しているのだとすれば、そういう動きにのっかる、しかもそこに誰も口を挟まないという、そこの方が危険なのではないかと思ってしまいます」

 さらに、冷戦終結に際して、ロシアでは、ロシアに住むウクライナ人への抑圧を行ってこなかったのに対し、日本を含む西側諸国は全くロシアの意見に耳をかさなかったと指摘しています。

六辻氏「東西冷戦終結後、日本を含む西側が『我々が勝った』という高揚感みたいなのがある中で、事実上の敗者であるロシアを虐げることにかんして、誰も、何も言わないという傾向が全体的に強かったのではなのかなと思います」

岩上「(ロシアを虐げることが)ずっと続いてきて、ロシアの限界に近いところまで、つまりNATOの東方拡大が胸元の首元まで迫るというところまでくる。そこで冬眠中の熊が暴れ出すということですね」

六辻氏「その冬眠中の熊は騒音がやかましいなと、苦情を言ってたのに、その苦情を誰も聞いてくれなかった。それが神経をより苛立たせたのだろうと思います」

岩上「(ロシアの)言い分は聞かないですからね。ちゃんとしたことも聞かない。ロシアではこういう風に報道されてるが、とか(いうのもない)。あるいはそれはプロパガンダである(と決めつけてしまう)とか。そういう決めつけをやっていくと、太平洋戦争をやっている時に、日本が英語を全部禁じたとか、英語の情報は信じてはだめだとか、やっているのと同じですよね」

 詳細は本編を御覧ください。

 昨日、お届け切れなかった部分は第2弾として、3月30日水曜日午後7時頃から、岩上安身が、六辻氏にインタビューを行う予定です。

 次回のインタビューでは、六辻氏がかねてから懸念をしていた、ウクライナ軍の一部で、ネオナチの「アゾフ連隊」の真相に迫ります。また、2013年に起き、親ロシア派の大統領だったヤヌコーヴィチ政権が倒れるきっかけとなるユーロマイダン・クーデターは、米国のヌーランド元国務次官補(現在は国務次官)とジェフ・パイアット駐ウクライナ米国大使(当時)によって画策されたものであることが分かってきています。大手メディアでは報道さることのない、米国の画策もお伝えします。

 是非、御覧ください。

 また、これまでのウクライナ危機の経緯について、岩上安身は今年に入ってから、元外務省国際情報局長の孫崎享氏に4回の連続インタビューを行っています。ロシアによるウクライナ侵攻の経緯を知りたい方や、この問題についてあまり詳しくないという方は、是非御覧ください。

※ 「この国(日本)には考える場所がない」東の「台湾有事」危機と西の「ウクライナ危機」が同時に迫る!~岩上安身によるインタビュー 第1066回 ゲスト 元外務省国際情報局長 孫崎享氏(2022年1月27日、IWJ)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/501593

※「米国の方が現状変更」!「東の『台湾有事』危機と西の『ウクライナ有事』危機が同時に迫る!(続編)」~岩上安身によるインタビュー 第1067回 ゲスト 元外務省国際情報局長 孫崎享氏(2022年1月31日、IWJ)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/501693

※ウクライナ東部独立は悪? 東の「台湾有事」危機と西の「ウクライナ有事」危機が同時に迫る!(第3回)~岩上安身によるインタビュー 第1068回 ゲスト 元外務省国際情報局長 孫崎享氏(2022年2月8日)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/502334

※ロシア軍侵攻で世界に衝撃!東の『台湾有事』危機と西の『ウクライナ有事』危機が同時に迫る!(第4回)~岩上安身によるインタビュー 第1069回 ゲスト 元外務省国際情報局長 孫崎享氏(2022年3月3日、IWJ)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/503032

※ゼレンスキーの「正体」!? 彼が人気を得たドラマのテレビ局オーナーは富豪のコロモイスキー氏。同氏はユダヤ人でオレンジ革命から「親欧米派」活動、今米国滞在。各国は軍事支援で戦闘長引かせず、停戦交渉の場を! (2022年3月23、IWJ)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/503761

