日刊IWJガイド・非会員版「岸田政権で初の衆院憲法審査会開催! 自民、公明、維新、国民が緊急事態条項制定に前のめり!! 立憲・共産は『安倍4項目』の議論を批判」2021.12.17号~No.3382号


┏━━【目次】━━━━━━━━
■はじめに〜16日、岸田政権で初の衆院憲法審査会開催! 自民、公明、維新、国民が緊急事態条項制定に前のめり!! 立憲・奥野総一郎氏は「安倍4項目ありきの議論は憲法審査会の理念に反する」と批判! さらに「緊急政令はワイマールの例があるから、非常にネガティブにとらえている」「解釈でできるところ、現行法制でできるところで、きちんとまずは手当をすべき。コロナを奇貨として改憲論議を進めるのは、拙速だし、間違ってる」と主張!!

■岩上安身より、皆さまへ緊急のお願いです!! 「改憲により、国家緊急権(緊急事態条項)という万能の魔法の杖を国家に渡してはならない!」と総選挙前から訴え続けてきましたが、自公プラス維新・国民で改憲発議可能な3分の2以上の議席を占められてしまった今回の総選挙!! そして、16日に開かれた衆議院憲法審査会で、国民民主党玉木代表が、「緊急事態条項の議論だ」と発言!! 12月半ば15日までのご寄付・カンパは月間目標額の20%にとどまっています!! 11月末までの累積の赤字は約628万円に! どうか緊急のご支援をよろしくお願いします!!

■【中継番組表】

■<インタビュー報告>12月16日、「『戦場で勝って戦争に負けた』9.11以来の米国の対テロ戦争! その『見果てぬ夢』の続きを中国との戦争で! 『国が戦争し日本が巻き込まれていく』危険な日米同盟の一体化! 岩上安身による元内閣官房副長官補・国際地政学研究所理事長 柳澤協二氏インタビュー(2)」をお届けしました!

■<IWJ取材報告 1>黒田兼一・明治大学名誉教授「日本の賃金水準は30年間ずっと停滞したままだ」! 18日のシンポで「全国一律最賃制実現に向けた最賃法改正の提言」を発表予定~12.15「12.18最賃シンポジウム」開催に関する記者会見

■<IWJ取材報告 2>東京都と都医師会が、コロナ感染爆発第6波に備え、国の新たなレベル分類指標を参考に独自の対策を発表!「数的にはかなり対応できると思うがスピードが大事、オミクロン株はそこが心配!」~12.14東京都医師会 記者会見

■<IWJ取材報告 3>北海道室蘭市が東電福島第一原発の周辺で出た高濃度のPCB廃棄物処分の受け入れを表明! 反対する市民らが環境省にヒアリング「市長の決定は唐突で住民の了解を得ていない」!~12.13第11回核ごみに関する政府との会合

■<本日の撮りおろし初配信>本日午後8時から、12月9日に収録した「『人工妊娠中絶薬は、リプロダクティブ・ヘルス&ライツ(性と生殖に関する健康と権利)である』科学的エビデンスにもとづいた中絶薬の速やかな承認と現行の法改正を!~2021.12.9 緊急院内集会『中絶薬に関する意見交換会』」を撮りおろし初配信します!
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■はじめに〜16日、岸田政権で初の衆院憲法審査会開催! 自民、公明、維新、国民が緊急事態条項制定に前のめり!! 立憲・奥野総一郎氏は「安倍4項目ありきの議論は憲法審査会の理念に反する」と批判! さらに「緊急政令はワイマールの例があるから、非常にネガティブにとらえている」「解釈でできるところ、現行法制でできるところで、きちんとまずは手当をすべき。コロナを奇貨として改憲論議を進めるのは、拙速だし、間違ってる」と主張!!

 おはようございます。IWJ編集部です。

 昨日16日、衆議院で憲法審査会が開かれました。衆議院の憲法審で自由討議が行われるのは、5月以来7か月ぶりです。

 昨日の憲法審では、まず、各党が意見を表明し、その後、自由討議が行なわれました。

 各党意見表明を行ったのは、与党筆頭幹事の自民党・新藤義孝氏、野党筆頭幹事の立憲民主党・奥野総一郎氏、日本維新の会・馬場伸幸氏、公明党・北側一雄氏、国民民主党・玉木雄一郎氏、日本共産党・赤嶺政賢氏、会派「有志の会」の北神圭朗氏です。

 自民・新藤氏は、国民投票法の投票環境に関する議論、CM規制に関する議論、憲法本体論議の3つを同時に進めるべきだと訴えました。また、新藤氏は自民党が提示している改憲4項目の緊急事態条項について、「新型コロナ禍という時代を経験して、大規模な自然災害に加えて感染症の蔓延などといういわゆる有事と言うべき事態が発生した場合に、どのように対応するのか、国としての枠組みについて議論しておくことは、国民の関心も高く、極めて重要なことだ」と主張しました。

 これに対して立憲・奥野氏は、「我々は議論を恐れず、憲法審査会で必要な議論はしっかりと行う」と表明する一方で、「特定の憲法改正を前提とするものであってはならないし、改憲ありきであってもならない」と訴えました。

 奥野氏は野党が6月16日に、新型コロナウイルス感染症や豪雨被害に対応するため憲法53条にもとづく臨時国会招集を求めたにもかかわらず、何か月も放置されたことを指摘した上で「明確な憲法53条違反だ」と述べ、「現行憲法を尊重しない与党が、憲法改正をする資格はない」と批判しました。

 さらに奥野氏は、かつて衆院憲法調査会会長を務めた中山太郎氏(自民党)の「憲法論議は自己の理想の憲法の主張に留まるのではなく」という言葉を紹介し、「安倍4項目ありきの議論そのものに反対だ。自己の理想の主張をいう4項目を前提に議論を急ぐ姿勢は、憲法審査会の理念に反する」と訴えました。

 奥野氏は、「施行後3年をめどに」CM規制を行うとした国民投票法附則4条の論議を「まず優先すべき」だと述べた上で「この措置が講じられるまでは、改憲発議はできない」と主張しました。

※ここから先は【会員版】となります。会員へのご登録はこちらからお願いいたします。ぜひ、新規の会員となって、あるいは休会している方は再開して、ご覧になってください!

