2010年10月19日(火)18時15分より、東京都千代田区にある弁護士会館2階講堂クレオBCにて、日弁連主催のシンポジウム「特捜捜査の闇と取調べの可視化・証拠開示」が行われた。取り調べの可視化を推し進める弁護士と村木裁判を追っていたジャーナリスト江川紹子氏から、今回の厚労省村木局長のえん罪について、意見を述べてもらった。
(IWJテキストスタッフ・関根)
2010年10月19日(火)18時15分より、東京都千代田区にある弁護士会館2階講堂クレオBCにて、日弁連主催のシンポジウム「特捜捜査の闇と取調べの可視化・証拠開示」が行われた。取り調べの可視化を推し進める弁護士と村木裁判を追っていたジャーナリスト江川紹子氏から、今回の厚労省村木局長のえん罪について、意見を述べてもらった。
■ハイライト
冒頭、日弁連宇都宮健児会長の挨拶から、シンポジウムは始まった。「大阪特捜の郵便不正事件は、ゆゆしき権力と検察の暴走だ。もう可視化の議論をする段階は終わり、早急に実現するよう、行動しなければならない」などと話した。続いて、民主党衆議院議員川越孝洋氏、参議院議員田城郁氏、衆議院議員京野きみこ氏、社民党代表福島みずほ氏、共産党衆議院議員井上たかし氏、民主党衆議院議員森山浩行氏らが、挨拶した。
まず、小坂井久弁護士による、取り調べの可視化についての現状報告が行われた。「今回の大阪地検特捜部の郵便不正事件は、司法の信頼を崩してしまう重大な事件だが、捜査過程はブラックボックスなので、それほど驚くことではなかった。法務省は、6月に『取調べの可視化に関する今後の検討方針について』と中間取りまとめを発表したが、骨抜きだ。ただ、少しづつ雰囲気は変わってきているとは実感する」と述べた。
次に「主任弁護人からみた厚労省元局長事件 〜浮かび上がる特捜捜査の実態〜」と題して、弘中弁護士が登壇した。冒頭、村木元局長からのメッセージが、読み上げられ、「取調室は、検事、事務官、自分の3人だけで、調書とは、自分の話したことを、書き記すものではない、とそのとき知った。いくら訂正を求めても応じられなかった」などと、取り調べの全面可視化の必要性を、村木氏は、手紙で訴えていた。
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