甘利明・前経済再生相が雲隠れ!?「甘利問題」を風化させるな!岩上安身による「甘利前大臣疑惑追及チーム」座長・大西健介衆議院議員インタビュー。自民党が提出した睡眠障害の診断書は循環器内科医が書いていた! 2016.3.16

記事公開日:2016.3.17取材地: テキスト 動画 独自
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(テキストスタッフ・関根かんじ)

※5月23日テキストを追加しました!

 「不法占拠で型枠を積み上げていたものを除くために1600万円。施設の配置移転にかかる費用で、2億2000万円を支払った。その補償交渉も停滞していたのを、甘利事務所が介入したから、すぐに(URから補償費を)取れた。その後、工事の振動で建物が損傷したということで、5100万円も払う。

 URとの交渉の現場で、URの1.8億円の提示に『もう一声!』と言い、2億円になり、さらに戻って電話で値上げを要求し、2億2000万円になった。ところがURは国会答弁で、規定に則って支払ったと答えている」――

 2016年3月16日、岩上安身が「甘利前大臣疑惑追及チーム」座長・民主党(民進党)大西健介衆議院議員にインタビューを行い、甘利氏の薩摩興業にかかわる口利き疑惑について聞くと、マスメディアではまったく報道されない事実が次々に明かされた。

▲大西健介 衆議院議員
▲大西健介 衆議院議員

 甘利明元経済再生相は、睡眠障害を理由に、今もまだ雲隠れしたまま。マスメディアでは、田母神俊雄氏の公職選挙法違反や、舛添要一東京都知事の公金不正使用疑惑が飛び交い、まるで甘利氏問題の記憶に上書きしてしまうかのようだ。そうならないように大西議員は、追及チームを結成、風化させないため国会における追及の手を緩めない。

 この問題は、2016年1月21日発売「週刊文春」の暴露記事に端を発する。建設会社(薩摩興業)側から甘利氏本人に対し、大臣室で50万円、地元事務所で50万円が手渡されたというのだ。

 詳細は、1969年、千葉県13区で道路計画が作られた後、薩摩興業が地主などから土地を借り受ける形で、この地域に社屋などを建てた。道路建設のため、薩摩興業に対しUR(都市再生機構)が示した営業補償金額は、当初ゼロ回答。ところが甘利事務所が関わると、URは13年8月に約2億2000万円を薩摩興業に支払っている。

 またURは、すでに30億円かけて、買収済みの道路用地の産廃処理をしていた。そこで薩摩興業は、杭打ちでコンクリートにヒビが入ったとゴネ、補修するためには埋まっている産廃を処理しないと工事の許可がおりないから、産廃を掘り出せ。さもなければ会社ごと移転するから、その費用を払え、という2本立てのストーリーだったのだ。

 このURとの交渉で立ち回ったのが、『文春』にリークした薩摩興業の一色武氏と、甘利事務所の清島健一秘書だった。大西議員は、一色氏が密かに録音したテープを入手し、甘利前大臣疑惑追及チームの会合で公開した。

 録音テープには、清島氏と一色氏の話し合いの途中、政策秘書鈴木陵充(りょうすけ)氏に『レクサスは何色がいい?』と、電話をしている。また、『独立していっしょに店を持とう。夢の実現に向かって、がんばろう』と行きつけのフィリピン・パブのお気に入りのママとの会話もあり、「URからもっとふんだくろうと企んでいる」と、あっせん利得罪は明らかだと大西議員は確信する。

 それでなくとも、政治資金収支報告書は、1年間の収支をきっちりしなければならず、2013年11月と14年2月に年をまたいで、50万円の授受を100万円の寄付に合算処理していることは、政治資金規正法違反になると指摘。また、公設秘書が500万円を受け取り、そのうち300万円を私的に使ったことを認めているが、これは業務上横領罪に当たる。「秘書の身柄を拘束して、取り調べるのが一番早い」はずなのだが、検察の動きはきわめて鈍い。

 大西議員は、「先日、田母神俊雄氏を、公職選挙法で家宅捜査したが、甘利氏の捜査を先にすべきで順序が違う。小沢一郎議員は、政治資金収支報告書の不実記載だけで大捜査をやった。検察の正義は何なのか。あっせん利得罪が本丸ですが、すでに自ら政治資金規正法違反、業務上横領罪は認めている」と検察への憤りを隠さない。

 2013年11月14日の50万円で、金銭授受に関して甘利氏と一色氏の説明も食い違っていると大西議員は、続ける。甘利氏は『紙袋のなかに、のし袋が入っていたと秘書から報告。政治資金としてきちんと処理するように指示』。

 ところが、一色氏は、『木の箱に入った羊羹といっしょに現金50万円の入った白い封筒を添えてお礼ですと言って手渡した。甘利氏は封筒を取り出し、スーツの内ポケットにしまった』と具体的に証言している。

 大西議員は「甘利氏も、堂々と出てきて説明し、無実を証明すればいい。こんな筋ワル案件に頭を突っ込むような人が、TPPを交渉してたとなると、空恐ろしい。検察にもきちんとやって欲しい」と、繰り返し甘利氏と、動きの鈍い検察に苦言を呈した。