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■岩上安身より、皆さまへ緊急のお願いです!! 「改憲により、国家緊急権(緊急事態条項)という万能の魔法の杖を国家に渡してはならない!」と総選挙前から訴え続けてきましたが、自公プラス維新・国民で改憲発議可能な3分の2以上の議席を占められてしまった今回の総選挙!! そして、16日に開かれた衆議院憲法審査会で、国民民主党玉木代表が、「緊急事態条項の議論だ」と発言!! 12月半ば15日までのご寄付・カンパは月間目標額の20%にとどまっています!! 11月末までの累積の赤字は約628万円に! どうか緊急のご支援をよろしくお願いします!!

 お世話になっております。IWJ代表の岩上安身です。

 12月も折り返しが過ぎました。12月15日までのご寄付・カンパは、80件、82万4000円です。ご寄付をくださった皆さま、本当にありがとうございます。

 IWJでは、第12期の年間の予算の見通しを立て、ご寄付・カンパの目標額を月額420万円(年間5040万円)とさせていただきました。

 しかしながら、12月15日までのご寄付・カンパの金額は、月間の目標額の20%にとどまっています。

 12月に入り、IWJの今期第12期も5ヶ月目に入りました。

 今期第12期は8月から始まり、11月で4ヶ月目を終えました。しかしながら、8月は月間目標額を87万900円下回り、9月は185万2600円下回り、10月は153万290円下回り、11月は202万5900円下回りました。

 4ヶ月間の累計の不足分は627万9690円となってしまいました。

 このペースで進んでいくと、IWJは壊滅的な打撃を受けてしまい、今期の途中で活動を極端に縮小するか、停止せざるをえなくなるかもしれません!

 すでにお伝えしている通り、私、岩上安身は、キャッシュフローが足りなかったIWJに対して1093万円を貸し込んでいます。私は富裕層でもなんでもなく、40年間働いてきて乏しい貯えがわずかにあるだけのもともとは一介のフリーランス、自営業者に過ぎません。

 個人が1000万円を超えるお金を会社に貸す、というのは大変なことです。第12期のスタートにあたって、前期の第11期の途中から無報酬で働いてもおりましたが、8月から始まった第12期も、1年間にもわたって、無報酬で働き続けています。

 これ以上は、私、岩上安身個人の力だけではいかんともしがたい苦しい状況です。私1人の力や、無報酬のため細る一方の私の貯えでは、627万9690円もの不足分を穴埋めすることはできません!

 どうか会員の皆さまのお力で、IWJをお支えください!

 IWJの会員数は現在3429人です。そのうちサポート会員は1196人です。本当に心苦しいお願いではありますが、会員の皆さま全員が1200円ずつカンパしてくださるか、サポート会員の皆さまが1人3500円ずつカンパしてくださったならば、なんとかこの赤字は埋められます。

 伏してお願いいたします! どうか皆さまのお力で、この窮状をお助け願います!

※ご寄付・カンパはこちらからお願いします。
https://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

 コロナ禍は、日本のすべてを直撃しています! IWJも例外ではありません!

 同じように皆さまもそれぞれ、コロナ禍で厳しい状況に直面されていることと拝察いたします。こうした状況で皆さまに、会員登録のお願いとご寄付・カンパを繰り返しお願いすることは、心苦しいことではあります。

 しかし、特定のスポンサーをもたないことで、何者にも縛られず、忖度せずに、真実をお伝えしてゆくのが、独立メディアであるIWJの存在意義です!

 非会員の方はまず、一般会員になっていただき、さらに一般会員の皆さまには、サポート会員になっていただけるよう、ぜひご検討いただきたいと存じます!

 その会費と、ご寄付・カンパによって支えられてはじめて、IWJは、市民の皆さまのために役立つ、真の独立市民メディアとしてその活動を継続し、その使命を果たすことが可能となります。

 マスメディアが報じない事実と真実を報道し、売国的な権力への批判を続け、主権者である日本国民が声をあげ続けることができるようにすることが、今、絶対に必要なことであり、それが我々IWJの使命であると自負しています。

 決して負けられないこの戦いに、私は、IWJのスタッフを率いて全力で立ち向かいたいと腹をくくっています! 皆さまにはぜひ、ご支援いただきたくIWJの存続のために、会員登録と緊急のご寄付・カンパによるご支援をどうぞよろしくお願いしたく存じます。

 天下分け目の衆院選が、改憲勢力の圧勝で終わってしまいました。先の選挙ほど重要な選挙は過去になかったのではないかと思われますが、最も重要な「改憲問題」という争点が隠され、大変残念な結果になってしまいました。

 世界は今、100年に1度あるかないかの巨大な政治的経済的軍事的な地殻変動に見舞われています。いうまでもなく、日本を含む世界全体に単独覇権国として支配力と影響力を及ぼしてきた米国が衰退し、中国が米国の国力を上回る勢いの新興国と台頭してきているからです。

 地球上の覇権国の力関係が、劇的に変わろうとしつつあります。この米中のせめぎあいに、米国の「従属国」に甘んじてきた日本はモロに巻き込まれつつあります。

 米国の衰退の原因は、米国自身の奢りによるところが大きい、と言わざるをえません。自ら生み出した新自由主義とグローバリズムのために、米国内部で超富裕層と貧困層の格差が民主主義国と言えないほど開いてしまい、他方、単独覇権主義を徹底するために、巨大な軍事力を備え、行使してきたために、巨額の財政赤字を積み上げ、結果として国力を落としてしまっています。

