民主党・有田議員、在特会を提訴する意向を明かす ~有田芳生議員インタビュー 2013.5.16

記事公開日:2013.5.16地域: テキスト 動画 独自
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 民主党の有田芳生(ありた・よしふ)参議院議員が、東京都新宿区の新大久保などで排外差別デモを行なっている在特会(在日特権を許さない市民の会)などに対して、訴えを起こす意向を初めて示した。16日行われた岩上安身によるインタビューの中で明らかにした。

記事目次

■イントロ

エスカレートする在特会

 有田議員は、新大久保や大阪の鶴橋で行われている排外差別デモを問題視し、3月14日に呼びかけ人として国会集会を開催。3月26日には、デモに対する慎重な指導と公正な取り締まりなどを求める要望書を東京都公安委員会に提出した。

 こうした問題意識を持つようになったきっかけとして、有田議員は、約3年前の拉致問題に関するデモに言及した。このデモには在特会が参加しており、「朝鮮人を東京湾に沈めろ!」などとシュプレヒコールを行った。これに驚いた拉致被害者の横田滋氏が、救う会の関係者に「なぜあんな人たちを呼んだのか」と問い詰める一幕もあったという。

 このときから在特会に注目し始めた有田議員は、2012年8月10日に韓国の李明博大統領(当時)が竹島に上陸して以降、在特会の活動が激しくなってきたと指摘する。同年12月、衆院選に向けて自民党が秋葉原で街頭演説を行った際には、在特会が日本国旗を掲げ、朝日新聞や公明党に対する批判を行った。その後、自民党が政権与党に返り咲き、在特会の動きは今年の2月からさらにエスカレートしてきたという。

 有田議員は、在特会の行動の一端を示すものとして、2012年6月3日の新宿駅南口での出来事を取り上げた。在特会はこの日、芸能人の親族が生活保護を不正に受給していた問題に対して、抗議デモを行なっていた。そのとき、通行人の男性がデモ行為に対して野次を飛ばすと、在特会側は一斉に男性を取り囲み、押し倒した上で、罵声を浴びせたり、蹴るなどの暴力を与えた(※1)。

(※1)

歴史は繰り返す

 有田議員は、在特会について「自分たちの意見に共通する人は『味方』、反対する人は『敵』『非国民』、という発想」で行動していると説明する。さらに、ドイツ出身の哲学者であるハンナ・アーレントが分析した、19世紀にフランスで起こった反ユダヤ主義の動きと今回の排外差別デモが似ていると指摘した。当時のフランスは経済的な不況下にあり、社会的にもさまざまな問題が吹き荒れていた。こうした中、ありとあらゆる階級の脱落者である「モッブ」と呼ばれる人々が生まれ、彼らによる反ユダヤ運動が活発化していった。

 「一人ひとりに話をしてみないと分からないが」と前置きした上で、有田議員は「在特会に連なる人たちは日本社会の矛盾を抱え込んでいるのではないか」と述べ、排外差別デモをすることでその鬱憤を晴らしているのではないかとの見方を示した。

 さらに、モッブのスローガンが「ユダヤ人を殺せ!フランス人のためのフランスを!」であったことをあげ、これが「韓国人を殺せ!日本人のための日本を!」と主張する在特会とまったく同じであると語った。

在特会を提訴へ

 有田議員が排外差別デモに反対する行動を始めてから、一部ネット上では、有田議員を「売国奴」「非国民」などと批判する書き込みが増え、デモの現場においても名指しで攻撃されるようになった。4月21日の新大久保のデモでは、「有田芳生をさらし首にしろ!」「有田芳生を殺せ!」などといったシュプレヒコールが起こり、今も個人攻撃を受け続けている。

 排外差別デモで使われる「不逞韓国人を射殺せよ!」「朝鮮殺せ!」「レイプしろ!」などの過激なシュプレヒコールについて、弁護士の梓澤和幸氏は、これが(脅迫罪の要件である)「害悪の告知」に相当するとし、取り締まらないのはおかしいと指摘する。かつて有田議員は、警察庁の人を呼んで、「有田を殺せ」などと言う人たちをなぜ放置するのか、と問い詰めたことがある。するとその人は「一概には言えない」と答えたという。

 PC遠隔操作事件のように、インターネット上で不特定多数に対して脅迫を行った人物が逮捕される一方、排外差別デモを行っている人に対しては、警察は何もしない。岩上は「警察が組織的に見逃していると思わざるを得ない」と警察の対応に疑問を呈した。

 こうした状況を踏まえ、提訴をする可能性について岩上が尋ねると、有田議員は「美学としてしたくないという思いがあった」としながらも、「今、2つほど準備をしています」と述べ、熟慮の末に提訴を決めたことを明かした。

自民党と統一教会の関係

 昨年末、民主党から自民党、野田政権から安倍政権へと変わり、安倍政権の持つ右傾化傾向が在特会の激しい活動に影響を与えている、有田議員はそう分析する。安倍政権の主要政策のひとつに憲法改正があるが、岩上安身は自民党の憲法改正草案と国際勝共連合(※2)の考え方の類似性を指摘する。

(※2)国際勝共連合(こくさいしょうきょうれんごう)は、1968年に「世界基督教統一神霊協会(以下、統一教会)」の教祖である文鮮明氏が創設した反共産主義の政治団体。自主憲法制定運動を行っており、「国柄」や「歴史・伝統」に重きを置き、家族条項の策定や、自衛隊の軍事力保持の明示などを目的に掲げている。

 有田議員は、この2つは「一卵性双生児で、基盤は同じ」と言い切る。有田議員によると…


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