【IWJブログ】脱原発候補の統一をいま呼びかける意味とは?「脱原発都知事選候補に統一を呼びかける会」記者会見 2014.2.5

記事公開日:2014.2.5取材地: テキスト
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 「脱原発都都知事選候補に統一を呼びかける会」は、東京都知事選候補の細川護熙・宇都宮健児両氏に「候補統一化」を要請する文書を提示することを、2月3日の記者会見で表明した。文書は3日に両陣営に手渡され、6日昼を回答期限としている。回答後に、再度記者会見を開き、結果を報告する予定となっている。

 同会が両候補に要請する内容は下記の4つ。

1. 両陣営は、確実な都知事当選を目指して候補者を一本化し、選挙運動で協力する。
2. 両陣営とも、目標「原発ゼロ」に合致する政策内容の具体化とその実現に努める。
3. その他、2020年オリンピック、社会保障など諸政策についても協力関係を強める。
4. 以上の方針実施を確かなものとするため、新知事は選挙後に辞退側候補に都政への参与を求め、事実上の連立体制を組む。両陣営は予めその約束を協定化する。

 同会は「脱原発が最大の争点」としており、福祉等の他の政策では両候補に違いはないとしている。

 この記者会見に同席した河合弘之弁護士によると、告示後に候補を降りるということは公職選挙法で認められていない。ただし、「降りる」と宣言することは、表現の自由として可能だという。

 両候補ともすでに一本化を否定しており、上記のような公選法抵触のおそれもあるなかで、なぜいま統一を呼びかけるのか。 

【以下、記者会見の実況ツイートをリライトして掲載します】

鎌田慧氏「この会の代表世話人を務めている鎌田慧です。私たちの最大の課題は脱原発運動です。脱原発を続けてきたなかで、再稼働や新規増設、輸出など、とんでもない事態になっています。そういうなかで、今回の都知事選で、脱原発を標榜する候補が2人いるので、候補を一本化してほしいと思っています。

 今日、両陣営に一本化を求める文書をお持ちします。その回答を2月6日の昼に受け取りに行きますので、その結果を6日に報告します。今日は、小山内美江子さん、落合恵子さん、桂敬一さん、河合弘之弁護士、佐高信さん、武者小路公秀さん、むのたけじさん、吉岡達也さんにご同席いただきました」

桂敬一氏「宇都宮健児さん、細川護熙さんに統一を検討して協議して実現してほしいという申し入れの文書を出します。公開の文書です。どっちの陣営の支持者たちのところに行っても、支持者は本心では統一を望んでいるようです。それで鎌田さんに相談しまして、統一の呼びかけをしよう、ということになりました。

『脱原発都都知事選候補に統一を呼びかける会』という名前になりました。私と鎌田さんを含め、19人の方が会員になってくださいました。なぜ、統一しなければならないかというと、統一しなければ、この国は大変なことになる。我々はなんとしても統一をなんとしてもまとめたいという念願を持っています。ここに並んでいる皆さんも共通する思いです」

鎌田氏「地方自治体の人も心配しています。日本全体としての問題ですので、とにかく原発をやめるという思いがあると了解してください」

落合恵子氏「都知事選はひとつの自治体の首長選挙というだけではなく、国政も左右するものであると思っています。宇都宮さんと細川さんの得票率を合計し、脱原発を掲げていない候補の得票率を上回った場合、私たちはどう考えればいいのか。集団的自衛権の行使容認が進められ、昨年は特定秘密保護法が成立しました。しかし、今年の名護市長選、南相馬市町選で流れが変わった。その流れを切らないようにしたいと思います。

 これは、宇都宮さん、細川さんのどちらかに、降りてほしいというものではありません。お話し合いの機会をください、もう一度考えてくれませんか、ということです。いまさら、という思いはあります。それでも、もう一度考えて頂けないかという思いです。このままだと次の世代にとんでもない負の遺産を残してしまうことになるのではないか。

 選挙後に言うことだとは思いますが、細川さんと宇都宮さんに脱原発候補が分かれていて、脱原発の友人たちが二分しています。選挙後、私たちはもういちど連なるのだということを期待します。選挙が終わっても脱原発の運動が終わることはありません。統一ということをお願いしたいと思っています」

