日報は隠していない!? 辞める理由は「監督責任」!? 部下の報告やメモは「見ていません」「知りません」「承知しておりません」〜特別防衛監察報告を受け稲田朋美防衛大臣が辞任 2017.7.28

記事公開日:2017.7.28取材地: テキスト動画
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(城石裕幸)

 真実は有耶無耶にされてしまうのか。

 7月28日午前、防衛省で稲田朋美防衛大臣の辞任記者会見が行われた。

 冒頭、稲田氏は南スーダンにPKO部隊として派遣された陸上自衛隊の日報隠蔽問題について、特別防衛監察の結果を報告した。昨年7月の日報開示請求に対する非開示、開示請求後の廃棄、日報発見後の大臣報告の遅れなどについて、情報公開法や自衛隊法に違反するなど、「不適切な対応」があったと述べ、防衛事務次官のほか、3名を停職に、陸上幕僚長を減給処分にしたと発表した。

 稲田氏は、防衛省・自衛隊にとって「大変厳しい結果が示された。責任を痛感している」として、防衛大臣としての職を辞すると発表。安倍晋三総理に辞表を提出し、受理されたことを明かした。後任は当面、岸田文雄外務大臣が兼務する。

▲稲田朋美 防衛大臣(2017年7月28日)

■ハイライト

  • 会見者 稲田朋美氏(防衛大臣、衆議院議員)
  • タイトル 稲田朋美 防衛大臣 記者会見
  • 日時 2017年7月28日(金)10:45〜
  • 場所 防衛省(東京都新宿区

自身の隠蔽関与はなかったと認定!?大臣室での報告報道も否定!!

 しかし、自身の関与については、「日報データの存在についてなんらかの発言があった可能性は否定できないものの、書面を用いた報告がなされた事実や非公表の了解を求める報告がなされた事実はなかった。また、私より公表の是非に関するなんらかの方針の決定や了承がなされた事実もなかった、と認定されております」と報告した。

 そのうえで、「私自身、報告を受けたという認識は今でもない」と関与を否定し、「私のこれまでの一貫した情報公開への姿勢に照らせば、そうした報告があれば、必ず公表するように指導を行ったはずですが、監察の結果は率直に受け入れます」と述べた。

 稲田氏は、「大臣室で部下から大臣に『日報のデータが存在する』との報告が行われた、とのメモが存在する」という報道も事実ではないと否定した。

記者からの隠蔽関与追及にも「承知していない」で押し通す稲田氏

 報道陣からは、「複数の部下が『(2月13日、15日に)確かに報告した』と言っているが嘘の証言だというのか」、「一連の報道はフェイクニュースだということか」といった追及が続いたが、稲田氏は、「承知しておりません」、「わかりません」と繰り返し、報道に出ているメモについても「見ていません」、心当たりも「ありません」とやり過ごした。

 IWJが、「自衛隊内から情報が複数出てくるというのは、隊内から大臣として信頼されていない、大臣を辞めて欲しいという表れではないか」と問うと、「内部からの情報流出を匂わせるような報道が相次ぐことで、防衛省・自衛隊のガバナンスについて国民の皆様方に疑念を抱かせる結果になったと思っている」と答えた。

 素直に反省の弁を述べているようにみえるが、情報流出そのものについては遠回しに否定し、自身への批判・責任追及も主語を曖昧にしている。「疑念を抱かせる結果になった」とはつまり、「実際には悪いことは何もしていない」という意味だと受けとめざるを得ない。

 稲田氏はこの日、他にも「信頼を損ないかねない印象を与え」、「誤解を招きかねない発言」などの言葉を随所に用いた。あくまでも「実際には、自分は悪くない」ことを前提にした言葉の使い方だ。

日報は後から公表したのだから隠していない!?

 また、IWJが「日報隠しについて、ご自身は関係ない、全て自衛隊内の制服組のやったことだということか」と質問すると、稲田氏は次のように答えた。

 「そんなことは言っておりません。しかも日報は隠したわけではありません。全部公表しております。そういう意味において私の監督・指導力、監督責任を取る必要があると考えた」

 あくまで「自分は日報隠しに関わっていないが、監督責任で辞任」し、しかも、「日報は後から公表したのだから隠したのではない」と言い張る稲田氏。文章で書き起こしてみればよくわかるが、稲田氏の発言は、前段と後段がまったくつながっていない。前段で「何も問題ない」と言いつつ、後段で「そういう意味において」「監督責任を取る必要がある」という。どういう意味において、なのだろうか?誰が聞いても意味不明であろう。これでは国民に対して説明責任を果たしたとは、到底言えない。

 また、稲田氏が日報隠蔽に関与していたのが事実であれば、官邸の意向が入っていないとは到底考えられない。安倍総理は稲田氏の任命責任が問われるだけでなく、隠蔽された日報に関する真実を明らかにする責務がある。

※7月29日テキストを追加しました。

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