 財政赤字と国民の格差の拡大については、そっくりそのまま日本で同じことが起こっています。日本が米国のマネをしてこなかった(できなかった)のは、軍事力の行使だけでしたが、今後の行方次第ではそのタガも外れてしまうことでしょう。

 日本の場合、現在GDP比266%もの債務を「平時」の間に積み上げてしまっており、このあと「有事」となって巨額の戦費を必要としたら、戦時国債を大増刷して国民に強制的に買わせるか、その前に財政破綻の危機に瀕するか、いずれにしても国債のデフォルトを避けるため、改憲によって緊急事態条項を導入した上で、それを使って全国民に大増税をかけることになるでしょう。

 私がIWJというインターネット報道メディアを立ち上げた(会社登記)のは、正式には2010年12月のことですが、準備期間に約1年間かけました。その際、IWJという社名だけ決めて、「移行期通信」というメルマガを支持者の方々にお送りしていました。

 社名になぜIndependent(独立)という言葉を入れると決めていたのか。独立メディアである、という意味はもちろんのことですが、もう少し深い意味を込めて、日本の独立に少しでも資するように、という願いを込めたからです。それが私の志であり、一貫した「初期衝動」です。

 日本よ、独立せよ。

 米国への過度の依存から離れ、世界の国々、とりわけ隣国との友好に尽くし、独立国としてサバイバルせよ、という思いです。

 その思いを込めてスタートしたIWJですが、私の願い、言いかえれば危機感の方が、的中してしまい、日本は国力を落としながら、さらに米国への依存を深めどんどんと危うい方向に向かいつつあります。

 敗戦から冷戦の終わりまで日本は当たり前のように米国に、外交・安全保障を依存してきました。実際、「軽武装・経済優先」という当時、自民党の主流派だった宏池会のような考えでも、実際、日本は豊かになっていたのですから。

 しかし、冷戦に「勝利」した米国は、傲りたかぶり、世界を一極支配する単独覇権システムを強引に構築しようとし、かえって世界の反発を買って多極化を招いてしまいました。

 にもかかわらず日本は、米国を不動のヘゲモン(覇権国)としてあがめたてまつり、依存をさらに深めており、米中対立の「最前線」に立たされつつあります。その戦争準備のために、国会から立法権を奪って、内閣独裁を実現し、超法規的な「政令」を繰り出せる緊急事態条項を含めた改憲をしようと躍起になっているのです。

 衆院選についての報道も連日行われていたのに、今回の選挙の真の争点である自民党の改憲案については、すべてのマスコミが開票が終わるまで沈黙し続けました。

 自民党単独で過半数を取るか、自公で過半数を取るか、などが問題なのではなく、改憲に前のめりな姿勢を見せる維新と国民がどれだけ議席を獲得し、その結果、自公プラス維新と国民の改憲勢力が衆議院の4分の3に迫る議席を得て、改憲発議が可能になってしまったという事実をどう受け止めるか、その点こそが、今回の総選挙の真の争点だったのであり、そして選挙後に我々が直視しなくてはならない最重要問題なのです。

 しかしながら、大手メディアは、開票が終わるまで改憲問題の、特に最も危険な緊急事態条項については、大っぴらに報じたり、論じたりするのを、なぜか避けていました。多くの国民に、その危険性を悟らせないためなのです。

 改憲勢力が改憲発議可能となる議席を占めるかどうか、というこの総選挙の真の争点を、事前に報じ、論じるメディアはIWJをおいては皆無に近く、ありとあらゆるテレビ局や大新聞は、程度の違いこそあれ「立憲議席増、自民議席減」という、根拠の怪しい(各社自身の調査の生データと剥離している)、無党派の中でも「やや立憲寄りで反自民」の層が、「油断」をするようなアナウンスを繰り返しました。

 そのあげく、投票率も上がらず、事前の予測とは真逆に立憲・共産の野党共闘が議席を減らし、自民自身は議席を減らしたものの、公明は微増、自民の「別動隊」である維新は、4倍増と躍進し、国民民主も微増となり、改憲勢力全体では議席を増やしました。

 そして、10月31日の投開票が終わった途端に、岸田総理や、維新の松井代表らが、手を翻したように、積極的に改憲について発言し始め、大手メディアは、これに飛びついて改憲について記事にし、番組で取り上げています。

 前段でも触れた通り、昨日16日の衆議院憲法審査会で、自民党の新藤氏は自民党が提示している改憲4項目の緊急事態条項について、「大規模な自然災害に加えて感染症の蔓延などといういわゆる有事と言うべき事態が発生した場合に、どのように対応するのか、国としての枠組みについて議論しておくことは、国民の関心も高く、極めて重要なことだ」と主張しました。そして、国民民主党の玉木代表は、「議論しなければならないのは、コロナ禍で明らかになった緊急事態における法の支配の空洞化で、ここを是正するための議論、つまり緊急事態条項の議論だ」と発言し、真の「正体」を露わにしました。

※衆院憲法審査会 衆院選後初の憲法論議 改正是非などで各党意見(NHK、2021年12月16日)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211216/k10013390721000.html

 自民・公明・維新・国民の改憲勢力によって、憲法に「緊急事態条項」が書き加えられるのは、本当にすぐそこまで迫っています。

 自民党は改憲4項目を示していますが、その中の「緊急事態条項」こそが改憲の「本丸」なのです。IWJは、2012年に自民党が憲法改正草案を出した約10年も前からこの危険性を指摘し続けてきました。

