【国会ハイライト】疑惑深まる証人喚問!「安倍総理からの指示はありませんでしたね」まるで誘導尋問のような自民・丸川参院議員の質問に佐川宣寿氏「ございません」と関与を一切否定! 一方、野党追及には「訴追の恐れ」を盾に証言拒否! 2018.3.27

記事公開日:2018.3.28 テキスト
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(文:IWJ編集部)

 2018年3月27日、衆参両院で約4時間、佐川宣寿前国税庁長官への証人喚問が行われた。午前の参院では自民党の丸川珠代議員が国有地取引や文書改竄に安倍総理や総理夫人が関与したかを追及。「安倍総理からの指示はありませんでしたね」とまるで誘導尋問のような問いに、佐川氏は、待っていましたとばかりに歯切れよく「ございませんでした!」と明確に否定、「理財局の中で行われた」と断定した。

 しかし、一方で佐川氏は「訴追の恐れがある」ことを盾に証言拒否を連発し、自身の関与などを含め、改竄がいつ、誰によって指示されたのかなど、肝心な疑惑については一切の証言を拒否した。

 日本共産党の小池晃議員は「これでは証人喚問の意味がない。この証人喚問で終わりにすることは絶対にいかない」と昭恵夫人など野党が要求する証人喚問をすべてやらないことには「解決の道はない」と訴えた。

 立憲民主党の福山哲郎議員も「改竄の経緯については刑事訴追の恐れがあると、まったく答えないのに、何で、総理官邸や大臣の関与だけは明確に否定するのか。これも経緯なのではないか」と指摘。佐川氏に対し、「理解しがたい答弁がたくさんある。この証人喚問は逆に疑惑を深めて、あなたは火に油を注いだ」と批判して質疑を締めくくった。

▲全員起立の中、宣誓書を朗読する佐川宣寿前国税庁長官(参議院インターネット審議中継サイトより)

記事目次

※実況ツイートに加筆しました。ほぼ全文起こしです。

「私は告発を受けている身。刑事訴追の恐れがあるため答弁は控えたい」――証人喚問の冒頭から予防線を張る佐川宣寿氏

質問者:金子原二郎委員長

 証人である佐川宣寿前国税庁長官が宣誓書を読み上げ、署名、捺印。

金子原二郎委員長(以下、委員長)「それでは、これから証言を求めることといたします。不規則発言等、議事進行を妨げるような言動のないよう特に御協力をお願い申し上げます。

 証人は、この決裁文書の書換えを知っていましたか? 仮に知っていたならば、誰がどのような動機で、いつ誰に書換えを指示したのか示してください」

佐川氏「私は、現在、告発を受けておる身でございます。その点につきましては、答弁を差し控えさせていただきたいというふうに思います」

金子委員長「証言を拒否するとのことですが、理財局長の職にあった者として、こうした事態にする責任をどのように感じているのか、答えてください」

佐川氏「国会におきましてこのような大きな混乱を招きまして、また国民の皆様に対しまして行政の信頼を揺るがすような事になりましたこと、誠に申し訳ないと思ってございます。時の担当局長として責任はひとえに私にございます。深くお詫び申し上げたいと思います」

金子委員長「麻生財務大臣の発言によれば、今回明らかになった14件の決裁文書書換えは理財局の一部職員が行ったものということです。一方で、書き換えられた容が広範多岐にわたることから、本当に理財局の職員だけでこのような判断ができるのか、いぶかる声があることも事実です。

 そこで、この14件の決裁文書書換えに関し財務省幹部や政治家などによる関与はなかったのか、うかがいます」

佐川氏「本件は理財局の国有財産部局における個別案件でございます。したがいまして、こういう個別案件につきましては、理財局の中で、資料の要求に対する対応をいたします。

 したがいまして、私ども理財局の外、たとえば財務省の中の官房部局にご報告や相談をするとか、あるいはまして、その、総理官邸に対してですね、何かご報告をするとか、そういうことはございませんし、そういう意味では官房や官邸などからのご指示もございませんで、本件は理財局の中で対応したということでございます」

金子委員長「財務省では、従来から当たり前のように決裁文書の書き換えや一部文書の抜き取りが行われていたのでありませんか?」

佐川氏「先ほども申し上げましたが、今回の理財局におけます決裁文書の書き換え問題につきましては、本当に申し訳なく思って、深くお詫び申しあげます。ただ、今の委員長のご質問であります、それ以外の決裁文書に対する取り扱いについて私は承知をしておりませんので、その点についてお答えする立場にございませんし、そういうことを知っているわけでもございません」

▲佐川宣寿前国税庁長官(左)と補佐人の熊田彰英弁護士(右)

「安倍総理や総理夫人からの指示は、ありませんでしたね?」 ない、という結論に導くような自民・丸川珠代議員の巧妙な質問手法

質問者:自由民主党・丸川珠代議員

丸川議員「3月12日の理財局の調査報告により、国会の議論が、この1年近くにわたって、書き換えられた公文書に基づいて行われていたことが明らかになりました。民主主義の根幹を揺るがす由々しき事態です。

 国民の行政の信頼の回復を図るために、そして、佐川さんが財務省に残してきた後輩たちのためにも、誰の指示で、なぜ書き換えが行われたのか、知り得る限りの事実をお話ください。よろしくお願いいたします」

佐川氏「この案件は、まさに理財局の国有財産行政における現場、近畿財務局における個別の案件でございますので、そういった資料は現場にございます。したがいまして、こうした資料要求にする対応は、理財局の中で国会対応をしておりましたので、理財局の中で行ったわけでございます。そういう意味では、私たちどもは、個別案件につきまして官房にご相談するようなことでもございませんし、報告をするようなことでもございませんし、まして官邸にご報告するようなことはございませんでしたので、まさに本当に理財局の中で行った話でございます。

 私が書き換えられました文書についてどういうふうに認識したのかという点については、まさに書き換えられた決裁文書に関わる問題でございますので、その点につきましては、今、刑事訴追の恐れがございますので、答弁はご容赦させていただきたいと思います」

