候補者16人という前回の9人を大きく上回った、今回の東京都知事選。告示日を迎えた1月23日、17日間の選挙戦が始まった。
東京都庁前で第一声を行なったのは、元総理大臣の細川護熙候補。応援弁士として駆けつけた小泉純一郎氏とともにこの日、都内数カ所で街頭演説を行なった。JR渋谷駅スクランブル交差点は、かつて総理大臣を務めた2人の姿を見ようと、多くの聴衆で溢れかえった。
「脱原発」を最優先の公約に掲げる細川候補の演説は、どの主要候補者よりも原発に力点を置いた内容になった。
(IWJ・ぎぎまき)
特集 2014東京都知事選
候補者16人という前回の9人を大きく上回った、今回の東京都知事選。告示日を迎えた1月23日、17日間の選挙戦が始まった。
東京都庁前で第一声を行なったのは、元総理大臣の細川護熙候補。応援弁士として駆けつけた小泉純一郎氏とともにこの日、都内数カ所で街頭演説を行なった。JR渋谷駅スクランブル交差点は、かつて総理大臣を務めた2人の姿を見ようと、多くの聴衆で溢れかえった。
「脱原発」を最優先の公約に掲げる細川候補の演説は、どの主要候補者よりも原発に力点を置いた内容になった。
記事目次
■第一声&聴衆インタビュー
■聴衆インタビュー
■街頭演説&聴衆インタビュー
「国、東京のゆくえに関わる大事な選択の機会がやってきました。言いたいことは沢山ありますが、絞っていうと『価値観』『平和』『原発』の3つ。これを今回の都知事選で訴えていきたい。
現在、日本の人口は1億3千万人だが、50年後には9千万人。100年後には4千万人になる。今までのように大量生産、大量消費、経済至上主義でやっていくのは難しいのではないでしょうか。原発を外国に売り込むような欲張りな資本主義ではなく、心豊かな成熟社会へ、価値観の転換が必要だと思います。
成長のためには原発が不可欠だと、再稼働をすすめる国の姿勢に強い危機感を持っています。小泉さんにも強く背中を押され、立候補のきっかけになりました。
原発は都政のテーマではないと言う人がいます。それはまったくおかしい話だ。知事の最大の任務は何ですか?都民の生命と財産を守ることです。東京の周辺100~200kmには、浜岡原発、東海第二原発が立地しています。再稼働をやめて、一国も早く自然エネルギーなどを活用した、分散型エネルギー社会を作る必要があります」。
「もちろん原発だけではありません。直下型地震に備えた基盤の整備、高齢者や待機児童の問題、メリハリをつけて対応していきたい。外国との様々な問題もあります。オリンピックはまさに平和の祭典です。知事は、近隣諸国との付き合い方を、念頭に置かなければなりません。
そして、かつてのように、大きな投資をし、大きな建物を作って、というわけにはいきません。できるだけコンパクトに。東京だけではなく東北の人たちも一緒になって、果実を分かち合えるようなオリンピックにしたいと思います」。
渋谷の演説では、「政府へ尋問の筋これ有り」という西郷隆盛の言葉を引用した細川候補は、「幅広い問題について尋問しなければならないことがある」と話した。
しかし、細川氏はこの日、「幅広い」問題について詳細を語ることはなく、現政権を批判することもなかった。22日の記者会見で、憲法改正や集団的自衛権の行使容認については「反対」の立場を示したが、細川氏はこれについても演説の中で触れることはなかった。
小泉元総理にマイクが渡ると、小泉氏はテーマを「脱原発」の一点に絞り、熱弁した。
「政界を引退した私たちが、何を今さらと思う人もいるだろう。3.11の原発事故、地震、津波を見て、大変なことが起こっていると危機意識を持った。
3.11の悲惨な状況を見ていて、いてもたってもいられなくなった。何かやらなければならない。大ピンチだが、日本は常にピンチをチャンスに変えて発展してきた。原発事故は、日本を変えるチャンスだ。変えることができるのに、なぜ立ち上がらないのか。強い憤りの念が私の胸に燃えてきた。
やれることはやろう。ピンチをチャンスに変えよう。歴史的な大転換期だ。
