【大義なき解散総選挙】安倍総理の「この道しかない」に「違和感を覚える、傲りではないのか!」――民主党が公約で「3本の矢」に代わる「3本の柱」を発表 2014.11.24

記事公開日:2014.12.11取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・出口大)

特集 総選挙2014

※12月11日テキスト追加しました!

 民主党の海江田万里代表は11月24日(月)15時、党本部5階ホールにて、衆議院選挙に向けた党のマニフェスト発表の記者会見を行い、同党政策調査会長の福山哲郎氏が、重点政策について説明した。

 海江田氏は「アベノミクスでは持続的な成長は実現できない」ことを強調し、「アベノミクスの3本の矢」に対抗する民主党経済政策の「3本の柱」を掲げた。続いて、福山氏が経済政策「3本柱」の詳細、それ以外の基本的政策を合計10項目に整理して解説したが、記者からは「実現の具体的な方法が見えにくい」「数値目標に欠ける」などといった指摘も相次いだ。

■ハイライト

  • 海江田万里代表、福山哲郎政策調査会長
  • 日時 2014年11月24日(月) 15:00~
  • 場所 民主党本部5階ホール

「3本の矢」の失策を正す「3本の柱」

 冒頭、海江田氏はアベノミクスの引き起こした「国民生活の疲弊」を指摘し、結果的には格差の拡大、実質賃金の低下、社会的弱者への圧迫をもたらすことになった「3本の矢」に対して、「柔軟な金融政策」「人への投資」「未来につながる成長戦略」が民主党経済政策の「3本の柱」であるとした。

 さらに、特定秘密保護法の強行採決、密室談合での集団的自衛権の行使容認、近隣諸国との関係悪化などを例に挙げながら、「立憲主義、平和主義がおびやかされ」、安倍政権が「歯止めなき武力行使の道」に進もうとしていると主張。国民生活のさらなる悪化や、なし崩し的な原発の再稼働、議員定数問題の放置に強く疑義を唱えた。

 これに加え、今回の選挙は、アベノミクスの行く末だけでなく、集団的自衛権の問題、3.11を踏まえていないエネルギー政策、民主主義としての手続きの正当性・公正さ、(解散により)衆議院議員が一人もおらずチェック機能不全状態での特定秘密保護法の施行も含め、すべてが争点だ、と回答した。

「この道しかない」それが安倍政権の傲り

 福山氏は、民主党の「3本柱」が、安倍首相から「野党には対案がない」とされているアベノミクスへの、民主党による実質的な対案であることを強調。「国民生活も経済もナマモノ、イキモノであるから『この道しかない』というスローガンそのものに違和感を覚える、傲りではないのか」と指弾し、「3本柱」の詳細説明に入った。

 異次元金融緩和に対しては、初期段階における一定の効果は認めながらも、「具合が悪くなれば、またモルヒネを打てばいい」といった安倍・黒田型緩和策が、急激な円安、輸入品高騰による物価高、一般労働者のさらなる低賃金化を招いた上、悪循環に陥りつつあると指摘。市場環境を踏まえた「より柔軟な金融政策」、国民生活に十分留意した経済政策の必要性を訴えた。

 機動的財政出動に対しては、自民党の伝統である公共事業中心の財政出動が資材高騰、入札不調を招いた「バラマキ財政」に過ぎないと批判。不安を希望に変えるような「人への投資」、具体的には子育て支援や雇用の安定、老後の安心を保証することで可処分所得を増やし、民需拡大につなげるとした。

 成長戦略についても「一握りの企業のみを優遇している」偏向した経済戦略であり、また首相肝いりの女性参画による活性化の議論も、この解散で放り出されてしまったと主張。民主党は、グリーン(再生可能エネルギー)、ライフ(医療・介護)、農林水産業、中小企業対策に政策資源を集中させた、未来につながる成長戦略に転換していく、これが選択できる道のオルタナティブだ、とした。

「急がされた」マニフェスト策定の窮状

(…会員ページにつづく)

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