安倍総理銃撃事件で、容疑者の犯行動機として名前が上がる世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の田中富広会長が、2022年7月11日、記者会見を行った。この会見内容には、あまりにも様々な疑惑があると言わざるを得ない。
田中富広会長は、「犯行動機や献金問題については捜査中のため言及しない」とした。この点について記者が改めて質問しても、「容疑者の母親の献金額は20数年前なので不明」の一点張りで、「警察が本人から聞くだろう」と回答。「破綻した頃の教会の関りも不明」だという。
その上で田中会長は、「2009年以降、コンプライアンスを徹底し、違法な献金トラブルはない」と断言した。
しかし、この主張に対して、全国霊感商法対策弁護士連絡会は翌12日の記者会見で、事実と異なると糾弾。「(1987年以降の)被害総額は1237億円超」しかも「氷山の一角」で、「金銭トラブルがない」はずの「2017年から2021年の5年間」でも「被害総額約54億円」と指摘した。
世界平和統一家庭連合は17日になって、この会長発言は「コンプライアンス順守の結果が表れているという趣旨で、トラブルがゼロになったという意味ではない」など不可解な声明をホームページに掲載した。
- メディア報道に関する声明文(世界平和統一家庭連合ウェブサイト、2022年7月17日)
一方、会見で田中会長は、「安倍元首相がメッセージを送った友好団体(UPF)が選挙協力等を行ったかは不明」だが、「教団の協力は一切ない」と、UPFは世界平和統一家庭連合とは全く異なる組織であるかのように回答。両団体は共に文鮮明総裁が創設し「平和というビジョンを共有」するとしながら、「ミッションは異なる、それが何かはUPFに聞いてほしい」と突っぱねた。
「事件時の聴衆に、もし教会員がいたなら、安倍元首相ではなく、地元候補者を個人として応援」したと、教団の関与はあくまで否定。「安倍元総理と教会がつながっていると犯人が見た理由」は、「友好団体との区別がついていなかったからだろう」と述べたのである。
しかし、安倍元総理が官房長官当時の2006年、統一教会の合同結婚式を兼ねた集会に祝電を送ったり、2012年総理に返り咲いた後、文鮮明総裁が創設した反共団体、国際勝共連合の機関紙「世界思想」の表紙に繰り返し登場したこと等は、岩上安身の北海道大学大学院文学研究科・文学部 櫻井義秀教授インタビューで紹介している。
さらに、安倍元総理の実弟である岸信夫防衛大臣が7月26日の会見で、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関係者を過去の選挙活動員としてボランティアで受け入れたことを認めるなど、自民党議員を中心に教団信者が選挙協力した事実は次々と明るみに出ている。
安倍元総理の祖父、岸信介元総理についても、田中会長は「平和運動の方で関ったかもしれない」としながら、日本での統一教会創設時に「特別な計らいや影響を与えたことはない」と断言した。
しかし、上記の櫻井教授インタビューで紹介した「岸先生に懇意にしていただいたことが、勝共運動を飛躍させる大きなきっかけになったことは間違いありません」との証言をした久保木修己氏は、勝共連合初代会長で、かつ統一教会名誉会長だった。
さらに、1960年代、東京都渋谷の岸氏の自宅の隣に、統一教会系組織「原理研究会」が所在した上、その後、岸氏の自宅が旧統一教会本部とされたと考えられることもTBSが報じている。
自民党や同党議員への献金についても、田中会長は「自民党と教会間のお金の動きは一切ない」と回答した。
しかし、7月25日の立憲民主党・旧統一教会被害対策本部による、「統一教会等による消費者被害についてのヒアリング」で、講師のジャーナリスト有田芳生氏は、統一教会の国会でのロビー活動について、自民党の国会議員等へ向けた広報活動に月500万円、さらに『警察に強い国会議員への働きかけ』および『裁判対策』に毎月1億円を使っていると述べているのである。
田中会長の会見は、このように逐一、疑問だらけの内容だった。詳しくは記事本文を御覧いただきたい!
「会見参加は5大新聞とテレビキー局のみ」「時間と場所は明かせない」!
