日刊IWJガイド「東京都の新感染者数が200人超え!! 大阪府は総計が1075人!! 小池都知事は会見で『1日最大1400件程度の検査も実施している』と強調」2020.4.18日号 ~No.2774号


┏━━【目次】━━━━━━━━━━━━━
┠■【お詫び】昨日予定していた岩上安身による前新潟県知事・医学博士・弁護士 米山隆一氏インタビューは、諸般の事情により、急遽延期となりました。近々、続編を行います。新たな日程は決まり次第お知らせいたします。来週21日の夕方には、上昌広医師への3度目のインタビューを中継します。
┠■はじめに~東京都の新感染者数が200人超え!! 大阪府は総計が1075人!! 小池都知事は会見で「1日最大1400件程度の検査も実施している」と強調!
┠■【中継番組表】
┠■野党が要求してきた「一人一律10万円支給」を自分たちの手柄と喧伝する与党と大手メディア! 一方麻生太郎財務相は「要望する方に支給」と「一律」を否定し、 閣内不一致かと思いきや、なんと安倍総理は麻生財務相に追随して、会見で「申請方式」と表明して麻生発言を追認! 結局、「一律」というのは、支持率上昇のための空約束だったのか!? 総理の言う「国民」に外国籍の日本在住者は含まれるのか!?
┠■またも大ボラ吹き!! 安倍総理がコロナ対応病床数を「2.6倍も水増し回答」!! ICU病床数も43道府県で不足!! 安倍政権の「日本再興戦略」による市場経済化と医療費削減がもたらした危機!!
┠■新型コロナウイルスとの闘いは2022年まで、警戒は2024年まで続く! 1年後のオリンピック開催にこだわっていれば、さらなる感染者を生み出し、この困難を長期化させる恐れが! 今必要なのは五輪のこだわりを捨て、長期的に命と経済を守るサバイバル政策!! 安倍政権の下では無理!?
┠■中国が武漢の死者数を1290人増の大幅修正!! 昨年12月8日にコロナ感染が報告された中国・武漢はどんな経緯を辿ってきたか!?
┠■「緊急カンパ」のお願い!! 4月も後半に入りましたが、ご寄付・カンパはいまだ4分の1にとどまっています! コロナ禍による緊急事態宣言下で、なお粘り強く情報発信活動をするためには、在宅テレワークを大幅に増やさなければならず、PCや通信機器を買い増しする必要も出てきました! 改めて緊急カンパのお願いを申し上げます!! どうか皆様の温かいご支援をよろしくお願い致します! 
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■【お詫び】昨日予定していた岩上安身による前新潟県知事・医学博士・弁護士 米山隆一氏インタビューは、諸般の事情により、急遽延期となりました。近々、続編を行います。新たな日程は決まり次第お知らせいたします。来週21日の夕方には、上昌広医師への3度目のインタビューを中継します。

 昨日17日に生配信を予定していた「『「緊急事態宣言」で感染者は減らない!自粛・補償・感染モニタリングが継続可能な医療・社会体制を構築・維持せよ!』医師・弁護士・元知事の視点から鋭い発言を続けている前新潟県知事・医学博士・弁護士の米山隆一氏に岩上安身がインタビュー! 後編」が、諸般の事情により、急遽延期となりました。
 
 一昨日16日に行った米山氏へのインタビューの続編は、日を改めて行います。新たな日程は、詳細が決まりましたら、こちらの日刊IWJガイドと各SNS等で告知いたします。
 
 少しの間、お待ちください。

 なお、16日に生配信しました、「『緊急事態宣言』で感染者は減らない!自粛・補償・感染モニタリングが継続可能な医療・社会体制を構築・維持せよ!〜岩上安身によるインタビュー 第990回 ゲスト前新潟県知事・医学博士・弁護士 米山隆一氏」は、現在編集中です。

 近日中にアーカイブを公開いたします。公開日が決まりましたら、日刊IWJガイドと各SNS等で告知いたします。よろしくお願いします。

 また、4月21日には、上昌広氏へのインタビューが決まっています。ぜひご視聴ください!

 これまでの上昌広氏へのインタビューは、以下をご覧ください。

※パンデミック前夜!? 日本人の間で感染爆発!? 2月13日からフェイズが変わった!「不要な」水際対策で「ダイヤモンド・プリンセス」が犠牲に!~岩上安身によるインタビュー 第983回 ゲスト 医療ガバナンス研究所理事長・上昌広氏 2020.2.16
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/467819

※ 新型コロナウイルス感染症対策専門家会議は帝国陸海軍体質の「情報非開示」と「自前主義」のせいで民間検査が進まない!? 岩上安身によるインタビュー 第986回 ゲスト 医療ガバナンス研究所理事長・医学博士 上昌広氏 第2弾 2020.3.9
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/469463

■はじめに~東京都の新感染者数が200人超え!! 大阪府は総計が1075人!! 小池都知事は会見で「1日最大1400件程度の検査も実施している」と強調!

 おはようございます。IWJ編集部です。

 東京都の小池百合子知事は17日に定例記者会見を行い、都内でコロナ感染者が新たに201人確認されたと発表。1日当たりの感染者で初めて200人を超え、都内の累計感染者は2796人となりました。

※小池都知事が記者会見4月17日(全文1)お焼香にも行けないのは厳しい(Yahoo!ニュース、THE PAGE、2020年4月17日)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200417-00010005-wordleaf-pol

※小池都知事が記者会見4月17日(全文2完)コロナとの戦いは始まったばかり(Yahoo!ニュース、THE PAGE、2020年4月17日)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200417-00010007-wordleaf-pol

 200人を超えたことは、東京都の感染拡大が一層急速に進んでいることを如実に表しています。実際、都知事は会見の中で「感染が爆発、重大局面にある」と表現しています。

 これまでIWJでは、東京の検査数が少ないことを指摘してきましたが、会見で小池知事は、検査実施件数について、都が行った検査に加えて医療機関が保険適用で行った検査の「数字が1週間遅れて出てきたりするのでなかなか表しづらかった」とし、これらをあわせると「最も多いときは1日で1400件程度の検査も実施」しているとしました。

 一方、コロナ対策予算として、総額約8000億円の東京都緊急対策を組んできたが、今回、6月までに着手すべき事項として総額3574億円の補正予算を、17日から始まった都議会臨時会に提案したとしました。

