経ヶ岬Xバンドレーダー、10月搬入阻止に向け、市民ら決起 ~大湾宗則氏「米軍基地を子や孫に残したいか」 2014.6.22

記事公開日:2014.6.22取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・富田/奥松)

 「京丹後へのXバンド基地建設は、安倍政権が推し進める日本の武力強化と大いに関係する。一地域のローカル問題と見なしてはならない」──。

 2014年6月22日、京都市下京区のキャンパスプラザ京都で「Xバンドレーダー基地建設工事をただちに中止せよ!10月レーダー搬入反対!6.22京都集会」が開かれた。京丹後市の経ヶ岬(宇川地区)にある建設予定地で、5月27日、突然、工事が開始されたことに、基地に反対する市民らは怒りを表明した。特に、地元住民への説明役を担っている防衛省の、米軍にべったりの姿勢を口々に批判した。

 また、「こうしている間にも、工事が着々と進んでいる」という、現状を直視する発言も数多く聞かれ、大湾宗則氏(米軍Xバンドレーダー基地反対・京都連絡会共同代表)は、自分たちの抗議行動は、いわゆる「デモ行進」では威力を発揮できない次元に入った、と強調。さらに、「地元の宇川に漂っているあきらめムードは、明らかにマイナス材料」とも指摘した。

■Ustream録画(17:02~ 2時間6分)

4分~ 瀧川氏/13分~ メッセージ/21分~ 野坂氏/27分~ 映像/41分~ 大湾氏/57分~ 方針提起/1時間15分~ アピール
  • 主催あいさつ 瀧川順朗氏(米軍Xバンドレーダー基地反対・京都連絡会共同代表)/連帯メッセージ 関西共同行動ほか/連帯あいさつ 野坂昭生氏(反戦老人クラブ・滋賀)
  • 映像上映 4月20日現地集会・5月27日建設着工
  • 基調報告 大湾宗則氏(米軍Xバンドレーダー基地反対・京都連絡会共同代表)
  • 行動提起/各団体からのアピール

 弾道ミサイルを探知する「Xバンドレーダー」を配備する米軍基地の建設工事が、5月27日朝、京都府京丹後市で始まったことに関し、司会役の男性は「これは、強行着工という名の暴挙だ。安全や騒音に関する地元住民の不安が解消されないまま、前日の26日になって、突然、米軍側から『明日の着工』が伝えられた」と述べた。

 そして、4月中旬に行われた現地の住民説明会で、防衛省が「宇川地区には(在日米軍人に特権を与える)日米地位協定が適用されない」とのニュアンスの発言を繰り返していたことに言及。「それなのに、防衛省は一昨日の20日、市民グループの質問に対し、『(日本政府は経ヶ岬Xバンドレーダー基地に働く米軍人に)地位協定に従って対応する』と、口頭で伝えたようだ」と述べた。「それに怒った市民らが、前言を翻した理由をいくら追及しても、防衛省は何も答えなかったという」。

国民より米軍が大事なのか

 瀧川順朗氏(米軍Xバンドレーダー基地反対・京都連絡会共同代表)は、「今、集団的自衛権の行使を合憲化する動きが急で、安倍政権は、戦後レジームを破壊しようとしている。それを食い止める一手に、経ヶ岬へのXバンドレーダー配備の阻止がある」と口調を強めた。

 瀧川氏は「4月の地元説明会では、参加した市民は全員、基地建設に反対だった。地元住民の半分超から、基地建設に反対する署名が、すでに集まっている」とも述べ、「それでも米軍による着工を許した防衛省は、主権者である日本国民の存在を軽く見ている」と非難した。「地元住民の、安心安全面の不安は一向に解消されていない。『日本の基準に則った環境調査を、米軍が行ったか』に関する情報も、住民には一切開示されていない」。

 瀧川氏は「防衛省は、事前に米軍からたくさんの情報を得ていたに違いない」とし、今回の対応の酷さには、「工事が始まってしまえば、こっちのもの」と言わんばかりの、米軍と防衛省の本音が滲んでいるとの見方を示した。「京都連絡会は今、『始まってしまった工事を中止に追い込むには、どうすればいいか』『地元住民らの本音を、今以上に引き出すにはどうすればいいか』を巡り、議論を重ねている」。

沖縄と同じ基地問題が、近畿でも

 海上自衛隊の重要拠点である京都の舞鶴基地には、対空戦闘性に優れたイージス艦が配備されている。このイージス艦と、経ヶ岬Xバンドレーダー基地との一体的運用の危険性に触れたのは、反戦老人クラブ・滋賀の野坂昭生氏だ。

 「今後は、近畿に(在日米軍基地の拠点になっている)沖縄に似た米軍基地問題が生まれるだろう」と警鐘を鳴らし、基地建設への抗議行動については、「粘り強く反対することが大事」としつつ、「私たちは、滋賀という少し離れた場所で、これからも京都のみなさんと一緒に戦っていく所存だ」と力を込めた。

現地のあきらめムードを払拭する

 その後、4月20日の現地集会と、5月27日の基地建設着工阻止運動の様子を収めた動画の上映を挟み、大湾宗則氏がマイクを握った。「市民運動での『最終闘争』は、デモ行進に象徴される通常の市民運動とは、質的に異なるもの」と発言した大湾氏は、「自分たちの執念を燃やして、『着工を阻止したい』『基地の稼働を阻止したい』と戦う最終闘争には、入念な準備が必要だ。戦いを指揮するリーダーは、これまでより大きな責任を負うことになる」と強調。客席に向かって、さらなる覚悟と決意を促した。

 「このまま黙認を続けるのか。子や孫のために残したいのが、これ(Xバンドレーダー基地)なのか。いつ、立ち上がるのか。先か、今か」。

 このように、従来にも増して地元住民らに強く訴えている、とした大湾氏。直接会えば、胸の内を吐露する地元住民が少なからずいるといい、「宇川に漂う、あきらめムードの払拭が急務」と訴えた。

10月レーダー搬入、12月運用開始のシナリオ

 今後の反対行動の方針説明では、基地反対・近畿連絡会事務局長の山本純氏が登壇。「5月27日に基地建設に着工した在日米軍と防衛省は、この10月にレーダーを運び入れ、12月には基地の運用を開始すると宣言している。われわれの戦いは、正念場を迎えている」と切り出し、「京丹後へのXバンド基地建設は、安倍政権が推し進める日本の武力強化と大いに関係する。基地建設を、京都の一地域に限定されるローカル問題と見なしてはならない」と口調を強めた。

 レーダー搬入阻止のための、具体的な抗議行動のやり方については、あくまでも「非暴力型」で展開するとの意向を示しつつも、「搬入を食い止めるという確たる成果を得るためには、どう戦えばいいか。全国の同志から早急に知恵を集める」とした。

 その上で、「宇川の基地建設現場では、抗議行動を連続的に展開していくことが肝要だ」と話し、京都や近畿エリアから仲間を集めて、宇川の住民を鼓舞するとした。

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