「普天間基地閉鎖返還を求め、辺野古基地建設の中止。二度と沖縄を戦場にさせない決意で臨む!」~6.13 無所属 伊波洋一参議院議員 政策発表 2022.6.13

記事公開日:2022.6.15取材地: 動画
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 2022年6月13日(月)、沖縄県那覇市のホテルコレクティブにて、無所属 伊波洋一参議院議員 政策発表が行われた。今回、124議席を競うことになる第26回参議院議員通常選挙は、6月22日公示、7月10日投開票だ。

 冒頭、応援に駆けつけた、沖縄県知事玉城デニー氏が「伊波さんの国会でのご活躍を祈念して」とエールを送った。

玉城知事「この1議席がいかに沖縄県民にとって重要か。

 ロシアのウクライナ侵攻によって犠牲となった多くの方々、破壊された街並みを見ると、いかに平和的な発展を維持していくことが重要かということを、我々沖縄から力強く発信していくことが今、もっと求められているのではないか、と強く感じるからです」。

 さらに、沖縄の観光産業がコロナで落ち込んでいるとし、「沖縄の地理的な優位性を利用し、観光産業を復活して経済発展、飛躍のための一議席を」と訴えた。

 続いて、伊波氏が政策を発表した。伊波氏は、国会議員として、新型コロナウイルスのPCR検査の実施、雇用調整助成金や事業支援、県民生活に直結する支援に取り組んできた、沖縄県民の声を国会に届け、県民の望みを伝えてきた、と成果を訴えた。

 これからも県民経済の再生に力を入れていく、ガソリン価格の高騰などを踏まえ、消費税5%減税を実現していく、と述べた。

 伊波氏は「復帰から50年の沖縄の課題は『子ども政策』です」と述べ、自身が母子家庭に育ち、病弱な母の面倒を見ながら学生時代にアルバイトをし、地域の人々の応援を受けて教育を受けてきた、と語った。

 その体験の上に立って、子どもへの支援が重要だと、伊波氏は訴えた。さらに奨学金という名の借金を若い世代に負わせるのではなく、未来への責任として先進諸国並みの教育予算を確保していこう、とも訴えた。

 伊波氏は、自立型の持続可能な経済の構築に向けて、県民の所得に結びつくような産業振興、補助金を本土に還流するのではなく、県内で循環させる形で行い、離島経済振興に取り組むと述べた。

 続いて伊波氏は、現在、沖縄で問題になっている米軍基地由来の有害物質PFAS(有機フッ素化合物)汚染問題、45万人の中南部住民のために、北部の水源からの給水を進め、住民に対する健康調査を実施し、土壌汚染を日米両政府の責任でクリンナップさせ原状回復を実現させる、と述べました。
 
 伊波氏は、「私は沖縄戦で最初の激戦地となった宜野湾市嘉数(かかず)で生まれ育ちました。沖縄では集落の半数以上が亡くなり、母も姉を除いて6人の家族を失いました。悲惨な沖縄戦の話を聞いて育ちました」と、述べた。

 「米軍基地が、県民の意思に反していることは、常に実感してきました。土地を強制接収して建設した米軍基地を返すのは、当然であります。普天間基地の閉鎖返還をしないで、辺野古新基地建設を強行する日米政府に怒りを覚えます」。

 伊波氏は普天間返還合意から40年も放置されてきたと指摘し、「一刻も早い普天間飛行場の閉鎖・返還を求め、県民が拒否する辺野古新基地の建設に反対をします」と明言した。

 伊波氏は、復帰50年を経てもいまなお、国土面積の0.6%の沖縄に70%の米軍基地があり、さらに宮古島や石垣島に新たにミサイル基地が建設され、県民に過重な負担をかけていると強く批判しました。

 「2度と沖縄を戦場にさせない決意で、今回の参議院選挙に臨みます」。

 伊波氏は、今年改定された「新沖縄21世紀ビジョン基本計画」に則って、沖縄はアジアと日本の交流の拠点となり、平和構築に貢献していくと述べました。

 「我が国とアジア諸国をむすぶ拠点として、沖縄の自然と歴史、伝統文化を大切にして世界に開かれた交流と共生の島を目指します。アジア太平洋地域の平和構築に貢献する地域協力外交の展開を打ち出していきます。(中略)

 県民の本意を政府に届け、平和で誇りある豊かな沖縄を未来につないでまいります」。

 伊波氏の「10の政策」がまとめて示された。こちらは伊波氏のホームページにも掲げられている。

1)「建議書」に込められた平和で豊かな沖縄の実現
2)新型コロナからの経済社会再生
3)県民所得向上 産業振興と雇用の創出・質の改善
4)都市部との均衡ある北部振興・離島振興
5)子どもの貧困解決 多岐にわたる支援を充実
6)安定的な社会保障制度を構築 沖縄社会の課題解決
7)ジェンダー平等・多様性が尊重される社会を実現
8)世界に誇る自然環境を守る持続可能なウチナーへ
9)人材育成 教育費・保育費の無償化
10)辺野古新基地反対 基地のない平和な沖縄へ
 ・県民の命の水を守る(基地由来の有害物質PFAS汚染問題)
 ・日米地位協定の抜本改定
 ・二度と沖縄を戦場にしない

 続いて、質疑が行われた。

 記者から最も重視する政策を問われた伊波氏は、「コロナ禍の沖縄経済の回復」、「辺野古新基地建設を認めない」、台湾有事を口実に南西諸島を戦場にしようとする動きがあるが「2度と沖縄を戦場にさせない」という3点を、「同列」の重要課題として挙げた。

 辺野古についての質問では、伊波氏が選挙で勝つことが辺野古反対の民意を示すことになるとし、「この選挙をなんとしても勝ち抜いて、県民の辺野古反対の民意を国会に届けたい」と訴えた。
 
 また、記者から「辺野古は止められていない現状があるではないか。(伊波さんを)支持し続けることで、いつか止まるのか」と言われた伊波氏は、強い言葉で記者の発言を否定した。

 「皆さんには(辺野古が)止められていないように見えるのかもしれませんが、実はもう実は止まっているんです。政府の申請書は、大浦湾の埋め立てはできないということ、危険な工事にしかならないということを、自ら証明しています。(中略)

 玉城知事は、さまざまな角度から申請を検討して、不承認という決定をくだしました。だから、大浦湾埋め立てはもう止まっているんです。

 本当から言えば、工事そのものから止めるべきなんです。(中略)もう飛行場が作れないんですね。大浦湾の埋め立てができないんですから」。

 伊波氏は、大浦湾は水深90mまで軟弱地盤があり、水深70mまでしか地盤改良ができないことは政府も認めている、と指摘しました。

 実際問題として、20mの厚みのある軟弱地盤の上に6000トンを超えるケーソン(防波堤や岸壁をつくる際に使われる鉄筋コンクリートの塊)を載せたらどうなるか。仮に飛行場を建設しても地盤が崩れて流れ出してしまう危険があると説明しました。

 「実際にはできないと思います。参議院選挙で私が勝ち、9月の知事選挙で玉城デニー知事が再選したら、日米政府をあきらめさせる近道になります」。

 伊波氏の強い決意に、会場から「そうだ」と声が上がり、一段と大きな拍手が送られた。

 その他、「中国の脅威」についての質問では、伊波氏は「中国との懸案事項は外交交渉で解決すべき」だと強く訴えた。

 詳しくは、全編動画でご覧ください。
 

■全編動画

  • 日時 2022年6月13日(月)
  • 場所 ホテルコレクティブ(沖縄県那覇市)

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