 緊急事態措置等・感染拡大防止協力金については、16日1日で8813件問い合わせを受けたとしました。

 医療体制について、自宅療養の対象は、陽性判明者のうち無症状や軽症で、医師が入院不要と判断、自宅療養可能で、本人が希望する方と定義。療養期間は14日間もしくは検査で陰性が確認されるまでとしました。

 無症状や軽症者が療養するホテル、宿泊療養施設は17日から3施設目の受け入れを開始。陽性が判明したが、医師から入院治療が不要と判断され、家族と生活空間を分けられないなど自宅療養が難しい方を対象とし、重篤・重症患者の病床確保と保健所の負担軽減を目的とするとのことです。

 また、感染防止の観点から、妊婦健診などの際のタクシー移動に使えるタクシー券1万円を、区市町村で妊婦にクーポン券などを配布している育児パッケージ、約1万円相当に、上乗せすると述べました。

 さらに、救急患者の受け入れコーディネーターによって迅速な搬送、受け入れを行う「救急医療の東京ルール」整備にもかかわらず、コロナ感染拡大で受け入れ病院選定に1時間以上掛かっている現状から、東京消防庁と都の福祉保健局で病院の空床情報を共有する取り組みを行なっていると述べました。

 小池知事はその他、無電柱化の取り組みについても報告しました。

 質疑応答では、日本テレビの記者から、都内の感染者が最多となり、週末を迎えることについてコメントを求められると、知事は「(大きな繁華街への人の流れは)かなり抑えられた」が、「近所に、スーパーに家族でみんなで行こう」となると「そこが密になってしまっていて、最近はスーパーのレジの方々が恐怖」を感じる悪循環に陥っていると指摘。検査も増やし、ホテルの確保も進めて「医療崩壊を招かないようにいろいろなチャネルで」感染症防止策を実践したいとしたうえで、「自粛疲れというのはまだ早い」と協力を要請しました。

 NHKの記者から、東京都が休業要請する業態や施設の公表から1週間目の「都内の協力の様子」と、2週目にむけたメッセージを聞かれ、「(テイクアウトやデリバリーなど)これまでやったことがないという方々に対してはさまざまなアドバイス、サポート」を行なっていると回答。「今回の協力金は単に休業というだけではなく、お仕事を続けていただくという、そのためのいわゆるBCPにも入る」と付け加えました。

 TOKYO MXテレビの記者による「PCR検査の実施件数は今1200件ほど」という数と、自治体や医師会の検査増加方針について受け止めを聞かれると、「(国のPCR検査を増やす方針に)都の医師会が協力されて、そして保健所にPCR検査のテントなどを張っておられ、都はそれをさまざまな支援をするという形で連携」していると答えました。
 
 他の記者による「(都の協力金は)東京都はお金があるからこのようなことができるといったような話を、他県の知事からも聞こえてくる」との投げかけには、「(東京は)巨大なメガシティであり、全国の法人が集まってきている」「事業仕分けをしまして、それによって約3500億円捻出」した、「私の報酬も全国一お安い知事になっております。それも半分カットしている」と回答。「(1人当たりの都民の借金は50万円だったが)9万円減少して41万円」にしたと付け加えました。

 他方、大阪府では、昨日の感染者が55人、総計では1000人を超え、1075人となりました。

※大阪府ホームページ、報道発表資料(2020年4月17日)
http://www.pref.osaka.lg.jp/hodo/index.php?site=fumin&pageId=38049

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◆中継番組表◆

**2020.4.18 Sat.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【タイムリー再配信 624・IWJ_YouTube Live】16:00~「日本共産党 志位和夫委員長 定例会見」
視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/videos?shelf_id=4&view=2&sort=dd&live_view=501

 4月16日に収録した、日本共産党 志位和夫委員長による記者会見を再配信します。これまでIWJが報じてきた志位和夫氏関連の記事は以下のURLからご覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e5%bf%97%e4%bd%8d%e5%92%8c%e5%a4%ab
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【タイムリー再配信 625・IWJ_YouTube Live】18:00~「東京都医師会 緊急会見 ―内容:軽症者等の宿泊療養、PCR検査センター(仮称)について」
視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/videos?shelf_id=4&view=2&sort=dd&live_view=501

 4月17日に収録した、「公益社団法人 東京都医師会」主催の記者会見を再配信します。これまでIWJが報じてきた新型コロナウイルス関連の記事は以下のURLからご覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/special_new-coronavirus
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【タイムリー再配信 626・IWJ_YouTube Live】20:00~「公文書偽造で始まった明治維新! 現在も続く『官軍教育』の中で描かれた『偉人』たちの姿は『ウソ』ばかり!? ~岩上安身によるインタビュー 第844回 ゲスト 作家・歴史評論家・原田伊織氏(前編)」
視聴URL(冒頭以降は会員限定): https://iwj.co.jp/wj/open/archives/420867

 2018年3月に収録した、岩上安身による作家・歴史評論家・原田伊織氏インタビューを再配信します。これまでIWJが報じてきた原田伊織氏関連の記事は以下のURLからご覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e5%8e%9f%e7%94%b0%e4%bc%8a%e7%b9%94

[記事URL] https://iwj.co.jp/wj/open/archives/414211

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◆中継番組表◆

**2020.4.19 Sun.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【タイムリー再配信 627・IWJ_YouTube Live】15:00~「新型コロナウイルス感染拡大に伴う生活困窮者や学生への支援強化を求める『省庁との緊急の話し合い』国会議員への要請行動・省庁交渉」
視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/videos?shelf_id=4&view=2&sort=dd&live_view=501

 4月16日に収録した、「新型コロナ災害緊急アクション」主催による「国会議員への要請行動・省庁交渉」を再配信します。これまでIWJが報じてきた貧困問題関連の記事は以下のURLからご覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%E8%B2%A7%E5%9B%B0%E5%95%8F%E9%A1%8C  
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【タイムリー再配信 628・IWJ_YouTube Live】20:00~「公文書偽造で始まった明治維新! 現在も続く『官軍教育』の中で描かれた『偉人』たちの姿は『ウソ』ばかり!? ~岩上安身によるインタビュー 第844回 ゲスト 作家・歴史評論家・原田伊織氏(中編)」
視聴URL(冒頭以降は会員限定): https://iwj.co.jp/wj/open/archives/420867

