日本外国特派員協会での会見に臨んだJAグループ代表の万歳章(ばんざい・あきら)氏は「我々の最大の役割は日本の消費者、国民の皆様に安全で安心な食を安定的に届けることにある」とした上で、4つの観点からTPP問題について語った。
1つ目は農業や食料への影響について。TPP参加によって農林水産物の生産額は3兆円減になるという日本政府の影響試算を受け、万歳氏は「日本の食と農を守ると約束すると言われても不安は払拭できないというのが日本農業の正直な気持ち」と政府の対応を批判。
2つ目は復興への影響について。被災地である東北は日本有数の食料生産地だが、汚染問題や風評被害など放射能の影響など未だに被害が深刻であり、TPP参加によって農業が縮小化すれば復興の遅れにも繋がると懸念。
3つ目は日本人全体の生活への影響について。TPPは投資や医療などの分野にも大きな変化を及ぼし、国の形を一変させかねないとの意見を述べ、4つ目として、交渉そのものが秘密裏に行われており、他と比べて異質と言わざるを得ないと指摘した。
以上の点から、JAグループとしてはTPPへの参加は反対であるとの見解を示した。また、来週にはアメリカに代表団を派遣し、現地の農業団体と意見交換を行なう予定であることも併せて発表された。