 また、2013年に起こったユーロマイダン・クーデターからロシアによるクリミア併合、ウクライナによるロシア語話者への迫害についてもIWJは詳細に報じています。以下のURLから御覧いただけます。

※【特集】ウクライナ危機 2013年~2015年 ~ユーロ・マイダンクーデターからウクライナによるロシア語話者への迫害・殺戮まで~
https://iwj.co.jp/wj/open/ukraine

 特定のスポンサーなく、できる限り客観的な情報を皆さまにお届けしようと岩上安身とIWJは日々奮闘しております。ぜひ、IWJの取材動画、そして記事、日刊IWJガイドを御覧いただき、ご理解とご支援をいただければ幸甚です。どうぞよろしくお願いいたします。

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◆中継番組表◆

**2022.3.26 Sat.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【IWJ・エリアCh1・兵庫】13:30~「西宮市長選 日本維新の会 増山誠候補 街頭演説会 ―応援弁士:吉村洋文 日本維新の会副代表」
視聴URL: http://twitcasting.tv/iwj_areach1

 西宮市長選 増山誠候補の街頭演説会を中継します。これまでIWJが報じてきた日本維新の会関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e6%97%a5%e6%9c%ac%e7%b6%ad%e6%96%b0%e3%81%ae%e4%bc%9a

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◆中継番組表◆

**2022.3.27 Sun.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【IWJ・エリアCh1・大阪】14:00~「3・27ストップ維新!住んでよかったまち 大阪をつくる市民連帯集会 ―講演:『カジノが来たら大阪破たん』森裕之氏(立命館大学教授)」
視聴URL: http://twitcasting.tv/iwj_areach1

 「『3・27ストップ維新!住んでよかったまち 大阪をつくる市民連帯集会』実行委員会」主催の集会を中継します。これまでIWJが報じてきた森裕之氏関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e6%a3%ae%e8%a3%95%e4%b9%8b

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◆昨日アップした記事はこちらです◆

【号外第6弾】スクープ! 米国のRealClear Investigationsが、ユーロマイダン・クーデターは、ウクライナのオリガルヒ、ピンチュク氏と米国務省の共犯と、ウクライナと米国民主党の関係をすっぱ抜き
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/503847

【IWJ速報3月24日】ウクライナ情勢関連ツイートまとめ! 欧州軍拡で笑いの止まらない米国軍産複合体と露産エネルギー資源排除で濡れ手に泡の米国エネルギー業界!ゼレンスキー政権は民間企業を名指し批判!
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/503879

【IWJ速報3月1日】3月1日0時15分の戦況(Google)、ハンガリーの外相は、「ウクライナと国境を接している国」は、その領土を通過する致命的な武器の通過を許可しないだろうと述べた。「ハンガリーの安全を保証する」ため。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/503886

【IWJ速報3月2日】「永世中立国」のスイスが28日、EUがこれまで発動した対露制裁措置をすべて導入すると発表した。プーチン大統領の資産凍結措置も含む。カシス大統領「これはスイスにとって大きな一歩だ」。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/503883

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■ツイッター「IWJ_Sokuho」3月25日、ロシアがウクライナに関して独自に作成した人道決議案を否決した安保理、ウクライナ主導の決議案は、国連総会緊急特別会合にて140ヵ国賛成で可決! ロシアを念頭に「避難中の民間人の車列などに対する無差別な砲撃や爆発性兵器の使用」を強く非難! G7はロシアにウクライナからの撤退を要求、ロシアが生物・化学兵器や核兵器を使わないよう警告する首脳声明を発表! EU首脳は米国産LNG輸入を決定! 欧州の安全保障だけでなくエネルギーでも米国の「植民地」に!! NATOは新たにブルガリア・ハンガリー・ルーマニア・スロバキアに戦闘群を配置!