記事目次

■イントロ

  • 日時 2016年3月16日(水) 18:30~
  • 場所 IWJ事務所(東京都港区)

甘利事務所が仲介し、URの1.8億円の補償額提示に「もう一声!」で2億円。さらに電話で2億2000万円。それをURは「規定に則って支払った」と国会答弁で答えたおかしさ

岩上安身(以下、岩上)「甘利明前経済再生相が、睡眠障害で雲隠れし、1カ月が経ちましたが、さらに2カ月休むといいます。本日は『甘利前大臣疑惑追及チーム』座長、大西健介衆議院議員にお話をおうかがいします。

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 それで、TPPには賛成されているのですね」

大西健介議員(以下、大西・敬称略)「私の選挙区の愛知13区はトヨタ企業の城下町です。TPPでは、日本がとるべきところは自動車産業だということで、交渉参加には賛成しました。しかし、結果は、ベタ降りだったので否定的です」

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岩上「甘利氏はTPP担当大臣で、突如、スキャンダルが噴出し、大臣辞任に追い込まれました。自民党の方々は、TPP推進に反対の人たちの謀略ではないかとほのめかします。産経新聞は、中国謀略論にまで拡大解釈しています。そんな大西さんは、追及チームでは鬼ケンさんと呼ばれていますが、アンチTPPでも、親中派でもありません」

 岩上「今回の口利き疑惑事件の発端は、1969年、千葉県13区で道路計画が作られた後、薩摩興業が地主などから土地を借り受ける形で、この地域に社屋などを建てた。道路建設のため、薩摩興業に対し、UR(都市再生機構)が示した営業補償金額は、当初ゼロ回答。しかし甘利事務所が関わり、2013年8月、その補償額が約2億2000万円に跳ね上がった」

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大西「山井和則議員と現地を見にいきました。URはニュータウン事業の一環で道路建設も進めていて、型枠工事業者の薩摩興業社屋や資材置き場などが隣接していました。道路用地は買収済みですが、産廃が埋まっていたり、土留めの杭打ち工事で営業が妨害されたと訴えたんです」

岩上「2012年に県の業務委託を受けたURが、予定地の産業廃棄物撤去を始めたところ、薩摩興業が、作業で建物が損傷したとURにもの申した。交渉の末、URは建物の移転補償などとして12年5月、約1600万円、13年8月に約2億2000万円を支払った」

大西「不法占拠で型枠を積み上げていたものを除くために1600万円。点在する資材、施設の配置移転にかかる費用で、2億2000万円をURが支払った。その補償交渉も停滞していたのを、甘利事務所が介入したあと、すぐに支払ったんです。

 その後、工事の振動で建物が損傷したということで、5100万円を払った。さらに、くい打ち工事でコンクリートにヒビが入り、修繕するためには、産廃処分をする必要があり、莫大な費用がかかる。それならば会社の全面移転を提案するなど、甘利事務所は12回、URと接触した。つまり補償案件は、先の2.2億円と全面移転の2本立てです。

 交渉の現場で、URの1.8億円の提示に『もう一声!』と言い、2億円になり、さらに電話で値上げを要求し、2億2000万円になった。ところがURは、国会答弁で規定に則って支払ったと答えている。現在、会計検査院がURを検査しています

 最初はゼロ回答でした。しかしURが薩摩興業に送った内容証明書には、別途相談要件があると、意味深い文言があって、そこで2億2000万円が生じたと推測でき、この成功体験から、たかりが続いたのです」

千葉の議員は手を出さなかった筋ワル案件。一色氏と甘利氏の父同士は知り合いでURに顔が利いた。甘利元大臣だから持込んだのか?

大西「今日、東京の弁護士から告発が行われました(宮里邦雄弁護士ら「社会文化法律センター」による)。そうなれば起訴、不起訴の判断をしなければならない。不起訴なら、検察審査会に持ち込むしかありません」

岩上「なぜ、神奈川県の甘利さんが、千葉の話に関わったのでしょうか」

大西「現地を見てわかるのですが、居座って補償金をふんだくろうと筋の悪さが明白で、千葉の議員は、手を出さなかったのではないでしょうか。それで、薩摩興業の代理人役だった一色武氏は、神奈川県出身であり、なおかつ一色氏と甘利氏の父同士は知り合いだったので、それで頼んだのではないでしょうか。

 また、郷原弁護士も指摘していますが、甘利氏はURに影響力があったといいます。しかし一色氏は、結果に満足がいかず、甘利事務所に騙されたと、今回の暴露を決めたのではないでしょうか」

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岩上「ことの発端は、2016年1月21日発売「週刊文春」のスクープ報道です。建設会社(薩摩興業)側から甘利氏本人に対し、大臣室で50万円、地元事務所で50万円が手渡されたとされています」

