「今回の訴訟が、世界の人たちが原賠法という悪法に関心を寄せるきっかけになってほしい」──。
「原発メーカー訴訟」の会が、9月2日(月)15時から、東京都千代田区の司法記者クラブで開いた記者会見で、河合弘之弁護士はこう語った。会見では、今もメルトダウンを続けている福島第一原発の原子炉メーカー3社(日立、東芝、米GE)を被告とする訴訟が準備されている旨が伝えられ、同会の事務局長の崔勝久氏は「全世界で1万人の原告を集めたい」と力を込めた。
(IWJテキストスタッフ・富田/奥松)
「今回の訴訟が、世界の人たちが原賠法という悪法に関心を寄せるきっかけになってほしい」──。
「原発メーカー訴訟」の会が、9月2日(月)15時から、東京都千代田区の司法記者クラブで開いた記者会見で、河合弘之弁護士はこう語った。会見では、今もメルトダウンを続けている福島第一原発の原子炉メーカー3社(日立、東芝、米GE)を被告とする訴訟が準備されている旨が伝えられ、同会の事務局長の崔勝久氏は「全世界で1万人の原告を集めたい」と力を込めた。
■ハイライト
「一昨年3月に起きた福島第一原発事故を背景に、日本の原発メーカーである、日立、東芝、三菱重工の3社は『もはや、国内では商売にはならん』とばかりに、安倍晋三首相をトップセールスマンに起用しながら、海外への原発輸出のアクセルを踏んでいる」。会見の冒頭、「原発メーカー訴訟」の会の大久保徹夫氏は、こう発言した。「日本の原発メーカーの輸出ドライブに眉をひそめる日本人は大勢いる」とした大久保氏は、「原子力損害賠償法が、原発メーカーに責任の矛先が向くのを防いでいる」と問題提起。「事故で責められるのは、事業主体の東京電力ばかり。それをいいことに、日本の原発メーカーは、海外市場の開拓に力を注いでいるように映る」と懸念を口にした。
その上で、大久保氏は「福島第一原発事故の原因究明が、不十分である中での原発輸出は、『フクシマショック』の輸出につながる」と述べ、「核に関する問題の解決を、国や国連に任せても、らちが明かない。核廃絶が、時代の要請であることを強く認識している、世界中の市民と手を組むことが得策だ」と、同会の考えを表明した。その考えをベースに、日立、東芝、米ゼネラル・エレクトリック(GE)の原発メーカー3社に、損害賠償を求める訴訟を起こすことが示された。
原告側弁護団長の島昭宏弁護士は「責任を負うべき原発メーカーが免責される構図の修正を迫りたい」と意気込み、「電力会社への責任集中を認める原賠法には、米国が、GEなど米国原発メーカーに製造物責任を負わせないために、日本など輸出先国に制定を強要した歴史があり、そもそも合理性を欠いている」と主張。「原発メーカーを責任主体として、もっと表に引っ張り出さなければならない」とした。
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