 IWJは、ツイッターアカウント「IWJ_Sokuho」で、ウクライナ情勢をツイートしています。テレビでは流れない情報や、石油・天然ガスなどの資源問題、ウクライナの実情もあわせて、多角的にウクライナ情勢をお伝えしています。ぜひ、一度御覧ください。
 
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 昨日お伝えした通り、国連安保理は23日、ロシアがウクライナに関して独自に作成した人道決議案の採決を行いましたが、理事国15ヵ国中、賛成はロシアと中国のみで、否決されました。残る13ヵ国は棄権しました。フランスとメキシコが提案するウクライナ主導の人道決議案は、安保理ではロシアの拒否権発動があり、否決される可能性が高いことを踏まえて、翌日の国連総会に提出されました。

※【速報2552】ロイター、23日:国連安全保障理事会は23日、ロシアがウクライナに関して独自に作成した人道決議案の採決を行ったが、理事国15中、ロシアと中国のみの賛成にとどまったため否決された。残る13カ国は棄権した。
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1507336680734224386

 ウクライナ主導の決議案は最終的に90ヵ国の共同提案となり、24日、国連総会緊急特別会合で参加193ヵ国のうち140ヵ国という、70%を超える圧倒的多数の賛成で可決されました。ロシア軍によるウクライナでの民間人やインフラ施設の無差別攻撃を非難、ロシアによるクラスター爆弾や燃料気化爆弾も念頭に「避難中の民間人の車列などに対する無差別な砲撃や爆発性兵器の使用」を強く非難する内容です。総会決議に法的拘束力はありませんが、加盟国の総意を示す政治的重みがあります。ロシアは「偽りの決議だ」と反発しています。

 3月2日には、2月24日にウクライナに侵攻したロシアへの非難決議では賛成が141ヵ国でしたので、今回は賛成が1ヵ国減ったことになります。西側メディアが一斉にロシア非難を繰り広げる中、3月2日にロシア非難決議をした141ヵ国からどれだけ賛成が増えるかが注目されていましたが、逆に1ヵ国減りました。前回の賛成から棄権に転じたブルネイやボツワナは、その理由を明らかにしていません。

 ロシアやベラルーシなど、2日と同じ5ヵ国が反対し、中国やインドなど38ヵ国が棄権しました。棄権は3ヵ国増えました。無投票は2ヵ国減って10ヵ国となりました。

※【速報2556】日経、25日:国連総会は24日の緊急特別会合で、ロシア軍によるウクライナでの民間人やインフラ施設の無差別攻撃を非難、即時停止を求める決議を140カ国の賛成多数で採択。賛成は、2日の決議の賛成国数141から1カ国減。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN24DCQ0U2A320C2000000/
 
 南アフリカは、ロシアの責任に触れない、独自の人道決議案を提出しましたが、採決にかけるかどうかの投票の結果、反対多数で廃案となっています。日本や米欧など67ヵ国が採決実施に反対し、ロシアや中国、ブラジル、イランなど50ヵ国は賛成。インドなど36ヵ国は棄権しました。ウクライナのキスリツァ国連大使は、南アフリカ案について、「安全保障理事会で否決されたロシアの決議案とそっくりだ」と採決に反対していました。

 ベルギーのブリュッセルでは24日、G7、EU首脳会合、NATO首脳会合が同日開催される異例の日程となりました。

 G7はベルギーの首都ブリュッセルで対面の会議を行い、ウクライナに軍事侵攻したロシアを非難し、撤退を要求するとともに、ロシアが生物・化学兵器や核兵器を使わないよう警告する首脳声明を発表しました。ロシア軍による、ウクライナ国民と病院や学校を含む公共インフラへの攻撃を非難し、国際刑事裁判所が戦争犯罪の証拠を収集するのに協力するとしています。さらに、ロシアに対して、原子力施設を危険にさらすいかなる行動も控えるよう求めているほか、生物・化学兵器や核兵器を使用しないよう警告しています。

 ロシアに軍の撤退を要求しつつ、ウクライナと周辺の国への人道支援を強化し、ウクライナの国外避難者の受け入れや保護など関わっていくことを確認しました。

 バイデン大統領はG20のメンバーが決めることだとしながらも、ロシアをG20から排除すべきだとし、それが難しいのであれば、ウクライナも参加させるべきだと述べました。

