秋の臨時国会が正念場!「多国籍企業600社の顧問弁護士が仕掛けた罠」TPPの危険性を山田正彦氏が指摘! 2016.8.20

記事公開日:2016.8.20取材地: テキスト動画
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(取材・記事:城石裕幸、記事構成:佐々木隼也)

特集 TPP問題

 メリットばかりが強調されながら、その交渉内容は秘密ばかりのTPP。安倍政権は十分な情報公開や議論がないまま、この秋の臨時国会で批准を強行しようしている。

 「本当は国民の安全や命、健康な暮らしを守るための色々な仕組みを根底から覆すような取り返しのつかないものなのではないのか?」と言う懸念から、2016年8月20日、御茶の水にある明治大学リバティータワーで「TPPを批准させない!全国共同行動8.20キックオフ集会」が開かれ、会場には全国から約300人の市民が集まった。

 登壇した山田正彦・元農水大臣は、医療、食の安全、移民、水道民営化、ネット規制など、「農業・貿易だけではない」TPPに仕掛けられた様々な「罠」を指摘していった。

▲集会には約300人の市民が集まった

記事目次

  • TPPは農業・貿易・経済成長の問題だけじゃない!医薬品の価格が3倍に!?
  • 「医療に関する日米の付属文書」の驚くべき中身!政府は公的医療保険の見直しを米国と約束している!?
  • 医療は『仁術』から『商売の糧』へ!病院が営利企業化したニュージーランド、韓国、そして日本も…
  • 「標的は日本だ」遺伝子組換え食品の新規承認を促進するTPPは国内法よりも上位に置かれている!
  • 食品の産地表示が禁止に!?韓国では米韓FTAの影響で「地産地消の学校給食」を自粛
  • 将来は農産物のすべてが関税撤廃される!?「7年間は関税は守られてるじゃないか」という石原伸晃TPP担当大臣の驚きの答弁!
  • 漁業への補助金制度は禁止され、漁業権は外資にも公開入札となる!?
  • 自民党は外国人単純労働者の受け入れを認めた!?
  • 水道も全て民営化!?公共事業は外資も含めて公開入札になるため英語で入札!?
  • 中央政府がネット管理できる未来!逆らえばネット上での自由な情報発信・拡散行為が禁止に!?コミケ・コスプレも著作権侵害で逮捕!?
  • ISD協定文書6300ページのあらゆるところに『罠』が仕掛けられている!
  • このままでは米国でのTPP批准は絶望的!しかし安倍政権が臨時国会で強行批准の可能性も!山田氏「命をかけてみんなでこれを阻止しなければ」

■ハイライト

  • タイトル TPPを批准させない!全国共同行動8.20キックオフ集会
  • 日時 2016年8月20日(土)10:30〜15:00
  • 場所 明治大学駿河台キャンパス(東京都千代田区)
  • 主催 TPPを批准させない!全国共同行動
  • 告知 STOP TPP!!官邸前アクション サイト

TPPは農業・貿易・経済成長の問題だけじゃない!医薬品の価格が3倍に!?

 「政府は『TPPは心配いらない。牛肉とか食料が安くなって、暮らし向きは良くなる』と言っている。そのため、『TPPは農業と貿易・経済成長の問題』としか思っていない人がまだまだほとんどなのです。しかし実際は医療の問題から政府調達、国有事業の問題、金融の問題、知的財産権の問題、インターネットの自由の問題、いっぱいあるわけです」

 元農林水産大臣、TPP交渉差止・違憲訴訟の会幹事長、TPP阻止国民会議副代表の山田正彦氏は、そう言って講演を始めた。

▲元農林水産大臣・山田正彦氏


 「今まで日本の薬価は、厚生労働大臣が中央医療審議会の方針を受けて日本で独自にできるだけ安く決めてきた。ところがTPP協定では、第2章の付属書に、『独立機関を設けて外資の製薬会社が価格決定に参加することができ、不服であれば異議申し立てができる』とする記述がある」

 驚くべきことに、日本における薬の価格設定の場に、外国企業が参加でき、さらに異議申し立てを行って、事実上介入することができるようになるというのだ。薬を高く売りたい製薬企業にとって、日本の「薬価をできるだけ安く抑える」というシステムは「邪魔」でしかない。TPPによって、今後、薬価が吊り上げられる可能性は高い。

 さらに山田氏は、日本の庶民にとって、また高価な薬に手を出せない発展途上国にとって、「頼みの綱」となっているジェネリック医薬品をめぐる問題にも言及した。

(…会員ページにつづく)

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