2022年7月8日の安倍晋三元総理銃撃事件で逮捕された山上徹也容疑者が、「特定の宗教団体に恨みがあった」と供述していることについて、報道で名前が上がっている世界平和統一家庭連合(旧統一教会)が7月11日、都内のホテルで記者会見を行った。
IWJは記者会見があるとの情報を得て、教団本部の広報部に問い合わせたが、「会見への参加は事前申し込みで、5大新聞社とテレビキー局だけしか入れない。他のメディアもすべて断っている」「会見の時間と場所は明かせない」との返事だった。
これまで警察が発表しないため「特定の宗教団体」で押し通していた大手メディアだが、11日の読売テレビ系『情報ライブ ミヤネ屋』は世界平和統一家庭連合(旧統一教会)のこれまでのトラブルや社会問題などを伝えた上で、午後2時過ぎからの記者会見を冒頭から生中継し始めたが、記者との質疑応答の1問目が終わったところで打ち切ってしまった。
読売テレビ以外に、生中継を行った局はなかった。
ネットでは、ABEMAニュースが全編生中継した。
会見は約1時間。以下はその全文文字起こしである。
「犯行動機や献金問題については捜査中のため言及しない」!
世界平和統一家庭連合・田中富広会長「私は宗教法人世界平和統一家庭連合会長の田中富広でございます。
本日は参院選の直後、お忙しい中、このように記者会見に駆けつけてくださいまして、心から感謝申し上げます。
まずは、安倍晋三元首相のご逝去の報に接し、心からの哀悼の意を表するとともに、ご冥福をお祈りいたします。
このたびの蛮行は、決してあってはならない行為であり、強い憤りを感じております。日本の国民が尊敬し、愛する偉大な指導者を失い、たいへん胸が痛みます。到底起きてはならないことが起きてしまいました。宗教指導者のひとりとして、このような重大な結果が生じてしまいましたことを、たいへん重く受け止めております。
さて、今回の事件の容疑者である山上徹也氏の供述内容の一部が警察によって発表され、特定宗教団体に対する恨みが動機となっているという報道がなされました。
この特定宗教団体が、当法人ではないかという噂が広く流れるとともに、一部メディアでは当法人の実名入りでの報道がなされました。それを受け、当法人としての公式見解を発表する必要があると感じ、今日このたびの記者会見を開かせていただきます。当法人が知りうる限りの事実を述べさせていただきます。
第一に、山上徹也容疑者は、当法人の信者ではございません。過去においても当法人の信者であったという記録は存在しておりません。
第二に、山上徹也容疑者の母親は、当法人の教会員であり、これまでも1ヶ月に1回程度の頻度で、教会の行事に参加してまいりました。
第三に、山上徹也容疑者の犯行の動機や、一部メディアで報じられている献金問題に関しましては、現在警察が捜査中であると思われますので、この場での言及は避けさせていただきます。これに関しては、警察からの要請があれば、全面的に捜査に協力させていただきます。
最後にメディアの皆さまに、お願いがございます。
報道に際しては、正確、公正、客観的な取り扱いの上、事実に反する内容、憶測にもとづいた記事を出されることがないように、当法人に関することを書く場合には、事前に直接取材をして、情報を得てくださるようにお願いします。取材に対しましては、誠意を持って対応いたします。
以上です」
▲東京都渋谷区松濤の世界平和統一家庭連合本部。2017年9月10日撮影。(Wikipedia、Khhy)、世界平和統一家庭連合本部)
「(何千万という)高額献金はあるが、本人意思で、ノルマはない」!
毎日放送記者「まず、お母様に関して、寄付金の件に関しては、詳細は警察の捜査があるのでということでしたが、一般論として、信者に対して多額の寄付を強いるということがあったりとか、この寄付について、どういった仕組みになっているのかというのを、あらためて教えていただけますでしょうか?」
田中会長「寄付に関する仕組みですか? 献金と称されるものは、いろいろなものがございます。たとえば、月例献金とか、あるいは礼拝献金とか、あるいは献金されるときに牧会者が一緒に祈祷して、そして捧げるときもございますし、また、無記名献金のようなものも、もちろんございます。
このように、献金にはいろんな種類がございます。そして、ご本人の意思で献金されてきますが、献金の額それぞれは、ご本人の心情にもとづいて献金されていると受け止めております」
毎日放送記者「ご本人が決められているということで、ノルマとかがあるということではないという理解でいいのかということが1点と、あと付随して、たとえばお一人で何千万という高額の献金をされる方もいらっしゃるのかということもおうかがいします」
田中会長「高額で献金されてきた方々は、かつてもいらっしゃいます。で、このような方々の本人の意思なくしては、高額献金も得られませんので、そういう意味においては私たちも感謝して、その志を受け止めております。
それから、ご本人に対するノルマという扱い方はしておりません」
「破産を知っていれば献金は要求しない」!「信徒を守るために会見参加メディアを絞った」!
