『TPPの真実』の衝撃!!交渉初参加から「大筋合意」まで、政府交渉団と自民党派遣議員と記者が、海外のホテルで夜な夜な酒を持ち寄って“懇談会”!! 2016.4.16

記事公開日:2016.4.15 テキスト
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(太田美智子)

特集 TPP問題
※「日刊IWJガイド」4月16日号から抜粋、加筆修正しました!

 政府は熊本地震による被害対応を優先するため、昨日、予定されていた衆議院TPP特別委員会の審議を18日に延期しました。

 同委員会は5日に審議入りしましたが、政府が秘密を守るために民進党に出した「のり弁当」ならぬ、黒塗りの文書や、西川公也委員長による暴露本『TPPの真実-壮大な協定をまとめあげた男たち-』のゲラ刷りコピー、西川氏自身が書いたことを認めるマイク暴露発言などが飛び出し、これまでほとんどまともな審議にはなっていません。18日にも何か飛び道具が飛び出すのでしょうか?

2016/04/08 「国民に判断材料を与えないのは損失よりも悪質だ」〜アベノミクスで年金5兆円が消えた!?――民進党・追及チームが安倍政権の情報隠しを批判

 さて、この『TPPの真実』、IWJもコピーを入手しました。西川氏は、「どのように合意に至ったかを、後世のため」に書くことにしたと、同書の中で執筆動機を明らかにしています。

▲『TPPの真実』ゲラ刷りのコピー(民進党提供)

 西川先生、さすがです!!国連専門家のアルフレッド・デ・サヤス氏が「秘密交渉の産物であるTPPは非民主的」と断じたように、私たちは交渉過程について何ひとつ知らされないまま国会審議が始まっていましたが、おかげさまで、TPP交渉における政府の姿勢や進展過程の様子をうかがい知ることができます。

【IWJブログ】「TPPに署名しないか批准しないことが、民主的に選ばれた議会の責務」!!国連人権理事会の専門家アルフレッド・デ・サヤス氏が国際法および国際規約違反を示唆して警告!!

 そして、これがもう、衝撃の事実のオンパレードなのです。

 その1つが、マスコミ記者たちとの“親密ぶり”です。海外で行われたTPP交渉の閣僚会合の期間中、同行した大手新聞などのマスコミ記者が、政府交渉団と自民党議員団とともに、夜な夜な午後9~11時まで、「お酒を持ち寄って、懇談会を開いて」いたというのです。2013年7月にマレーシア・コタキナバルの会合に日本が初参加して以降、2015年10月に米国アトランタで「大筋合意に至るまで続いた」とのこと。

 記者の多くは、出国時に免税店でウイスキーを購入して、この「夜の記者懇談会」に持ち込んだと書かれています。その成果について、西川氏は以下のように書いています。

 「ニュースのニュアンスは、担当記者のさじ加減でいかよにも変わります」
 「誤解にもとづくニュースだけは配信してほしくない」
 「同行記者との懇談はきわめて有意義だったと思っています」

 翌8月のブルネイ会合時には、アルコールが販売されていないイスラム教国のため、同行記者に「出国時に酒を買ってきてね」と事前に伝えていたことも明らかにしています。

 夜だけではありません。マスコミ記者と政権与党の“べったり”ぶりについて、西川氏の暴露は実名入りで続きます。

 2014年3月のオーストラリア・ブリスベンでの牧場視察には、日本経済新聞の羽田野主記者と読売新聞の吉岡みゆき記者が同行していたそうです。

 同年7月のメキシコでは、「会談などの間隙を縫って、世界遺産のテオティワカン遺跡のピラミッドに登ることにし」、共同通信の飯田康道記者や若手の官僚が「頂上を極めました」。

 朝もあります。西川氏が海外で日課にしている朝の散歩にも、記者は同行し、「他愛のない雑談をして必ず朝食も一緒に食べた」のだそうです。

 「記者との信頼関係は、早朝の散歩と夜の懇談でできあがっていきました」
 「楽しい時間を共有し、皆さんと大変仲良くなれました」
 「日本に帰ってからも、国会議員会館の私の部屋は夕方、多くの記者が集まってサロンのようになりました」
 「正しい情報や見通しが国民に伝わってほしい」

 さらに、2015年5月23日、自民党農林水産戦略調査会の会長に就任することが決まったときは、就任2日前に赤坂の居酒屋で「記者50数人がお祝いの会を開いてくれた」そうです。記者一同からのプレゼントとして、「似顔絵パン」が送られたこと、そして、全員で撮った仲のよさそうな記念写真も、ばっちり本に掲載されています。

 もう、「仲良しクラブ」としか言いようがありませんね。これが記者クラブの実態なのでしょう。しかも、このわずか3ヵ月前、西川氏は補助金を受けた団体から献金を受けていた問題で違法性が問われ、農林水産大臣を辞任したばかりです。「番記者」たちは、こんな慣れ合いを日常茶飯、続けながら、どうやって日本の権力者たちを批判するのでしょう?

