2012/07/12 安冨歩先生の授業「石井紘基氏と特別会計改革」

記事公開日:2012.7.12
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  2012年7月12日(木)17時より、東京・文京区の東京大学本郷キャンパス内、東洋文化研究所で、「安冨歩先生の授業」が行われた。岩上安身が、東大東洋文化研究所3階大会議室の安冨歩先生の授業に侵入した。故石井紘基議員の実娘で政治文化研究所代表・石井ターニャ氏も同席し、3人で、故石井紘基氏が追求していた特別会計の真相と欠陥を説明し、将来の日本を築くための方策などを探りあった。

  冒頭、岩上が、安冨歩氏の新刊『幻影からの脱出』について紹介するとともに、この講義をみて、レポートを提出すると安冨先生から東大の単位がもらえる、一般人でも可能、と説明した。また、石井ターニャ氏とのつながりを語った。

  岩上が「財政危機は本当なのか?特別会計の情報の隠ぺいなどがおこっているにもかかわらず、増税をしようとする。それにメディアも乗じて推し進める。消費増税は、可処分所得の1か月分はなくなる、そういうことがわかっているのか」と話した。ターニャ氏が「特別会計のことがわかったのは、父が亡くなって1年後、財務省がホームページに国の借金と、発表して知られるようになった。怖いことは、それまでの経済学者や専門家たちが、国の経済などを分析していたが、彼らは、開示された情報だけで分析し、それが正しい論説になっていたこと。それまでは、国家予算は闇に包まれていた」と話した。

  「なにが切っかけで石井紘基氏は、隠されていた数字を明らかにしなくてはいけないと思ったのか、どんなプロセスを経たのか、どれくらいの期間がかかったのか」と岩上が問うと、ターニャ氏は「父の、政治を目ざす切っかけは、学生運動で見た江田三郎議員の姿勢に感銘を受けたこと。それで、羽田内閣のとき総務政務官になった。そこでいろいろな政府の内側を知るようになり、政策秘書などを使わず、まったく自分一人で調べるようになった。それで民主党に移ってからも、調査し続けるが、民主党議員にはあまり理解されていなかった。むしろ、自民党議員の方が賛同してくれていた」などと語った。

「国には、一般会計と特別会計がある。特別会計の下には、公益法人、公団など、たくさんの政府系団体がぶら下がっている。しかし、問題なのは、それぞれの団体が、さらに3000社以上の、子会社、孫会社を持っていること。それは民間会社なので、会計検査院とかのチェック機能が使えない。石井紘基氏が驚いたのは、それらの特権会社らがGDPの半分くらいを占めていて、100〜200万人くらいの人々が雇用されていること。これをなくせば、600万人くらいの雇用が生まれ、税収も増える、というのが石井氏の主張だった。結局、大企業は、それらの子会社の立場も同然。原発も同じ構造」と安冨教授が、石井議員の調査していた内容を説明すると、ターニャ氏が「国会の審議をしないで予算付けがされるので、特別会計も憲法に矛盾する」と補足した。

  「石井氏は、モスクワ大学で政治学を研究していた経験から、ソ連崩壊になぞらえて、日本も将来的に同じようになると言っていた。それは、官僚たちの特別会計を利用した民間活力をそぐような不正蓄財。このシステムの改革が日本を救うと考え、特会改革を訴えていた」などと安冨氏と岩上が解説した。岩上は「今回、民主党が政権を取ったが、まったくそれらの改革などに手をつけなかった。ソ連崩壊のとき、IMFなどグローバル資本が資産を収奪していった。これは日本にもおこっている」と言った。ターニャ氏は「それで一番、損害を受けたのが一般国民だった」と話した。

  岩上は「公共すべてが悪いわけではない。特別会計の情報隠ぺいが問題だ」、安冨氏は「石井氏は、特別会計を一般会計に含めて全部、市場で公共入札にしようと主張した。昔、満州国が実践していたシステムに酷似している。でも、今の方が、もっと悪くなっている。原発事故のダメージも、特会関連は片腹、傷まない。打撃を受けるのは、官公庁とはステークホルダーではない一般会社たちだ」といった。ターニャ氏は「では、変えるにはどうしたらいいのか。役所のなかにも、日本を憂いている官僚も知っているが、日本をよくしようと言うと、同僚官僚から、なぜ日本を良くしなくてはいけないのか、と言われてしまう」と指摘した。

  岩上は「アメリカでは1%の富裕層が80%の富を保有している。それに反抗する勢力には、力で鎮圧しようとしている」、安冨氏は、ドクターロマンの例え話をした。「つまり、ウソで固めて、バレそうになったら関係者を殺してしまった、という実話だが、今の日本も、そうなる可能性もある。悪行がばれそうになったら、尖閣問題とか、戦争などで、ウヤムヤにする可能性は大いにある」。ターニャ氏は「父も、いつも公団などを検察に告発していたが、すべて却下されていた。今、政府は、国政調査権を縮小させようという動きがある」などと語り、特別会計のシステムの百害を、日本の未来に当てはめて、3人はいろいろと解決法、アイデアを語り合った。ターニャ氏は、ここで退席した。休憩後、安冨氏が、石井紘基氏著作を紹介した。さらに岩上と安冨氏が、日本の現状と方策を語り合った。岩上が退席したあと、安冨氏が、質疑応答に応じた。【IWJテキストスタッフ・関根】

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コメント “2012/07/12 安冨歩先生の授業「石井紘基氏と特別会計改革」

  1. >「では、変えるにはどうしたらいいのか。役所のなかにも、日本を憂いている官僚も知っているが、日本をよくしようと言うと、同僚官僚から、なぜ日本を良くしなくてはいけないのか、と言われてしまう」と指摘した。
    >安冨氏は、ドクターロマンの例え話をした。「つまり、ウソで固めて、バレそうになったら関係者を殺してしまった、という実話だが、今の日本も、そうなる可能性もある。悪行がばれそうになったら、尖閣問題とか、戦争などで、ウヤムヤにする可能性は大いにある」。ターニャ氏は「父も、いつも公団などを検察に告発していたが、すべて却下されていた。今、政府は、国政調査権を縮小させようという動きがある」
    https://youtu.be/3aAOtNDjEyw

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