【国会ハイライト】「子ども手当分を軍事費に」――野党時代・稲田防衛相の暴論に民進・蓮舫代表が斬り込むも「撤回」せず!軍事費増なら防衛関連株が値上がりし、株式を夫名義でもつ稲田氏は濡れ手に粟の大儲け? 2016.10.5

記事公開日:2016.10.5 テキスト
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(城石エマ)

 我が国の防衛大臣は、子どもを育てることよりも、戦場に送り込むことの方に熱心なようである。

 自民党の野党時代にあたる2011年、『正論』(産経新聞社)3月号における対談記事の中で、当時衆議院議員であった稲田朋美氏は、次のように述べていた。

 「子ども手当分をそっくり防衛費に回せば 、軍事費の国際水準に近づきます」

 一野党議員の発言とはいえ、衝撃的な持論である。

 2016年10月5日の衆議院予算委員会で、民進党の蓮舫代表は、5年前のこの考えに今も変わりがないか、稲田朋美防衛大臣に問いただしたが、最後まで「撤回」の言葉は聞かれなかった。

 稲田防衛相は2014年以降、夫の名義で防衛産業株を大量に保有していたことも明らかになっている。子ども手当に回す予算を軍事費に回せというのは、防衛産業を潤わせ、株価を吊り上げて、株主である自分たち夫婦に濡れ手に粟の大儲けよこせと言っているようなものである。

 防衛産業関連株を夫名義で大量に保有する防衛大臣が、私腹を肥やすために国防費を増やせなどと言っているとすれば、大問題である。残念ながら、蓮舫代表が防衛産業関連株の保有の点に踏み込んで聞くことはなかった。なぜ、こんな重要なツボを外すのか、理由が今ひとつよくわからない。

 蓮舫代表はさらに、稲田防衛相が同対談の中で、「日本独自の核保有を国家戦略として検討すべき」と発言していたことについても問いただしたが、同じく明確な「撤回」の一言は、最後まで出なかった。

 稲田防衛相の「核保有」発言については、すでに9月30日の衆議院予算委員会で民進党の辻元清美議員が追及している。しかしそこでも、稲田防衛相は持論の「撤回」をしなかった。

 現役防衛相が、「核保有検討すべき」という持論を、国会の場において繰り返し野党から撤回するよう求められながら撤回しない態度は、国際社会から見れば、「日本政府の意志」のあらわれと思われることを意味する。安倍総理以下、現内閣は、そうした事態を許容するのだろうか?

 稲田防衛相は8月15日の全国戦没者追悼式を歴代防衛相の中ではじめて欠席したことを辻本議員から追及され、涙をこらえて答弁に窮した。その模様は、テキスト化しているので、ぜひ、御覧になっていただきたい。

 以下、蓮舫代表と稲田防衛相の当該質疑を文字起こしにして掲載する。

「『日本列島は日本人だけのものではない』と発言する方が総理になり大混乱した!」――民主党・鳩山由紀夫元総理をこき下ろしながら「排外主義」を披瀝する稲田朋美防衛相

民進党・蓮舫代表(以下、蓮舫代表と略す)「財源があれば総理は子育て支援を前に進めていきたいという思いは共有していただけますか?」

安倍晋三総理大臣「御党も政権を担当されたことがあるわけですから、いかに財源を確保して保育士の待遇を改善することが難しいか、ということは経験をしておられるんだろうと思います。財源をどのように確保していくかを議論していくことが正しいであろうと思います」

蓮舫代表「今の考え方、稲田大臣も同じですか?」

稲田朋美防衛大臣(以下、稲田大臣と略す)「所管外のことで答弁は差し控えさせていただきますが、財源を確保して政策を行うのは当然のことだと思います」

蓮舫代表「資料につけさせていただきましたが、平成23年『正論』という雑誌で、稲田大臣は、子育てと防衛予算について何と発言されていますか?」

稲田大臣「資料、提出いただいている『正論』、これは私が野党時代、民主党が政権をとっていた時代に、安全保障・防衛等の危機感を持って、対談の中の一部でございますので、その一部のみを、そして個人的見解をこの場で述べるのは差し控えさせていただきたいと思います」

▲稲田朋美防衛相

▲稲田朋美防衛相

委員長「稲田防衛大臣」

稲田大臣「当時の民主党政権…(野次「関係ない!」)関係あるんです。『日本列島は日本人だけのものではない』と発言する方が総理大臣になられ、辺野古について『最低でも県外、国外(移設)』と言われ、大混乱をし、そしてこの対談をする数ヶ月前には、尖閣で中国の公船が衝突をして、大混乱となっている中で、私は…(委員長「静粛に願います!」)私は、その当時の民主党政権の安全保障・防衛に対して、大変危機感をもって、ここ(『正論』)で指摘をさせていただいているわけでございます」

野次「読めばいいだけではないか! 馬鹿にするな!」

「子ども手当分をそっくり軍事費に」――稲田朋美防衛相の野党時代の自説に民進党・蓮舫代表が斬り込むも撤回せず

稲田大臣「そういった野党時代、しかも民主党政権の安全保障・防衛に関する状況について、大変危機感を持って、『このままでは日本が潰れてしまうのではないか』という、そういった中において、私は、『財源のない子ども手当をつけるのであれば、軍事費を増やすべきではないか』ということを申し上げたわけであります」

民進党・福山哲郎議員(以下、福山議員と略す)「民主党の悪口ばかりを言って。紹介してくれ、と言っているんだから、それを紹介しなきゃ。与党が理事の言うこと聞かないんなら審議続けられないよ」

委員長「稲田防衛大臣」

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