 実際に私は、梓澤和幸弁護士、澤藤統一郎弁護士との共著「前夜」にて、自民党の「緊急事態条項」を含む憲法改憲草案の危険性を徹底的に記しています。

※【増補改訂版・岩上安身サイン入り】前夜 日本国憲法と自民党改憲案を読み解く(IWJ書店)
https://iwj.co.jp/ec/products/detail.php?product_id=171

 緊急事態条項は、対中国との戦争を見すえて、戦時独裁体制を築き、国民の反対を強権発動で抑え込んで米国の傀儡国として、米本土を守るため、日本国民を犠牲にする無謀な戦争に突っ込むための仕掛けです。

 同時に、景気の回復やコロナ対策どころか、戦費調達で無制限に国債を増発して国の借金がどうにもならなくなったら、国家緊急権をもって、国民に対して大増税を強行するためでもあります。

 1946年、第二次大戦の敗戦の翌年、日本政府は国民に強制的に買わせた戦時国債がインフレで価値がなくなっている時、国家緊急権(緊急勅令)を発令して、「一回限り」という言い訳つきで全国民から財産を没収し、(最高税率90%!)インフレのために額面ほどの価値のなくなった国債の形ばかりの返済にあてて、表向きデフォルトをまぬがれた「前科」があるのです。

※(再掲)改憲で緊急事態条項が通れば「国民に『お前らの財産没収します!』なんてこともできます!」と明石順平弁護士が危惧!~岩上安身によるインタビュー 第937回 ゲスト 『データが語る日本財政の未来』著者 明石順平弁護士 第3弾
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/447524

※【エッセンス版】改憲で緊急事態条項が通れば「国民に『お前らの財産没収します!』なんてこともできます!」と明石順平弁護士が危惧!岩上安身によるインタビュー 第937回 ゲスト 明石順平弁護士 第3弾
https://www.youtube.com/watch?v=DSyU3bKBn5Y

※【矢野論文について・切り抜き5】岩上安身による弁護士 宇都宮健児氏、エコノミスト 田代秀敏氏インタビュー
https://www.youtube.com/watch?v=pHZl0wcn5-c

 その恐ろしい「財産税」のために、新円切り換えと同時に緊急勅令(=国家緊急権)を用いて、全国民の預金封鎖を行うという荒業まで用いたのでした。

 国家緊急権は、国家が、国民の意志とは無関係に超法規的な強大な権力をふるえるようになる、「悪魔の魔法の杖」の如きものです。

 国家緊急権という万能の「魔法の杖」を国家に渡さないように、IWJはこれまでもずっと、この問題に警鐘を鳴らし続けてきました! しかしこの問題は、マスコミではタブー扱いになっています。選挙前も、選挙後も、です。

 選挙後も、「改憲」の話は出ても、「緊急事態条項」については大きく取り上げたり、コミットしないよう、各政党の政治家も、御用記者クラブメディアも、慎重にふるまっています。口裏もあわせずして、大手メディアがことごとく、「緊急事態条項」については黙り続ける、こんな芸当がどうしてできるのでしょうか?

 多くの国民は世間の話題にもならないため、その危険性に気づかず、眠るように忘れさせられてゆくのです。

 その点の危うさを、IWJはずっと「炭鉱のカナリア」のように、近づく危機を1人でも多くの方に知らせるべく、叫び続けています!

 戦後憲法は、明治憲法に書き込まれていた、この危険な国家緊急権を取り除きましたが、自民党をはじめとする現在の改憲勢力は、再び憲法に書き入れようとしています。もしも書き込まれれば、どうなるのでしょうか。暴力的な愚行を一度やらかした政府です。二度とやらないなどと誰が保証できるのでしょうか。

 こうして、マスコミが沈黙し続けている自民党改憲案の危険性を訴え続けているIWJが、今、活動費が足りずに沈没しかけています! 市民の皆さんからの緊急のご支援がどうしても必要です!

岩上安身拝

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みずほ銀行
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店番号 057
預金種目 普通
口座番号 2043789
口座名 株式会社インデイペンデント ウエブ ジヤーナル

城南信用金庫
支店名 新橋支店
店番号 022
預金種目 普通
口座番号 472535
口座名 株式会社インディペンデント.ウェブ.ジャーナル

ゆうちょ銀行
店名 〇〇八(ゼロゼロハチ)
店番 008
預金種目 普通
口座番号 3080612
口座名 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル カンリブ

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◆中継番組表◆

**2021.12.17 Fri.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【IWJ・Ch5】17:30頃~「林芳正 外務大臣 定例会見」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_ch5

 林芳正 外務大臣 定例記者会見を中継します。これまでIWJが報じてきた外務大臣記者会見関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E5%A4%96%E5%8B%99%E5%A4%A7%E8%87%A3%E8%A8%98%E8%80%85%E4%BC%9A%E8%A6%8B
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【IWJ・エリアCh5・東京】 18:00~「原発反対八王子行動」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_areach5

 「キンパチデモ実行委員会」主催の原発反対八王子行動を中継します。これまでIWJが報じてきたキンパチデモ実行委員会関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/kinpachi-demo-executive-committee
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【IWJ・Ch4】18:00~「重要土地調査規制法に係わる国会議員と全国超党派自治体議員団の意見交換会」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_ch4

 「土地規制法を廃止にする全国自治体議員団」による意見交換会を中継します。これまでIWJが報じてきた重要土地等調査規制法案関連の記事は以下のURLからご覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E9%87%8D%E8%A6%81%E5%9C%9F%E5%9C%B0%E7%AD%89%E8%AA%BF%E6%9F%BB%E8%A6%8F%E5%88%B6%E6%B3%95%E6%A1%88
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【IWJ_YouTube Live】18:30~「グリーンな東京 オープンセミナー 第1回『COP26報告と東京都の気候政策』 ―登壇:平田仁子氏(気候ネットワーク 国際ディレクター・理事)、漢人明子都議会議員」
視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/featured