丸川議員「この書き換えを、誰が指示したのかというのは、国民の非常に大きな関心の的でございます。理財局の内部で書き換えが行われたということでございますが、改めて確認をいたします。佐川さん、あるいは理財局に対して安倍総理からの指示はありませんでしたね?」

佐川氏「ございませんでした」

丸川議員「念のためにうかがいますが、安倍総理夫人からの指示もありませんでしたね?」

佐川氏「ございませんでした」

丸川議員「少し丁寧に聞きます。官邸の官房長官、官房副長官、総理秘書官からの指示はありましたか?」

佐川氏「ございませんでした」

丸川議員「では、安倍総理の秘書官からの指示はありましたか」

佐川氏「ございませんでした」

丸川議員「ここまでの証言踏まえますと、まず官邸からの指示はなかったということになります。間違いありませんか」

佐川氏「間違いございません」

丸川議員「財務省内についても、念のためうかがいますが、麻生財務大臣からの指示はありましたか」

佐川氏「大臣からの指示もございませんでした」

丸川議員「麻生財務大臣の秘書官からの指示はありましたか?」

佐川氏「財務大臣秘書官からの指示もございませんでした」

丸川議員「財務省の事務次官、官房長等の大臣官房や他の局の幹部からの指示というのはありましたか?」

佐川氏「大臣官房その他の部局からの指示もございませんでした」

丸川議員「念のためうかがいますが、他の局の幹部と書き換えを図ったということがございますか?」

佐川氏「私が理財局長時代に、この資料の対応をしているということでございますので、そういう意味では理財局の中でやっているということでございまして、他の局の幹部と相談すると、私が相談するということもございませんでした」

金子委員長「もう一度、佐川証人」

佐川氏「失礼いたしました。理財局のなかだけでやったことでございます」

「書き換えはあった。当時の理財局長として自分にも責任」としながら、いつ、誰が、なぜやったかについては頑なに答えず

丸川議員「佐川さん自身が当時の理財局長として責任はあるとおっしゃっている。一体、どのような責任が書き換えに関してあるのか、もう一度、ご答弁ください」

佐川氏「今回、財務省の方で、この決裁文書の書き換えに対する調査結果を事実として国会に報告したということですので、書き換えはあったということだと思っております。そういう意味では私自身が当時、担当局長、理財局長として、そういうことをしたということですので、大変、重い責任があると思います」

丸川議員「誰の指示で行われたか、いつ行われたかは別として、この書き換えは安倍総理や総理夫人の名前を記録から消すために行われたのでしょうか?」

佐川氏「大変、申し訳ございませんが、この決裁文書の書き換えの、いわゆる経緯に関わるお話でございます。したがいまして、その決裁文書で、誰が指示をしたのか、どのような対応で書き換えが行われたのかということ、そのものが捜査の対象となっているわけでございますので、大変恐縮でございますが、刑事訴追の恐れがございますので、答弁を控えさせていただきたいというふうに思います」

丸川議員「まず1点目の、事前の価格交渉、あるいは価格の提示についてうかがいますが、佐川さんが最初に答弁に立ったのは、昨年の2月15日です。この当初の答弁から、しばらくの間を見ておりますと、当初、まず原理原則にのっとって、事前の価格の提示や、あるいは価格の交渉はないということをお答えになっておられます。まさに、あの予算決算会計令に基づいて処理をした結果、そうなりますということをお答えになっているわけでありますが、実際、書き換え前の決裁文書を見ますと、そのままの答弁ですと、誤解を生じるかもしれないという答弁内容になっていまして。たとえば、概算額を伝えるという言葉であったり、度重なる森友学園とのやりとりがこの決裁文書に記載されております。今からご自身の答弁を振り返って、自分の答弁は誤解を与えるものだったと思いますか?」

佐川氏「昨年の答弁を自分の記憶で振り返りますと、価格についてこちらから価格を提示したこともないし、向こうから言われたこともないという報道を私も耳にします。私は報道されている部分の前にですね、不動産鑑定にかけて、そういった価格について、申し上げたことはないというふうに答弁をしております。

 それに加えまして、これも何度も答弁をしておるんでございますが、公共随契も含めまして相手方と土地の売却を行うとき、当然先方も含めて、価格がどうなるかっていうのは、高い関心でございますから、そういう話になります。そこは当時もお答え申し上げましたが、路線価とか、公示地価とか、そういうものはオープンになっておりますので、現場においてそういう価格の話をすることはありますが、それは当然、最後は不動産鑑定価格によって決定をしますという答弁を随分させていただいておりますので、そういう意味では、私自身の答弁は、今でもそういう答弁で正しかったというふうに、私は考えております」

丸川議員「ご自身の答弁が間違いないものであったとするならば、なぜ書き換えが行われたと思いますか?」

佐川氏「私が先ほど答弁した私自身の答弁のお答えはできるんでございますけれども、そこの書き換えを行われた決裁文書に関わる事柄につきましては、私自身、刑事訴追の可能性があるということでございますので、その点についてはご理解賜りたい」

▲自由民主党・丸川珠代議員

「交渉記録は破棄した」という昨年の答弁は、財務省の文書管理規則の一般論を話しただけ?