小山内氏「私は都民ではないのですが、統一でやっていただけないかと思っています。今の内閣の暴走をさせてはいけない。都知事選について心配しています。票が割れることを心配しています。票が割れて、舛添さんとか田母神さんが知事になったらどうするのか。統一した人に出てほしい。原発はやめてもらいたい。どんなに人々が苦しんでいるか」

むのたけじ氏「この会場に社会党の関係者はいませんか、共産党の関係者はいませんか、労働組合の方はいませんか。いませんね。これはおかしいなー、おかしいよ。60年安保の時、共産党は一生懸命がんばったでしょう。日本の情勢を変えなければならない。

 私がジャーナリスト活動を始めて78年ですが、その間に民衆と支配権力が対立する戦いがいくつもありましたが、すべて負けてきました。いま、争われているものは知事の椅子ひとつですが、そこに込められた問いかけは、第三次世界大戦を許すか許さないか、ということ。ここが大切な分かれ道ということを皆感じていると思いますよ。

 この分かれ道に、今までの運動で動いてこなかった文化人や知識人が立ち上がっている。しかし、共産党や労働組合といった組織の反応が極めて鈍い。これはおかしいことではないですか。60年安保、三里塚の空港反対闘争、ベトナム反戦運動、学園闘争を戦ってきたが、いつも民衆の側が負けてきました。息が切れてばらばらになっている。

 今回の都知事選で、民衆の側が一致結束して戦わなければいけません!なんとしてもここで統一して、そして勝って、日本の政治と経済の路線を変えなければなりません。勝たなければだめではありませんか。会場においでになっているマスコミの皆さんにお願いします、今、こういう動きがあることを、全国に広めてください!

 18、19世紀以来の政治の流れのなかで、今、ぎりぎりの所で、共産党と社会党が決断して、この情勢を変えることが重要だと思う。いま喋っていることは、私の遺言みたいなものですけど、人民の幸せのためにまとめる努力をしない勢力は吹っ飛ぶと思いますよ。皆で、本気になって頑張りましょう。結果がどのようになろうとも、私たちの願いが実を結んだなら、大きな連帯の動きを高めていかなければ」

武者小路公秀氏「先日、持続可能な開発教育のフォーラムがありました。そのときに鎌田さんが提案されて、そのフォーラムで、今日の決議と同じように、一本化を呼びかける動きを始めました。

 そして、私はFacebookで、統一化を求める議論を始めました。そうしたら、『宇都宮さんを裏切るのか』という抗議の声もきました。私は宇都宮さんを支持する考えは変わりません。

 宇都宮さんは昨年の忘年会で、細川さんと話し合ったことがないので話したい、協議したいと言ったと聞いています。宇都宮さんから話し合いの提案をしようとすると、負けた側がすりよっていくようなことになるので、細川さんの方から『引けというのではなく、今後協力するから』ということを言ってくれるのであれば、応えるという気持ちが宇都宮さんにはあると思います。

 今日、細川さんのところにいって、細川さん自身はお忙しいので会えないけれども、細川さんのほうから宇都宮さんに話し合いを呼びかけるよう提案したい。何らのかたちで話し合うということ。話せば分かると思います」

佐高信氏「今回の都知事選の報道を見てきて気になるのは、猪瀬さんが辞めたことで今回の選挙になったのですが、それが忘れられていることです。自民党と公明党と連合東京が猪瀬を支持していましたが、今度はその三者が舛添を支持しています。彼らは、猪瀬さんを支持した責任をどう考えているのか。彼らが別の候補を出してくるなんて考えられないことです。

 猪瀬と舛添の違いはほとんどないですよね。そのへんを徹底的に追及しなければならない。まずはそのことを突いていくことが大事で、メディアの役割のはずです。私は小泉純一郎を批判してきましたが、それでも統一が必要だと考えています」

