日本の右翼団体が中東で「私戦」に参加!? すでに死者も出ている!? イスラム学者・中田考氏にふりかかった「別件捜査」の謎!中田氏が考える公安警察の意図とは!? 2016.11.2

記事公開日:2016.11.4取材地: テキスト動画
このエントリーをはてなブックマークに追加

(取材・文:原佑介)

特集 中東

 「私と常岡くんが疑われている『私戦予備・陰謀罪』は、『民間人が他の国へ行って他国と戦争するな』という法律ですが、日本人はすでに海外で戦っている」――。

 元同志社大学教授でイスラム学者の中田考氏が11月2日、東京豊島区で小規模のトークイベントを開催。不可解な家宅捜索に対する見解を示した。

▲トークイベントで見解を語る中田考氏

▲トークイベントで見解を語る中田考氏

 2016年10月31日、イスラム学者・中田考氏が突如、「古物営業法違反」の疑いで警視庁の家宅捜索を受けた。中古品を買い取った際に、相手の身分確認をした結果を帳簿に記載していなかったことが、同法に違反するという。

 「イスラム学者の自宅や古物店が家宅捜索」――各メディアが一斉に報じた。

 古物営業法は確かに帳簿の記録を義務づけているが、なぜこのような「微罪(6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金)」で、大がかりな家宅捜索が行われ、全国的なニュースとなるのか。

 しかも、中田氏が家宅捜索を受けた同日の夜には、ジャーナリストの常岡浩介氏がイラクのクルド自治政府当局に拘束されていたという事実が報じられた。あまりにタイミングが合いすぎる。

 2014年10月、「イスラム国」に参加するためシリアに渡航しようとした北海道大学の学生が「私戦予備および陰謀罪」の疑いで事情聴取・家宅捜索された際には、中田氏と常岡氏も渡航計画に関わったとして、家宅捜索を受けている。

 中田氏と常岡氏は、ともにイスラム国が首都と位置づけるシリア北部のラッカで「イスラム国」の司令官と面会するなど、イスラム国との「パイプ」があることで知られている。

 2015年1月、イスラム国に拘束されたジャーナリストの後藤健二氏と湯川遥菜氏が処刑された事件では、中田氏と常岡氏がそのパイプを活かし、イスラム国との交渉役を買って出たが、政府は袖にし、事件は最悪の結末をむかえた。

 今回の家宅捜索の裏には、どのような意図が隠されていたのか。IWJは中田考氏主催のトークイベントを取材し、当事者としての見解を聞いた。

 以下、当日の実況ツイートを整え、加筆したうえで掲載する。

■ハイライト

明らかな別件捜査!中田氏が店番をしていた「リサイクルショップ」の実情

中田考氏「私が捜査を受けたのと同じ日に、常岡浩介くんがイラクで拘束されていることが公表されました。常岡くんと私はイスラム国にも一緒に入った人間で、ともに2年前、『私戦予備および陰謀罪』の容疑で捜査も受けています。

 今回のタイミングも、偶然にしてはできすぎていると思います。

 今回の捜査は寝耳に水でした。罪状は古物商の法規に違反したということです。古物商は警察に届け出て、免許も取ならないといけません。そして、物を盗んだ人が転売してお金に変えることがあるので、物が誰の手に渡ったかわかるよう、台帳をつける義務があります。

 値段が高いものには身分証明書を提示させて記録しておき、これが犯罪だった場合に犯人が特定できるようになっています。

 私自身が店のスタッフに商品を盗まれ、転売されたことがありました。そのときに、台帳の記録から犯人が特定されたこともあったので、その立法趣旨は合理性があると思っています。

 しかし、今のリサイクルショップの実態をご存知でしょうか。中古品でなく、『ゴミ』を集めているんですね。今は、いらない家具を捨てるのにお金がかかるので、公共の機関よりも安く引き取る、もしくは引っ越しのときなど、いらなくなったものを無料で引き取る、そうしたものが、商品のすべてです。

 台帳につけるのは1万円以上の物を買ったときで、私もたまに店番をしていますが、これまで一度もお金を払って物を買い取ったことがありません。

 つまり、売りにきた人の情報を記帳していなかったというよりも、そういう商売を行なったことがないんです」

「マスコミにリークがあったのは間違いない」〜中田氏が考える公安警察の意図!

中田氏「そうした売買実績がないから台帳をつけていなかったんです。なので、警察がくることがあってもおかしくはないが、まさか全国ニュースで動画つきで報じられるとは予想もしていなかった。

 『Yahoo!ニュース』で見て、呆然としました。マスコミに酷く怒っています。もともとマスコミ嫌いでしたが、今回の件で、さらに嫌いになりました。

 自宅に家宅捜索が入った際はマスコミが来ていませんでしたが、古物店のほうにはマスコミが大勢来ていました。そして、私の店ではないのに私の店であるかのように報じている。店長も迷惑でしょう。

 マスコミは調べもせず、警察発表をそのまま垂れ流したんです。そして、なぜか『イスラム国と親交のあるイスラム学者』として、『私戦予備』のことも並べて報じました。

 ちなみに、私が火薬で自爆すると考えたのか、店の前には消防車や救急車もきていたそうです。何を考えているのか。

(…会員ページにつづく)

アーカイブの全編は、下記会員ページまたは単品購入より御覧になれます。

一般・サポート 新規会員登録単品購入 330円 (会員以外)

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です