 2018年3月に収録した、岩上安身による作家・歴史評論家・原田伊織氏インタビューを再配信します。これまでIWJが報じてきた原田伊織氏関連の記事は以下のURLからご覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/%e5%8e%9f%e7%94%b0%e4%bc%8a%e7%b9%94

[記事URL] https://iwj.co.jp/wj/open/archives/414211

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■野党が要求してきた「一人一律10万円支給」を自分たちの手柄と喧伝する与党と大手メディア! 一方麻生太郎財務相は「要望する方に支給」と「一律」を否定し、 閣内不一致かと思いきや、なんと安倍総理は麻生財務相に追随して、会見で「申請方式」と表明して麻生発言を追認! 結局、「一律」というのは、支持率上昇のための空約束だったのか!? 総理の言う「国民」に外国籍の日本在住者は含まれるのか!?

 安倍総理が1人につき一律10万円の支給を決めたことについて、大手メディアは足並みそろえて与党である公明党の発案であり、その手柄のように伝えています。

※公明、「連立離脱」論で押し切る 官邸主導の政治手法に影―現金給付1人10万円(時事ドットコム、2020年4月17日)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020041601107&g=pol

 また、多くの自民党議員たちも、「自分たちが訴えてきた10万円の一律給付を総理が決断した」と、まるで自分たちの手柄であるようなツイートをしています。

 岸田文雄政調会長は16日「緊急事態宣言を全国に広げ、日本全国全ての皆様に更なるご協力をいただくにあたり、ご協力にしっかり報い、皆様の暮らしを守るために、自民党としても当初から訴えてきた10万円一律給付を前倒しで実施することを総理が決断しました。あとはスピード、全力で取り組みます」とツイートしました。

※岸田文雄自民党政調会長のツイート(2020年4月16日)
https://twitter.com/kishida230/status/1250733828324208641

 三原じゅん子参議院議員も16日、「国民、私たち党内の声が、やっと届いた!」とツイートしています。

※三原じゅん子参議院議員のツイート(2020年4月16日)
https://twitter.com/miharajunco/status/1250657184003682304

 これに対して岩上安身によるインタビューなどでIWJでもおなじみの落語家の立川談四楼氏は17日、次のようにツイートしました。

 「岸田文雄政調会長が『自民党が当初から訴えてきた10万円一律給付を、総理が決断しました』ときたよ。三原じゅん子議員は10万円一律給付を『国民、そして私たち党内の声が、やっと届いた!』ってんだね。減収世帯30万円給付を進めてきた連中がこの変節なんだ。こんなクズ揃いのコロナ対策を信じろって?」

※立川談四楼氏のツイート(2020年4月17日)
https://twitter.com/Dgoutokuji/status/1250990706073595905

 一方、収入が減った世帯に限り30万円の給付を閣議決定した内閣の一員である高市早苗総務大臣は、昨日17日の記者会見で、「これまで総務省の担当部署が30万円の現金給付の対象などについて、夜も寝ずに検討を進めてきたが、10万円の一律給付のほうが、補正予算案の提出が数日遅れたとしても、結果的にはシンプルに早く、多くの方々に現金が行き渡ると思う」と答えました。

 さらに高市総務相は「真のリーダーは実行するぎりぎりまで熟慮し、必要な時は方向性を変えるものだ」と、恥ずかし気もなく安倍総理を持ち上げています。

※「10万円の一律給付のほうが早く行き渡る」総務相 新型コロナ(NHK、2020年4月17日)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200417/k10012392451000.html?utm_int=detail_contents_news-related_001

 他方、これまで一律の現金給付に反対し続けてきた麻生太郎財務相兼副総理は、17日の記者会見で「スピード感を持ってやることが一番大事。5月には(実施)という感じがしている」と述べた上で「要望する方々に支給することになる」と表明し、給付には国民の側からの申請が必要との見解を示し、「一律」の支給を否定しました。内閣不一致ととれる発言です。

 「スピード感が大事」と言いながら、わざわざ手続きを複雑にし、支給を1か月も先に想定していることにも驚かされます。

※現金給付、スピード感が一番大事 5月には実施=麻生財務相(ロイター、2020年4月17日)
https://jp.reuters.com/article/aso-17apr-idJPKBN21Z0G9

 これに対して、元厚労大臣で元東京都知事の舛添要一氏は昨日17日、「10万円の現金支給を決めたと思ったら、銀行口座が分からない、手を上げた人だけだと、訳の分からないことを閣僚も御用評論家も言っている。住民台帳があるし、マイナンバーもある。宛名記名の小切手を一枚郵送すればよいだけだ。ドケチで国民に支給したくないだけだ。この政府には命を預けられない」とツイートで批判しました。まっとうな批判です。

※舛添要一氏のツイート(2020年4月17日)
https://twitter.com/MasuzoeYoichi/status/1251001043934035968

 「一律」なのか、「申請」を国民に求めるのか。総理の判断に注目が集まりましたが、昨日17日、緊急事態宣言の対象地域を全国に広げたことと一人当たり10万円の給付を決めたことにともなう安倍総理記者会見で、安倍総理は次のように述べました。

 「全国皆さんの国民の皆様を対象に、一律に、一人あたり10万円の給付を行うことを決断いたしました。収入が著しく減少し、厳しい状況にある、ご家庭に限って、一世帯あたり30万円を給付する措置を予定しておりましたが、国民の皆様から寄せられた様々な声、与野党の皆様の声も踏まえまして、さらに、給付対象を拡大することといたしました。

 これにともなって、現金給付の総額もこれまでの6兆円から14兆円を上回る規模へと大幅に拡大することとなります。補正予算の編成をやり直すこととなるため、さらに1週間程度の時間を要することとなりますが、すみやかな国会成立に向けて、ご協力をお願いしたいと思います。

 ここに至ったプロセスにおいて、混乱を招いてしまったことについては、わたくし自身の責任であり、国民の皆様に心からお詫びを申しあげたいと思います。日々、事態が大きく推移する中で、国民の皆様の健康と暮らしを何よりも最優先に、そして、国民の皆様の声にしっかりと耳を傾けながら常に、ベストな判断をするよう、最善を尽くしてゆく、その責任をこれからも果たしていく決意であります。

