「病歴、学歴、職歴も集約され、権力側にチェックされる。恐ろしい社会が待っている」 〜マイナンバー違憲訴訟「プライバシー権や人格権の侵害だ」 2015.12.1

記事公開日:2016.1.12取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・関根かんじ)

※1月12日テキストを追加しました!

 2016年の年明けとともに運用がはじまったマイナンバー(共通番号)制度。まだマイナンバーの通知カードを受け取っていないという世帯も多々あり、本格運用まではまだ時間がかかりそうだ。

 「国家が個人情報を握ったことで、国民の間に萎縮効果を生む。それは、民主主義社会の前提を崩しかねない」――。

 2015年12月1日、東京都千代田区の司法記者クラブで、「マイナンバー違憲訴訟」に関する記者会見が行われた。2016年1月から本格稼働するマイナンバー制度は、番号による名寄せや、情報漏えいの危険性が指摘されている。この日、「マイナンバー制度は、憲法13条のプライバシー権や人格権を侵害する」として、地方議会議員や自治体職員、医師、税理士、自営業者、性同一性障害を持つ人たちなど約150人が原告となり、国を相手どって、東京、仙台、新潟、金沢、大阪の5地裁に一斉に提訴を行った。

 マイナンバー違憲訴訟東京弁護団の水永誠二弁護士は、「マイナンバー制度によって、性同一性障害者の(戸籍上の)性別が強制的に開示されることになり、生存権とアイデンティティの侵害になる」と強く異議を唱え、1億3000万人弱の個人データを扱う巨大なインフラがいったん動き出したら修正するのは不可能だ、と指摘。「実施を差し止めることで、もう一度、プライバシー保護の観点から見直しをさせたい」と訴訟の必要性を訴えた。

 原告の元杉並区議、奥山妙子氏は、政府が大々的に喧伝して進めているマイナンバー制度について、「同調圧力もあり、どうやって拒めるのだろうか。私たちの病歴、学歴、職歴が集約され、権力側にチェックされる恐ろしい社会が待っている」と懸念を示した。さらに、「労働者が退職したあと、個人のデータは企業が廃棄することになっているが、そういうことも、ちゃんと行われるのだろうか」と不安を口にした。

記事目次

■ハイライト

  • 日時 2015年12月1日(火) 15:30~
  • 場所 東京地方裁判所前、司法記者クラブ(東京都千代田区)
  • 主催 マイナンバー違憲訴訟東京弁護団

マイナンバー制度は、憲法13条を侵害する

 マイナンバー違憲訴訟の東京弁護団の瀬川宏貴弁護士によると、民事訴訟による原告30名は市民、地方議会議員、自治体職員、医師、税理士、自営業者、性同一性障害者、前国立市長の関口ひろし氏も含む。また、仙台、新潟、金沢、大阪の各地裁での原告数は合計126名だという。「今後、横浜や名古屋、福岡でも提訴を予定している。東京でも、さらに原告を集めて、第2次、第3次の提訴も行う」と報告した。

 水永弁護士は、訴状の要点として、「原告に関するマイナンバーの収集、保存および提供することの差し止め」「すでに保存されているマイナンバーの削除、原状回復」「11万円の慰謝料(内1万円は弁護士費用)」の3つを挙げた。提訴した根拠は、憲法13条のプライバシーの保護、人格権の侵害だとし、「ビックデータ推進の高度情報社会の中、プライバシーの重要性を再考させたい」と述べた。

 続けて、マイナンバー制度の問題点を次のように指摘した。

 「1. 生涯不変の番号を個人へ付番すること。2. 税、社会保障、防災分野での共通番号制で、官以外に民間でも使えるため、将来、適用拡大の危険性がある。3. データマッチングシステム(情報提供ネットワークシステム)の導入により、個人データとの名寄せを可能にしたこと。4. 個人番号カード、マイナ・ポータル(情報提供等記録開示システム)を含めた特化戦略で、実施が早急すぎること」

個人情報を握られて萎縮、そして監視国家へ

(…会員ページにつづく)

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“「病歴、学歴、職歴も集約され、権力側にチェックされる。恐ろしい社会が待っている」 〜マイナンバー違憲訴訟「プライバシー権や人格権の侵害だ」” への 2 件のフィードバック

  1. あのねあのね より:

     個人情報の管理が非常に甘い日本の現状で、この制度をスタートしてはならない。例えば、宅配をする新聞だが、個人情報を第三者に簡単に開示した現場を目の前で見たことがある。大福帳のような大きさの帳面に成っている全戸台帳と云うものを開示していた。開示した相手は風体から想像すると警察だと思う。
     そんな新聞は迷惑な押し売り行為で成り立っており、国民生活センターなどへの苦情はダントツの一位である。全ての悪質商法はハンコを押させてしまえば業者の勝ちという状態だ。これを、一番享受しているのが新聞の営業=押し売りだ。逆に言うと、全ての悪質商法を根絶する為に規制を強化すると新聞は大幅に部数を減らさざるを得ない。
     国民の利益を考えて悪質商法を根絶する為に規制を強化しようとしたところ、読売新聞が菅官房長官に働きかけて消費者庁の幹部を更迭し、徳島移転まで決めてしまった。こんなことょする官邸側のメリットは、新聞に嘘とデマを書いてもらうことだ。官邸側のメリットは、安倍内閣は素晴らしい内閣で、経済政策も成功し、近隣の生意気で挑戦的な外国への対応も強気で、拉致問題にも強豪策で対応しており解決への最良の道を歩んでいると云うデマ物語を新聞に書いてもらうことだ。
     悪質商法を元に部数を維持し続け経営を何とか成り立たせている全国紙と呼ばれる新聞や、系列である在京キー局は、マイナンバーへの批判は不可能だ。そんなことをしたら新聞は悪質商法を続けられなくなって倒産してしまうからだ。あくの連携をしたのはマイナンバーが双方の悪党にとってメリットが有るからだ。
     ヤフーのプロバイダの情報が大量に流出した事件を覚えているだろうか。あのときの流出した情報のメディアはDVDだった。顧客情報 470万人分がDVDに入れられて流出した。犯人は自民党とも現在でも関係が深い宗教団体の信者でもあった。マイナンバーにデマが紐付けられて当局に利用される可能性は高い。特に、安倍内閣と官邸のデマ体質を見ている限り、その可能性はとても高いのだ。

  2. @55kurosukeさん(ツイッターのご意見) より:

    「病歴、学歴、職歴も集約され、権力側にチェックされる。恐ろしい社会が待っている」 〜マイナンバー違憲訴訟「プライバシー権や人格権の侵害だ」 http://iwj.co.jp/wj/open/archives/277017 … @iwakamiyasumi 一言でいえば「自由が無くなる」。想像以上の未来になりかねない。
    https://twitter.com/55kurosuke/status/686877507124002817

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