吉岡達也氏「今回の呼びかけ人に、南相馬市長の桜井勝延さん、湖西市長の三上元さん、前東海村村長の村上達也さんという、原発立地地の首長が加わっています。原発立地の住民にとって、今回の選挙がいかの重要か、ということです。そこに住んでいる人たちの命の問題だということを感じている。この選挙で脱原発を掲げる都知事を選ばなければならないと思っているわけです。

 若い有権者にとっては、統一が大事です。脱原発を掲げる候補が2人いることは、単純に分かりにくいのではないかと思います。今、脱原発志向の若者は多いのに、その票が分散して、結果的に原発推進勢力を勝たせてしまう。こんな馬鹿げたことはないと思いますね。これでは若者の政治離れが進んでしまいます。

 これは、日本における市民の政治参加という点で、大きな打撃を与えると思います。はっきり言って、若者はやる気がなくなりますよ。韓国では、光州事件の後、1987年の大統領選挙で統一ができなかったので、軍事独裁政権を継承した盧泰愚が勝ちました。韓国の人はこのことを肝に銘じています。

 米国の大統領選でも、2000年の選挙で、ラルフ=ネーダーという消費者運動で有名な人が、勝てないことを承知のうえで立候補し、アル・ゴアの票を食ってブッシュが当選しました。そのブッシュが、イラク戦争を始めたんです。イラクで100万人以上の人が死んでいます。そのことにラルフ=ネーダーの立候補が関わっているのです。その後の人の死に関わってくるのです。

 今の、この統一が出来ない状況、私は本当にくやしいです」

【ここから、質疑応答】

フリー・ジャーナリストの田中龍作記者「河合弘之弁護士に質問します。1月15日に細川選対に統一を呼びかけに行った際、選対の馬渡さんに断られたと思いますが、それはすぐに断られたのでしょうか」

河合氏「んー、2日ぐらいかな」

田中記者「落合恵子さんに質問です。今回、落合さんが立候補するということについて、落合さんが『うん』というところまでいっていたと聞きましたが」

落合氏「私もそのことについてどこかで書こうと思いました。『うん』と言うところまでは、まったくいっていません。どなたが、何の理由で、事実と違うことを色んなところで回しているか、私はそれを知りたいです。

 聞かれたので全部言いますね。宇都宮さんの陣営の、前回の選挙をやった何人かが、『出ませんか』といらっしゃいました。はっきり言いますと、選挙に出るならば、私は38年間も苦労してクレヨンハウスなんてやってきませんよ。私は政治に対して失望しているからこそ、自分のお金でクレヨンハウスをやってきたんです。いらっしゃった方にも、お断りしました。

 そうしたら、『ここで断るのではなく、ちょっと考えてください』と言われました。『宇都宮さんは、”落合さんが出るなら私は降ります”と言っている』とおっしゃった。しかし、それが本当かどうかは私は知りませんし、今の私にとってはどうでもいいことです」

 私は年を越すのが嫌だったので、『数日間お待ちください』とその場で言って、それからお話しして『お断りします』と言いました。これだけですよ。私は全然、関係ない。悔しいのは、こういうのが出されると、動きが狭められることです。この話はどこで出回っているんですか?私は見ていないんですが、よく聞かれるんです」

田中氏「分かりました。最後に、吉岡さんに質問です。吉岡さんがおっしゃっていることは胸を打ちましたが、それをご自身が街頭で有権者に訴えたらどうですか」

吉岡氏「分かりました。それは考えます。努力します」

桂氏「今、ご質問された方は、ネットなどの事情に詳しいんですよね。これを掘っていくとスキャンダラスで面白いんでしょうが、今日はこの場をそういう場にしたくない。統一に向けての記者会見にしたい」

落合氏「私のことは、ありがとうございます。ここで言えてスッキリした。もうひとつ皆様にお願いすることがあります。鎌田さんが統一をお願いすることで、どれほど疲れていることか。本当のことを言うと、私も今日来たくありませんでした。誰にするということにはもう関わりたくない。選挙というものがこれほど皆を傷つけるならば、少し距離を取りたいと思っていました。ですが、鎌田さんの疲れ方を見ていると、動かなければならないと思いました。だから、今日は、統一に関する質問をいただければと思っています」