 「ロシアはG20から除外されるべきだと思いますか?」という質問に対し、バイデン大統領は「あくまでもG20次第だが、私の答えはイエスだ」と述べました。

 「ロシアが化学兵器を使用したら、アメリカかEUは軍事行動で対応するか?」という質問に対しては、バイデン大統領「ロシアが化学兵器を使用すれば、アメリカは対応する」と回答しました。

※【速報2561】NHK、25日:G7の首脳はベルギーで対面の会議を行い、ウクライナに軍事侵攻したロシアを非難し撤退を要求するとともに、ロシアが生物・化学兵器や核兵器を使わないよう警告する首脳声明を発表しました。
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1507337369141145602

 EU首脳会合では、会議参加に先立ってバイデン大統領が、記者団に「最も重要なのは西側諸国が結束することだ」と述べていました。EU首脳らは、バイデン大統領の要求に答えるかのように、「大西洋間の安全保障と防衛強化の重要性」を強調しました。

 EU首脳会合には、ゼレンスキー大統領もオンラインで出席、演説を行いました。ゼレンスキー大統領は、ウクライナは欧州全体のために戦っていると主張、再度、EUへの正式加盟を求めました。

※【速報2567】ロイター、24日:ゼレンスキー大統領は24日、スウェーデン議会でオンライン演説を行い、ウクライナは欧州全体のために戦っているとし、欧州連合(EU)の正式加盟を求めた。
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1507337615678140427

 プーチン大統領が23日、天然ガスの取引代金を自国通貨ルーブルで支払うよう要求したのに対し、ロシア産天然ガスの供給を受ける欧州各国の首脳からは、「基本的に契約違反になる」などとイタリアのドラギ首相をはじめ、相次いで反発の声が上がりました。ドイツのショルツ首相は「ほとんどの契約で決済通貨はドルかユーロになっている」と述べ、決済通貨の一方的な変更は契約違反になるとの認識を示しました。欧州委員会のフォンデアライエン委員長は、「(ロシアの)制裁回避は容認しない。エネルギーがわれわれへの脅迫に使われる時代は終わった」と訴えました。

※【速報2568】共同、25日:ロシアが天然ガスの取引代金を自国通貨ルーブルで支払うよう要求したのに対し、エネルギーの供給を受ける欧州各国の首脳らは24日、「基本的に契約違反になる」(イタリアのドラギ首相)などと相次いで反発した。
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1507337650595774464

 『BBC』によると、EU首脳はロシアへのエネルギー資源依存を抑制するために、米国とのガス取引に署名しました。この合意によって、米国は2022年末までに、現在、欧州諸国がロシアから入手しているガスの約10%に相当するガスをEUに提供することになります。

 米国はEUに対して、220億立方メートルに加えてさらに150億立方メートルのガスを供給、最終的に、年間約500億立方メートルを提供することを目指します。年間500億立方メートルという目標が達成されれば、今日ヨーロッパに送られているロシア産のガスの3分の1を、米国産のガスが置き換えることになります。

 別の見方をすれば、欧州は米国主導NATOによる安全保障だけでなく、エネルギーでも米国に依存し、言い方は悪いですが、米国の「植民地」と化していきます。

※【速報2572】BBC、25日:EUはロシアへの依存を抑制するために米国のガス取引に署名した。この合意により、米国は年末までに、現在ロシアから入手しているガスの約10%に相当する追加のガスをEUに提供することになる。
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1507337802467356672

 NATO首脳会議でも、ゼレンスキー大統領はビデオ演説を行い、NATOが保有する航空機と戦車の1%を供与するよう求めたのに得られなかったと失望感を露わにしました。ゼレンスキー大統領は、以下のように述べています。

 「我々は自分の価値観だけでなく、皆さんと共通の価値観を守っている。ウクライナの国民や都市を守るためには、無制限の軍事支援が必要だ」

 ゼレンスキー大統領は、無制限の軍事支援を得て、ロシアとの戦いを無制限に続けていく気でしょうか? 彼の頭の中には、ウクライナの国民や経済の現実を考えて、ロシアとの停戦交渉に臨むという考えは一片もないかのようです。

※【速報2575】産経、25日:ゼレンスキー大統領は24日、ブリュッセルで開かれたNATO首脳会議でビデオ演説を行い、NATOが保有する航空機と戦車の1%を供与するよう求めたのに得られなかったと失望感を表した
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1507337937838436357