 「グリーンな東京」主催のセミナーを中継します。これまでIWJが報じてきた気候変動関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E6%B0%97%E5%80%99%E5%A4%89%E5%8B%95
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【撮りおろし初配信・IWJ_YouTube Live】20:00~「『人工妊娠中絶薬は、リプロダクティブ・ヘルス&ライツである』『科学的エビデンスにもとづいた中絶薬の速やかな承認と現行の法改正を!』と政府に提言~2021.12.9 緊急院内集会『中絶薬に関する意見交換会』」
視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/featured

 12月9日に収録した、「RHRリテラシー研究所」主催の院内集会を配信します。これまでIWJが報じてきた女性の人権関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e5%a5%b3%e6%80%a7%e3%81%ae%e4%ba%ba%e6%a8%a9

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◆中継番組表◆

**2021.12.18 Sat.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【IWJ・Ch5】13:00~「経済浮上の決め手・内需拡大には『新しい資本主義』より『新しい最賃制』が有効!12.18最賃シンポジウム」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_ch5

 「労働者と研究者の経済・企業・労働と賃金に関する共同研究会」主催のシンポジウムを中継します。これまでIWJが報じてきた重要土地等調査規制法案関連の記事は以下のURLからご覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E9%87%8D%E8%A6%81%E5%9C%9F%E5%9C%B0%E7%AD%89%E8%AA%BF%E6%9F%BB%E8%A6%8F%E5%88%B6%E6%B3%95%E6%A1%88
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【IWJ_YouTube Live】15:30~「『コクミンテキギロン☆しよう!~ReStart~ #11 with 今井 一さん』Restartは、今井一さんと。[国民発議・国民拒否](イニシアティブ)制度の導入、活用で本当の主権者に、なれる?」
視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/featured

 「コクミンテキギロン☆チーム」主催の集会を中継します。これまでIWJが報じてきた今井一氏関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E4%BB%8A%E4%BA%95%E4%B8%80

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◆昨日アップした記事はこちらです◆

東京都と都医師会が、コロナ感染爆発第6波に備え、国の新たなレベル分類指標を参考に独自の対策を発表!「数的にはかなり対応できると思うがスピードが大事、オミクロン株はそこが心配!」~12.14東京都医師会 記者会見
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/500196

IWJ記者の質問に「内政干渉にあたらない」と13日国会答弁を繰り返し! 台湾のシンポで「台湾有事は日本有事」と勇ましく煽った安倍元総理の発言は「正当な関心の表明」と言えるのか?~12.14林芳正 外務大臣 定例会見
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/500199

黒田兼一・明治大学名誉教授「日本の賃金水準は30年間ずっと停滞したままだ」! 18日のシンポで「全国一律最賃制実現に向けた最賃法改正の提言」を発表予定~12.15「12.18最賃シンポジウム」開催に関する記者会見
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/500222

北海道室蘭市が東電福島第一原発の周辺で出た高濃度のPCB廃棄物処分の受け入れを表明! 反対する市民らが環境省にヒアリング「市長の決定は唐突で住民の了解を得ていない」!~12.13第11回核ごみに関する政府との会合
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/500188

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■<インタビュー報告>12月16日、「『戦場で勝って戦争に負けた』9.11以来の米国の対テロ戦争! その『見果てぬ夢』の続きを中国との戦争で! 『国が戦争し日本が巻き込まれていく』危険な日米同盟の一体化! 岩上安身による元内閣官房副長官補・国際地政学研究所理事長 柳澤協二氏インタビュー(2)」をお届けしました!

 12月16日、午後1時より、IWJ事務所から「『戦場で勝って戦争に負けた』9.11以来の米国の対テロ戦争! その『見果てぬ夢』の続きを中国との戦争で! 『国が戦争し日本が巻き込まれていく』危険な日米同盟の一体化! 岩上安身による元内閣官房副長官補・国際地政学研究所理事長 柳澤協二氏インタビュー(2)」をお届けしました。

 米軍のアフガニスタン完全撤退を受けて行われた9月14日のインタビューの続編になります。

※「戦場で勝って戦争に負けた」9.11以来の米国の対テロ戦争! その「見果てぬ夢」の続き・対中戦争における日米同盟の危険性! ~9.14岩上安身によるインタビュー 第1052回 ゲスト 元内閣官房副長官補・国際地政学研究所理事長柳澤協二氏 2021.9.14
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/496218

 冒頭、岩上安身が、これまでは東アジアにおける米中対立が激化して台湾有事、つまり戦争のリスクが高くなっているのではないかとお伺いすると、いつも「そんなことはないですよ、戦争にはならない」と諫めてくれるのが柳澤氏だったのに、8月の記者会見では、まさかの戦争発火を本気で懸念されているように見えた、と問いかけました。

※「米中対立はすでに『戦争の危険水域』」~8.11日本外国特派員協会主催 柳澤協二氏(元内閣官房副長官補)、半田滋氏(防衛ジャーナリスト)、猿田佐世氏(新外交イニシアティブ代表)記者会見―内容:台湾有事は起こるのか? 2021.8.11
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岩上「台湾有事とは何か、何をするのか国民に対して説明がない。ロジスティックなど、どこかで密かに研究されているんですか?」

柳澤氏「していないと思いますよ。かつての戦中派の政治家とは違って、最近の政治家の発言を聞いていると、戦争っていうものがわかっていない。まったく知らないんだなと思います。

