【国会ハイライト】安倍総理、またまた逃げた!「緊急事態条項は独裁政治、9条改定につながる!」〜共産・志位氏の追及に回答濁す“とんずら総理”「正々堂々、逃げずに議論する」は口先だけ! 2016.1.27

記事公開日:2016.4.16 テキスト
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(岩上安身)

 安倍総理が、またまた改憲議論から逃げた。

 2016年1月27日、衆議院本会議の代表質問で、日本共産党の志位和夫委員長が自民党改憲草案に明記されている「緊急事態条項」について、「独裁政治、戦争国家に道を開き、憲法9条改定につながる危険きわまりないものだ」と追及。安倍総理の認識を質したが、安倍総理は「政府としてお答えすることは差し控える」と回答を避けた。改憲をめざすと公言し、しかも「正々堂々と議論する」と言いながら、何の理由も根拠も示さず答弁を拒否。議論からはすたこらと逃げ出した。

 これに先立ち同月19日には、社民党・福島みずほ副党首が、緊急事態条項について「内閣限りで法律と同じ効力を持つことができるのであれば、これはナチスドイツの『国家授権法』とまったく一緒だ」と迫った際にも、「限度を超えた批判だ」などと気色ばんで見せたものの、議論の土俵には上がらず、議論の下から遠吠えするのみ。自民党の改憲案の緊急事態条項とナチスの授権法との違いも説明せず、「憲法改正の草案について個々にお答えすることは差し控えたい」などと回答を拒んでいた。まったくもって意味不明の遁走である。

 その後、安倍総理は22日の施政方針演説で、憲法改正をめぐる議論で「正々堂々とし、逃げない」と大威張りで演説。今度はいよいよ議論に応じるのかと思えた。

 しかし、わずか4日後の26日、民主党・岡田克也代表が緊急事態条項について、「基本的人権を制約することが可能となる。民主主義の根幹を揺るがしかねない問題」と指摘し、「現行憲法で、具体的に、何が足らないのか」と説明を求めると、安倍晋三は舌の根もかわかないうちに、「政府としてお答えすることは差し控えさせていただく」と、まさに「尻に帆をかけて」逃げ出した。恥も外聞もない。卑怯卑劣大嘘つきといわれようと、説明もしないし、議論にも応じない。

 確かに安倍総理は、これまでも卑怯であったり、卑劣であったりした。大嘘つきであることは周知の事実である。みっともないことを平気でできる無神経の持ち主でもある。

 だが、この逃げっぷりは、やはり尋常ではない。徹底している。逃げて、逃げて、逃げ回って、時間稼ぎをしているのは、明らかである。

 なぜなのか。「とんずら総理」と何と言われようと、議論に応じないのは、説明すればこれがとてつもなくひどい人権侵害を行いうる危険条項であることが万人に明らかになってしまうからである。かつて、これほど危険な改憲案が現在の政治課題として浮上してきたことはない。緊急事態条項の危険性については、我々は何度となくお伝えしてきた。

天賦人権説を否定した片山さつき議員。安倍総理の答弁の背景に見えてくる、倒錯した憲法観

 志位委員長の代表質問では、「お答えは差し控える」としながらも、「緊急時において、国民の安全を守るため、国家、そして国民みずからがどのような役割を果たすべきかを憲法にどのように位置づけるかについては、極めて重く、大切な課題と考えている」と回答した。

 緊急事態条項は、「緊急事態の宣言が発せられた場合には、何人も(略)国その他公の機関の指示に従わなければならない」と定め、強大化した国家権力を前に、国民は服従を強いられ、人権を制限することにも踏み込んでいるが、志位委員長に対する答弁で、安倍総理は改めて人権の制限規定が「大切な課題」であるとの認識を示したことになる。

 かつて自民党憲法改正案の起草委員のひとりである片山さつき議員が、改憲草案について、「天賦人権論をとるのは止めよう、というのが私たちの基本的考え方」と明言し、「国があなたに何をしてくれるか、ではなくて国を維持するには自分に何ができるか、を皆が考えるような前文にしました!」と改憲草案の性格を説明していた。これが悪い冗談ではなく、本気で、本当に本気で改憲を実行しようとしている巨大政党の議員の発言なのである。天賦人権論を拒否するという彼らは、人権が国家から与えられるものだとうそぶくのだろうか。とすれば、日本という国家はひとつの「監獄」であるというのに等しい。