丸川議員「佐川さんの答弁、2つ目のポイントに、交渉記録、面会記録は残っていないというのがございます。この点についても財務省の行政文書管理規則に基づいて、たとえば面会記録は保存が1年間、1年未満なので、事案の終了時に廃棄するということになっているので、廃棄されていると、原理原則に基づいて答弁をされているわけです。しかしながら、後の予算委員会で、国会議員からの質問で、文書管理規則の中には、重要な実績が記録された文書について10年の保存期間がかかっているということを指摘されて、また、その後、さらに佐川さん自身が重要な契約書とか売り払い決議書とか、そういうものについてはきちんと30年保存しておりますと重ねているわけです。

 実はこの答弁をトレースしていくと、決裁文書をきちんと確認していれば、面会記録がなくても、詳細の交渉の過程がわかるということは明白です。にもかかわらず、当初の答弁というのは必ずしもそうなっていない。ここで、佐川さんはいつ、そもそも近畿財務局が保存している決裁文書を確認したのかという疑念がわくのですが、おうかがいします。佐川さんが一連の決裁文書、特に近畿財務局に存在する決裁文書一言一句について目を通したのはいつごろのことでしょうか?」

佐川氏「まず最初のお話についてお答え申し上げますと、交渉記録に関する答弁を何度もしておりまして、財務省の文書管理規則には表が実はございまして、決裁文書は30年とか、それ他は10年とか書いてありまして、それ以外の規則のところで、交渉記録等につきましては、財務省中の取り扱いとして保存期間1年未満、具体的には事案終了とともに廃棄という規定になっておりますので、そういう取り扱い規定について、国会で申し上げました。

 そういう意味では、財務省の文書管理規則について申し上げてですね、その規定について、申し上げただけだったわけでございますので、そういう意味では、そういう取り扱い規則について、申し上げたということでは大変、確かに今、思いますれば、国会対応について、丁寧さを欠いていたというのは、もう間違いのないところでございますので、その点につきましては大変申し訳ないというふうに思っております。

 いわゆる決議書、今回書き換えが行われた決裁文書を詳しく、いつ見たのかというご質問でありますが、この問題で捜査の話になると、この決裁文書を私がいつ認識したのかというのは、大きなひとつの観点だろうというふうに思いますので、その点につきまして、さらに、まさにその刑事訴追の可能性ということでございますので、ご答弁を控えさせていただきたいというふうに思います」

丸川議員「丁寧さを欠いていたたという証言がございました。その意味するところが今ひとつよくわかりません。もう少し具体的にお話いただけますか?」

佐川氏「はい。交渉記録に関して財務省の文書管理規則が、そういう取り扱いであったということのみを述べていたということでございますので、そういう意味では大変、質問に対する丁寧さを欠いていたということだろうというふうに今、反省をしております」

「少なくとも、総理、総理夫人、官邸の関与はなかったという証言を得られました」!?――高らかに宣言して質問を終えた丸川議員

丸川議員「森友学園への国有地の貸し付け、ならびに売り払いの取引そのものに、総理あるいは総理夫人が関わっていたかどうかというのも国民の大きな関心事です。安倍総理、あるいは総理夫人から、森友学園との国有地の貸し付け、売り払いについて何らかの指示がありましたか?」

佐川氏「貸し付け契約、それから売り払い契約が行われた。売り払い契約が実質的に結ばれた28年の6月の半ばということでありますと、私が理財局にはおりませんで、現場で私が対応したわけではないんですが、昨年の国会答弁を通じまして公的取得要望から始まって貸し付け契約、売り払い契約の経緯について勉強もし、局内でもいろいろ聞いて、過去のものも見ていますけれども、そのなかで総理や総理夫人の影響というのがあったというのは、私はまったく考えていません」

丸川議員「総理の意向を受けて、官房長官、官房副長官、総理補佐官、あるいは総理秘書官、その他の官邸関係者から指示がありましたか?」

佐川氏「今申した通りでございますけど、昨年、私が勉強した範囲でございますけど、そういうものも一切ございませんでした」

丸川議員「書き換え前の文書の中に、特例的な内容、特例的な処理、特例承認あるいは本件の特殊性という言葉が出てきます。これらの特例的、あるいは特殊性という言葉が官邸の関与を意味しているのでしょうか? あるいは総理夫人の関与を意味しているんでしょうか?」

佐川氏「普通、国有財産は売却が中心でございますが、貸し付けをすることもできることになってございまして、通常はやはり売り払いをするためにも3年程度の賃貸貸し付け契約というのが通常ですが、通達上3年と書いてあるんですが、これによらない場合には、本省の特例承認をもらって、変えることができるということで、実はこれは定期貸借契約でございますので、法令上10年が最低期間でございました。

 したがいまして、この3年では間に合わないので、本省の特例承認をとるということで、本省で特例承認をしたということでございまして、その特例承認というのは、そういう意味でございますというのを昨年も答弁をしております」

丸川議員「では、総理夫人が森友学園の名誉校長であることが、貸し付け契約や売買契約に何らかの影響を与えた経緯はありますか?」

佐川氏「総理夫人が名誉校長であるという話は、2月の最初の報道で、私も知りました。ただ私、昨年ずっと勉強しておりますが、やはりきちんとこの貸し付け契約、あるいは売却契約ともに、すべて不動産鑑定にかけた価格契約をしておりますので、そういう影響はございません」

丸川議員「それならばなぜ、書き換えを行って、安倍総理夫人の名前を削除したんでしょうか?」

佐川氏「補佐人の助言を求めてよろしいでしょうか?」

(※委員長が許可し、佐川氏が補佐人に助言を求める)

佐川氏「失礼いたしました。書き換え前の決裁文書に関わる話全般につきまして、やはり経緯そのものでございますので、そこは答弁を控えさせていただきたいと思います」

丸川議員「では、改めてうかがいますが、この森友学園への国有地の貸し付け、ならびに売り払いに総理、および総理夫人が関わったことはないと断言できますか?」

佐川氏「私が昨年、勉強して、ずっと一連の書類を読んで、国会で答弁させていただいたなかで言えば、総理も総理夫人の影響もありませんでした」

丸川議員「ありがとうございました。少なくとも今回の書き換え、そして森友学園に国有地の貸し付け並びに売り払いの取引について、総理、総理夫人、官邸の関与はなかったということは、証言を得られました。ありがとうございました」