 NATOストルテンベルグ事務総長は、「新たに、4つのNATO戦闘群をブルガリア・ハンガリー・ルーマニア・スロバキアに配置」し、NATOの東側の軍備を強化すると宣言しました。現在、バルト三国とポーランドに事実上常設している4つの部隊に新たな4つの戦闘群を加え、合計8つの戦闘群をロシアに近い旧東欧諸国に配備することになります。ストルテンベルグ事務総長は「いかなる化学兵器の使用であっても対立の本質を完全に変える」、「(化学兵器の使用は)明白な国際法違反であり、広範に及ぶ結果を伴う。何よりも極めて危険だ」と警告しています。

※【速報2577】テレビ朝日、25日:NATO・ストルテンベルグ事務総長:「新たに、4つのNATO戦闘群をブルガリア・ハンガリー・ルーマニア・スロバキアに配置する」
https://twitter.com/IWJ_Sokuho/status/1507338020734701569

 理解しがたいのは、ロシアが「苦戦中」である、という報道・情報と、だからこそ局面打開のために「化学兵器を使うだろう」という断定です。

 ロシアは、もっと早くキエフを陥落させるつもりだったのかもしれません。予定が遅れているかもしれませんが、しかし前進しているのはロシア軍です。

 脱退しているわけでも、負け戦になりそうで窮地に追い込まれているわけでもありません。ロシアは、違法な「化学兵器」に頼る軍事的動機がまったくないのです。

 なぜ、NATO諸国や欧州の反ロシア陣営の政府は、「苦戦中」という認識にそんなにこだわるのでしょうか? ロシアが「苦戦」しているからこそ、必ずや「化学兵器を使ってくるに違いない」という話につなげるためだとしか思えません。

 化学兵器の対処のためにNATOが即応部隊を倍増させているのをみれば、ロシア側は化学兵器を所持しようが使用を考えていようが、使わない方を選ぶはずです。

 化学兵器を使う「事件」が起きたらロシアがよほど頭が悪いか、ロシア軍を「偽旗作戦」ではめるための布石を、NATO諸国自らが一生懸命やっているのかどちらかでしょう。

■ロシアが生物化学兵器を使う!? 米国による「戦争扇動」に乗るBS-TBSの「報道1930」! 「生物・化学兵器でも… アメリカの軍事行動はないのか」!? 第三次世界大戦を煽るかのような報道がジャーナリズムと言えるのか!

 21日放映のBS-TBSの「報道1930」は、冒頭から、ロシアの侵攻が上手く行っていないことを、中山俊宏慶応義塾大学教授や河野克俊元統合幕僚長から言わせる展開になっています。

※『生物・化学兵器でも… アメリカの軍事行動はないのか』【3月21日(月)#報道1930】(TBS NEWS、2022年3月22日)
https://youtu.be/0hpMcHFsk0o

 この冒頭の展開から、ロシアの将官20人中4人が連続して死亡した「異例の事態」へ繋げ、ロシアが戦況打開のために、生物化学兵器を使うのではないか、という文脈を作っていきます。

 「報道1930」のキャスター、松原耕二氏から「アメリカも盛んに(ロシアが)化学兵器生物兵器を使うのではないか、と口にする場面が最近あります。(米国は)どう見ていると思われますか」と尋ねられた中山俊宏慶応義塾大学教授は次のように答えています。

 「アメリカ側はロシアのディスインフォメーションの一環で、アメリカの協力によってウクライナが生物兵器とか化学兵器の開発を進めているという風に言ってるということは、ロシアが使うことだという風にアメリカは情報で反撃を仕掛けているわけですよね。

 アメリカはこういう事態はもう一切ないという立場で、あくまでロシアが使う伏線を打っているんだという見方をしてるんだろうと思います。

 それでおそらくロシアとしては、先ほどシリアの話がありましたが、結局シリアで何が起きたかって言うと、あのアサド政権が化学兵器を使えば一線を越えるので、アメリカはアクションを取ると言ったにも関わらず、オバマ大統領はアクションを取れなかったわけですよね。