 『戦争』っていう言葉が気楽に出てくるようになりました。戦争をするということになれば、日本に何が起こるのかまったく考えていないのではないでしょうか。

 一隻、船が沈没すれば、自衛官が乗っていますから、200人くらいは亡くなります。米軍基地周辺の住民は本当に大丈夫なのか、避難できるのか。そういう検討をちゃんとしていないのではないでしょうか。

 海洋で戦争になれば、船が止まります。日本のようにエネルギー資源をほとんど輸入に頼っている国は、どうなってしまうのか。食料自給率も37%しかない。国民が今の3割くらいの食事で我慢をするのか」

岩上「戦争となれば、弱者にまずしわ寄せがきますから」

柳澤氏「戦争というのはどちらがより長くより多く、被害に耐えられるかということなんですね。そこを理解しないで、戦争の話をするのは愚かです。それが危ないと思います。

 持ちこたえる力が一番弱いのは日本。政治は、戦争をどのくらいで、どういう手を打って終わらせるのかを考えないといけないんです。

 何があっても『台湾有事だけは起こさせちゃいけない』という、日本に一番必要なメッセージが与野党ともない」

 北京五輪の外交的ボイコット、中国企業の排除など、中国を挑発するかの如き米国が、12月9日「民主主義サミット」を開催しました。

岩上「バイデンさんが民主主義サミットをやって、露骨に中国とロシアが排除され、全世界連合を形成して戦争をするのかと言えば、集まった国がアメリカと共に戦争するんですか?」

柳澤氏「世界のルールを作るのはアメリカだと。笑ったのは、480億円で民主主義的なプログラムに援助すると言っているが、アフガンで20年と2400人の戦死者と7700億ドルかけて達成できなかった民主主義を480億円でできるのかと。年末の最高のジョーク」

 柳澤氏は、中国の肩を持つわけではないが、イラクの大量破壊兵器がとうとう見つからなかったということもあるので、と保留した上で、ウイグルの人権問題も確かな証拠を見ないと述べました。

柳澤氏「新疆ウイグルの人権侵害は、映像の証拠が出てこない。時々テレビで出てくるのは職業訓練施設に入れられた男性の証言。ブリンケン(米国務長官)は『ジェノサイド』とまで言っている。そこまで言うならもっとはっきりした証拠を提示しなければいけない。

 アメリカ自身も大統領選がフェイクだとトランプ支持派が議会に乱入しました。アメリカの民主主義も危機に瀕してる。他国を批判するなら自分のところも見直さなきゃいけない課題があります。

 今年1年、あるいはアメリカのアフガンからの撤退から教訓として得なきゃいけないのはそこではないでしょうか」

 岩上が、5月に国民投票法改正案が、6月に重要土地利用規制法案が可決され、10月の衆議院選挙で改憲派が3分の2を大きく超える議席を獲得し、「緊急事態条項」が憲法に導入される危険性が高まっている、これは戦争準備なのではないか、日本が米国の戦争に巻き込まれていくのではないかと問いました。

柳澤氏「憲法改正しなくても、今でも巻き込まれるわけです。

 集団的自衛権以前です、もう自動的に参戦するようになっているんです。日本にある米軍基地から爆撃に飛び立てば、国際的には日本も戦争当事国になる。逆にどうして憲法変えないといけないのか、そっちの立法事実のなさの方が気になります」

岩上「戦争準備だけでなく、膨大な赤字国債を抱えてさらに戦争となれば、かつて1946年に、戦後直後に緊急勅命をもって新円切り替え、預金封鎖、財産税で国民の財産を巻き上げて償還しましたが、同じようなことを考えているのでは?」

柳澤氏「そこまでのことを考えてのことなのか、わかりませんが。

 今の米国は、『台湾の独立』とは言わないけれど、台湾を国際機関に迎え入れたり、台湾の在米国外交窓口機関の名称を『台湾代表処』に変更しようとしたり、政治的に中国を挑発していることなんですね。

 一方中国は、そういう米国に対して、台湾海峡に航空機や軍艦を送ったりして、軍事的に挑発している。チキンゲームなんですが、その非対称性が気になっています。そこが危ないと思います」

岩上「奇妙なのはアメリカが、次の最大の敵は中国とロシアと一方的に宣言してるんですよね。中国を『現状変更勢力』と言いながら、コツコツと現状変更してるのは、実はアメリカのほうです」

柳澤氏「今、懸念しているのは、台湾を巡る戦争を回避してきた諸条件が変わってきてしまっているということなんです」

 柳澤氏は、以下の4つの条件が変わってしまったために、「台湾有事」が現実の危機になりつつあると述べました。

1) 圧倒的に米国優位であった軍事バランスが、いまや中国優位に変わっていること

2) 米中台の三者に共有されてきた「一つの中国」と「台湾の独立を認めない」という政治的合意が揺らいでいること

3)中国と台湾の経済的交流を通じた和解が試みられた時期があったが、いま、台湾経済を中国から分離する動きが強まっていること(米中経済のデカップリングも)

4)台湾人のなかに、自分が中国人ではなく台湾人であると認識し、中国との統一を望まない世論が増加していること

 柳澤氏は、第一次世界大戦の時に、サラエヴォでのたった2発の銃弾から世界を巻き込む戦争が始まったことを例に出し、ひとつのささやかな出来事が戦争に発展する可能性があると述べました。

柳澤氏「軍事的なクラッシュはこれまでも例があるが、これまでは収めてきました。しかし、第一次世界大戦はサラエヴォの暗殺事件が世界大戦に拡大していきました。国家間の不信感、対立関係が熟成しているときに、何かきっかけがあれば戦争の着火剤になる可能性があります。この危険を過小評価してはいけない」