毎日新聞記者「献金に関してなんですけど、一般論になるかもしれないですが、破産したことを知った上で、それでも月例であったり、今おっしゃったような様々な献金を求める、あるいはうながす、励行するということはあり得るんでしょうか?
あと、献金とは別の質問になるんですが、今日の会見、1社ひとつまでという質問の仕組みとか、参加者を限定するということは、あんまりよろしくないんじゃないかなと思うので、代表にそこまでの見解もあわせて教えていただければと思います」
田中会長「先ほどの質問にありました、破綻されているということが、こちらで知っていた立場で、さらにそこに献金を願う、あるいは要求するということはありません。また、そのように指導はしておりません。
それから、今日の参加者の限定に関してですが、この会見を開いたのもそこに重要な問題点を考えているからです。
一つは、なお犯人の動機の解明がなされきれていない中で、様々な憶測が飛び交うということは、決して本人、あるいはご家族、そしてまたご親族の心痛を察すれば、極力控えていただきたいという思いが、私どもにございます。
また、あわせて先ほど申し上げましたが、警察は宗教団体の実名はまだ発表はされておりませんが、メディアの一部の中では、当法人の名前を全面に出して報道している事実もございます。
昨夜、ならびに今朝、私どもの法人の数ヶ所の教会に、心ない電話がありました。あるいはメディアからの心ない言葉も、取材攻勢を受けております。そういう信徒たちを守っていくのも、法人の責任者としての責務であるというふうに感じておりますので、今回はそれなりに信頼できるメディアの皆さまに来ていただきました。
もちろん、今回ご招待できなかったメディアに関しましても、今後、今回の事件に関して質問、あるいは取材の要請がありましたら、こちらの方で個別に対応させていただきたいと考えております」
「破産は知っているが、その後、高額献金を要求したか記録は一切残ってない」!
毎日新聞記者「後段の説明責任の部分に関してですけど、今回の会見の趣旨が、説明責任をしっかり果たすというのは文書にも書かれてますし、憶測が飛びかわないようにということを考えるんであれば、しっかり説明すべきなんじゃないかなと思うんですけど、そこを再考いただけないかという点と、あと、前段でおうかがいした、破産したことを知った上でさらに献金を要求したりすることはないと、指導していないということですけど、これは奈良家庭教会からも、破産していたことは知っていたけれども要求していないという報告を受けていらっしゃるということでよろしいでしょうか?」
田中会長「このご家庭が破綻された諸事情は、私どもも把握しておりません。そして、現場に問い合わせても、なお当時のことをわかっている方もおられなくて、把握しきれていないのが現状です。ただ、破綻されていたということは知っております。
その後、このご家庭に高額献金を要求したかどうかという事実は、記録上一切残っておりません。
もうひとつ、今、奈良教会と言われましたね。で、今日、私はこの場で、この母親の所属している教会を正式に皆さまがたにお伝えしようというふうに思っておりました。奈良だったので、奈良教会ということになっていると思いますが、先ほど申し上げましたように、教会を特定すると、教会員たちの身の安全も含めて危惧するところが多いがために、今日はまだ警察発表がないので、私どもも教会を限定して今日は述べないようにしたいと思っております。そのことはご理解ください」
「安倍元首相がメッセージを送った友好団体(UPF)が選挙協力等したかは不明、教団は一切ない」!