 1日も早く現金を皆様のお手元に届けられるように、実施にあたる自治体や関係機関の方々と協力し、政府をあげて全力で取り組んで参ります。リーマン・ショックの時、全国民一律に配布した定額給付金の際には、皆様に案内をお送りする作業だけで3か月もの時間を要しました。

 そのため、今回はスピードを重視するとともに、申請する人が殺到して感染リスクが高まることを避ける観点から、手続きについては、市町村の窓口ではなく、郵送やオンラインによることにしたいと考えています」

※安倍内閣総理大臣記者会見―令和2年4月17日(首相官邸、2020年4月17日)
https://youtu.be/OdT5shE3-54

 総理の弁からは、「一律」という言葉は静かにひっそりと消されていました。麻生財務相の「発言」は「内閣不一致」となる「反乱発言」のように見えて、実は綿密に打ち合わせていた「芝居」なのだろうと推測させるものです。公明党の山口那津男氏からの進言を聞き入れて「国民一人あたり一律10万円」と決めた、という一幕といい、麻生発言一つで総理が「一律」を取りやめ、申請方式に落とすというくだりといい、「小芝居」の連続です。「出来レース」としか映らず、鼻白みます。

 リーマンショック時の2009年に1万2千円を現金給付したことがありましたが、その時の総理が麻生氏でした。前回も、今回も、麻生氏の背後には財務省の官僚がついているのでしょう。

 その時の定額給付金制度は、第一に、郵送申請後→振り込み、第二に、窓口申請後→振り込み、第三に、窓口申請後、現金受領の3種類でした。今回は、市町村の窓口は設けずに、郵便やオンラインによると安倍総理は述べています。このやり方では、入院中の方や、一人暮らしのご年配の方で、オンライン環境のない方は、やり方がわからず途方に暮れてしまいます。あるいは情報にひどくうとく、自分も10万円受け取る権利があるのだということを知らない、気がつかないご老人もいることでしょう。それにつけこんだ「代わりに申請してあげますよ、一緒に郵便局へ申請に行きましょう」的な詐欺が横行してしまうことも非常に心配です。

 舛添氏は、この総理会見の内容について、「安倍首相の記者会見:医療崩壊の危機、外出自粛を要請、緊急事態宣言を全国に拡大、全国民一律10万円支給(全額で14兆円超)するが、これまでの混乱を謝罪。しかし、やはり申請方式という。全く問題の本質が分かっていない。麻生財務大臣の『手を上げた人のみ』を追認したにすぎない。こりゃ駄目だ」と、ツイートでコメントしています。

※舛添要一氏のツイート(2020年4月17日)
https://twitter.com/MasuzoeYoichi/status/1251076960463106050

 根本的な問題は、リーマンショック後と、今回とでは、給付の理由と狙いがまったく違う。ということが、麻生氏やその周辺にわかっているようには思えないことです。リーマンショック後は、シンプルな金融危機に対する不況対策でした。今回は単純な経済危機ではなく、コロナパンデミックと世界恐慌レベルの経済危機が同時になっていることです。単なる不況であれば、先々の活動を活性化しなければなりません。しかし、今日のコロナの危機をしのぐためには、人々の行動、活動を止めなくてはならない、止めている間も生き延びなくてはいけないので、そのためのお金を使ってくださいというのが今回の給付金の趣旨のはずです。

 それなのに、そのお金を得るために、人々がまた「申請」というアクションを起こさなくてはいけません。人々に「誰かに聞く」「相談する」「申請のためにバタバタと動き回る」という行動を喚起してしまい、もうそれだけで政策として「狙い」を外してしまっています。リーマンショックと今回のコロナ感染との本質的な違いを理解していないらしい麻生氏が口をさしはさんだ段階で、この給付金の政策効果は、薄れてしまっている、と言わなければなりません。

 なお、10万円給付について、政府、与党は「所得制限を設けない方向で調整に入った」と報じられています。

※一律10万円給付は所得制限しない方向(共同通信、2020年4月16日)
https://this.kiji.is/623424034707899489?c=39550187727945729

 IWJはこれまで野党党首会見でお伝えしてきましたが、そもそも、現金の一律給付を訴えてきたのは、国民民主党、日本共産党、立憲民主党、社民党などの野党です。

※世帯への30万円よりも個々人への10万円給付!政府はPCR検査増大に舵を切るべし!まずは人を救え、そして文化も ~4.15社会民主党 福島瑞穂党首定例記者会見 2020.4.15
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/472911

※「緊急事態宣言発令後、1週間。人出の減少率は6割と目標未達成。緊急事態措置を実効あらしめるための新たな法案を国民民主党として準備中。今週中にはまとめたい!」~4.15 国民民主党 玉木雄一郎代表 定例会見 2020.4.15
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/472915

※「今キャッシュが流れるようにする事すらこの政権はやっていない!」IWJ記者の政府経済対策案に合わせて消費税減税が必要なのでは!? との問いに答えて~4.7立憲民主党 枝野幸男 代表 記者会見 2020.4.7
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/472439

 16日に行われた日本共産党の志位和夫委員長の記者会見で志位委員長は、「条件や線引きなしに一人10万円を給付すべきだ。これは諸外国で行われているように、本人確認ができる簡易な申請で口座に振り込み、住民登録や銀行口座がない人にも福祉窓口などから支給できるようにしたい」と述べた上で、「これはすべての日本在住者を対象になされなくてはならない」と語りました。

 記者から「すべての日本在住者」の意味を問われた志位委員長は、「文字通りの意味です。イギリスやドイツに住む日本人も、その国々から平等に補償措置を受け取っている。日本もそうしなければならない」と答えました。

※医療、国民の生活、その崩壊を止める!消費税は5%に!共産党志位和夫委員長よりの緊急提案。この局面に分断を促す自民党許しがたし!4.16日本共産党志位和夫委員長定例記者会見 2020.4.16
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/472939

 この志位委員長の指摘は当然で、日本に住み住民税や消費税をはじめ、日本に税金を納めている在日外国人が、「国民」の線引きのもと、支給対象から除外されるようなことがあってはならないはずです。

 志位委員長は17日、「『日本に住むすべての人』を対象にする。当たり前のことです。コロナウイルスは国籍を選ばない。その時に人類の側が国籍で区別していたら、このたたかいには勝てません」とツイートしました。

※日本共産党志位和夫委員長のツイート(2020年4月17日)
https://twitter.com/shiikazuo/status/1250989053937250306

 リーマンショック後の麻生太郎内閣のもとで行われた定額給付金は、その給付対象者を「住民基本台帳に記録されている者」「外国人登録原票に登録されている者(不法滞在者及び短期滞在者のみ対象外。)」としていました。

※定額給付金について(総務省)
https://www.soumu.go.jp/teigakukyufu/

 今回、この基準が引き続き適用されるのか、注目されます。

■またも大ボラ吹き!! 安倍総理がコロナ対応病床数を「2.6倍も水増し回答」!! ICU病床数も43道府県で不足!! 安倍政権の「日本再興戦略」による市場経済化と医療費削減がもたらした危機!!

