【大義なき解散総選挙】維新・江田憲司共同代表、規制改革は「既得権益まみれの安倍自民党ではできない」と断言、維新の地域分権改革をアピール 2014.11.26

記事公開日:2014.11.28取材地: テキスト動画
このエントリーをはてなブックマークに追加

(IWJ・薊一郎)

 「維新の党の英語名は『Japan Innovation Party』だ。Innovationという言葉は、現在では広く政治・経済・社会システムの変革を意味している。維新の党は、変革を通じて、民間と地域が主役の国づくりを目指していきたい」

 維新の党の江田憲司共同代表が11月26日、外国特派員協会で記者会見を開き、12月14日に投開票を迎える衆議院議員選挙に向けて、党の政治理念と基本政策を語った。

■ハイライト

「民間の活力と地域の底力を十分に発揮させる」

 会見の冒頭、江田氏は党の英語名「Japan Innovation Party」の由来を説明するとともに、党の政治理念を次のように語った。

 「基本的に、維新の党は民間の活力と日本人の可能性を信じている。

 今まで自民党は、民間への不信感から、官僚統制により民間に手かせ足かせをかけてきた。

 明治維新以来、中央が地方を統制してきたが、すでに限界にきている。

 維新の党は、これを抜本的に改革して、民間の活力と地域の底力を十二分に発揮させていきたい」

「規制改革は既得権益まみれの安倍自民党では決してできない」

 江田氏は、党の基本政策として第一に規制改革を挙げ、「(規制改革は)既得権益まみれの安倍自民党では決してできない」と断言する。

 「今年(2014年)はじめのダボス会議で、安倍首相はあらゆる規制を打ち砕くと言ったが、何もできていない。なぜか。農業・医療・電力という(本来ならば)成長分野に規制をかけて、自民の支持基盤を作っているからだ。

 私の官邸での経験から見て、安倍政権では規制改革は決してできない」

 江田氏は、安倍政権・自民党による規制改革の政策矛盾を鋭く指摘した。

「日本の農業は成長産業になると信じている」

 規制により成長をそがれている典型的な産業として、江田氏は農業を取り上げた。

 「政府は減反政策を廃止するという政策を打ち出したが、結果的には『転作奨励金』を残すことで米以外の作物を奨励し、実際は減反政策を維持することになった」

 2013年11月26日、政府は「農林水産業・地域の活力創造本部」で、国が農家ごとに主食米の生産量を割り当てて価格を維持する生産調整(減反)を5年後の2018年度になくす方針を正式決定した。

 5年後を見すえて、政府は減反に協力する農家に配っていた補助金も段階的になくす一方、減反に応じて飼料用米などの生産に転作した農家に配る転作補助金を増やし、最大で10万5000円とした。

 政府の減反廃止決定は見せかけで、実際には転作補助金という形で減反政策は維持されていると江田氏は主張する。

 「維新の党は、名実ともに減反政策を廃止して、(自由に)米を作ってもらう。

 今1俵1万2、3千円の米は、減反を廃止すればすぐに7、8千円になる。そううすれば、現在でもシンガポールや上海でも売れているのだから、この値段ならばもっと輸出できるようになる」

 江田氏は、こう述べ、減反政策の廃止によって、日本の米は輸出競争力を高めることができると主張した。

 「(規制改革により)株式会社やNPO他が、農地を購入して農業へ参入できるようにする。また、定年退職後の会社員や若者などの参入をうながす。

 維新の党は、日本の農業は輸出産業・成長産業になると信じている」

「地域のことは地域で決める」維新の地域分権改革をアピール

 江田氏は、「もう1つの大きな政策の柱は、地域分権改革だ」と続ける。

 「安倍政権は、『地方創生法案』を今国会に出したが、相変わらず中央からの上から目線だ」

 11月21日、人口減少克服や地域経済活性化の基本理念を示した「まち・ひと・しごと創生法」と改正地域再生法が、参院本会議で自民、公明、次世代の党などの賛成多数により可決、成立した。民主党、維新の党、共産党などは欠席した。

 「中央に『地方創生本部』を置き、新しく補助金を作ってバラまく。こういう発想では、地方創生はできない。

 維新の党は、中央から地方へ徹底的に権限・財源を移し、地域のことは地域で決めるという地域分権改革を訴えている。

 (そのために)我々は『道州制』を唱えている。都道府県知事ではなく、市町村長に権限と財源を与えるのが基本だ」

 江田氏は、安倍政権の地方活性化政策の実効性に疑義を呈し、維新の党としての地域分権化政策を力説した。

「地域活性化とともに原発をゼロに」

 電力産業に関して、江田氏は、「発送電分離により、太陽光発電などの小規模分散型電力会社」の勃興をうながす政策を推進すると訴える。

 「我々が目指すのは地産地消だ。これが地域活性化とともに、原発をゼロにしていくプロセスだ。

 しかも原発は少しも安くない。米エネルギー省の統計によれば、LNG火力発電と比べて、原発は2倍も高い電源だ。

 維新の党の原発政策によれば、原発は市場メカニズムで自然淘汰される」

 江田氏はこう述べ、党の規制改革と地域活性化により、将来的に原発ゼロを実現できると説明した。

「アベノミクスは本来『エダノミクス』と呼ぶべきもの」

(…会員ページにつづく)

アーカイブの全編は、下記会員ページまたは単品購入より御覧になれます。

一般・サポート 新規会員登録単品購入 330円 (会員以外)

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です