フリー・竹内記者「失礼ですが、100歳の方を筆頭に、若い方がいらっしゃらない。宇都宮さんのほうには若い方や貧困層の方がいらっしゃいます。左右対決もさることながら、世代間対決や階級間対決にもなっているのではないか。

 細川さんの後ろには小泉さんがいて、新自由主義になってしまうんじゃないかと懸念する方がたくさんいます。統一を呼びかけるのであれば、細川さんに宇都宮さんの政策を飲ませたうえでなければ難しいのではないでしょうか」

桂氏「どちらかが降りる、ということを前提としている訳ではありません。両方がイーブンで話し合うこと。そして、政策協定をして、知事になった際はお互いに協力をすることを約束する。それも含めて申し入れをしないと意味がないですよね。それで、その答えを待ちます。我々は仲介をし、要請があれば立ち会いもします。しかし、我々が発言をすることはない」

竹内記者「呼びかけ人の中に、細川さんの応援演説をされた方もいますよね。本当に中立な方が、最後まで、政策協定を結ぶところまでやらないと、一本化はないのではないでしょうか」

桂氏「政策を持っている人が、その政策を実現するために両候補を統一させるというのではないんです。それから、細川さんの宣伝カーに乗ったから『札付き』だと言って排除していたら、この統一化の運動はできません。もう一度初心に戻って統一を呼びかけてます」

竹内記者「桂さん以外で、お答えいただける方はいらっしゃいませんか」

桂氏「そちらが指名してください」

竹内記者「分かりません。お答えいただける方はいませんか。では、落合恵子さん」

竹内記者「政策協定を結ぶ所まで見守る必要があると思いますが」

落合氏「おっしゃっている意味は分かります。今の話で、あなたが誰を支持されているかも分かります。それはどちらでもいいんです。私はこの場に、100%中立で座っています。

 見守る距離をどれくらい取れるか、それは個々の力量の問題なので、正直分かりません。これしか、私は答えられません」

むのたけじ氏「既に終盤になっている中で、本日まで統一できなかった。状況を変えられるかどうか。最後の試みみたいなもので。どういう問題が起こりうるか。細川さんと宇都宮さんで支持者をまとめて、選挙後のことまでも思いをこめて関係を築けるか。

 宇都宮さんの背後にある社会党・共産党がどう取り組むのかも試されている。とにかく統一して、安倍政権の危険な路線につながるものを避けなければならない。戯曲の筋書きのようなものは到底望めないと思います」

桂「河合弁護士には、われわれの運動が、公職選挙法に抵触しないか助言いただいています」

河合氏「この運動が公職選挙法に違反するかどうかについて説明します。まず、候補者の調整が適法かどうかという問題があります。候補者の調整は、 金銭を提供したり、地位を約束したりする場合は、公職選挙法に觝触します。ですから、そういうことをしろと言っているのではありません。

 今の段階で一本化ということになりますが、宇都宮さんか細川さんが降りるというのは公職選挙法上許されません。告示日以後は、辞退権はなくなります。いまや期日前投票が済んでいる人もいるのですから、それはできないことになっている。しかし、話し合いをして、どちらかが降りたと宣言することは表現の自由であり、報道の自由ですから、許されます。

 たとえば、宇都宮さんが立ち会い演説会で『私はもういいよ。細川さんに入れてやってくれ』と言うと、公選法違反になります。ただし、たとえば、細川さんが『私は降りたから、宇都宮さんに脱原発票を宇都宮さんに集中しよう』と、選挙運動としてではなく、メディアに呼びかけるのは自由です。そのまわりの人が依頼することも自由です。

 先ほどのご質問について答えると、私どもの要請を読まれましたか。読まないで質問されても困るんですけど。私どもは、『新知事は選挙後に辞退側候補に都政への参与を求め、事実上の連立体制を組む。両陣営は予めその約束を協定化する』と言っているのです。私たちに、今の段階で政策協定を作る自信があるか、その政策協定な何だなんて、今の時点で問いかけるのは、事態を全く把握していない。私たちは枠を作って、そこで政策協定を作ってくださいということをお願いするのです。それなのに、『あなた方腹に一物あるんだろ』みたいな言い方は非常に失礼だと思います。これで失礼します」