日本テレビ記者「世界平和統一家庭連合さんと、安倍元首相との関係、いつ頃からお付き合いがあって、どのような関係があったのか、教えていただいてもよろしいですか?」
田中会長「私たちの友好団体が主催する行事に、安倍元首相がメッセージ等を送られたことはございます。安倍(元)首相は、韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁が主導され、多くの世界の指導者とともに推進されていらっしゃる世界平和運動に対しては、賛意を表明してくださっておりました。
ただ、宗教法人世界平和統一家庭連合の会員として安倍(元)首相が登録されたこともありませんし、また、顧問にもなったことはございません。明確に、そこは申し上げておきたいと思います」
日本テレビ記者「どういった点で、いつごろから関係性を持たれたのかという点もおうかがいしたいです」
田中会長「そのへんは、当法人が主催団体で企画した行事に関わったことがないので、その友好団体に直接聞いていただくしかないかと思います」
日本テレビ記者「友好団体というのは、どちらになるんでしょうか?」
田中会長「もし聞いていただけるならば、UPF、天宙平和連合という組織がございますので、一応アプローチしてみていただいたらいいかと思います」
朝日新聞記者「今の質問の関連でおうかがいしたいんですが、UPF、教団の友好組織ということなんですけども、UPFにビデオメッセージを送られてきて、UPFとして安倍元首相の選挙運動であったり、何か協力をしたりとか、そういったことはありましたでしょうか?」
田中会長「教団としてですか?」
朝日新聞記者「教団、もしくはUPFとして」
田中会長「UPFの方は、ちょっと私はわかりませんが、教団としては一切ありません」
朝日新聞記者「UPFは、文鮮明さんが創設者だと思うんですけど…」
田中会長「我々の教団もそうです」
朝日新聞記者「その中で、統一教会の会員と、UPFの会員が重なっている部分が多々あると思うんですが、UPF側がどういった援助をしていたかとか、そういったことは耳に入ってますでしょうか?」
田中会長「我々の教団の会員が、どなたがUPFの会員になっているかはちょっと掌握していないので、ここではちょっとお答えしきれないです」
「事件時の聴衆に、もし教会員がいたなら、安倍元首相ではなく、地元候補者を個人として応援」!
朝日新聞記者「統一教会として、安倍(元)首相の政治運動であったり、演説時の動員であったり、そういったものに対して協力したという事実はありますでしょうか?」
田中会長「安倍(元)首相に関してはございません。で、政治運動に関しては、友好団体の平和連合の方から協力依頼があって、することはあったとしても、安倍(元)首相に関してはございません。それから、こちらが組織的にやることがないので、各個人がその要請を受け止めて、そして応援していることはあるかもしれませんが、それでも、安倍(元)首相に関することを聞いたことがありませんね」
朝日新聞記者「失礼ですけど、今回奈良の演説中に撃たれたわけなんですけども、聴衆の中に結構な数の統一教会の方々がいらっしゃったという話もあるんですが、それに対してはどういうふうに動員されていたかというのは把握されていますか?」
田中会長「よくわかりません。ただ、もし教会員がたくさんいたとしたら、安倍(元)首相の応援ではなくて、地元の候補者の応援だと思います」
朝日新聞記者「地元の候補者の方には応援は、統一教会として…」
田中会長「教会としてはありませんが、個人として、皆さんが支援団体となってやっている可能性はあります」
朝日新聞記者「統一教会として何かやってらっしゃるわけではなく、個人としてという立場でいらっしゃるということですね?」
田中会長「はい」
「岸信介氏は文鮮明総裁の平和運動に関わっていたかもしれない」!
NHK記者「今の質問に関連してなんですけど、旧統一教会と、安倍元総理のおじいさま、岸信介氏との関係についても指摘が出ているかと思います。岸氏との関係については、どのように認識されているんでしょうか?」
田中会長「私たち法人との関係というよりは、創設者・文鮮明総裁、韓鶴子(現)総裁が推進する平和運動に強く理解を深めてくださっていたというふうに私は理解しています」
NHK記者「理解をした上で、どのような関係だったかという認識はありますか?」
田中会長「家庭連合とですか? 深く関わってはいないと思います。ただ、平和運動の方で関わっていることはあるかもしれません。そのへんは友好団体とも確認してみたいと思います」
「徹也容疑者は、10代後半で母親と一緒に学びに来たかもしれないが、記録はない」!