 新型コロナ感染者に対応できる病床数を、政府が2.6倍も過大に発表していることを東京新聞が報じました。

<コロナ 医療を守ろう>コロナ病床数 政府過大公表 空きベッド数=対応病床扱い 自治体困惑(東京新聞、2020年4月17日)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/202004/CK2020041702000145.html

 記事によれば、安倍晋三総理は、「現在ある2万8000床の病床を5万床まで増加させる」と6日の新型コロナウイルス感染症対策本部会合で強調。3日の参院本会議でも「2万5000床を超える病床を確保」してあると説明していました。この「2万5000床の病床」が現在確保されているという安倍総理の発言は、何を根拠としたものだったのでしょうか?

 そもそも、陰圧制御など特別な対策済みの「感染症指定医療機関」の「感染症病床」は、昨年4月1日現在で全国でたった2871床に過ぎませんでした。そのため、コロナに備えて厚生労働省が各都道府県に対して「指定機関以外の一般病床で対応できるところ」を探すよう求めました。

 この厚労省の求めに応じて、コロナに対応する病床確保を進めてきた各都道府県が、4月6日以降に病床数を公表していきました。東京新聞がそれらの数字をもとに、調査を行い、全国でどれだけの病床を確保できたかを合算してみたところ、計1万607床に過ぎないという結果が出たと、同紙の記事は報じています。安倍総理のいう「現在ある2万8000床」は、この約2.6倍にもあたる、現実からかけ離れた数字です。

 いったいなぜこのような「乖離」が起きたのでしょうか?

 厚労省は、これまで説明された病床数の根拠を「指定医療機関にある一般病床も含めた空きベッドの数を都道府県に報告してもらい、足し合わせた」と説明。ところが、都道府県では、国に報告した空きベッド数が「コロナ対応の病床」として計上されているとは知らなかったというのです。

 青森県の担当者は「報告した空きベッドの数字はコロナ対応病床の調査とは違う」、香川県も「空いているからコロナに使えるとは言えない」、宮崎県も「実際にコロナに使うには病室のハード面の改修やスタッフ確保、養成が必要だが、国には単に空いている数を答えた」と東京新聞に回答しています。

 いずれの自治体も、コロナ対応の病床数という意味で回答したのではないというのです。

 岩上安身が重ねてインタビューを行ってきた、医療ガバナンス研究所理事長の上昌広医師も、「地方は指定医療機関でも結核病床などに空いている所が多い。それらを足し合わせれば病床を確保したように見せられる」として「実態のない数合わせを見せている」と、記事の中で批判しています。

 ところが、この乖離に関して、厚生労働省結核感染症課の梅田浩史・感染症情報管理室長は「感染症指定医療機関にはもともと専門的に対応できる医師・看護師がいるので、同じ病院の空いている一般病床もコロナ対応に数えるのは妥当」と、「2万8000床」の正当性を主張しているとのことです。

 しかし香川県は「感染防護の措置など受け入れ側の対応もあり、個別に県が病院に当たって確約を取る必要がある」、宮崎県も「国の指示があればコロナ用に転換できるものでもない」と述べているように、自治体側は、コロナ対応病床への安易な転換を否定しています。

 その証拠に、埼玉県では9日、コロナ陽性患者の入院先として確保した一般病床約150床の約3分の2が使えず、「実際は47床しか利用ができなかった」という事態が現実に発生しています。

※「コロナ対策に150床確保」→実際は47床のみ 埼玉(朝日新聞、2020年4月10日)
https://digital.asahi.com/articles/ASN497H8WN49UTNB00X.html

 この理由について、埼玉県の大野元裕知事は「一番大きいのは人。単に看護師や医師がいればよいわけではなく、感染予防の研修が必要になっている」と説明したと報じられています。

 国の高級官僚がどう強弁しようとも、「机上の空論」に過ぎず、埼玉県の例からも、「現在ある2万8000床」という数字が、現実性に欠けていることがうかがえます。

 他方で、コロナの重症患者を救命する集中治療室(ICU)の不足も指摘されています。

 国の推計をもとにした調査によると、コロナで急増が予想される重症者数が、43道府県でICU病床数を上回り、不足する可能性があると日本経済新聞が伝えました。

※ICU、43道府県で不足の恐れ コロナ重症者ピーク時(日本経済新聞聞、2020年4月15日)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58077770V10C20A4MM8000/

 人口10万人あたりのICU病床数を比較しても、米国34.7、ドイツ約29.2、イタリア12.5、フランス11.6、韓国10.6、スペイン9.7に対して、日本は7.3です。米国の5分の1に過ぎません。

 これはかなり不安を覚える数字です。

※日本のコロナ医療の弱点、「集中治療ベッド数」はイタリアやスペイン以下(ダイヤモンド・オンライン、2020年4月4日)
https://diamond.jp/articles/-/233783?page=2

 日経は、ICUの治療は患者の身体的負担が大きいため、高齢者は対象外となることもあり、「高齢化による需要減を見越して、このところ削減が進んできた」などとして、2014年から2018年にかけてICUの基準を満たした病院が50減り、635になったと伝えています。

 これは、安倍政権が2014年版「日本再興戦略」の一環である、病院経営への持株会社解禁などを通じて、医療の市場経済化と医療費削減を進めた結果に他ならないでしょう。この問題については、岩上安身による、名古屋経済大学・坂本雅子名誉教授へのインタビューで取り上げています。ぜひ、会員向け動画でも、御覧いただくとともに、詳しい註釈をつけたメルマガ「岩上安身のIWJ特報!」でもフルテキストで読むことができますので、ご一読ください。