 片山さつき氏の倒錯した憲法観こそが自民党改憲草案の本質である。安倍総理の答弁こそが、この事実を端的に物語っている。

 自民党は今夏の参院選で3分の2議席を獲得し、憲法改正、それも緊急事態条項の新設を目指すと公言している。国民ひとりひとりが主人公であり、主権者である国から、国民が国家に服従し、国家のために存在するという、大日本国憲法下の日本のような時代錯誤の時代を受け入れるかどうか、今、瀬戸際に立たされている。

 以下に、緊急事態条項と憲法改正をめぐる共産・志位委員長による質疑と安倍総理の答弁を掲載する。

「国民の役割を憲法にどう位置づけるかは重い課題」共産・志位委員長の質問と答弁を避けた安倍総理の回答部分全文

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  1. 西遠寺 透 より:

    質問者が志位委員長ですが安倍総理が答えられない質問内容でないと思います。
    安倍総理が逃げまくる姿勢をとって狙うのは、国民のなかに蔓延する「反対への厭戦気分」醸成のように思います。

  2. 武尊 より:

    こんな総理を支持している信者はな~んも考えてない

  3. 上之清尚 より:

    また議事録なしのパンチ決議にもっていくつもりかな それとも もっと想定外の新手を用意しているのかなと 大方の見当がつくようにはなってきましたね。あとは国民の判定を待つしかないかな。oldailor36

  4. 明智 小五郎 より:

    埼玉県上尾市にある聖学院大学政治経済学部の石川裕一郎教授は、安倍首相が創設を目指す「緊急事態条項」について
    ●フランスの事例を挙げて、これまで6回の非常事態宣言の発令では自然災害での適用が1回もないのです。・・・と言っています。

    そうでしょうか? 考えてみてください。
     非常事態のうち、(テロ等)によるものは(人間社会)で引き起こされたものです。
           しかし、(自然災害)はその名のとおり(自然発生)の現象なのです。
     非常事態宣言を発令した6回の間に、自然災害が無くて幸いであっただけのことである。
     ですから、(テロ等)の回数と比較する意味が全くないのです。

    ●また 石川裕一郎教授は、憲法54条の(参議院の緊急集会)を根拠に、緊急事態条項の必要性を否定しています。

     参議院議員の半数だけで、緊急事態を乗り切れるのでしょうか? 自然災害のみ発生したのであれば、それでも乗り切れるでしょう。 しかし実際には、あらゆる場合を想定した緊急時の対応が必要となります。
    仮に自然災害が発生したとして、それに乗じて(テロや他国による侵略)が引き起こされた場合は憲法54条の(参議院の緊急集会)で乗り切ることは現実的に無理があり、安全保障への対応ができず、国家の危機に陥ります。
    GHQ草案に基づく現行憲法は、そこまで想定して作られていません。 ですから、国の存立危機事態に備えるために 「緊急事態条項」 の創設が求められるのです。 日本国の尊厳を大切にする自民党の 「日本国憲法改正草案」 は しっかりと、「緊急事態条項」の創設を提案しています。

    安保法制に反対する(自称:憲法学者)に特徴的なことですが、護憲にばかり拘(こだわ)っているために、(現行憲法の不備・問題点)が分かっていないのです。 丸暗記した憲法条文を、念仏のように唱えるだけで憲法の学者と言えるのでしょうか? 丸暗記なら、全ての小学生にも出来ることです。

    1. はげ より:

      そんなしょーもない自論で、よー明智て名乗れるな。

  5. 鳩山ユキオ より:

    安倍内閣は野党の質問をはぐらかし、かみ合わない答弁を繰り返して国会答弁(会話)が機能しないようにしているね。
    この安倍内閣の「国会答弁軽視の姿勢」と「国家主義思想」と「東アジア諸国軽視とアメリカとの一体化姿勢」では将来の日本が緊急事態に陥り痛い思いをするのは確実だね。
    日本の民主主義を守る為には野党は自分の立場を越えて55点(50~60点)の内容でつながれる仲間を増やしていって、日本にはびこる安倍内閣(友達内閣)を倒す必要があるね。

    野党が共有する理念として、
    ①他人が尊重する物事を尊重する。
    ②大日本帝国が台湾、韓国、北朝鮮、中国を侵略したことを認める
    ③地球温暖化の人為的要因を認める
    ④国連の世界人口予想(2100年に112億人)を認める
    ⑤安倍晋三内閣を倒す
    上記を認める人を仲間として野党共闘を進める必要がある。

    政策としては、
    ①再生可能エネルギー産業育成
    ②常時駐留無き日米安保
    ③国際決済を主要国通貨バスケットにする?
    ④5大陸を鉄軌道で結ぶ(ロンドン~東京~ワシントン)事に参加する

    なんてどうでしょうかね。野党共闘で緊急事態条項成立前に安倍内閣を倒したいよね。

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