 2015年7月、ニュージーランド・マウイ島での会合では、海水浴するわけにもいかず、「朝の散歩と記者懇だけが楽しみ」で、なかでも朝の散歩に毎朝、欠かさず西川氏を待っていた時事通信の松本亜弓記者とは、「丘の上のカフェで朝食をとったことを思い出す」のだそうです。そして、夜の記者懇の後、さらに芝生の上でビールを飲みあった、読売新聞の久保庭総一郎記者と山口香子記者、朝日新聞の鯨岡仁記者、北海道新聞の高橋俊樹記者たちとの思い出も書かれています。

 このほか、ゲラ刷りには、取材を粘った農業新聞記者の労をねぎらってみたり、閣僚会合のため西川氏が日本を発つ際に、成田空港の出国ゲート前に待ち構えていた記者団の中に西川氏の地元の下野新聞記者がいて、「笑顔で送り出してくれたことが印象に残っている」など、記者たちとの“親密ぶり”が、随所に記載されています。

 それにしても、西川氏が「きわめて有意義だった」と手ごたえを感じるわけですよね。おかげで、大手メディアからは「TPPの真実」は、なにひとつ伝わってきませんでした。IWJでは、その大手メディアの姿勢を批判してきましたので、ぜひご覧ください!

【参院選2013争点解説③TPP】TPPのデメリットを報じない大手メディア(【IWJウィークリー第10号】より)

2014/09/27 TPP交渉 日本側の姿勢は「パフォーマンスで巧妙なごまかし」 ~専門家らが大手メディアによる「重大なミスリード」を指摘

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「『TPPの真実』の衝撃!!交渉初参加から「大筋合意」まで、政府交渉団と自民党派遣議員と記者が、海外のホテルで夜な夜な酒を持ち寄って“懇談会”!!」への3件のフィードバック

  1. @55kurosukeさん(ツイッターのご意見) より:

    地震はもちろん問題ですが、これに乗じて隠されそうなTPP交渉をめぐる売国政府とマスコミの暗躍を見逃してはいけません。災害以上に日本の将来を変えかねない「人災」。こちらの記事をお読みください。 http://iwj.co.jp/wj/open/archives/297154 … @iwakamiyasumi
    https://twitter.com/55kurosuke/status/721269425945452545

  2. takahashiワロスな名無しさんwww より:

    TPPはアメリカのグローバル企業の戦略です。私は15年間業界ではトップの企業にいましたから完ぺきとは言いませんがよく分かる積りです。アメリカのグローバル企業は日本人が考えるほど甘いものではありません。いいえ、決して悪く言ってる訳ではありません。日本人の考え方よりも良く言えばスケールが大きいと言うかある面では割り切りが良く、目的意識がハッキリとして感情がない考え方です。矢張り良く言えば大人で、日本人は子供の様な感じに見えます。意外と約束は守りますが、約束(契約)を違えた場合は凄まじいものがあります。日本人の様な村社会的な考えは一切通用しません。要は泣き言は絶対通用しません。「後で何とかなる」などはありません。
    そして、TPPの怖いのはアメリカのグローバル企業は、この条約を戦争の様に戦略をもって行うことです。
    恐らく、食糧は日本の最大の難敵で、アメリカの武器にされるでしょう。どんなに金があっても食料自給率が40%の日本は戦う術はないでしょう。初めから「負け戦」なのです。僅か10年間で14兆円の経済効果とはお笑い草です。こんなものは誤差の範囲です。ぎゃあぎゃあやって議論するほどのものではありません。時間の無駄です。そもそもTPPはアメリカが考えたものでもなく、横からグローバル企業が入ってきて上手く利用することで日本に対しての戦略を考えたものです。日本以外に購買力のある国はありませんし、金もありません。
    ひょっとしたら中国はこのことを既に見越しているかも知れません。アメリカの基準で批准すれば恐らく自国の利益は少ないと踏んでいるでしょう。韓国はとっくにアメリカとのFTA条約で痛い目にあっており、批准はしないでしょう。ただ、安保があるから黙っているだけです。カナダもメキシコも既にアメリカから痛い目に合っています。然し、良識あるアメリカの半分は考えては悩んでいるでしょう。何故なら、アメリカのグローバル企業以外の企業は恩恵がないのです。下手をすると自分で自分の足を踏んでしまいます。さあ、結果は決まりです。NOです。

  3. 藤井 秀壮 より:

    全文(スキャンしたpdf)を公開して頂けないですか?

    ひょっとして公開する価値がない?

    あるいは訴訟リスクがある?
    ↑ IWJの名を売るチャンスではないでしょうか、弁護士さん多数のサポートを期待できます。

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