「谷さんが昭恵夫人の秘書だとご承知ですね?」「田村室長は知っていたようで」と、まるで他人事のような回答

質問者:民進党・小川敏夫議員

▲民進党・小川敏夫議員

民進党・小川議員「証人も答弁されるとき、分厚い想定問答集と思われる、そういう資料に基づいて答弁されておられたわけですけども。こうした森友の関係に関する答弁についてですね、当然証人の答弁は、事前に財務省内あるいは理財局内ですね、皆さん集まって、想定問答をして協議して答弁内容を決めてきてから、その内容にしたがって答弁していたと、こういうことでよろしいわけですね?」

佐川氏「基本的に国会答弁を事務方、局長がする場合には今委員がおっしゃったようなことでやっているわけでございますし、私も昨年、その、基本的には、部下職員が質問通告を受けまして、それに沿ってある程度答弁を書いて、その上で、私に渡して、私が読み込むというそういう作業でございました」

小川議員「私が質問したかった、あるいは言いたかった趣旨はね、証人が答弁を間違えたと、それに合わせたということではなくて、答弁自体の内容がですね、部内で十分協議した上での答弁ですから、答弁に合わせたんじゃなくて、答弁内容を決める部内の協議の上、部内の協議自体がですね、そもそも、改竄後の資料と合致していたと。こういうふうに考えておるわけですが、この指摘についてはいかがですか?」

佐川氏「基本は答弁書に沿って答弁をしてございましたが、今ちょっと委員がおっしゃいましたように、それぞれ協議をしているという、そういう余裕もございませんでしたので、各原課が書いたものを、局長室に入れていただいて、そういうものを読み込んで答弁をしていたということでございますし、その答弁では、答弁し切れないような答弁もあったということでございます」

小川議員「まず、谷さんが昭恵夫人の秘書だということは当然ご承知ですね?」

佐川氏「当時の室長は知っていたようであります」

小川議員「谷さんが籠池氏の要望事項を伝えた。その文面には、買い取り価格がべらぼうに高いんだという籠池さんの要望事項が入ってました。そうしたことも、谷さんから、田村室長に伝えられたということでよろしいわけですね?」

佐川氏「ちょっとどういう会話を具体的にしたか、大変申し訳ありませんが承知してございませんが、あそこのファクス、谷さんが籠池さんに送ったといわれているあのファクスは、私も当時、読みました。そのときには定期借地の話とか、有益費の話とか、工事の予算化の話とか、そんなのが4つか5つか書いてあったというのが自分の意識でございまして、何か個別にどういう、田村室長がやりとりをしたかというのは、そこはちょっと承知してございません」

小川議員「回答書を見るとね、電話でのやりとりであれだけの文書がまとめられるかというほど、非常に精緻な回答内容なんですがね。籠池氏の、どういう具体的な要望だったかということを示すには、籠池氏が書いてきたコピーを渡して説明すれば一番簡単なんですが、田村室長はその点についてどこにしたんですか。そういう要望事項は電話で聞いただけだということなんですか?」

佐川氏「私が聞いたのはもう電話の答えをしたというのを聞いてございますし、それから昨年私はご答弁申し上げましたが、谷さんが書いたと思われる返事も、実はいくつか間違いがございまして、実務的な話でございますが、そういうことも答弁をさせていただいたところでございます」

「昭恵夫人からも聞いてもらった」という籠池氏の発言を、近畿財務局は具体的な確認もせず鵜呑みにした?

小川議員「3月15日ですか、28年の3月15日、要するにゴミが出てきたらどうのこうの、という話が3月11日ですか、ゴミが出たよという話があった。ゴミが本当にあったかどうかは別にしましてね。その直後の3月15日に、籠池氏が田村室長と財務省でお会いしてると、こういう会話がですね、録音テープが公開されました。

 それについて最初は、証人は、確認しなかった、実際にやってるかどうか確認しないということでしたが、最終的に5月28日になって、そういう籠池氏と田村室長の会話であるということを認めたわけでありますけれども、実はこの会話の中でですね、籠池氏がこういうふうに言っているんですよ。『昭恵夫人の方から聞いてもらったことがあると思う』という、籠池氏の発言があると。このことについて、当時質問されて、証人はどのように答弁しておりましたか?」

佐川氏「大変申し訳ないんですが、私がどういう答弁を子細にしたか、まったく今、資料もありませんけれども、当時私が、田村室長が、籠池ご夫妻が財務省にお見えになったという話を田村室長を呼んで確認をいたしました。そのときの私が田村室長に確認した答弁では、籠池夫妻が3月11日にゴミが出てきて、それを何とかしてくれないと開校に間に合わないのではないかと、大変強くおっしゃられて、田村室長の方からその話は現場から聞いておりますので、近畿財務局の方とよく対応するようにというふうに言ってありますということのご返事をしたというのを当時、田村室長から私は聞きまして、そういう答弁をしております」

小川議員「田村室長から、昭恵夫人の方からも聞いてもらったことがあると思うという籠池氏の発言については、証人は、特に具体的なことについては、何も確認していないと、こういうことなんですか?」

佐川氏「私が田村室長から聞いたときには、個別の具体的なやりとりも当然私、しておりませんし、田村の方からの田村室長の方からの報告がそういう報告でありましたので、私は田村室長の方からそういう、その現場で対応しますと、先方が新しく新たなゴミが出てきてすぐ対応してほしいと言ったんで現場で対応しますと。後についてはご夫妻で交互におっしゃってっていう報告受けましたんで、その今委員がおっしゃられた、昭恵夫人に言われたみたいな話そのものを私ども知りませんので、したがって、田村室長とそういう会話を交わしようがないということでございます」

小川議員「この森友学園の国有地払い下げについてはですね、ゴミがどうだったのかということが中心の争点になりました。会計検査院はですね、後から発見されたという3.8メートルとか、くいの9.9メートルのゴミについて合理的な根拠がないと、このように指摘しております。一方で、証人の答弁あるいは理財局の説明は、そうしたゴミが出てきたからと。ゴミが出てきたという事実を踏まえて値引きを行っているということになってますが、この点について会計検査院から、そうした深いところのゴミについては合理的な根拠がないという意見が付されたことについては証人としてはどう判断しますか?」