武者小路氏「両方に呼びかけるのではなく、まず細川さんに呼びかけて、細川さんから宇都宮さんに呼びかけてもらうようにします。宇都宮さんの方からというかたちになると、宇都宮さんのまわりの方たちがあれしますけれど、応えるということについては、それはないので、まず細川さんに呼びかける。その後のことは横で見守りたいと思います。ただ見守るということが、第三者としてやるべきことだと思います」

むのたけじ氏「いい刺激を与えると思います。ぜひ細川さん本人に会って下さい」

桂氏「武者小路さんは、細川さんのお祖父さんの近衛家の方と、学習院でたいへん親しいはずではないかと・・・」

武者小路氏「弟さんとは親しいのですが」

読売新聞・山村氏「鎌田慧さんにおうかがいします。細川さん、宇都宮さんとも、原発だけではなく福祉や雇用の政策も訴えていますが、その点はいかがですか」

鎌田氏「私の認識は、この都知事選は、脱原発が最大の争点だと考えています。脱原発の候補が勝つことによって、東京が脱原発を宣言し、世界に呼びかけることが重要です。脱原発のなかの候補を統一してほしいということです。

 福祉にしろ外交にしろ、私は両陣営に対して違和感を感じていないので問題ありません。前回の選挙では宇都宮さんを応援し、その後も支持してきました。とにかく、脱原発票が割れてしまうのは、日本にとって悲劇です。それを防ぎたいというのが、私たちの共通の思いです」

落合氏「『脱原発・反原発というシングルイシュー』という言い方がありますが、それは間違っています。私たちは、今の原発推進社会が持ってしまった、『支配と被支配の構造』を変えていく。そういう意味では福祉も同じテーマです」

桂氏「猪瀬路線のオリンピックの方針については、どちらも見直すと言っていますね。社会保障や福祉についても、話し合うことはできると思いますね。細川さんは、福祉や社会保障はどなたが都知事やっても同じでしょうと言っているのですよ。この点は宇都宮さんはしっかり考えていますね。いろいろ考えられる余地があると思いますね」

日刊ゲンダイの記者「この要請を、いつ、誰が、どうやって持っていくのでしょうか」

桂氏「これは公開申し入れです。この記者会見の後、頃合いを見計らって、両方の事務所に、鎌田さん、私、武者小路さんで両陣営に行きます」

田中記者「メディアも動向できるのですか」

桂氏「それはしないで下さい。トラブルになる可能性がありますから。結論は鎌田さんのところに届けてほしいと言いますが、その日には事務所に張り付いて待ちます。合意成立の場合は合意ということになるでしょうし、断る場合にはその理由を言ってもらいます。6日にそのまま公開します。私たちは、公開の場で、顛末まで分かるようにします」

むのたけじ氏「しくじった場合、ほんとうの真剣な闘いが始まる。なぜ断ったのか、なぜ問題があるのか、そのとき支持政党はどういう動きをしたのか、労働組合運動がなにをしたのか、きちっとしなければいけないわけですから、すべてあけすけに進めてほしいと思います」

IWJぎぎ「両候補が統一はないということを明確に回答していると思いますが、そのうえであえてこうして記者会見を開いて、申し入れにいくということの意味を教えて下さい。候補者が置き去りにされたような進み方だという声も聞きますが、その点についてお考えをお答えください」

桂氏「むしろこちらがお聞きしたい。候補者は置き去りにされているとは?」

ぎぎ「候補者が統一を否定しているのに、あえて呼びかけていくのか疑問の声はあると思います」

桂氏「候補者がわれわれを置き去りにしているから、こうやってやっている」

鎌田氏「公明正大に有権者に届くようにやっていきたいということです。これまでも統一を呼びかけたことはありましたが、このように表立ってやったものではありませんでした。私たちは、裏工作というようなことではなく、公明正大にやろうと、そういうことです」