NHK記者「もう一点なんですけど、容疑者自身は旧統一教会に所属していなかったというのは最初冒頭で説明があったと思いますが、母親が信者だったことを踏まえて、これまで容疑者自身が直接旧統一教会と関わりを持つことはなかったのか、あるとすれば、いつどのような形で関わりや接点があったのかを具体的に知りたいです。
たとえば容疑者は旧統一教会の恨みについて供述をしているという報道がありますが、この恨みや不満について、容疑者本人から直接示してくることはなかったのでしょうか?」
田中会長「記録として、まず先ほど申し上げたように、会員になったことはございません。
その上で、もし可能性としてあれば、母親が関わり始めたのが1990年代後半になります。そうすると徹也容疑者は10代の後半ということになります。その頃に一緒に学びに来ていた可能性がないとは言えません。そのへんの記録も一切ないので、ちょっとわからないです。
ただ、会員になるほどの学びを深めた、という事実はないんだと思います」
NHK記者「恨みや不満について、本人から示してくることはなかったんでしょうか?」
田中会長「はい。本人から、今いるメンバーで直接恨みを示された方はいません。関わってないといった方がいいかもしれません」
「教会への恨みが動機なら重く受け止めるが、元首相殺害とは大きな距離がある」!?
時事通信記者「一部報道で、山上容疑者の供述の中に宗教法人を狙おうとしていたというのがあったと思うんですけど、そういったことに関して会長としての受け止め、あるいはここ最近そういった兆しといいますか、今回の報道を受けて何か対応とかされたりしているんでしょうか?」
田中会長「受け止めの方を、先に申し上げます。
もし、今こぼれ落ちる報道の内容が、徹也容疑者の今回の暴挙に至った、それが真実の動機だというふうに、最終的に捜査の結果至ったとしたら、それはとても重く受けていきます。
また、我々の法人の名前の実名報道によって、多くの社会的な不安やあるいは心配事等が発生していたとしたら、それもまたあわせて重く受け止めていかなければならないと考えております。
いずれにしろ、教会に対する恨みや、そこから安倍元首相の殺害に至るということは、とても大きな距離があって、私たちもその理解に少し困惑をしております。
今後、警察が捜査本部を中心としながら、何よりもその動機の解明に向かって全力をあげて今もおられるんだろうというふうに思っております。
私たちもそのことは重要なテーマだと思っておりますので、警察の方にも全面協力させていただきますので、要望があればいつでも要請くださいとお伝えしてありますので、もし要請があれば、全面協力していきたいと考えています」
「容疑者が入っていたと言われるサンクチュアリ協会は文鮮明総裁の子息が立ち上げた別宗教で、容疑者の関りは不明」!
TBS記者「一部の未確認情報として、山上容疑者は、文鮮明氏が死去したあと統一教会が分裂して、もう片方のサンクチュアリという協会があると思うんですけど、そちらに入っていたんじゃないかという情報もありましたけど、その点、教会さんの方では確認されてるんですか?
あるいはこのサンクチュアリという協会との関係というのは、現段階でどういう関係にあるんでしょうか?」
田中会長「『サンクチュアリ』は略称と思いますけど、サンクチュアリ協会が私どもの法人から分立したとは考えていません。
文鮮明総裁、韓鶴子総裁の御子息が、アメリカで2013年に新しく宗教法人として立ち上げました。したがって、私たちとは完全に別宗教として動いておりますし、またその支部として日本にも2015年に社団法人として立ち上がっていると理解しております。
ただ、この団体に山上容疑者が入っていたかどうか、あるいは関わっていたかどうか、ここまでは私たちも追いかけておりませんし、また掌握もしておりません」
「元総理襲撃前、教会に試射したかは不明」!
TBS記者「山上容疑者がですね、安倍元総理を襲撃する前に試射を行ったと、宗教団体に向けて。この点については奈良の方から何か報告、入っていますか?」
田中会長「先ほど申し上げましたように、特定の教会名は申し上げられませんが、可能性のある教会にも確認しました。まったく、そういう声が信徒からもなかったということですが、おそらく報道では明け方、朝だったというふうに今日は報道されておりましたので、その頃は教会にも信徒は来ておられませんし、おそらく信徒からの情報はないのが正解だと思います。
ただ外観、外壁等々の確認もしていただきました。今の所はそういう痕跡もないということでありますので、私がたずねた教会だったのか、別な教会だったのか、このへんは警察側からの正確な情報を、むしろいただきたいと思っております」
「母親の献金額は20数年前なので不明、警察が本人から聞くだろう」「破綻した頃の教会の関りも不明」!