佐川氏「独立した機関でございます会計検査院の指摘は大変重く受け止めるべきだというふうに思います。ただ当時私が勉強したところでいきますと、9.9メートルのくい、3.8メートルのところ、それから国土交通省がそういう専門家として、工事積算基準を用いて計算したというのを、私どもはそれが正しいというふうに判断したということでございます」

小川議員「交渉記録、面談記録、あるのかないのか改めて検討した事はないですか交渉記録あるいは面会記録については、事務終了後間もなく廃棄した、というようなこれまでの答弁をいただいてますが、この森友学園の問題が平成29年の2月上旬に新聞報道されて、その後国会でいろいろ審議の対象になりました。この時期に、つまり、朝日新聞の報道、2月上旬ですけれども、この報道を契機に、さらにこの交渉の記録あるいは面談記録についてですね、あるのかないのか、あるいはあるとすれば、それについて、どのように対処するかということについて、改めて、指示なり検討したことはありませんか?」

佐川氏「特段記憶はございません」

小川議員「総理が2月17日ですか、自分や妻の関与があれば、総理もやめるという趣旨の答弁がありました。こうした総理の答弁を受けて、特に証人あるいは財務局の方で、答弁に対する姿勢というものについて影響はありましたか?」

佐川氏「私もあの場で、予算委員会で聞いておりました。一緒におりましたんで。でも総理の答弁と前と後ろで私自身の答弁を変えたという意識はございません」

「本当にこれがすべてか。理財局では公文書の書き換えが日常的に行われていたのでは?」と疑問をぶつけた公明・横山信一議員

質問者:公明党・横山信一議員

公明党・横山信一議員「まず証人はこれまで、森友学園の国有地の売却は、法令に基づき適正な手続き価格で処分されたものであり、政治家などからの不当な働きかけは一切なかったというふうに答弁をされております。しかし書き換えられた内容が広範多岐にわたるので、やはり財務省幹部、あるいは政治家などの関与があったのではないかと、先ほど来、質問が出ておりますけれども、私も3月14日の本委員会で財務大臣にこのことをただしました。大臣からは『不当な圧力ということはない』と。改めて、政治家などからの不当な働きかけはないということでよろしいでしょうか?」

佐川氏「昨年の国会答弁中ずっと勉強しておりまして、その経緯を見ておりますが、そういう不当な働きかけはございませんでした」

▲公明党・横山信一議員

横山議員「先ほど佐川氏のご答弁によりますと、文書管理規則に基づいての当時の答弁だったので丁寧さを欠いていたというようなご発言がございましたが、こうしたことっていうのは、理財局長当時は資料を確認することができなかったということでしょうか?」

佐川氏「それは私の落ち度でありまして、本当にできなかったのかといわれれば、それはできたのかもしれません。ただやはり、言い訳になりますが、ああいう状況で大変な、局内の騒然とした状況の中で、やはりそれを怠ったということであろうと思います。申し訳ありません」

横山議員「理財局では公文書の書き換えが日常的に行われていたのではないかという疑問も持ってしまうわけです。このことも、私、予算委員会で質問いたしました。太田理財局長は懸念を持たれるのは重々わかっているとした上で、これで本当にすべてというふうにお答えになりました。この太田理財局長の言葉を信じてよいのかお答え願いますか?」

佐川氏「こういう国有の個別案件の決裁文書の書き換えが行われたということが事実でございますので、懸念を持たれるのは本当に当然だろうというふうに思います。ただ、その他の文書について今、私の立場であったのかなかったのかというのは、その点については私でコメントは差し控えたいということでございます」

横山議員「答弁書っていうのはやっぱり応答要領とかですね、それに沿って答弁が作られていくわけなんですが、応答要領のラインっていうのは、これは局長が指示されるものですよね。どうでしょうか?」

佐川氏「こういう個別案件でございますと、現場でいろいろ地方ともやりとりをしながら調べて、担当補佐なり、その上の人なりが書くのだと思いますので、そういう個別の案件について、私がこの知識もないのに指示できないこともございますので、そういう意味では、朝上がってきた答弁を読み込んでいたというのが実態でございます」

横山議員「当時の理財局長として、国に尽くされてきたといういろんな思いもあろうかと思うんですが、この森友学園への国有地売却に対して、理財局、そして佐川さんご自身はどのように向き合ってきたのかお伝えをいただきたいと思います」

佐川氏「ひと言で申しますと、貸し付けも売却も、そこは不動産鑑定にかけて法令に基づいて行ったというふうに考えてございます」

「昨年のあなたの答弁は、改竄前の文書に基づいていたんですね」――この単純な確認すら拒否する佐川氏の真意は?

質問者:日本共産党・小池晃議員

▲日本共産党・小池晃参議員

共産党・小池晃議員「あなたの昨年2月から3月にかけての答弁、これ、あなたが現場における個別案件と述べた意味での現場ですね。すなわち、近畿財務局と理財局の記録に基づいて答弁を行われたんですね?」

佐川氏「私の答弁の資料は理財局と近畿財務局の間で、多分その連絡を行って上がってきたものと私は理解しておりました」

小池議員「ということは、それは改竄前の文書に基づく答弁ですね?」

佐川氏「文書の書き換えがいつあったのか、私がそれをどう認識しているのかということについては、それは、刑事訴追のおそれがあるということでございますので、答弁は控えさせていただき…」

小池議員「それはおかしいでしょう。おかしいんですよ。これ改竄についての質問しているわけじゃないんですよ。答弁の根拠は、その当時は改竄前の文書でしょう。それしかないんでしょう。それを基に答弁したんじゃないですか。なんでこんなことが認められないんですか?」

佐川氏「今のご質問ですと、要するに決裁書がいつ書き換えられたのかという問題と結びつく話だと私は思うんです。そういう意味では、私自身が今、そこの捜査の対象になっているということでございますので、その点につきましては、刑事訴追の恐れがありますので、当然控えせていただきたいというふうに申し上げたんです」

