「私と常岡くんが疑われている『私戦予備・陰謀罪』は、『民間人が他の国へ行って他国と戦争するな』という法律ですが、日本人はすでに海外で戦っている」――。
元同志社大学教授でイスラム学者の中田考氏が11月2日、東京豊島区で小規模のトークイベントを開催。不可解な家宅捜索に対する見解を示した。
- 日時 2016年11月2日(水) 18:00~
- 場所 イベントバー エデン(東京都豊島区)
- 告知 【緊急開催】11/2(水)中田考氏「我が闘争〜イスラム国の平和を目指して、国家権力との闘い」
2016年10月31日、イスラム学者・中田考氏が突如、「古物営業法違反」の疑いで警視庁の家宅捜索を受けた。中古品を買い取った際に、相手の身分確認をした結果を帳簿に記載していなかったことが、同法に違反するという。
「イスラム学者の自宅や古物店が家宅捜索」――各メディアが一斉に報じた。
古物営業法は確かに帳簿の記録を義務づけているが、なぜこのような「微罪(6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金)」で、大がかりな家宅捜索が行われ、全国的なニュースとなるのか。
しかも、中田氏が家宅捜索を受けた同日の夜には、ジャーナリストの常岡浩介氏がイラクのクルド自治政府当局に拘束されていたという事実が報じられた。あまりにタイミングが合いすぎる。
2014年10月、「イスラム国」に参加するためシリアに渡航しようとした北海道大学の学生が「私戦予備および陰謀罪」の疑いで事情聴取・家宅捜索された際には、中田氏と常岡氏も渡航計画に関わったとして、家宅捜索を受けている。
中田氏と常岡氏は、ともにイスラム国が首都と位置づけるシリア北部のラッカで「イスラム国」の司令官と面会するなど、イスラム国との「パイプ」があることで知られている。
2015年1月、イスラム国に拘束されたジャーナリストの後藤健二氏と湯川遥菜氏が処刑された事件では、中田氏と常岡氏がそのパイプを活かし、イスラム国との交渉役を買って出たが、政府は袖にし、事件は最悪の結末をむかえた。
- 「72時間は、時間が短すぎる。私自身、イスラム国に行く用意もある」――イスラム法学者・中田考氏、世界のメディアを前にアラビア語でイスラム国へメッセージを発信 2015.1.22
- 「イスラム国へ行く準備はできている。対案の提案はいくつもできる」 イスラム国を知るジャーナリスト・常岡浩介氏が具体的解決策を提示 2015.1.22
今回の家宅捜索の裏には、どのような意図が隠されていたのか。IWJは中田考氏主催のトークイベントを取材し、当事者としての見解を聞いた。
以下、当日の実況ツイートを整え、加筆したうえで掲載する。