岩上「それでも『台湾をめぐる米中戦争が勃発、その時日本はどうする』?」
 
柳澤氏「『台湾有事』に『NO』と言えるかどうか。日本から戦闘機が出ていくのであれば、事前協議にかける必要があります。それは米軍も理解しているはずです。その事前協議で、それはだめだと断ることが日本にとって(戦争を回避する)唯一の方法です」

 柳澤氏は、「抑止力」をめぐる議論で、日米の間に乖離があると指摘しました。

柳澤氏「アメリカは相手が攻めてくれば勝つことを前提にするから抑止になります。日本は抑止力があれば戦争にならないと思っている節がある。それは抑止力になりません。

 (台湾有事の際)沖縄の人たちの避難をどうするか、というプランがない。沖縄を守るということはそういうことなんです。

 被害に耐える覚悟があってはじめて抑止ができる。日本国民は最初の一発すら嫌なので、抑止力なんて論理的には成立してないんです」

岩上「いざという時に刺し違える覚悟があるかないか、ですね」

 岩上は、トランプ政権の大統領補佐官ピーター・ナヴァロの著作、『米中もし戦わば』(2015年)には、「中国のミサイル攻撃を日本列島で確実に『吸収』する」と明確に書いてあると指摘しました。米国の戦略家の目からみれば、日本列島は単なる「ミサイル吸収ホイホイ」なのです。

 中距離ミサイルで中国が圧倒的なミサイル数を持っている状況なので、米国側は米国本土は無傷のまま、中国のミサイルが日本列島にできるだけ多く撃ち込まれて消耗されるのが理想的です。

柳澤氏「論理的に考えればこうなりますよね。私もそう考えます。先日米軍のF16機が青森空港に緊急着陸しましたね。燃料タンクを投棄して。今年に入って、そういう事故が多かった。類似の事故があちこちで起こっています。

 つまり、南西諸島だけではなく、米軍は『有事』を想定した展開訓練を全国でしているということでしょう。『台湾有事』では本土も戦場になるという実態がわかります」

岩上「ミサイル主体の戦争では、米中の戦争で日本が戦場になって、ミサイルを撃ち込まれることになる。米国本土は無傷で。日中代理ミサイル戦争は米国に好都合なのではないですか?」

柳澤「本当にそうなら、日本がやらないと言えばいいんです。

 私の認識は、アメリカが日本を戦場にして、足掛かりにして中国と戦争しようとしているという構図です」

岩上「日本は単なる地理的存在、というわけですね。そこにある人の暮らしも命も関係ない」

柳澤氏「アメリカのミサイルが置かれたアメリカの発信基地としての地理的存在なんですよ。で、あるがゆえに『日本有事』なんですよ」

 これまでは米国が、軍事では他国を圧倒してきました。米国の軍事費は世界第1位で、世界2位から9位までの合計よりも多かったのです。しかし、今後の戦争のゲームチェンジャーとなる『極超音速ミサイル』の開発では中国がアメリカを大きく先行しています。

 岩上は、アメリカの軍事戦略家らが考える、チョークポイントを締め上げて中国に原油が届かないようにする戦略と、中国側のチョークポイント外しについて報告、米軍戦略の実効性には疑問を持たざるを得ないと述べました。

柳澤氏「アメリカには2つの発想があって、上に行くか(核)、横に広がるか。『オフショア』は地政学的な対決の仕方で、キーワードはチョークポイントです。アメリカの伝統的な発想で、防波堤になろうとした所は戦場になる」

 つまり、戦場になるのは日本列島なのです。

岩上「(米国の戦略を)拒否できないんですか?」 

柳澤氏「できるでしょう。ただ、そういう発想が日本の今の政治家にはないから。

 日本にとっての『チョークポイント』は、政治がそこでどういう判断をするか。どういうケースで『NO』と言うか、アメリカに伝えておかなければいけない」

岩上「それができる、具体的な政治家はいますか?」

柳澤氏「いません」

 日本人は「一度痛い目を見ないとわからない」のでしょうか。すでに、日本は中国と米国という、日本の東西に位置する2つ巨大国と同時に戦争をするという愚挙を犯し、大変「痛い目」にあっています。再び、同じ轍を踏むことになるのでしょうか。

 次回の柳澤氏へのインタビュー(日程未定)は、日本の進むべき道についてしっかりとお話をおうかがいしたいと思います。

■<IWJ取材報告 1>黒田兼一・明治大学名誉教授「日本の賃金水準は30年間ずっと停滞したままだ」! 18日のシンポで「全国一律最賃制実現に向けた最賃法改正の提言」を発表予定~12.15「12.18最賃シンポジウム」開催に関する記者会見

 12月15日、東京都千代田区の厚生労働省で、12月18日に東京で開催される「12.18最賃シンポジウム」について、同シンポジウム主催者の「労働者と研究者の経済・企業・労働と賃金に関する研究会」による記者会見が行われました。

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■<IWJ取材報告 2>東京都と都医師会が、コロナ感染爆発第6波に備え、国の新たなレベル分類指標を参考に独自の対策を発表!「数的にはかなり対応できると思うがスピードが大事、オミクロン株はそこが心配!」~12.14東京都医師会 記者会見

 12月14日、東京都千代田区の東京都医師会館で、東京都医師会による記者会見が行われました。会見は約2か月ぶりの開催となります。

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■<IWJ取材報告 3>北海道室蘭市が東電福島第一原発の周辺で出た高濃度のPCB廃棄物処分の受け入れを表明! 反対する市民らが環境省にヒアリング「市長の決定は唐突で住民の了解を得ていない」!~12.13第11回核ごみに関する政府との会合

 12月10日、北海道室蘭市の青山剛市長は、環境省から提案されていた、福島第一原発周辺の「汚染廃棄物対策地域」で発生した、有害物質PCB(ポリ塩化ビフェニール)を含む廃棄物を、市内の中間貯蔵・環境安全事業(JESCO)北海道PCB事業所で処理することを受け入れると表明しました。

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■<本日の撮りおろし初配信>本日午後8時から、12月9日に収録した「『人工妊娠中絶薬は、リプロダクティブ・ヘルス&ライツ(性と生殖に関する健康と権利)である』科学的エビデンスにもとづいた中絶薬の速やかな承認と現行の法改正を!~2021.12.9 緊急院内集会『中絶薬に関する意見交換会』」を撮りおろし初配信します!