小池議員「私が聞いているのは、昨年2月から3月にかけての質問の根拠は一体何だったのかということを聞いているのであって、4月4日に改竄したということは財務省は認めてるわけですよ。理財局の文書は2月から3月には改竄されてないんですよ。太田理財局長はそう言ってるんですよ。そして太田局長は、その当時の決裁文書を前提に答弁書を作るのが基本だと答弁しているんですね。ということは、あなたの昨年2月から3月にかけての答弁は、まさにその当時の決裁文書を前提に行ったんですねと。私は当たり前のことを聞いてるんですよ。なんかそれ以外にあるんですか?」

佐川氏「太田理財局長の答弁、財務省の調査に基づいてきっとお答えしているんだと思いますが、それは本当に私自身が、今の議員のご質問ですと、書き換えられた決算書そのものが、いつ私が認識して書き換えが行われたのかとか、そういうことにまさに直結する問題でございますので、そういう意味では、私自身が今捜査の対象でございますので、ご答弁を控えさせていただきたいというふうに申し上げているわけでございます」

小池議員「これはね、罪に問われる、要するに自分が訴追される恐れがあるからと答えないんじゃなくて、都合が悪いことは答えないっていうだけの話じゃないですか。こんなことやってたらこれは逆に偽証罪でね、あるいは本人の身分に関わらない証言拒否として告発しなきゃいけなくなりますよ。これを拒否するんだったらね。

 具体的にちょっと聞きますが、私は昨年3月1日、2日、2日がかりでこの場で質問しました。鴻池(祥肇・参院)議員の事務所の資料を基に、平成27年1月9日に財務局が森友学園を訪問したという事実はあるかと。私は6回聞いているんですよね。6回とも証人はこれを否定したんですよ。あのときね。しかし、改竄前の文章には、平成27年1月9日近畿財務局が森友学園を訪問し、国の貸付額を伝えるとはっきり書いてある。決裁文書に書かれていることと正反対のことをこの場で答えたんですよね。なぜそんなことされたんですか?」

佐川氏「(後ろに控える補佐人に意見を求めた後、)大変失礼いたしました。やはりこの件は私自身がその書き換えの経緯、いつか書き換えたかとかそういうことをに関わるその話でございますので、そこはお答えを差し控えさせていただきます」

小池議員「これまで拒否するんだったらこれ以上聞いたって意味ないじゃないですか。私は改竄について聞いているんじゃないんですよ。実際に国会の答弁をどういう根拠でやったのか聞いたんですよ。これね、進めるわけにはいきません」

佐川氏「今の委員のご質問は、やはりその1月9日の今の委員のご質問あったと書いてあるのが、訪問したとかしないとかのお話でございましたけれども、それはまさに書き換え前の決裁文書に書いてある話と違うじゃないかというお話でございまして、私自身は決裁文書に書いてある事実を、その決裁前にですね、書き換え前の決裁文書に書いてある事実をいつ知ったかということそのものはやはり、私自身がその決裁文書にどういうふうに関わったか、いつ認識したのか、経緯がどうかという、まさにそういう問題そのものでございますので。したがいまして、私は今告発をされてる身でございまして、そういう意味では、刑事訴追の恐れがあるということで答弁を控えさせていただいております」

「安倍昭恵さん含め、野党が要求している証人喚問をすべてやる。それ以外に解決の道はない!」と憤る共産・小池晃議員

小池議員「私は改竄が誰の指示で行われたのか、何のために行われたのか聞いているわけではありません。私が質問しているのは、なぜ当時あった文書は書き換えられる文章しかないわけですから、その決裁文書を基に答弁したんでしょうと、事実を確認してるんですよ。あなたの改竄に関する関与を聞いてるんじゃないんですよ。私が質問した時点では、改竄前の文章しかないわけじゃありませんか。それを基にしたんでしょう。なんでこんなあたりまえのことまで答えられないんですか?」

佐川氏「お答えします。今のお話は財務省の理財局長がそういう答弁をしているという委員のご指摘があって、その上でのご質問だろうと私は思いますが、私自身は理財局の調査については存じませんし、私自身が今の1月の9日についてお答えするということは、それはその決裁の文書をいつ見たかということに結びつく話でありますのでということをご答弁させていただいております」

小池議員「では、あなたは2月から3月にかけて何を根拠に答弁したんですか?」

佐川氏「それは先ほどから申しますように、質問通告があり、各課で答弁書を作り、そういうものを基本にご答弁申し上げたというのが実態でございます」

小池議員「その答弁書は決裁文書を基本に作られているでしょう?」

佐川氏「大変恐縮でございますが、その答弁が本当にその決裁文書をもって作ったのか、どういう資料をもって出たのか、それは私は各課がどういうファクトを確認しながら作ったのだというのは、私自身はその答弁書を読んでご答弁申し上げているんでございます」

小池議員「こんな無責任な話がありますか。一体何を根拠に作ったのかわかりませんって、そこでも部下に責任を押し付ける議論になっちゃいますよ。さらに聞きますが、先ほどからも議論ありますけれども、私は予算委員会でこの問題を質問したときには総理に対する質問として通告をしております。ところが、局長が出てきて代わりに答弁されることがたびたび、あったわけですね。結局、この間の予算委員会では内閣官房にも質問通告しております。当然、あなたの答弁内容は、当然首相官邸と調整しているということになるんじゃないですか?」

佐川氏「先ほども申しましたが、理財局は書かなくちゃいけない答弁というのは理財局で書いて、それを大臣なり総理にお渡しするということでございますので、その調整とかっていうことじゃなくて、個別の案件については、理財局が少し簡単にしたものをお届けするというのが実態だったと思います」

