【岩上安身のファイト&スポーツ】体重超過のルイス・ネリ選手、元WBCバンタム級王者の山中慎介選手を2回TKO!――那須川天心選手が「やるしかないな」とツイート、まさかのネリへのリベンジか!? 2018.3.1

記事公開日:2018.3.5取材地: テキスト
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(岩上安身)

 両国国技館から。2年数ヶ月ぶりにリングに上がる粟生隆寛(あおう たかひろ)が、メキシコのガマリエル・ディアス相手にカムバック戦。互角の攻防が続いていたが、3ラウンドの終わり、サウスポーの粟生の左ストレートが真正面から決まり、相手が真後ろに倒れるダウン! 相手、ゴングに救われる。

 粟生も33歳と若くはないが、相手のガマリエル・ディアスは37歳とさらにロートル。40勝18敗という戦績を見ても、粟生に勝たせて自信を持たせる試合。かつての天才、高校6冠、二階級制覇王者の輝きは見られないが、人生をかけたカムバック戦、ものにしてもらいたい。4ラウンドは互角。

 粟生、KOできずに判定勝ち。リング上でインタビュー。途中から泣き出して言葉にならない。これが粟生。気持ちが優しく、勝負師の性格ではない。そんな粟生に、ファンが温かく拍手を送る。ボクシングは才能だけで勝敗の決まるスポーツではない。メンタルがいかに大きいか。

 さて、セミファイナルである。岩佐亮佑(りょうすけ)のIBF世界スーパーバンタム級初防衛戦。岩佐はかつて日本バンタム級タイトルマッチで、今夜の主役山中慎介に逆転負けした過去がある。因縁の2人が並んで防衛戦を戦うドラマ。

 1ラウンド。サウスポー岩佐の右のリードがいい。そして時折放つ左のストレートが的確に顔面を直撃する。2ラウンド、相手が少し前へて出てきたが、岩佐ペース。3R、相手も出てくる。岩佐の左の拳の位置が低いのが気になる。

 降着戦が続く。岩佐の左ストレート、当たるのだが、踏み込みが浅い、体重が乗らず、手打ちでダメージブローとならない。10R目など、反撃にあっていた。恐怖心を乗り越えて、踏み込んで撃ち込まないと。フルラウンドにもつれるかも。

 結局、ダウンもなく、フルラウンド判定へ。隣の席の連れは、中盤からずっと寝ていた。客を寝かしてしまうボクシングをしていちゃ、世界チャンピオンの名が泣く。判定はユナニマスで岩佐へ。しかし、、、。

 さてさて、メインイベンター、山中慎介の登場。一時、スリーピーだった会場が盛り上がる。勝って負けても、この山中の勇姿を見るのはおそらくは最後。大歓声で山中入場した後、ネリ入場とともに大ブーイング!

 ゴングが聞こえないほどの歓声。いいスタートを切ったように思えたが、後半、スリップ、その直後、明らかなダウン。1ラウンドをなんとかしのいだが、2ラウンド、連続して3回ダウン、ノックアウト負け。相手の体重超過があるにせよ、完敗。ネリ陣営の喜びようにまたまたブーイング。しかし敗北は敗北。

▲山中、ネリとの再戦で2回TKO負け 王座は空位に/BOX(サンスポより、2018年3月1日)

 内山が敗北して、リマッチに挑んだ試合、大田区体育館に見に行ったときの試合を思い出す。やはり年齢もある、全盛期を過ぎた、衰えもある。勝ちに行くつもりでも勢いが違う。山中が去った後、なおリング上ではしゃぐネリ陣営。体重超過で王座を剥奪されてなんでそう喜べるのか。ネリという、とことんのヒールの誕生。

 ネリの身体は一回り大きく見えた。セミのスーパーバンタムの岩佐よりもがっちりした肉づき。ドーピング肉を食べまくって体重超過で、王座を剥奪されても構わないから相手をぶっ倒しに行く。こんなやり方がまかり通るとボクシングが成り立たなくなる。憤懣やるかたなく、国技館をあとにして、連れとネリへのリベンジ案を会議。

 ちゃんこ屋でのリベンジ会議。以下は、居酒屋トークなので、ゆるーくお聞き流しを。

 4人中、3人は山中引退。1人が山中復帰案を提唱。しかしネリは避ける。最後は納得してやめてもらいたい。ネリのような反則野郎とはやらない、やらせないと。

 しかし、ネリへのお仕置きは誰がやるべきか。第1候補は、やはり本命は井上尚弥(なおや)。しかし体重を超過したネリには井上でもヤバイのでは?との声も。問題は帝拳の山中の仇を大橋ジムの井上が討っても盛り上がるのか?という疑問。

 そこで出てきた第2案は、那須川天心をコンバートして、帝拳からデビューさせ、ネリをたたきのめすという案。那須川は帝拳で練習していて、山中とも親しいと言われる。那須川に弟分として仇を討ってもらう。これはウケるのではないか。

 そうは言ってもやはり本心を言えば、山中自身にネリに対してリベンジしてもらって、燃え尽きて、引退の花道を飾ってもらいたいのが本音。とはいえ、今日の戦いぶり、あるいは負け方を見ると、無理だな、と思わざるを得ない。パンチに対して、脆すぎる。しのぎを削る戦いはもう無理だろう。

 その夜、那須川天心が「やるしかないね」とつぶやいているのを見かける。那須川天心選手が何を「やるしかないな」と言っているのか、非常に気になる。まさかのネリへのリベンジ?

▲那須川天心ツイートより

 「やるしかないな」の一つ前のツィート。山中対ネリ戦の理不尽を指していることは明白。

▲那須川天心ツイートより

 ネリへの処分は可能な限り重いものを。でなければこうした卑劣な行為はなくならない。が、そうは言っても勝負。我々ファンとしてネリをKOする日本人選手の登場を切望する。

※2018年2月28日、3月1日付けの@iwakami_fightでのツイートを並べて掲載しています。

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