※電機産業は崩壊!? 凋落する日本のものづくり!~岩上安身によるインタビュー 第945回 ゲスト『「空洞化」と「属国化」 ― 日本経済グローバル化の顛末』著者 名古屋経済大学・坂本雅子名誉教授 2019.6.17
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/450800

【第449-455号】岩上安身のIWJ特報!電機産業は崩壊!? 凋落する日本のものづくり!岩上安身による『「空洞化」と「属国化」 ~日本経済グローバル化の顛末』著者 名古屋経済大学・坂本雅子名誉教授インタビュー前編(2/2) 2020.1.31
https://iwj.co.jp/wj/fellow/archives/466368

 上記のメルマガでは、「安倍政権は今、『日本再興戦略』を通じてその仕上げを行っている。医療分野への株式会社の参入(2015年9月「地域医療連携推進法人制度」(『日本再興戦略』では『非営利ホールディングカンパニー型法人制度』)、混合医療の大幅拡大(2016年4月『患者申出医療制度』開始)、医薬品・医療機器の審査期間『ラグ・ゼロ』を2020年に実現、等々と」と註釈で書いています。

■新型コロナウイルスとの闘いは2022年まで、警戒は2024年まで続く! 1年後のオリンピック開催にこだわっていれば、さらなる感染者を産み出し、この困難を長期化させる恐れが! 今必要なのは長期的に命と経済を守るサバイバル政策!!

 4月14日、科学誌「サイエンス」の電子版に、アメリカのハーバード大学の研究チームが、新型コロナウイルスの流行をおさえるために、2022年まで外出規制等を断続的に続ける必要があるとの予測を発表しました。

 これは様々なデータから、集団免疫を獲得し流行が収束するまでの時間を調べたものです。この「サイエンス」の記事を朝日新聞は「今回の流行が終わった後も、外出規制を1度だけで解除すればすぐに第2波が来ることなどが判明。感染者数のピークが救急医療態勢の能力を超えないように、断続的に外出規制を行うと、集団免疫を獲得するには22年までかかることが分かった」と報じています。

 それだけでなく、さらには「制圧に成功したように見えても、24年までは再び感染が広まる可能性があり監視を続けることが必要だ」ということです。

※「外出自粛、22年まで必要」 米ハーバード大が予測(朝日新聞デジタル、2020年4月15日)
https://digital.asahi.com/articles/ASN4H3SY1N4HUHBI00G.html

 2022年、2024年までコロナとの戦いが続く、ということになれば、今、一時休業している事業者や、労働者の皆さんにとっては見通しが立たないと嘆きたくなるほど、長いスパンであり、ショッキングな報道です。

 しかしながら、これを前提にして、生物学的に生き残ることはもちろん、経済的にもサバイバルしていかなくてはなりません。

 そういったサバイバル政策が、わたしたち個々の市民にも、そして政府にも求められています。

 安倍政権が、新型コロナウイルス対策に対する初期の対応においてしくじった、ということは、誰の目にも明らかではないでしょうか。昨日の緊急事態宣言を全国に拡大する、という安倍総理の宣言は、これまでの作戦がことごとく失敗した、もう全土決戦しかない、という安倍政権の作戦失敗を認めた宣言だったのではないでしょうか。安倍政権には、まず対コロナ戦争でコロナという「敵」の情勢分析を誤り、敵を作り、味方の戦力を過大に見積もり、兵站の重要性を軽んじた結果、ここまで追い込まれてしまったという、序盤の「敗戦」責任を痛感してもらいたいと思います。そこからではないと長期戦への展望は開けません。

 水際で食い止めるという第1の防御線を突破され、帰国者とその接触者を中心としたクラスターを追跡して封じ込めるという第2の作戦も現実に失敗し、国民への行動制限を呼びかけ、緊急事態宣言を大都市中心に発令しても、全国にウイルスの侵襲を許してしまったわけで、これも失敗に終わったわけです。

 重要なことは、長期戦を戦い抜き、最終的に勝利することのできるという甘い見通しのもと、序盤敗戦を続けてきた安倍政権に、長期戦をまかせられるのか。政権の交代が必要なのではないかという点も考える必要があります。私たち自身が生き残るために、です。私たち市民は、長期的にこのコロナウイルスの危機を乗り越えるために、必要な政策、必要な政権を見定める必要があります。

 また、そのような視点から考えると、この危機のさなか、来年の開催が決定された東京オリンピックについても、再考の必要がありそうです。

 「欧米の放送局は東京五輪の延期決定以降、同ウイルスによる日本での死亡者数が3倍にまで膨れ上がったことを問題視し『多くの日本人は日本政府が五輪を予定通りに開催するために、数を低く抑えようとしていたとの疑いを持っている』ことを大々的に報じた。こうして海外の有力メディアからメスを入れられたことによって、東京五輪を目指そうとしている諸外国のアスリートたちにも“日本の怪しさ”が広く伝わるハメになり、周知の事実となってしまった」と、JBpressは報じています。

※東京五輪、日本はもう開催返上すべきではないのか 開催強行すれば新たな感染「爆心地」になる可能性も(JBpress、2020年4月17日)
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/60193?page=2

 海外メディアの報じ方ひとつとっても、今の安倍政権下の日本を見る世界の目が冷ややかなことが分かります。

 仮に反対を押し切って開催を強行することができたとしても、世界中から集まった選手、関係者、観客らの間で集団感染を引き起こす可能性もありえます。そのあげく、各国にコロナウイルスを持ち帰り、感染が再度拡大することになったら「コロナ第1波は武漢発、だがコロナ第2波は東京発だ」と言われてしまいかねません。完全鎮圧していない状態での開催強行であれば、経済と生命を危機にさらすことになります。

 2022年、2024年という先を見据えて対策を打ち出すべき時に、1年後のオリンピック開催にこだわることは危険であり、無益です。五輪向けの安心安全アピールのために検査数を低く抑えることで、感染者数を低く見せるといった、あざといやり方で世界をあざむこうとした場合、世界からの信用を失うことは間違いありません。そればかりか肝心のコロナとの戦いで、またも大きな犠牲を払うことになるでしょう。

■中国が武漢の死者数を1290人増の大幅修正!! 昨年12月8日にコロナ感染が報告された中国・武漢はどんな経緯を辿ってきたか!?