小池議員「実務的な中身じゃないんですよ。極めて政治的な中身の質問なんですよ。これをね、官邸と調整したり質問したりしないで答弁書を作るなんてあり得ない話じゃないですか、どう考えたって。総理と食い違ったらどうするんですか。総理と食い違ったらどうするんですか。それでもやっちゃうわけですか。そんな無責任な話が説明が成り立つわけないじゃないですか?」

佐川氏「何月何日に現場でその職員と業者とか相手方と会ったとか、極めて実務的な話でございまして、そういうものを総理官邸と調整するということは通常は考えられないわけでございます」

小池議員「実務的な話以外にもたくさん質問しているんです。特に昭恵夫人との関わりですね。そして先ほど、証人はですね、答弁にあたって勉強したと、一連の書類を読み込んだと。絶えず携行していたということはですね、よく把握してたはずなんですよ。決裁文書の中身を。そうでしょう、先ほどそうおっしゃったんだから。そういう中で、安倍昭恵さんの名前が決裁文書に出てきているわけですね。いつ知ったかは言えないって言うんだったらいいですよ。見たときいつですか。決裁文書を見たときに、安倍昭恵さんの名前が出てると。これは特別なことだという感じもしませんでしたか?」

佐川氏「ご質問の趣旨が決裁文書を見たかったとおっしゃってるんですね。先ほどから申し上げてますように、いつ見たか、そういう決裁前の文章を書き換え前の文章とか書き換えた後の文章をどの時点で見たかということになりますので、その点は先ほどと同じだというふうに理解してございます」

小池議員「私いつ見たかって聞いたんじゃなくて、安倍昭恵さんの名前は何度も出てくると、それをいつかの時点ではごらんになったでしょ。いつ見たかは言えないっていうんですけど。見たときに証人はどういう印象で受けとめたんですが、安倍昭恵さんの名前が何度も出てくるということについてお答えください」

佐川氏「いつ見たとは聞いておらないけど、いつか見たんでしょうっていうのは、やっぱりいつ見たのかというご質問でございますので、それはもう見たのか見ないのかというご質問でございますから、それは私自身がその書き換えられて決裁文書、いつ認識したのかという問題そのものでございますので、お答えは差し控えさせていただきます。大変恐縮でございますが、まさに書き換えが行われた決裁文書に関わる問題でございますので、答弁を控えさせていただきたいというふうに思います」

小池議員「これでは証人喚問の意味はまったくありません。訴追のおそれがあるということ以外のことって全部答えないんですよ。これ以上聞いたって意味ないでしょ、これ。私はこの証人喚問で終わりにするわけには絶対いかないと思います。佐川さんだけじゃなくて、安倍昭恵さん含めてですね、野党が要求している証人喚問をすべてやる、そのこと以外に解決の道はないということは申し上げて、終わります」

自由・森ゆうこ議員が喝破! 「上の指示はないと断定しながら、肝心の動機は答えない。あなたは下の人たちに責任を押しつけている」

質問者:日本維新の会・浅田均議員

▲日本維新の会・浅田均参議院議員

浅田議員「どうして定借を買うようになったのかという経緯のご説明のところです。それで、経緯に関しましては、時間が切迫していると、だから自分ところで買い取って、新たに深いところから見つかったとされるゴミを自分のところで撤去したいと、そういうご提案とともに買いたいという向こうからのご提案があったということでございますけれども、これは、答弁調整をされて、ご自身でご理解の上でご発言されていると理解していいんでしょうか?」

佐川氏「この経緯は理解して答弁をしております」

浅田議員「会計検査院の検査が去年3月7日から始まっています。当時まで理財局長でいらして、かつその次長の発言によると『2月下旬から4月にかけて、改竄作業が行われたと認識している』とお答えになっています。その改竄作業の真っ最中に会計検査院の検査が始まって、そのとき理財局長として会計検査院にどういう文書を提出されたか記憶はありますか?」

佐川氏「独立した会計検査院の検査でありますので、窓口が総務課だったと思いますが、会計検査院からこういう資料を出してほしいと言われれば、それは出しますという報告があったので、それは求めに応じて出してくださいと答えた覚えがあります」

質問者:自由党・森ゆうこ議員

▲自由党・森ゆうこ議員

自由党・森ゆうこ議員「官邸の今井秘書官と森友問題で話したことはまったくありませんか?」

佐川氏「私は国会答弁中は、下の者と部下職員とやっていますし、官邸との関係につきましては、官邸の秘書官が、私どものたぶん課長クラスと思いますが、課長クラスと調整をしていたと思っています。調整というのは、こういう答弁ができたので、こういう答弁をお届けするということだと思っています」

森議員「いや、答えていないですけど。今井秘書官と森友問題で話したことはないんですか?」

佐川氏「私の国会答弁に関して、私が今井秘書官と話をしたことはありません」

森議員「そんなことは聞いていません。答弁に関してとは聞いていません。森友問題について、官邸の今井秘書官と話をしたことはないんですね?」

佐川氏「この森友問題について、今井秘書官と話したことはございません」

森議員「そうやってはっきり言えばいいと思いますが、この間のあなたの答弁は上の指示がなかったと断定をしながら、肝心の動機、誰が、いつ、なぜということは答えない。結果として、この先もあなたの部下、後任の人たちが大変厳しい状況に置かれる。つまり下の人たちに責任を押しつけているという自覚はありますか?」

佐川氏「刑事訴追の恐れのある話なので、その旨を答弁させていただいております」

(前・文科事務次官の前川喜平氏は、2018年3月29日岩上安身のインタビューに答えて、この森ゆうこ議員による今井秘書官との関係追及に関してコメントしています。是非下記のハイライト動画をご視聴下さい。)

※「佐川氏は偽証するときは腹を決めて言い切る」!? 前川喜平氏が指摘する佐川前国税庁長官国会証人喚問のポイント!森ゆうこ議員による今井秘書官との関係追及に2度はぐらかし失敗!?180329
https://youtu.be/pbj4103Jn_g

「捜査の対象なので」を連発、改竄の経緯を語らない佐川氏が、なぜか総理官邸や大臣の関与だけは明確に否定!

