≪母と子のふくしま対策の集い≫ 放射能を勉強し、正しく計測し、自らの対応策を! 2012.4.7

記事公開日:2012.4.7取材地: テキスト動画
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 2012年4月7日(土)、福島県郡山市で、「≪母と子のふくしま対策の集い≫ 放射能を勉強し、正しく計測し、自らの対応策を!」が行われた。

 この講演会は、「チェルノブイリ事故を経験し、今でもさまざまな放射線対策を取っているベラルーシから学ぼう」という趣旨で開かれ、セルゲイ・ラフマノフ駐日ベラルーシ大使が招かれた。科学者でもあるラフマノフ大使は「ベラルーシの技術と経験を使えば、福島はもっと早く対策ができると思っている」と語った。

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  • 登壇者
    セルゲイ・ラフマノフ氏(駐日ベラルーシ大使)
    野呂美加氏(チェルノブイリへのかけはし代表)
    堀口貞夫氏(愛育病院元院長)
    堀口雅子氏(虎の門病院元産婦人科医長)
    澤田昭二氏(内部被曝問題研究会代表)
    橋本俊彦氏(自然医学放射線防護情報室)
    鈴木則雄氏(郡山コミュニテイ放送代表)
  • 日時 2012年4月7日(土)
  • 場所 福島県郡山市
  • 主催 マザープロジェクト

 安全論と危険論に意見が真っ二つに分かれている現在の福島の状況への危惧から、チェルノブイリ事故を経験し、今でもさまざまな放射線対策を取っているているベラルーシから学ぼうという趣旨で、セルゲイ・ラフマノフ駐日ベラルーシ大使を招聘した。科学者であるセルゲイ氏は、「ベラルーシの技術と経験を使えば、福島はもっと早く対策ができると思っている」と語った。

 1986年に起こったチェルノブイリ原子力発電所事故でベラルーシは一番の汚染地となり、汚染された土地面積は6000キロ平方メートル(国土の23%)に及んだ。特にセシウム137による汚染で、それは自然のサイクルにより部分的に何千倍にも凝縮された。国土の10%にストロンチウム90が飛散し、プルトニウムやアメリシウムなど、重金属の放射性物質による汚染もあった。

 ベラルーシ政府の対策措置はさまざまな分野に及んだ。特に子どもの健康を重視し、毎年無料の健康診断が行われているという。社会的なサポートや、農業、貨物の厳重な管理も行っている。詳細な汚染図を作成し、除染のおかげで現在は安全な生活が出来ているという。

 セルゲイ氏は、特に重要なこととして、食品の管理と流通の管理を挙げた。ベラルーシでは100%の食品が、きちんと管理されているとのこと。食品に含まれる放射性物質の測定や、農作物にセシウムが移行しないための肥料、家畜に汚染されていない餌を与えるなどの対策が取られている。また、非汚染地に汚染物質を持ち込まないよう、道路にゲートを設けスクリーニングするようにしている。

 「言うまでもなく福島の事故は大変な問題だが、ベラルーシより恵まれた点は、既にベラルーシの経験があることだ。この経験を日本に提供したい」とセルゲイ氏。「除染は大事だが、どこでも除染ができるわけではない。ベラルーシでは、費用がかかり過ぎて経済的に無意味として、農地の除染をしていない」として、さらに汚染地への措置について「ベラルーシからロシアにかけての汚染図を作るのには8年かかった。昔は土壌のサンプルテストに数日かかったが、今は5分で、放射能の濃度や核種がチェックできる。汚染図に基づいて、正しい対策、措置が取れる。住民が汚染図をよく理解し汚染のレベルを知ることで、精神的な不安もなくなっていく。ぜひ日本国内で、このような技術と経験を活かしてほしい」と、日本に対する思いを語った。

 他にも、「チェルノブイリへのかけはし」代表の野呂美加氏、郡山ラジオFM局「郡山コミュニティ放送」代表の鈴木則雄氏らが登壇。野呂氏は「内部被曝を避けるための生活」と題し、恐怖や不安を抱えたままの生活では鬱を発症してしまう。ストレスを解消する意味も含めて、定期的に保養に出ることを提案し、食事や生活リズムに気を付けつつ、何よりも子どもの心を大切にしてほしいと訴えた。鈴木氏の演題は「放射能情報の取り方について」。自身の経験や、そもそも情報とは何か、マスコミの役割とは何かといった問いを交えつつ、氏オススメの優良サイトを紹介した。

 また、「自然医学放射線防護情報室」室長であり、鍼灸師でもある橋本俊彦氏が、足湯や体操など免疫力をアップする方法を伝授した。

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