大西「秘書の長期にわたった接待やワイロ以外に、甘利氏本人も現金授受を認めています。今どき大臣室で金銭授受が行われたことには、ショックを受けました。

 13年8月に2億2000万円が支払われているので、そのお礼で、11月に50万円が渡されたのではないでしょうか。14年2月の50万円は、もっとでかい案件を甘利氏本人に説明し、渡した50万円です。さらに大臣秘書官に渡すようにも指示し、録音テープもあると聞いています。しかし甘利氏は、舌ガンの快気見舞いだと釈明していますね」

岩上「大臣室は、公務をやるべき場所です。さらに、スーツの内ポケットに封筒を仕舞ったとまで、証言は詳細です。甘利氏は、その点に非常にこだわっていて、ポケットに入れたことを否定しています」

大西「甘利氏はテープの存在に気づいていて、録音ではポケットに入れたことまでは立証できないと見越したのではないでしょうか。発言が食い違っているので、甘利氏本人に説明して欲しいですね」

年をまたいだ50万円2回を100万円に合算は政治資金規正法違反。秘書の300万円の業務上横領罪を自ら認めているのに逮捕なし!?

岩上「1月28日、甘利氏は経済再生担当相の辞任を表明しました。『秘書の監督責任、閣僚の責務、および政治家としての矜持に鑑み、閣僚の職を辞する決断をした』、『政治家としての美学に反する』と発言しました。するとマスメディアは、こぞってこの態度を持ち上げ、『政治家としての説明責任は果たした』とのコメントが多くを占めました。しかし、現在まで、議員辞職もしていないし証明もしていない。法的責任もないかのようになっている」

大西「2013年11月と14年2月に年をまたいで、50万円の授受が行われています。政治資金収支報告書は、1年間の収支をきっちりしなければなりません。それなのに100万円の寄付に合算処理していて、非常におかしい。国会で政治資金法的に違法かどうかを問い質したら、高市総務相は、年度末で収支をきちんと区切らないとならないと答えました。すでに政治資金規正法違反です。

 公設秘書が500万円を受け取り、そのうち300万円を私的に使ったことを認めていますが、業務上横領罪です。秘書を別件逮捕して事情聴取すべきです。なぜ、やらないのか。秘書の身柄を拘束して、取り調べるのが一番早い」

岩上「秘書の清島氏は失踪しています。安否が気になります。先般も、自民党議員秘書が練炭に顔をつっこんで死んでいるのに、自殺として報じられています。小沢議員の時は、秘書をすぐに拘束しました」

大西「あっせん利得罪が本丸ですが、すでに政治資金規正法違反、業務上横領罪は認めているんです」

睡眠障害で欠勤させる診断書はまず書かない、なんと自民党が提出した診断書は循環器内科医が書いていた!

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岩上「(賄賂を?)返すというが、返したら罪がなくなるのか。『口利き』は否定し、睡眠障害で3カ月の療養と言うが、これもおかしい。
 
 30年近く臨床医を続けている精神科医にIWJが取材しました。その医師によると、『睡眠障害で、欠勤させる診断書はまず書かない。眠れないなら睡眠薬で治療可能だからだ』。『ほんとうに苦しんでいる患者さんを愚弄している。こんな診断書がまかり通れば、世間から、精神科医療に対する不信感が増す』と憤慨しています。

 『普通の会社なら産業医が記載した精神科医に問い合わせて、怪しければ、会社が指定した精神科医に改めて診察させるのが当然。精神科医とグルで偽の診断書を作った年金サギなどの事例がある』と」

大西「実は、予算委員会に甘利氏に出てきて欲しいと要請したら、与党から診断書が出てきた。なんとそれは、循環器内科の医師の診断書なんです。我々も、国会が指定した精神科医で再診断するべきと要求すべきですね」

岩上「我々が取材した精神科医の方は、『睡眠障害から統合失調症になる可能性もあって、そこまで悪化すれば出社できないのは当然。しかし、そうだとしたら国会議員は続けられず、辞任になる。辞任をしない程度に軽度に休む理由でつけた病名だ』と。睡眠障害も大問題です」

URからぶんどったカネで鈴木秘書に『レクサスは何色がいい?』、『独立していっしょに店を持とう』とフィリピン・パブのママとの会話まで!

岩上「大西議員が座長で民・維合同『甘利前大臣疑惑追及チーム』を結成。甘利氏の鈴木元政策担当秘書が、薩摩興業総務担当に高級車「レクサス」を要求。『20億円の補償金』をURに提示を示唆する音声データを、次々と公開しました」

大西「録音テープには、清島氏と一色氏の話し合いの途中、鈴木秘書に『レクサスは何色がいい?』と清島氏は、電話をしているんです。また、『独立していっしょに店を持とう。夢の実現に向かって、がんばろう』と行きつけのフィリピン・パブのお気に入りのママとの会話も残っています。URからもっとふんだくろうと企んでいるんです」

岩上「メディアは集中報道していると思っていたら、中身は全然、足りていないじゃないですか!」

大西「辞任した時点で収束してしまうのを阻止しようとしているのが、我々追及チームです。1月28日、甘利氏は記者会見で、『鈴木・清島秘書は金銭交渉に関与していないと調査で判明した』と明言しましたが、録音テープでは20億円の交渉は明らかになっています。確実な証拠です」

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