東京都都知事選12日目の2月7日。IWJのカメラは1日の最後に、新橋駅SL広場で行なわれた、細川護熙都知事選候補と小泉純一郎元総理の街頭演説を中継した。
演説がスタートしたのは夕方6時。2人の元総理の登場は、多くのサラリーマンや買い物客の足を止めた。広場は、演説に聞き入る聴衆で溢れかえった。今ではおなじみの両氏の演説時の光景である。
(IWJ・ぎぎまき)
特集 東京都知事選2014
東京都都知事選12日目の2月7日。IWJのカメラは1日の最後に、新橋駅SL広場で行なわれた、細川護熙都知事選候補と小泉純一郎元総理の街頭演説を中継した。
演説がスタートしたのは夕方6時。2人の元総理の登場は、多くのサラリーマンや買い物客の足を止めた。広場は、演説に聞き入る聴衆で溢れかえった。今ではおなじみの両氏の演説時の光景である。
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「意図的に、脱原発を記事として扱わない。テレビでも報道しない。とんでもないことだ」
選挙期間の終盤から、細川候補は大手メディアに対する批判を展開するようになった。その理由は、連日、千人単位の聴衆を集めているダブル総理の「脱原発」演説について、大手メディアは一切と言っていいほど報道していないからだ。それについて、細川候補は演説の中で言及するようになり、この日はNHKを名指しで非難している。
「NHKのラジオ番組を持っていたある大学の先生が、番組内で脱原発の話をしようとしたら、話さないでくれとNHKからプレッシャーがかかったという。その先生は、そんなことならと、自分から番組を降板したという記事を読んだ。とんでもない話だ。
それが、公共機関の取るべき態度なのか。そんなことで日本の民主主義が守れると思っているのか。民主主義の危機だと感じた」
かつて総理を務めた2人が、大手マスコミや政府を声高に批判することの意味は、決して小さくはない。さらに、元総理2人はトップのリーダーとして、原発について認識が甘かったと認める発言も繰り返してきた。
細川氏は「申し訳ないことだった」と話し、「原発事故が二度と起こらないように、原発をなくした社会を、子どもや孫の世代に引き継いていかなければならない。この挑戦にいっしょにスクラムを組んで、取り組んでもらえたら嬉しい」と締めくくった。
「我々年寄りが、原発の電源で恩恵を受けたとしても、原発によって供給される電気の影で、莫大な負担を敷いられるのは若い世代。再稼働させることで、長い間、危険を負わされるのは、まだ生まれてこない子どもたちだ。
原発が安全だ、安いという嘘を、総理として見抜けなかったのは、確かに私に責任がある。過ちを正すために立ち上がった。原発ゼロで、自然をエネルギーにした社会を後世に残したい」
細川候補の隣でスピーチした小泉元総理も自らの責任について触れ、原発から自然エネルギーへの転換の必要性を語った。そして、一日も早く原発ゼロの社会を実現するため、細川候補当選のための投票を呼びかけた。
演説終了後、IWJは聴衆の一人に話を聞いた。
60代とみられるその男性は、「原発一本で行くのは、その通りだと思う。あれもこれも言うと、中途半端になる」と演説を評価。続けて、福島原発事故や大震災で、いまだ避難を続けている被災者について話した細川氏に共感したのか、「飯舘村の人を知っている。その人は、まだ(ふるさとに)帰れていない。オリンピック開催も手を叩いて喜べない、自分たちの身の上が大事だと言っていた。選挙についても、メディアはお祭り騒ぎではなく、そういうことについても、もう少し報道してもらいたい」と話した。