2023年3月18日午後1時より、東京都千代田区の主婦会館プラザエフにて、全国霊感商法対策弁護士連絡会(以降、全国弁連)の主催により、「全国弁連東京集会」が開催され、「二世問題」、「政治と統一教会の癒着(特に地方政治)」などについて、講演、および報告・議論が行われた。
冒頭、全国弁連・代表世話人の山口広弁護士が、以下の通り、今後の取り組みについて、具体定な方向性を示した。
「昨年の7月8日の、あの決してあってはならない事件からの8ヶ月、本当にこんな大変な事態になるとは、誰も予想していませんでした。
『不当寄付勧誘防止法(法人等による寄附の不当な勧誘の防止等に関する法律)』ができました。
岸田首相は、統一教会は宗教法人法にもとづいて、解散させるべきだと、国会で、国民に明言しました。そして、政治家は、統一教会と決別すべきだ、とも明言されました。
全国弁連は極めて不十分ですが、この法律を担当する消費者庁・河野(太郎)大臣に、法律施行後の統一教会の問題活動を、具体的事実を適示して、指摘して、新法三条一号に定められた『個人の自由な意思を抑圧し、寄付の勧誘を受ける個人が適切な判断をできない状態を作っている』ということを、具体的な事実をもって、消費者庁に通告したいと思っています。
そして、新法の六条にもとづいて、統一教会に対して、遵守すべき事項を示して、これに従うべき旨を勧告するよう求めます。これに従わない場合、その事実を公表して、報告するよう、統一教会に求めるよう、消費者庁に要求していきます。
その実施状況を見て、必要ならば、法律の改正を要求していきたいというふうに考えています。
また、文化庁は、人員を補充して、『宗教法人解散請求』に向けて、真摯にその請求を準備していると聞いています。
我々は、『正義の歯車はゆっくりだが、回り始めたら、止まることはない。止めることがあってはならない』と、行政の動きを監視していきたいと思います。
そして、今、宗教二世のみなさんが、自らの苦しみの体験を自分の言葉で発信し始めてくれました。私たちは、その魂の叫びを正面から受け止めて、その苦しみから解放されるための歩みを、本日の討議からも、弁連としても始めなければなりません」。
- 法人等による寄附の不当な勧誘の防止等に関する法律(e-Gov)
- 法人等による寄附の不当な勧誘の防止等に関する法律(令和4年法律第105号)(消費者庁)
山口弁護士は、最後に、この後に来る地方議員選挙、および知事選挙について触れ、各党議員が「統一教会(の価値観)と決別する」ことの重要性について強調した。
続いて、二世問題についての講演と宗教二世当事者の体験談が紹介され、また、地方政治と統一教会の癒着の実態についての報告が行われた。
地方政治と統一教会について講演を行った、ジャーナリストの鈴木エイト氏は、「不当寄付勧誘防止法」について、以下のように指摘した。
「あくまでも、偏った宗教団体、偏った教えの下で、人権侵害の起こっている宗教団体の中の問題である、というところを言わないと、どうしてもですね。(中略)
結局、本来であれば、こういう、統一教会であり、過度な献金集めをするような、人権侵害を行なうような団体を規制すべきところを、宗教団体・NPO団体一般を規制するような法律になってしまったというところも、『宗教』の問題と『カルト宗教』の問題がごっちゃになってしまっている議論があると思う」
また、統一地方選を前に、久保内浩嗣弁護士が、「政治家の皆様へ統一教会との関係断絶を求める声明」を読み上げた。
- 政治家の皆様へ統一教会との関係断絶を求める声明(全国霊感商法対策弁護士連絡会、2023年3月18日)
詳細については、ぜひ全編動画を御覧いただきたい。