【岩上安身のツイ録】コロナの影響による岩上安身の両親の法事中止の顛末から「通勤ラッシュ」解消の提案まで!! 2020.3.1

記事公開日:2020.3.1 テキスト
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 岩上安身は、北海道の展示会で「クラスター」と呼ばれるコロナ感染者集団が発生した可能性があるとの報を受け、自らの両親の法事をコロナで中止することになった顛末に思いを馳せるとともに、もっともリスクが高いと考えられる「通勤ラッシュ」等の解消に向けた提案を連投ツイートした。

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 あらゆる人の集まりを主催する責任者は、こうした、コロナのクラスターを発生させた、という責任が生じることだけは避けたい。集まりの大小は問わない。会社も、娯楽イベントも、冠婚葬祭も、である。人が複数、集まるだけで、集団感染が発生するとそこからさらに四方八方へと拡散が広がってしまう。

 実は明日3月1日。本当ならば、亡き父の13回忌と、亡き母の23回忌を兼ねて、法要をすることになっていた。施主は長男の私。数ヶ月前から、お寺さんとも相談し、親戚にもご案内を出し、お清めの会食の予約も済ませ、お寺の住職にはお塔婆に戒名も書いていただいていた。

 私は仕事柄、コロナの感染拡大に人よりも敏感に反応するけれども、お寺とか、親戚のお付き合いというものは、自分の判断ペースだけでは進めることができない。最初は誰も反対する人もなく、主だった親戚一同、みんな出席の返事をいただいた。お寺さんももちろん異論はない。

 直前になって、千葉の田舎に住む今年80歳になる親戚が、間質性肺炎を持っているので、東京の人混みに出てコロナを移されたら大変だから、今回は御仏前と塔婆代だけ出すので欠席で、という返事があった。ところが、安倍晋三思いつき総理が、一斉休校を言い出した途端、風向きがかわった。

 お寺から電話がかかってきた。「お宅は中止や延期をなさらないのか、みんなそうしている」というのである。彼岸会の法要も今年は中止した、というのだ。どうしてもその時にお経をあげたいのならばお寺は施主様からのお願いを断れない。しかし本堂をお貸ししての会食はなるべくご遠慮願えないかと。

 直前のことなのでびっくりした。檀家寺は杉並区にあるのだが、「杉並の小中学校も軒並み休校になりますし」という。軽くパニック状態である。会食の仕出しをお願いしたお店は小さな店でこのお寺への仕出しは大きな収入源。あそこ、キャンセル続いたら大痛手だろうな、というのがまず浮かんだ。

 一晩、考えた。集まる親戚の数も多くはない。せいぜい10数人。高齢化が著しく、こうした法事に出られない人も増えている。この席で、ウィルスがうつる、というのは正直、想定しがたかった。もちろん、科学的根拠はない。2人であって座談するだけで、『濃厚接触』なのだから、法事も同様である。

 「結局、ウチの法事は大丈夫だろう、コロナの感染の舞台にはなるまい、というのは、何の根拠もない楽観であり、自分に都合よく働く正常化バイアスに過ぎないことがありありと見えてきて、自分を恥じた。自分を勘定に入れると、人間はこんなに判断を誤る。会食の連続の安倍総理を批判する資格が失せる。
 
 結局、施主である私の判断として、法事前々日ではあるけれども急遽延期とし、親戚に電話でご連絡し、事情説明につとめた。かかなか骨がおれた。この連絡を完結したのが10時過ぎで、6時間くらい時間を取られたから、そこから日刊など仕事にかかり、終わったのは午前3時となった。

 もっと大規模な催しは世間にはいくらでもある。中止、延期となっても、その始末が大変なことだろう。お疲れ様ですとねぎらいを申し上げたい。人が集まる催しをやめる、という政府の方針には基本的には私は賛成する。賛成するからこそ、私も亡き父母の年忌法要を延期にしたのである。

 しかし、だからこそ合点がいかないことがある。小さな催しでクラスターが確認されたと大きく報道されているが、検査や調査をやれば、クラスターの発見確実なところがいくつもある。何よりも日々のラッシュでぎゅう詰めになる通勤電車と、人々が行き交う駅である。駅員の感染者はすでに出ている。

 小さな展示会がクラスター発生箇所と騒ぐ前に、なぜ、いつまでも通勤ラッシュ問題を放置しているのか、それが理解できない。子供を家庭に返しても、親が通勤ラッシュで感染してきたら一家全滅である。私がインタビューした上昌広医師も、一番ハイリスクなのは満員の通勤電車と断言していた。

 日本社会が試されているのだろうと思う。まずは首都圏のJRや私鉄の始発を思い切り早くし、最終を思い切り遅くしたらどうか。その分、ラッシュ時の本数は減らす。その上で、官公庁と企業も、思い切り、時差通勤を拡大する。窓口の受付なども長時間にする。

 朝3時に起きて、4時の始発に乗り、昼過ぎには帰る人と、午後に出勤して、帰りは午前3時の終電という人と、 働く時間を大きくずらす。人が朝と夕の2回、集中して固まるラッシュ時間を作らない。これを本気で政府が官公庁と企業に『お願い』すれば、ラッシュ解消は実現するだろう。快挙ではないか。

 イベント自粛などで、人を切らなければならなかったり、非正規雇用で雇い止めになったりと、失業者も増えそうだが、長時間、官庁や企業が開くとなると、その間、人手も必要なので、臨時の雇用もそこで吸収できるはず。ラッシュと超長時間通勤が常態化している首都圏だけでもまず、試みるべきだ。

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