私も細川さんも70歳を過ぎている。やらなければならないことがあると思ったとき、歳を取っても老人ではない、若返る。使命感がある限り、燃えるんですよ。夢を見ているんじゃないか、理想ばかり言ってドンキホーテじゃないかと。
この夢は原発ゼロで、東京も日本も発展していけるという夢かもしれない。しかし、実現できる夢だと確信を持っている。細川さんならできる。
今回の都知事選ほど、候補者によって国政を動かすことができる選挙は滅多にない。細川東京都知事の実現のために、心から、ご支援を小泉はお願いしたい」。
「防災、医療、福祉、待機児童といった問題は、候補者の誰が知事になっても大きな違いはない。最も大きな違いは、原発をどうするかだ」
小泉氏は、細川候補とほかの候補者の明確な違いは、「脱原発」を最優先にしていることだと強調した。使命感や夢を熱弁した小泉氏のスピーチ中、細川候補が涙をぬぐう場面もあった。
(新宿での街頭演説後のインタビュー)
60代男性「いい演説だったと思う。原発は安全でもないし、金もかかる。長期的に考えると問題だらけ。細川さんは、再生エネルギーで行くべきだと前から言っていた。立候補すると聞いたときは、やっぱりそうなのかと。
小泉さんの言っていたように、脱原発以外の政策については、誰がやっても同じではないか。原発を今後どう減らしていくのか、それが大事な争点だと、演説を聞いていてそう思った」
60代男性「脱原発を第一にしている。応援したい。私には小さな子どもがいるので、負の遺産を子どもの世代に残したくない。『老人力』というのか。今の年寄りがしっかりしないと、この国のゆくえが不安。細川さんの立候補は両手を上げて賛成した。
小泉さんも勇気のある発言をしている。『脱原発』でさえあれば、これまでの経験は問わない。(脱原発候補の)一本化という声もあるが、本当に都政を託すのであれば、経験者がベストだと思う。
(細川候補の過去の政治とカネの問題については)はっきり辞職した。退いたから、いいのではないか」
(渋谷での街頭演説前のインタビュー)
50代男性「原発は危険だし、早くなくした方がいいが、オリンピックをまず成功して欲しい。防災も大切だ。脱原発も結構だが、トップのリーダーが日本の経済について何というか、聞きたくて来てみた。
投票する人はだいたい決めている。日本のことを本当に考えている人に投票したい。でも、自分の思っていることが違っているかもしれない、他の候補者の話しも聞くだけは聞こうと」
■細川護熙候補 出馬会見 記事
■報告ツイート
都庁の直ぐ近くに1971年から新都心地域冷暖房センターというのが有り、電気と冷暖房の熱を供給し2012年12月から東京都庁舎に3000kWの電気供給を開始した。提供しているのは株式会社エネルギーアドバンスという会社で、エネルギー・環境・都市に関する最適なサービスを、「東京」「ガス」の枠を超えて、ワンストップサービスで提供するそうです。電気は長距離送電をすると必ず送電ロスで電力を無駄にするので、電力を福島や新潟から東京を中心とした首都圏に送電すること自体が無駄の極みです。
首都大学東京の総長をおやりになった西澤潤一氏に拠ると日本の電力は水力発電所の電力だけで足りるそうですが、それには送電ロスが無くなるという前提が有るそうで、そのインタビュー記事がサライに載ってから10年以上経ているので研究成果を西澤氏に聞いてみたいものです。
去年の災害時に伊豆大島に大挙してマスコミが来島しましたが、東京から飛行機でわずか30分のこの地には原子力発電所からの電力は一切供給されておらず、それは伊豆諸島全般にもいえることです。日本に多い本土から離れた離島も初島等の一部を除いては原子力発電所からの電力は一切供給されていません。
今後は電力供給側はピーク保障を止め、発電された電力を全て使い切るというプリウス型の発想の積算電力保障型に変えてゆけばコストがかかる原子力発電所を使うという発想は無くなります。積算電力保障型にするには蓄電池や電気二十層キャパシタを使い、EMSシステムを上手に使うことで解決します。