次期衆院選に向けた「保守勢力に対抗するための政治勢力を」~森田実氏と4人のリベラル派・前衆議院議員が安倍政権を徹底批判 2014.10.3

記事公開日:2014.10.7取材地: テキスト動画
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(IWJ・薊一郎)

 「2012年からの安倍自民党政権発足以来、日本の政治はますます混迷を深め、日本の民主主義は危機に瀕している」

 「みんなの力で民主主義を取り戻す」と題した講演会が10月3日、神田・学士会館で開かれ、政治評論家の森田実氏と、川内博史氏、平智之氏、辻恵氏、初鹿明博氏の前衆議院議員4名が徹底討論した。

■ハイライト

  • 講演 森田実氏(政治評論家)/川内博史氏(前衆議院議員)/辻惠氏(前衆議院議員)/初鹿明博氏(前衆議院議員)/平智之氏(前衆議院議員)

森田氏「この4人は価値あるメンバー」

 森田氏は、「今国会では、まともな議論が行われていない」と国会の空洞化を指摘するとともに、政局について、「来年夏ごろの衆議院解散はありうると思っている」との見通しを語った。

 森田氏はまた、「若くして政治家となり、落選してしまった人たちの7〜8割が政治活動を止めてしまう。そういう意味で、ここに並ぶ4人は価値あるメンバーだ」と語り、講演会に参加した4人の前衆議院議員の奮起に期待をよせた。

辻氏「保守勢力に我々は遅れを取っている」

 辻氏は、「国会は全く形骸化してしまった。次の衆議院議員総選挙で負けると、安倍晋三首相に好き勝手を許すことになり、民主主義の死滅だ」と危機感を語り、今考えるべき問題点として、「時間・枠組・旗印・運動・政治勢力」の5つを挙げた。

 時間の問題について、辻氏は、「次の選挙までの1〜2年という時間に、いかに次の選挙で闘える枠組みや本当の政権交代をもたらす人材を用意するかだ」と述べ、来年夏の総選挙に備えるための時間的猶予の少なさを指摘した。

 そして、「政党に属していないと選挙に勝ち目がない。現職の民主党議員を中心として、新しい政治の枠組みを作るべき」と述べ、政党としての枠組みを軸に、選挙を闘う重要性を指摘した。加えて、選挙を闘うにあたっての「旗印」の重要性も指摘し、辻氏自身は、「未来」「平和」を旗印にすると語った。

 さらに、政治運動として、田母神俊雄氏が東京都知事選挙で61万票を獲得したことなどを例に、「保守勢力側に新しい兆しが出て来ている。我々は遅れを取っている」と話し、自身がよって立つリベラル勢力の劣勢を認めた。その上で、「このような保守勢力に対抗するための政治勢力を作っていきたい」と、意気込みを語った。

初鹿氏「2012年の落選以来、毎日街頭に立っている」

 初鹿氏は、2012年の衆院選挙前に民主党を離党し、日本未来の党から出馬して敗れた。

 「その時考えた。なぜこんなに票を減らしたのか」

 そんな初鹿氏に、妻がこう話したという。

 「あなたの訴える政治はきっと正しいのだろう。でも今、世の中は右傾化している。強い日本を作るとか、外国人を排斥するとか、タカ派路線がうける」

 次の日、初鹿氏は、「ごめん、もう少しやらせて欲しい。日本をあきらめたくない。政治家を辞めるのは、日本を諦める時だ」と妻に告げ、以来、毎日街頭に立っている。

 「若者の中には、安倍首相より右傾化するものが出て来ている。若者だけではなく、地元江戸川区の会社経営者の中にも、韓国嫌い・徴兵制支持・集団的自衛権行使容認支持と発言する人も少なくない」と初鹿氏は語り、危機感を訴えた。

鳩山由紀夫氏「4名に議席を失わせてしまった責任感じる」

 ここで、一参加者として来場した鳩山由紀夫元首相が発言した。

 「これら4名の若手に議席を失わせてしまった責任を感じている」と話し、元民主党代表・首相として、2012年総選挙での民主党敗北に対する責任に言及した。

 鳩山氏は、沖縄・辺野古の基地移転反対集会にも一市民として参加したことを振り返った。

 「辺野古の集会にそっと参加してきた。普通の人、おじいさん、おばあさんが参加し、沖縄の民意を感じた。翁長雄志那覇市長の演説にも、感銘を受けた。安倍政権や仲井眞弘多・現沖縄県知事は、民意を無視して辺野古への基地移転を進めようとしている」

 鳩山氏は、「民主主義が危機に瀕している今、民主主義をどうすれば取り戻せるか、ここで考えて欲しい」と述べ、議論をうながした。

平氏「民主主義のポイントは、人々の常識や直感が政治に作用すること」

 「禁原発」という旗印を掲げる平氏は、「原発は禁止しなければならない」と主張し、「民主主義のポイントは、人々の常識や直感が政治に作用すること」だと語る。

 「ドイツは2020年までに原子力発電所8基を停止し、以降10年かけてゼロにしていく計画だ。直ちにゼロとしないのは、ゼロにすると電力が足りないからだ。日本では直ちに原発をゼロにしても電気は足りている。今ゼロにするのは普通の感覚ではないか」

 平氏は、「過半数の民意が脱原発の民意を示しているのに、原発をやめられないのは、民主主義は死んでいると感ぜざるを得ない」と語った。

川内氏「安倍首相は日本を自分のものにしようとしている」

 川内氏は、「安倍政権は、辺野古への基地移転を、名護市議会選挙、県知事選挙の結果も関係なく進めるという。民主主義はもうこの国にはないのではないか。安倍首相は日本を自分のものにしようとしている」と痛烈に批判。

 しかしながら、「国民の過半数が安倍政権を支持している。これをどう変えるかが難問だ。どうやって投票行動に結びつけるか」と課題を指摘した。

「『戦後レジームからの脱却』はクーデターだ」

(…会員ページにつづく)

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