【大義なき解散総選挙】施行目前の秘密保護法に杉並区議・市民らが抗議、安倍首相宛に申し入れ 2014.12.4

記事公開日:2014.12.8取材地: テキスト動画
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(IWJ・細井正治)

 12月10日、特定秘密保護法が施行される――。

 政権に返り咲いた2年前の衆院選でも公約に掲げず、多くの国民の反対や野党の批判を「数の力」で押し切って強行採決された秘密保護法。今回の2014年衆院選でも争点にはされず、「アベノミクス解散」の影に隠れている。

 しかし、自民党が再び今回の選挙で多数の議席を獲得すれば、「国民の信任を得た」として、今も続く反対運動や懸念の声も、すべて「帳消し」とみなす可能性がある。

 12月4日13時から、杉並区役所5階の議員厚生室で「杉並アピールの会」と超党派区議団が秘密保護法に異を唱える記者会見をし、その後、15時から安倍首相宛ての申し入れを行なった。

 杉並に長く暮らし、秘密保護法などにも反対の声をあげてきた菅原文太氏の逝去を偲び、リボンほか「黒」を身に着けて哀悼を捧げ、今後も、その意思を受け継ぎながら声をあげ続ける決意を表明した。

記事目次

■ハイライト

  • 詳細 13:00~杉並区役所内で記者会見/15:00~内閣府に署名提出
  • 日時 2014年12月4日(木) 12:00~
  • 場所 杉並区役所(東京都杉並区)

隠された争点―特定秘密保護法「まさに『監視社会』」

 杉並アピールの会・大学講師の丸浜江里子さん「60年前、杉並から世界へひろがり、3200万筆を集め、時代を変えた『原水爆禁止署名運動』をイメージして、『杉並アピールの会』は発足しました。

 長らく杉並に暮らし、戦争や原発などに反対してきた菅原文太さんの言葉を『杉並アピール』発表の最初から掲げ訴えてきましたが、先月、沖縄県知事選で応援した翁長さんの大勝利を見届けて亡くなりました。

 秘密保護法は、『知る権利』に関する国際原則(ツワネ原則)からも逸脱していて、時代に逆行しています。また12月10日は、『世界人権宣言』から66周年の『世界人権デー』でもあります」

 青山学院大学名誉教授・伊藤定良共同代表「菅原文太さんへの深い哀悼の思いも含め、これまで多くの杉並区民、そして区議、また他の地域、団体のみなさんと協力してきましたが、まだまだ不十分だった。もっともっと拡げていきたいと思います。

 情報は、社会が成り立つ基本です。我々はモノを知って、批判的にみて判断し、初めて政治に参加できる。それを断ち切るのが秘密保護法です。運用基準55項目を読んでも『その他』が多く、無限定に拡大していく恐れがあります。情報がなければ判断を誤り、間違った方向にいってしまう。

 安倍総理は『一般人は関係ない』とよく言うが、軍事関連も幅広く、一般民間人が『適性評価』として、思想信条や家族、病歴などを調査される。まさに『監視社会』。国際社会に逆行し、見放されてしまう。これらの問題を国民の間に提起できるよう創意工夫したいと思います」

菅原文太氏の言葉「政治の役割は国民にちゃんと食べさせ、戦争しないこと」

 国立音楽大学名誉教授・小林緑共同代表「私は音楽、女性作曲家を研究してきましたが、基本的に地域単位で行動し、世界的な規模で考える。地元の隣人、日常生活に根ざしたところから発想していくと、すべてがつながってくる。無関心層を巻き込む決め手を考えたいと思います。

 菅原さんの、『仲井真さん、弾はまだ一発残っとるがよ』で有名な11月1日、沖縄の炎の演説では、『政治の役割はふたつあります。ひとつは、国民を飢えさせないこと、安全な食べ物を食べさせること。もう一つは、これが最も大事です。絶対に戦争をしないこと』とも言っていました」

自民党、前回も選挙公約にまったくあげず、隠して「強行」した

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