2010年6月2日(水)に、岩上安身は、元検察官で弁護士の郷原信郎氏のインタビューを行った。
(IWJテキストスタッフ・関根かんじ)
特集 郷原信郎弁護士
2010年6月2日(水)に、岩上安身は、元検察官で弁護士の郷原信郎氏のインタビューを行った。
■ハイライト
今まで郷原氏にインタビューする日は、何かしらの事件がおこる。今日も、鳩山総理の辞任となった。その件について感想を聞くことからインタビューは始まった。
郷原氏は「直接の理由は普天間の問題。背景になったのは、支持率が下がって、このままでは参議院選挙で戦えないということだと思う」と答えた。岩上は、それに共通しているのは、官僚とメディアの体質があるのでは、と言うと、郷原氏は、「官僚とマスコミの問題より以前に、普天間問題に対する鳩山首相と官邸の対応の悪さがあったと思う。やり方いかんではもっと支持が得られたはず。県外移転だったらもっと早く動くべき。結局、徳之島しか候補に挙がらなかった」と述べた。
岩上が、ここで今日の本題に入りたい。最近、放送法改正の問題と郵政改革の問題が急に浮上してきた。最初に、放送法改正のことについて話を聞いた。ちなみに郷原氏は総務省主催の「ICT権利保障フォーラム」構成員(民主主義の基礎となるインフラであるICT(情報通信技術)分野において、「言論の自由を守る砦」をはじめとする国民の権利保障等の在り方について検討することを目的とする—総務省ホームページより) だ。
郷原氏は、「ICT(情報通信技術)について検討している将来のあり方の点と、今での放送法とは、切り離して、今回の放送法改正を考える必要がある。今、問題になっているのが3つ。電波管理審議会の権限強化は削除され、なくなった。改正法によって、放送という概念がかわる。それによって規制対象が拡大されるのではないのか。そこにインターネットやブログ、ツイッターなどが含まれるのではないか、という危惧だ」
続けて、「通信は、公衆によって直接受信される無線通信の送信を言うが、それが電気通信に含まれていることに、疑問が生じている。ただし、総務省の担当課長に確認した内容では、これまで、バラバラだった3つの各放送法をひとつにまとめるというのが目的で、今までの概念を拡大する意図はまったくないという。原口総務大臣もインターネットなどには及ばないと明言した。ただ、現状、放送という概念の多様化、ツイッター、ブログなど不特定多数に対するネット通信と放送の区別がつかなくなってきた。すると今回の放送法改正案が、インターネットも含まれる可能性もでてくる。ゆえに放送に対して行政がどこまでかかわれるのか、などを、もっと慎重に議論する必要がある」など持論を展開した。
岩上は今の政府が変わった場合、今後、意図的に濫用される可能性があるから危険だ。かたや電波オークション、クロスメディアの問題など、放送自体の多様性も考えるべきだ、と話すと、それには、郷原氏も同意した。次に、郵政改革の問題に移った。
郷原氏は、ガバナンス検証専門委員会を自ら立ち上げている。そして、郵政問題は、政治的な考え方にはタッチしないが、しっかりしたガバナンス体制、経営の暴走を許さないモニタリング体制が必要と述べた。最後に、大阪地検特捜部が関わった村木厚労省局長の障害者郵便制度悪用事件を例にあげ、検察の従来の捜査手法に対し、裁判所もかなり不信感をもってきている現状を、実例をあげ解説した。
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