「赤字国債は、増税のための巨大なウソ。役人が減税したら出世できなくなる」――日本が減税しない理由を現役名古屋市長・河村たかし氏に岩上安身が聞く~岩上安身によるインタビュー第30回 2010.6.19

記事公開日:2010.6.19取材地: テキスト動画独自
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(IWJテキストスタッフ・関根かんじ)

※テキストを追加しました!

 冒頭、岩上安身は放送法改正への危惧、つまり、ネットを含め、さまざまな形で配信する際、放送事業主登録の届け出をしなければいけなくなることについて質問すると、河村たかし名古屋市長は、「過去に、活字には規制はないが、政治的には中立でも、テレビは映像を流すということで、インパクトが強い。よって一定の規制する方向になった。アメリカでは、NPOが放送局を立ち上げ、電波を使う。それは政治的中立性の規制をなくしたからだ」と話した。

 岩上安身は「アメリカでは市民が電波を借り上げ、『デモクラシーナウ』などの市民番組が放送され、既存メディアに対抗し、台頭している。日本ではそのような動きはない」と言い、インタビューは始まった。

 2010年6月19日(土)20時より、名古屋市内で岩上安身が、河村たかし名古屋市長にインタビューを行った。

■ハイライト

  • 日時 2010年6月19日(土)20時~
  • 場所 愛知県名古屋市

国債の残高は借金だという真っ赤なウソ

 岩上安身は、「菅政権になって、消費税増税が急に浮上してきた。民主党支持者も相当、困惑している。橋本政権の増税時の金融恐慌が起こった二の舞になるのではないか。(ここで河村氏が「当時は自社さで、菅厚生大臣だった」と言葉を挟む)しかし、今度は金融恐慌のようなことは起きない、と主張する人たちが理解できない。なぜ今、増税をやらなければならないのか」と訊いた。

 河村氏は、「民主党と自民党が増税を競い合いながら政治をやるのは、恐怖政治にほかならない。政治家は、税金をもらうことで家業になった。だから、長くやろうとする。官僚も政治家も増税の方がいい。政治家がボランティアの国は、すぐに辞めて民間で飯を食う。そうすると減税国家になる」と言う。

 「日本は、官僚国家ではあるが、家業議員国家でもある。政府は、国債の残高は借金だという。それはまったくのウソで、経済には貯蓄投資バランスというものがある。貯蓄と投資は等しい。たとえば、預貸率が75%の銀行は、残りの25%は借り手がいない。誰かが借りないと銀行がやっていけない。今は、これを政府が国債を渡して借りている。これをやらないと、市中にお金が回らない。だから国債は借金ではない」と説明した。

役人もマスコミも減税言ったら出世できない

 岩上安身が、菅代表の日本の財政とギリシャとの対比を取り上げると、河村氏は、「ギリシャは75%の国債は外国保有だ。国債が売れないことは、逆に言うと良いこと。国債の金利が上がるということは、国家の運営が間違っている、と教えてくれるアラート機能。官僚は学者ではない。彼らは、出世するために、国債は借金と言わなければならない。なぜなら先輩が言っているから」と解説。

 さらに、「マスコミも、財務省と記者クラブの財政研究会に入らないと出世できない。そこで洗脳される。たとえば、『東京電力の社債は借金か?』と聞くと、すぐ答えられない。東電経理部長からすれば借金だが、持っている者から見れば資産だ。国債と東電社債のどちらが安全かというと、信用力がある金利が低い国債だ。赤字国債は、増税のための巨大なウソ。役人が減税したら出世できなくなる」と持論を展開した。

年収2750万円を800万円にした河村市長

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