 経口による人工妊娠中絶薬は、近年世界中で、科学的エビデンスのもと、より安全な中絶薬として使用されるようになってきています。日本でも2021年4月に、英ラインファーマ社の人工妊娠中絶薬(ミフェプリストンとミソプロストールのコンビ薬)の治験が行われ、承認申請の動きがあることを毎日新聞が報じました。

※経口中絶薬、国内初の承認申請へ 安全性、価格、運用… 期待と課題(毎日新聞、2021年4月20日)
https://mainichi.jp/articles/20210420/k00/00m/040/287000c

 また、11月にはラインファーマ社が年内にも中絶薬の承認申請を行う方針であることを、読売新聞が報じています。

※「飲む中絶薬」来月申請へ、承認なら国内初…日本は「時代遅れ」の掻爬法も(読売新聞、2021年11月21日)
https://www.yomiuri.co.jp/medical/20211121-OYT1T50009/

 こうした動きを受け、12月9日午後、参議院議員会館でRHRリテラシー研究所主催による、緊急院内集会「中絶薬に関する意見交換会」が行われました。

 RHRリテラシー研究所は、女性の性と生殖に関する健康と権利に関する研究と環境改善を目指す団体です。

※RHRリテラシー研究所
https://www.rhr-literacy-lab.net/

 意見交換会には、政府側から厚生労働省、法務省の担当部局が参加しました。また、国会議員として、社民党・福島瑞穂参議院議員、立憲民主党・塩村文夏参議院議員、田島麻衣子参議院議員、日本共産党・吉良佳子参議院議員、倉林明子参議院議員、無所属・寺田静参議院議員の7名が参加しました。

 主催のRHRリテラシー研究所代表・塚原久美氏は、「中絶薬の承認時に実現すべきこと」として、以下の提言を発表しています。

1) 中絶薬は速やかに承認すべきである。
2) 中絶薬は必要とするすべての国民が使えるようにすべきである。
3) 刑法の自己堕胎罪と母体保護法の配偶者同意要件は廃止すべきである。
4) 遠隔医療を用いた自己管理中絶を導入すべきである。
5) 母体保護法指定医師以外の医療者も中絶薬を扱えるように法改正すべきである。

※【提言】中絶薬の承認時に実現すべきこと(改訂1版)(RHRリテラシー研究所、2021年11月26日)
https://www.rhr-literacy-lab.net/post/%E6%8F%90%E8%A8%80%EF%BC%9A%E4%B8%AD%E7%B5%B6%E8%96%AC%E3%81%AE%E6%89%BF%E8%AA%8D%E6%99%82%E3%81%AB%E5%AE%9F%E7%8F%BE%E3%81%99%E3%81%B9%E3%81%8D%E3%81%93%E3%81%A8

 日本ではいまだ、金属の器具で子宮内を掻き出す掻爬(そうは)法が24%、掻爬法と吸引を合わせた手術が36%、あわせて60%もの高い比率で掻爬による中絶が行われています。女性の身体にダメージを与える掻爬法は、安全性が劣り、女性にとって身体的にも精神的にも苦痛をもたらします。

 塚原氏は「中絶薬は人工妊娠中絶を必要とする女性にとって特に重要なリプロダクティブ・ヘルス&ライツ(性と生殖に関する健康と権利)である」と訴えています。

 また、日本では、中絶をすると刑法堕胎罪(刑法212条)の罪に問われます。しかし、母体保護法が定める場合に限って、堕胎罪は適用されません。例外扱いされるだけで、中絶はいまだに刑法犯罪扱いされるのです。また、例外と認めるためには、配偶者の同意が必要であるという条件が加えられています。

 このことから「堕胎罪と母体保護法は中絶を必要とする女性や少女たちを不当に苦しめ、社会的なスティグマ(差別・偏見)の源泉にもなっている」と塚原氏は訴えています。

 2016年の国連女性差別撤廃委員会の調査によると、中絶における「配偶者の同意」が不要の国は192か国に対し、必要の国は日本を含むたったの11の国と地域しかありません。国連女性差別撤廃委員会は、2016年、日本政府に対してこれらの刑法堕胎罪の見直しの勧告をしました。

※古い法律と手術法 世界から取り残される日本の中絶(朝日新聞デジタル、2020年7月1日)
https://digital.asahi.com/articles/ASN6Y569MN6QPTFC021.html

 本日午後8時から、12月9日に収録したこの「 緊急院内集会『中絶薬に関する意見交換会』」を撮りおろし初配信します。

 詳しくは、ぜひ本日の再配信をご視聴ください。

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【撮りおろし初配信・IWJ_YouTube Live】20:00~
「人工妊娠中絶薬は、リプロダクティブ・ヘルス&ライツ(性と生殖に関する健康と権利)である」科学的エビデンスにもとづいた中絶薬の速やかな承認と現行の法改正を!~2021.12.9 緊急院内集会「中絶薬に関する意見交換会」
視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/featured

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 それでは、本日も1日、よろしくお願いします。
※日刊IWJガイドのフルバージョン(会員版)は下記URLより御覧ください。
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IWJ編集部(岩上安身、六反田智恵、渡会裕、城石裕幸、富樫航、中村尚貴)

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