第201回通常国会が召集された。安倍総理は1月20日、衆参両院本会議で施政方針演説を行い、「桜を見る会」、IR汚職、昨年10月に公職選挙法違反の疑いで大臣を辞任した河井克行前法相、菅原一秀前経産相の任命責任など、数々の疑惑に一切言及せず、「オリンピック」「夢」「新しい時代を切り開く」などと国威発揚を煽った上で、憲法改正について「その案を示すのは国会議員の責任ではないか」と、改憲に固執する姿勢を見せた。
- 安倍首相 施政方針演説 五輪成功に決意 憲法改正議論呼びかけ(NHK、2020年1月20日)
そのような中、元共同通信記者のフリージャーナリスト・加治康男氏から、「改憲への意欲は、安倍首相の最大の虚言だ」との寄稿が寄せられた。
驚くべき内容であり、安倍晋三氏の改憲への執着は、右翼を欺くための虚言・ポーズに過ぎず、「改憲をやる」と言って右派・保守をひきつけておいて、決して改憲はせず、米国の指示に従い続けている、というのである。日本会議に代表されるような右派は安倍晋三氏の「改憲やるやる詐欺」に欺され続けている、ということになる(もっとも日本会議の幹部らは、CSISの幹部とも通じ合っているので、彼らもまた「改憲やるやる詐欺」に加担しているのかもしれないが)。
「私自身の手で憲法改正を成し遂げたいという思いには全く揺らぎはない」。安倍晋三氏は呪文のようにこの言葉を繰り返しながら、「やらずぼったくり」の「改憲タコ踊り」を踊り続けて進む、その行く手には四選への道が見えてくる。
IWJはこれまで安倍総理がこだわる改憲、とりわけ2012年の自民党改憲案、その後の2018年3月に公表された自民党「改憲4項目」条文素案のどちらにも明記された「緊急事態条項」について、「国民から主権を奪い永久に独裁を可能にするもの」と批判し、その危険性を訴え続けてきた。
以下に加治氏の論考を掲載する。