【特別寄稿】ワシントン・ポストが「アベはトランプのサイドキック(従属的助手)」と酷評! 秋田、山口のイージス・アショアはハワイ・グアム米軍基地の防衛目的!?~参院秋田選挙で自民は争点隠しに必死! 2019.7.1

記事公開日:2019.7.1 テキスト
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(取材・文:フリージャーナリスト横田一)

 福留高明・元秋田大学准教授(秋田県男鹿市)は去年8月に、秋田と山口に配備予定の「イージス・アショア」(陸上配備型ミサイル迎撃システム)が米軍基地のあるハワイとグアム防衛が目的としか見えない世界地図と、「太平洋の盾」となって米国防衛費削減に貢献すると指摘した米国シンクタンク「戦略国際問題研究所(CSIS)」の論文の要点を、フェイスブックに投稿した。それを見ると、安倍政権に対する素朴な疑念が浮かんでくる。

 イージス・アショア配備を進める安倍政権(首相)は、日本の領土と国民の血税を、米国に献上するに等しい『売国奴的下僕政治(外交)』をしているのではないか?という疑義である。

記事目次

「まさに配備ありき⁉」「購入ありき⁉」(「イージス・アショア、オスプレイ、F35A、グローバルホーク」も「本当に日本の防衛に資するものなのか?」原口一博議員・国民民主党

 防衛省の候補地選定に関する調査報告書の角度計算ミス発覚を受けて野党は2019年6月13日、「イージス・アショア虚偽調査 武器爆買問題」と銘打った野党合同ヒアリング初会合を開催した。

 冒頭の挨拶で、原口一博・元総務大臣(国民民主党・国対委員長)は、この問題が、安倍政権の根本的問題であると掘り下げた。

 「イージス・アショアについては説明会資料の誤りの問題だけではない。まさに配備ありきで、いかにズサンなことをやって来たか。『FMS(フォーリン・ミリタリー・セールス)』については『(米国製兵器)爆買』という言葉になっているが、購入ありきと言わざるを得ない。(イージス・アショアに加えて)オスプレイにしても、F35Aにしても、グローバルホークにしても、本当に日本の防衛に資するものなのか」。

▲イージスアショア虚偽調査・武器爆買い問題 野党合同ヒアリングでの原口一博議員・国民民主党(IWJ撮影)

イージス・アショア問題については一秒も触れず~参院選秋田選挙区候補の総決起大会に駆けつけた菅義偉官房長官

 イージス・アショア問題が与野党激突の政治課題として急浮上、「年金2000万円問題」と並ぶ夏の参院選の一大争点となる兆しを見せ始めた直後の6月16日、菅義偉官房長官は生まれ故郷の秋田県湯沢市で、講演と地熱発電所の視察をした後、秋田市内のホテルで開かれていた参院選秋田選挙区候補の中泉松司参院議員の総決起大会に駆けつけて、約22分間の応援演説をした。

 しかし、その内容は安倍政権下で進んだふるさと納税拡大(約6分間)や外国人観光客増加など、自画自賛のオンパレードで、連日のように報じられていたイージス・アショア問題については全く触れなかった。そこで応援演説後、佐竹敬久知事や秋田県連自民党国会議員から要望書を受け取る場面の頭撮り(撮影)が許された一室で、誰もが抱く疑問を投げかけた。

 「菅さん、イージス・アショアについて一言お願いします。故郷が攻撃対象になるのではありませんか。(応援演説で)なぜ触れなかったのか。一言お願いします」。

 だが、菅氏は一言も発せず、質問を続けようとした私はスタッフに囲まれて室外へと押し出された。ただし、ホテルから追い出されることはなかったので、写真撮影に続いて知事らとの懇談会(非公開)に出席した菅氏を、廊下で待ち構えて再び声をかけたが、問い掛けに答えることなく、エレベーターに乗り込んだ。

 政権ナンバー2の官房長官として生まれ故郷の秋田を訪れたのに、「自画自賛演説」を延々とする時間は取っても、地元の懸念事項であるイージス・アショアについては一秒も割かない対応は、県民を愚弄するものとしか言いようがない。こんな質問も菅氏にしてみたくなった。

 「秋田から上京して横浜市議から権力中枢にまで上り詰めたのは、トランプ大統領の下僕のような安倍総理を支えるためだったのですか?」と。

▲参院選秋田選挙区候補の総決起大会に駆けつけた菅義偉官房長官(横田一氏提供)

米ワシントン・ポスト紙が「アベはトランプのサイドキック(従属的助手)」と酷評! 米国製兵器爆買の「安倍下僕政治」の産物のイージス・アショア

 イージス・アショア購入までの経過を辿っていくと、こんな屈辱的光景が目に浮かぶ。

 それは、「米国に『NO!』と言えない従順で気弱な安倍総理がトランプ大統領に『米国兵器爆買ぼったくりバー』に連れ込まれて購入を決定、そのツケを秋田と山口県民を含む日本国民(納税者)に回している」というものだ。

 2017年11月の日米首脳会談の共同会見で安倍総理は、トランプ大統領の失礼な冗談にまったく反論できずに「忠実な従属的助手の役割を演じている(Japanese leader Shinzo Abe plays the role of Trump’s loyal sidekick)」(米ワシントン・ポスト紙)と酷評されたが、米国製兵器大量購入の要請に対しても「(海上配備型ミサイル迎撃システムの)イージス艦の量・質を拡充していく上において、米国からさらに購入していくことになっていくだろう」と快諾。そして翌12月にイージス・アショア2基購入が閣議決定された。

 まさにトランプ大統領の忠実な従属的助手(「下僕」)として安倍総理は、日本国民の血税と日本の領土の一部(秋田と山口の自衛隊演習場)を米国に献上することを決めたのだ。

 去年12月の寄稿記事で紹介した東京新聞の半田滋氏の指摘通り、イージス・アショアは過剰な(不必要な)米国製防衛装備品である可能性が極めて高い。すでに防衛省はイージス艦を4隻から8隻にする計画が進行中で、イージス艦2隻分の稼働が1隻で済む「システム進化(性能向上)」も同時並行的に進んでいた。従来の4隻体制に比べて4倍も機能強化される計画が進行中であるところに、新たにイージス・アショアを陸上配備する必要性は皆無に等しいといえるのだ。

秋田、山口に配備されるイージス・アショアは「米軍基地のあるハワイとグアム防衛が目的」

 それなのに、なぜイージス・アショアが割り込んできたのか?

 この謎を解くカギは、福留氏がフェイスブックで紹介した世界地図である。地元紙「秋田魁新報」は今年1月9日に「秋田の延長上にハワイ」と題して福留氏作成の地図を掲載し、こう解説した。

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