朝日新聞の記者「告示前にも呼びかけを行ったと思うが、そのときの回答と、今回の回答の関係はどう考えればいいのでしょうか」

鎌田氏「いままではどちら側でも表明してこなかったわけです。今まで統一の問題に関わっていなかった人にも関わってもらった。前に呼びかけたメンバーと、今回のメンバーは違います」

毎日新聞の記者「告示後に法律上降りれない状況になって、それでも降りろと呼びかけるのは候補者にとって失礼ではないでしょうか」

鎌田氏「失礼とかそういうことではなく、これからの日本をどうするか、一緒に考えましょうということです。

 先ほど、世代間の対立とか階級対立とか新自由主義とかいう質問がありましたが、そういうことを言っている場合ではないでしょう。このままいったら原発の再稼働とか輸出とかいう話になっているので、それは失礼とかいう話ではないと思います」

落合氏「もっと前にこれを公にやりたかった」

小山内氏「ここには選挙権がないのですけれども、新聞で舛添がリードしていると書いていました。競馬じゃないんですよね。諦めきれなかったので出てきたのです」

佐高氏「さきほど、猪瀬当選について自民党・公明党・連合東京の責任があると申し上げましたが、メディアも大きな責任があると思いますよ」

鎌田氏「6日の2時に結果をお伝えします。集まってくださってありがとうございました」


【吉岡達也氏インタビュー取材】

IWJ「細川・宇都宮両候補の票の得票数が、舛添候補の得票数を上回ることができれば、一つの民意を示すことができる、という意見について」

吉岡氏「安倍政権が進めている秘密保護法、集団的自衛権を考えれば、この後の3年は今のまま行くなんて有り得ないですよ。日中の関係もすごくやばい。この安倍政権に早く楔を打たないと、止められない可能性が高いと思っています。

 二人の票を足せば舛添候補に勝っていたという民意を示したところで、安倍総理が聞きますか?聞かないですよ。舛添候補が勝てば、自分が今までやってきた特定秘密保護法案も含めて、肯定されたと宣伝するわけですよ。そんなことは、僕は絶対耐えられない。だから最大限勝てる候補に票を投じることが重要です。

 両方の票を足して云々というのは、僕はこの後、非常に危険な方向に日本を送ることになる。自分たちの生命、自分たちの子供の生命も危険に晒す選択だと言いたいわけです」

IWJ「協議してNOという回答が出たら」

吉岡氏「自分なりに最大限勝てる可能性がある候補に対して、勝つという方向に向かって行動して行きたいと思います」

【落合恵子氏へのインタビュー取材】

IWJ「一本化の動きについて、改めておうかがいしたい」

落合氏「今日の会には、やむにやまれない思いで座りました。さっき会見でも言いましたが、やはり(呼びかけが)遅すぎたと思います。本当は、両候補の方に座っていただいて、本当の意味で中立という形で話し合っていただく会を作るべきでしたが、私たちは非力でした。

『今になってなぜ』という思いは私も持っているのですが、ただやっぱり負けたくないというか、この国の命運がここにかかっているということで動き出しました。遅すぎたと言われれば、私の感覚では、そうだったと思います。私だってさっきまで、(会見へ参加することを)迷っていたんですから。

 こういう会を開くことで、私たちは傷つく人を少なくしたい。でもそう言いながら、この会を開くことが誰かを傷つけている可能性もあります。

 私たちはやっぱり選挙の有り様も、同じ思いで、一ヶ月前も金曜日の官邸前も今でも一緒じゃないですか。そのことを大事にしていかないと、誰が喜ぶのでしょうか。私たちは誰を敵とするのか。敵という言葉は悲しい言葉だけれど。傷の中で、学び合う私たちでありたいと、心から思います。

 私は、何度も申しますが、両陣営から距離をとって、自分の一票を一生懸命使います。それしかできないです。ただし、一票を一生懸命考えて使います。

 私がやることは選挙に行こうと、やっぱり、行かないよという人も大勢いるので、今回の選挙の重要性を語りつづけるしかないですね。どこに入れましょうというのは、本来、民主主義の基本を考えれば、自分で決めて自分で一票を使えばいいんですから」

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