秘密保全法上程目前! 「国民の知る権利」の侵害には米国の影 ~スノーデン事件から見えてきた監視国家アメリカ、そして日本 -秘密保全法制と盗聴法拡大・共謀罪とアメリカの影 2013.9.17

記事公開日:2013.9.17取材地: テキスト動画
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(IWJ・須原拓磨)

特集 秘密保護法|特集 共謀罪

 「秘密保全法は実刑必至の厳罰で、秘密漏洩を抑止しようとするものだ」--。

 2013年9月17日、渋谷区勤労福祉会館で、「スノーデン事件から見えてきた監視国家アメリカ、そして日本 -秘密保全法制と盗聴法拡大・共謀罪とアメリカの影」と題した講演会が行われ、登壇者らは、これまでに発生した情報漏洩事件などを振り返りながら、秘密保全法の制定が、日本社会にどのような悪影響をおよぼすかについて語った。

※臺宏士氏ご本人の希望により、発言部分はカットしております。ご了承下さい。
■ハイライト

  • 臺宏士さん(毎日新聞記者)
    スノーデン事件からみたアメリカの情報収集網と秘密保全法制
    -アメリカジャーナリズムの危機と日本の報道機関に求められるもの-
  • 海渡雄一さん(弁護士)
    秘密保全法制と共謀罪、盗聴法拡大に共通する監視強化とアメリカの影
    -アメリカ刑事司法の闇が日本に伝染しつつある-

情報漏えい事件と取材源の保護

 メディアのあり方を考察し、提言する機関、「メディア総合研究所」の運営委員として、秘密保全法の問題点を指摘する、毎日新聞記者の臺宏士(だい ひろし)氏は、奈良自宅放火母子3人殺人事件に関わる情報漏えい事件を紹介した。

 奈良自宅放火母子3人殺人事件とは、父と継母との間に生まれた2人の子供と、5人で生活していた少年が自宅に放火し、継母と2人の子供を焼死させたという事件である。放火した少年の精神鑑定をした医師が、この事件の取材にあたっていたジャーナリストの草薙厚子氏に対し、供述調書などの精神鑑定資料を提供したことから、「情報漏示罪」で起訴された事件である。

 臺氏は、「取材の自由や情報源の保護を巡って、大きな議論を巻き起こした。起訴されたのが、放火した少年の精神鑑定をした医師だけで、供述調書の提供をうけた草薙氏や講談社は起訴されなかった」と述べ、「情報を取得する側が刑事罰を科せられない一方で、取材源が処罰されるというやり方は、萎縮を招く分断工作である」と批判した。

 さらに臺氏は、秘密保全法が定める「特定取得行為」において、秘密を探ろうとする行為が新たに起訴の対象となることを指摘。「報道の自由」が侵害され、記者の取材活動が制限されることに警鐘を鳴らした。

加速する米国の監視社会と、それに追随する日本

 弁護士の海渡雄一氏は、エドワード・スノーデン氏が明らかにした、NSA(米国家安全保障局)の情報収集システム「プリズム」について、「英紙ガーディアンによると、NSAのメール解読ソフトによって集積されていたデータから、メールの履歴だけでなく内容まで読むことができるとされている。2012年には30日ごとに410億件以上の情報を収集、保存していたという」と話し、米国による一般市民に対する情報監視に強い懸念を示した。

 さらに海渡氏は、秘密保全法制定の背景には、2007年に日米政府が締結したGSOMIA(軍事情報包括保護協定)があると言及した。

 「この協定は、日米軍事協力の一体化への進展など、日米武器共同開発と輸出を目指しており、この第6条(※)では、軍事情報を提供した国の了解なしに、第三国に情報を提供してはならないことを定めている」

 自国民の「知る権利」をないがしろにしてまで、米国へ追従する日本政府の姿勢を批判した。

※GSOMIA 第6条

秘密軍事情報を保護するための原則
「秘密軍事情報を受領する締約国政府は、当該情報を提供する締約国政府の事前の書面による承認を得ることなく、第三国の政府、個人、企業、機関、組織又は他の団体に対し、当該情報を提供しないこと」 外務省HPより→ http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/usa/hosho/kyotei_0708.html

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