質問者:立憲民主党・福山哲郎議員

立憲民主党・福山哲郎氏「あなたとは、震災のとき対策本部次長としてがんばっていただいたと思っているので、こういう場でお会いすると本当に残念に思っております。国民のために、また財務省は未来永劫続きます。財務省の信頼回復するために正直に答弁をいただきたいと思います。頭脳明晰な佐川さんの割にはちょっとわからないんですよね。法令にのっとって契約したんですよね。じゃあなんで文書を改竄する必要があったんですか?」

佐川氏「大変恐縮でございます。書き換えが行われた決裁文書の経緯等につきましては、私も告発されている立場でございますので、ご答弁は控えさせていただきたいと思います」

福山議員「文書の改竄についてあなたは関わっているかいないか、関わっていないなら、ここで明確に関わっていないとおっしゃればいい。ここは証人喚問の場だから。事実を解明する場だから。あなたが言うように理財局でやったという中で改竄したと言っているなら、あなたはその中の1人としては関わっているということですね?」

▲立憲民主党・福山哲郎議員

佐川氏「今の質問もまさに、今の捜査が行われている中の話であり、誰がどういう風に関与したのかは、私も含めて捜査の対象になっているということでございます」

福山議員「関わっていないなら、関わっていないと言ったらいいじゃないですか。あなたもそのうちの1人ということですね?」

佐川氏「その点も含めて、まさに誰がどういう経緯でというのは捜査の対象になっているということでございます」

福山議員「もうひとつ、わからないんですね。改竄の経緯については刑事訴追の恐れがあると言ってまったく答えないのに、何で総理官邸の関与や大臣の関与だけは明確に否定されるんですか。これも経緯なんじゃないですか?」

佐川氏「冒頭申し上げましたが、この案件はまさに国有財産の売却という個別案件でございまして、そういうものは理財局の中で対応するものでございまして、昨年の中で、私は理財局長をしておりました間、そういう観点になり、大臣とかそういうところからの指示がなかったので、指示はありませんでしたというふうにお答え申し上げたところでございます」

福山議員「関与していたかどうかわからないあなたが、指示をもらったかどうかなんてあなただって、そんなこと関係ないじゃないですか。関与したかどうかも言ってないんだから、まったく矛盾していると思いますよ。あなたが改竄前の文章を、少なくとも国会であると言ったのは2月27日です。3月2日、私とのやりとりです。委員長、ちょっと議事録をお見せしてもいいでしょうか?」

金子原二郎委員長「速記を止めてください」

「非常に理解しがたい答弁が多数。あなたは火に油を注いだ!」――立憲民主・福山哲郎議員が佐川氏を批判

福山議員「3月2日、明確に決裁文書の存在を認めています。27日も認められました。この時期には改竄前の文章があることはご存じでしたね?」

佐川氏「今の読ませていただいた最初のところでございますが、決裁文書は30年保存という文書管理規程がございまして、当然そういうものはあるだろうというふうにはわかっておりましたので、そういうことをまさに、自分が見たかどうかということと、コメントとは関係なくそういう決裁文書はあるだろうということを申し上げたわけでございまして、私自身が、いつその決裁文書を認識したかという点につきましては、その点については答弁を差し控えさせていただきたいというふうに思っております」

福山議員「まったく理解できません。だってその後、答弁ずっとしてるんだから。そして、さらにここで改竄前の決裁文書と別の虚偽の答弁をされています。虚偽の答弁は、どこで誰が何の根拠を作ったんですか?」

佐川氏「今委員がその虚偽の答弁とおっしゃいましたが、それは虚偽の答弁であったかどうかは、私自身がその書き換えられた決裁文書をどの時点で、いつどういうふうに認識したかにかかわる話でございまして、それが本当に虚偽の答弁があったのかの認識に関わる話だというふうに思っておりますので、その点についても同様でございまして」

福山議員「昨日の太田局長の答弁で完全に異なっているんですが、虚偽がどうかは別にして、この答弁書を原課が作ったということで先ほど言われたのですね。この原課が虚偽かどうかは別にして、あなたの虚偽の答弁をベースに原課が作った。原課は当然大臣官房に審査を受けてますね。これはイエスかノーで答えてください」

佐川氏「最初の虚偽の答弁うんぬんの話は、まさにその決裁文書の認識の話でございますのでお答えを差し控えます。それから、理財局の答弁は、ああいう状況の中で、官房の決裁というものを別にできるわけではなくて、まさに、原課が作ったものを局長室に入れていただいて、私が日々大量に持ち込んで読んでいたというのが実態でございます」

福山議員「非常に理解しがたい答弁がたくさんあります。もう本当に信じられません。あなたは先ほど、勉強の成果で、安倍昭恵総理大臣夫人等の関与はなかったと言われました。ここは証人喚問の場です。あなたの勉強の成果を聞く場ではありません。ファクトに基づいたわけではないですよね。勉強の成果ということは、そこからひと言お願いします」

佐川氏「貸し付けも売却も鑑定士にかけた基で契約書を作っているということでございます」

福山議員「勉強の成果とあなた言ったから、私はそう申し上げているんです。非常にこの証人喚問が逆に疑惑を深めて、証人は来ていただきましたけども、あなたは火に油を注いだと、そのことを申し上げて、終わりたいと思います。ありがとうございます」

質問者:無所属クラブ・薬師寺みちよ議員

無所属クラブ・薬師寺みちよ議員「総理を心配して国会答弁が変わったという事はございませんか?」

佐川氏「ございません」

薬師寺議員「一部の議員は改竄ではないかと受け止めています。どうお考えになっていますか?」

佐川氏「重く受け止めています」

▲無所属クラブ・薬師寺みちよ議員

薬師寺議員「全国の公務員の信頼に関わる。メッセージを発信していただきたい」

佐川氏「全国の公務員の信頼が失われることがあれば本当に申し訳ないと思っております」

(了)

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