 言うまでもないことですが、世界で最初に新型コロナウイルスの感染が確認されたのは、中国・湖北省武漢市でした。その武漢市で、3割も死者数が隠されていたのではないか、という疑惑が浮上しています。

 朝日新聞によれば、「湖北省武漢市の当局は17日、新型肺炎による死者数を修正し、これまで公表していた人数より1290人多いと発表した」とのことです。総死者数3869人のうち3割にあたる1290人が、追加分者数ですから、これまで意図的に死者数を低く抑えて公表してきたのかと疑いたくなります。

※中国、武漢の死者数を修正 1290人増の計3869人(朝日新聞、2020年4月17日)
https://news.yahoo.co.jp/articles/160f7ea6ab4edc6ebdf88e82dad354461575848b

 コロナウイルスに関しては、現在、世界中で日々あらゆる情報が洪水のようにあふれているため、この武漢市で、発生から感染拡大まで、どのような経緯があったのか、そして、武漢を含めた中国での感染拡大その収束が、どのような流れをたどったのかは、人々の関心にのぼりにくくなってしまいました。自国のこと、自分のことで、世界中の人々が手一杯になっているのが現状です。

 しかし、そうであるからこそ、武漢での事の発端を再確認してみる必要があると思います。

 当初、中国当局は、最初の患者を公表しませんでした。

 JBpressの1月下旬の報道によれば、「昨年(2019年)12月8日、武漢で原因不明の肺炎患者が最初に報告された。このときは公表されなかったが、12月30日、内部報告の公文書『原因不明の肺炎救援工作をよくすることに関する緊急通知』がネットに流出したことで、武漢で原因不明の肺炎が広がっていることが国内で噂になった。この段階では、感染源地とされる華南海鮮城(市場)はまだ閉鎖されておらず、多くの人たちが年末の買い物に訪れていた。

 (中略)だがその翌日、中国メディア・第一財経が、ネット流出した文書が本物であること、12月8日に最初の患者の報告が行われていること、感染者が市内の華南海鮮市場の出店者であることなどを報じた。

 (中略)ネットで武漢肺炎の噂について情報を流したネットユーザー8人が、『肺炎について事実でない情報を流した』として警察に身柄拘束されていた」とのことでした。

※新型肺炎が感染拡大、やはり隠蔽していた中国政府(JBpress、2020年1月23日)
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/59081

 中国共産党の一党独裁で、世界最先端のハイテクを用いた強力な情報監視体制を敷き、かつ、公安による人権蹂躙が国際社会からも懸念および非難されている、いかにも現代の中国らしい経緯を当初はたどりました。

 隠蔽ができなくなった中国当局は、2019年12月31日にWHOに最初の報告を行いました。その翌日、2000年1月1日に、当局は華南海鮮卸売市場を閉鎖。1月7日に新種のコロナウイルスだと確定。1月9日に、最初の死者が出ました(ただし、当局が発表していないだけで、もっと前に最初の死者は出ていたとの異説もあるようです)。

 その後、中国当局は強権的ではあるものの、有効な対策を打ち出し、武漢全体をロックダウンして、人の移動を大胆に制限、様々なテクノロジーを駆使して、感染の拡大を防ぎました。

 日経ビジネスは2月末に「2月23日現在、発生地の武漢が属する湖北省を除けば、他の地域ではオフィスや工場も再開し、ショッピングセンターや路地の市場(いちば)なども次々とオープンして、特に週末には大勢の人出でにぎわうところも出てきた。

 (中略)2月18日には、感染の本格的拡大以降で初めて上海市や広東省深セン市で新規感染者がゼロになり、その後もゼロを含む一桁台で推移している。つまり、武漢で発生した感染が深刻化した時点で、とんでもなく強引な手法で他地域との交通を遮断し、数億人の人々を事実上の自宅軟禁とし、2~3週間の経過観察期間を過ごさせた」と報道していました。

※中国に漂い始めた“戦勝”気分 民主国家日本との対応策の差が話題に(日経ビジネス、2020年2月28日)
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00123/00006/

 中国は、共産党員だけではなく、最新のハイテクも大活用しました。

 「中国共産党は、党員9500万人といわれる巨大組織を総動員し、スマートフォンによる位置確認システムやアリペイ(支付宝)やウィーチャットペイ(微信支付)といったオンラインペイメントの利用記録、全国の監視カメラ網と顔認識システムなど、ハイテク手段を総動員、非常時とあって民間企業もそれに積極的に協力し、徹底した個人の行動管理を実行した」とも日経ビジネスは報じていました。

 その後、3月10日に、中国の習近平国家主席が、武漢を訪問して、医療従事者、軍兵士、警官、ボランティアスタッフに敬意を表しました。中国国内における新型コロナを制圧したことを、内外に知らしめる意図もあったと言われています。

※習近平氏、ウイルス発生地の武漢を訪問 事態収束をアピール(CNN、2020年03月10日)
https://www.cnn.co.jp/world/35150575.html

 そして、4月17日、冒頭に紹介したように、武漢市での死者数は、「公表していた人数より1290人多い」ことを中国は認めた形になりますが、朝日新聞
によれば、「武漢市当局は修正の理由について、『病院に収容できず自宅で死亡したケースや、医療現場が混乱する中での報告漏れなどがあったため』と説明している」とのことです。

 「病院に収容できず自宅で死亡したケースや、医療現場が混乱する中での報告漏れなどがあったため」という説明を、「中国は当初は隠蔽していたものの正直に報告するようになった」と、肯定的に評価する向き(代表的なのはWHOなど)があります。

 その一方で、「中国での新型コロナ感染者は290万人に上るとみられる。これに対し、中国政府の公式集計では感染者は約8万2000人とされている」(米国のウォール・ストリート・ジャーナルの報道)と、中国はコロナ制圧などしてはいない、中国共産党は嘘つきだと言わんばかりに、否定的に報じるメディアもアメリカでは少なくありません。しかし、その「290万人」と「8万2000人」とでは、数字にあまりも開きがありすぎます。ウォール・ストリート・ジャーナルは、何を根拠にこの数字を出したかといえば、米シンクタンク、アメリカン・エンタープライズ研究所(AEI)のデレク・シザーズ氏がまとめた報告です。この報告によると、控えめな数値と推計を用いても、中国での新型コロナ感染者は290万人に上るとみられるとのことです。

※【オピニオン】中国、コロナ情報で世界をミスリード(ウォール・ストリート・ジャーナル、2020年4月14日)
https://jp.wsj.com/articles/SB12455294765627133433304586322770798669158

■「緊急カンパ」のお願い!! 4月も後半に入りましたが、ご寄付・カンパはいまだ4分の1にとどまっています! コロナ禍による緊急事態宣言下で、なお粘り強く情報発信活動をするためには、在宅テレワークを大幅に増やさなければならず、PCや通信機器を買い増しする必要も出てきました! 改めて緊急カンパのお願いを申し上げます!! どうか皆様の温かいご支援をよろしくお願い致します! 