 もしかすると今回のロシア側は、まあ使うことによって、アメリカが動けないことを顕わにしようとしているのではないかという意図も考えられる気がします」

 中山教授の答えは、すでに、米国による一方的な「戦争扇動」に乗って、ロシア軍が生物化学兵器を使用するという前提で答えています。

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■<ウクライナのネオナチはロシアのプロパガンダではない! その1>朝日新聞がネオナチ並にジェノサイドをフェイクと主張! しかし、米政治専門メディア『THE HILL』が2017年に指摘! アゾフ大隊司令官ビレツキーは白人至上主義を「ウクライナの使命」と発言!!

 ロシアによるウクライナ侵攻「特別軍事作戦」実施の理由の一つとして、プーチン大統領が2月24日のテレビ演説で語ったのが、ウクライナ東部分離派支配地域で(2014年のユーロマイダンから)8年間「集団殺害(ジェノサイド)」にさらされたから住民を守るため「ウクライナの非武装化と非ナチ化を進める」というものでした。

 しかし、「NATO主要国はウクライナの民族主義者とネオナチを支援している」と語ったプーチン大統領に対し、日本の大手メディアは「侵略のためのフェイク」だと断定的に批判しています。

※譲らぬプーチン氏 フェイク重ね侵略、国際社会の反論にも「真実だ」(朝日新聞、2022年3月6日)
https://www.asahi.com/articles/ASQ356RDFQ35UHBI027.html

 ウクライナは、ロシアが「ウクライナ東部のドネツク州、ルガンスク州でジェノサイドが行われているという虚偽の主張にもとづいて武力侵攻した」として、2月26日、国際司法裁判所(ICJ)にロシアの軍事行動停止の仮保全措置を求めて提訴しました。

※国際司法裁判所、ウクライナでの「ジェノサイド」めぐり7日から審理へ(CNN、2022年3月2日)
https://www.cnn.co.jp/world/35184321.html

 ICJはロシア、ウクライナの両国が署名した1948年の「大量虐殺防止に関する条約」にもとづいて、3月7日に審理を開始しましたが、ロシアはウクライナの要求が条約の範囲外だと主張し、審理を欠席しました。

 ICJは3月16日、ジェノサイドへの判断を示さないまま、暫定措置としてロシアに対して軍事作戦の即時停止を命じました。

 17日付けAFPBBは、ウクライナ側がこの暫定措置を「完全な勝利」と歓迎したと報じています。

※国際司法裁、ロシアに侵攻停止を命令(AFPBB、2022年3月17日)
https://www.afpbb.com/articles/-/3395407

 しかし、ジェノサイドがあったかどうかについて、ICJはまだ最終的な判断をしていません。

 では、日本政府の公式見解はどうなっているのでしょうか。

 3月8日の参議院外交防衛委員会で、このICJの裁判について質問した公明党の高橋光男議員の質問に対し、林大臣はウクライナ東部でジェノサイドがあったかどうかについて、「現地の状況等把握する必要があり、確定的なことは申し上げられない。国際刑事裁判所、検察官による捜査や、今後の事態の展開を注視していく」と答えています。

 つまり、少なくとも司法の判断が出るまでは、フェイクだとは断定しないということです。日本政府ですら、「フェイク」だとは結果つけていないのに、先ほど例示した朝日新聞の「フェイク重ね侵略」というのは、何を根拠に断言しているのでしょうか?

※外交防衛委員会(参議院インターネット審議中継、2022年3月8日)
https://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php

 ウクライナのネオナチの存在についても、ロシアの「フェイク」「プロパガンダ」だという主張が見受けられます。朝日新聞は、「ジェノサイドはなかった」というウクライナのネオナチと同じ主張をしていることにおぞましさを感じないのでしょうか?

 しかし、米政治専門メディアの『The Hill』は、2017年11月9日付けの記事で次のように報じています。

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 それでは、本日も1日、よろしくお願いします。

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IWJ編集部(岩上安身、六反田千恵、浜本信貴、城石裕幸、尾内達也、富樫航、渡会裕、中村尚貴)

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