※次の記者の質問。ここで突然、音声がミュートになる。
記者「(途中から)世界平和統一家庭連合の幹部、またはどなたかを官邸に招待したことはありますでしょうか?」
田中会長「まず、1番目の我が法人の年間の献金額、これはこの場では控えさせていただきたいと思います。ただ、すべての献金内容は国にも報告しておりますので、そちらで確認できるようだったらお願いしたいと思います。
それから、お母さんの入会ですけども、98年頃だと思いますが、これがもう20数年前で、正確な情報はございません。
で、破綻されたということをお聞きしておりますけども、これが2002年頃だったと思います。その頃に私たちの教会とどれくらいの関わりを持っておられたかということも、当時の者たちはもうすでにおりませんので、把握しきれていないのが現状ですが、今、より調査を深めているところであります。
この方がどれくらい献金されたかも含めて、20数年前の記録までたどりきれないのが現状なので、おそらく警察の捜査の中で、ご本人から聞いていただけるようになるのだろうと思っております。私たちもそれを通して改めて確認を深め、また協力していきたいと考えております。
それから、安倍(元)首相が総理になられて、私たちの法人の幹部を招待したことはありません。
山上容疑者のお母さんの会員区分は、私たちの教会の、一度正会員になっています。で、その後しばらくお越しにならなかった時期が長く続いていたと聞いています。そして、2、3年前から改めて教会員と連絡を取るようになって、この半年ぐらいは、1ヶ月に1度の教会の企画に参加していると聞いております。それほど、毎週毎週来て礼拝に参加しているという状況でもないことは、今のところ事実だと思います」
上記記者「しばらくというのは、いつぐらいからでしょうか?」
田中会長「私が今の段階で把握しているのが、2009年頃から17年頃までは、連絡が取りきれていなかったんじゃないかなと思っておりますが、早い段階での関係者もまだつかみきれていないので、今はしっかり調査を進めていきながら、また警察の要望があれば、ご本人のお口から聞かれることもあると思いますので、それですりあわせていくことになるかと思っております」
「2009年以降、コンプライアンスを徹底し、違法な献金トラブルはありません」!
日本経済新聞記者「先ほどの質問に関連して、お母様は最近だと1ヶ月に1回くらい企画にお越しになっていたということですけど、直近にいらっしゃった時期がわかれば教えていただきたいのと、もう一点、過去にもそちらの団体の方で民事訴訟等で違法な献金とかが認定されて、法人の方で賠償や和解に応じられたケースもあったかと思うんですけど、そうしたことは今も続いているのかということと、過去こういうケースがあったということについて、どういうふうに受けとめてらっしゃるのか、見解を教えてください」
田中会長「最初の、直近の参加ですけど、私たちが把握できているのは、2ヶ月前に一度、教会側が主催した企画に参加しております。この半年ぐらいは一月一度くらいだったんじゃないかなと思っております。
お母さんと信仰を深めている教会員が、一人おられます。ただこの教会員との関係は深めていても、教会の企画やあるいは教会の行事等に直接すべての行事に参加しているわけではないということは、よく理解しております。
ですからだいたい、この信仰を深めている方と、月に一度くらいが、こちらの主催する企画に参加されていたというふうにご理解いただけたらいいと思います。
それから、過去の献金ケースに対して、それから現在どうなのかと。またそれをどうとらえているのかということでありますが、過去、献金に関してトラブルがあったということは、報道関係者の皆さまがたも周知の事実かというふうに思います。
2009年だったでしょうか、時の当法人の会長が記者会見し、声明文を発表いたしました。それから13年が経ちました。この声明文で一番強調されたのが、コンプライアンスでありました。それ以降13年、当法人も末端に至るまで、コンプライアンスの徹底を進めてまいりました。
そういう面で見れば、当法人も大きく献金に対する姿勢も含め、変わってきたというふうに思っております」
日本経済新聞記者「すると今はもう、そちらで確認されている限りでは、そういったトラブルは現状、今はもうないということでいいんですか?」
田中会長「ええ。2009年以降の案件で、そのようなトラブルはありません」
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