 いつもIWJをご支援いただき、ありがとうございます。岩上安身とIWJスタッフ一同、心から感謝申し上げます。

 IWJでは1年間のご寄付・カンパの目標金額を5400万円に設定し、毎月未達成の金額を残りの月数で割って、1か月のご寄付・カンパの目標額としています。

 IWJの今期第10期、期首の8月1日から3月末日までのご寄付・カンパの金額から割り出した、4月からの1か月のご寄付・カンパの目標額は約632万円です。

 4月1日から14日までのご寄付・カンパの金額は、156万6009円で、これは月間の目標額の約25%でした。4月も後半に入りましたが、ご寄付・カンパはいまだ4分の1にとどまっています。

 また、8月1日から4月14日までの今期の通算のご寄付・カンパも、目標額の78%の達成率にとどまっています。

 現在、日本経済は消費税増税に加え、コロナの影響によって巨大なダメージを受けつつあります。ご支援いただいている会員の皆様も、さまざまな面で困難な状況に遭遇されているのではないかと失礼ながらご推察いたします。

 そうした中でお願いすることは、ほんとうに心苦しいのですが、IWJの財政が、あまりにも切迫した状況となっているため、あえて「緊急カンパ」のお願いをさせていただきたく存じます。

 先日からお伝えしている様に、現在、IWJの創業時から使い続けてきたパソコンの寿命が尽きかけており、財政状況に加えて機材の状況もピンチとなっています。

 皆様から頂いた大切なご寄付・カンパによって活動しているIWJでは、できる限り経費を節約するために、2010年12月の創業時にまとめて買い入れたパソコン(PC)をずっと大切に使い続けてきました。

 ところがこれらの古いPCに搭載されている基本ソフト(OS)をウィンドウズ7のサポートが、今年1月に終了したため、最新のウィンドウズ10に更新せざるをえなくなりました。

 ところがウィンドウズ10をインストールした直後から、不具合の起きるPCが続出。6台のPCは専門家から寿命と判断され、早急に買い換えなければいけなくなってしまいました。

 現在、社内で問題なく使えるPCの数が限られてしまい、通常業務にも大きな支障が起きています。

 また、「岩上安身によるインタビュー」を社外で行う場合、パワーポイントを映し出すためのモニターを持ち出しているのですが、視聴者の方から「画面が小さく、文字が読みにくい」というご意見をいただき、先日、画面の大きなモニターを1台、新たに購入いたしました。

 また、苦しい時にはまたさらに苦しいことが生じるものです。

 新型コロナウイルスの蔓延に伴う、緊急事態宣言発出によって、弊社も、なるべくスタッフを出勤させず、在宅にてテレワークで活動をさせるべく、準備を整えていますが、自宅に業務用として使用可能なPCや通信設備等が整っていないスタッフも少なくなく、政府と都の要請に従い、外出機会を減らすには、どうしても追加でPCや機材を購入する必要があります。テレワーク待ったなしなのに、今はまだ、新しいPCやwifiなどを買い直すことができていません!

 第10期の後半に入り、特に1月、2月、3月に入ってからの、IWJの財政はますます厳しくなりました。そのような中で、今回のPC機材の新規購入は、セキュリティー確保のために、絶対に必要な設備投資なのですが、財政上は大きな負担となってしまいます。

 改めて申し上げますが、IWJではこれまで、スタッフの人件費や各種関係先への支払いを、未払いや遅払いにしたことは一度もありません。

 これまで、こうした財政的危機に際しては、代表である岩上安身がこれまでのジャーナリスト業で得た個人の資金を、IWJにつなぎ資金として提供してきましたが、それももはや限界です。

 このため、改めて「緊急カンパ」のお願いを申し上げます!! コロナ危機と経済危機とダブルパンチで、大きな危機に見舞われているのはIWJだけではないと思いますが、今ほど、IWJが社会に必要とされている時はないと思います。独立メディアとして、安倍政権翼賛の御用大メディアとは、一線を画した真実の報道を続けていきたいと存じます。

 どうか、皆様からの温かいご支援をよろしくお願い致します!

※ご寄付・カンパのご支援はこちらからよろしくお願いいたします!
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■IWJへの応援のメッセージを感謝を込めて掲載させていただきます。今後ともIWJをお支えください! よろしくお願いします!

 IWJ会員様より、応援のメッセージをいただきましたので、ご紹介させていただきます。

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 五月雨式で申し訳ありませんが、1000円入金します。頑張ってください。

 昨夜の首相会見ていました。最後の最後、岩上さんが手を挙げましたが、司会が遮り、後日書面で質問を、と言った時、粘って、「大人げなく」総理!総理!と迫ってほしかったです。少し残念でした。

 あんな、ズブズブの会見は皆不評でした。大マスコミ( メデイアなどと呼ぶようになってから堕落しました)の記者のヨイショ質問など時間の無駄でした。画面が切り替わり、岩田女性記者にいたっては・・・・・・

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 温かいお心遣い、応援のメッセージ、ありがとうございます! これからも応援、どうぞよろしくお願いいたします。

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 これらの動画は、スタート画面に、大きなタイトルをつけて、皆様に内容をわかりやすくご案内もしています。下記のURLから、一度ご覧になってみてください。

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 それでは、本日も1日よろしくお願いします。

IWJ編集部(岩上安身、布施絵理子、木原匡康、城石裕幸、磯貝哲男、中村尚貴)

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