緊急院内集会『「福島原発震災」後の日本の原子力政策を考える』 神戸大学名誉教授石橋克彦氏講演会 2011.4.26

記事公開日:2011.4.26取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・関根)

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 2011年4月26日(火)13時半より、参議院議員会館で緊急院内集会「福島原発災害後の日本の原子力政策を考える」で石橋克彦氏(神戸大学名誉教授)の講演会が行われた。

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■全編動画

  • 日時 2011年4月26日(火)
  • 場所 参議院議員会館(東京都千代田区)

 石橋氏は冒頭、「『福島原発震災の彼方に』と題し、原発震災が終息できた場合、原発主義の暗い時代を抜け出して原発フリーの安らかな日本を創ろう」と言った。最初に、浜岡原発訴訟原告敗訴に関して日本の司法は原子力推進の国策に配慮してまったく不当だ、とコメントを毎日新聞に寄せた。それから3カ月後に福島原発事故が起こった、と語った。

 石橋氏は続けて「日本列島は大地震活動期になっている。原発震災は日本の滅亡、世界の迷惑になる。原子力基本法の抜本改正、産官民学の強大な原子力複合体(反原発フリー)の解体、原発新・増設の停止、建設・計画の凍結、稼働中原発の閉鎖、全原発の原発震災リスクの評価・閉鎖順位付け、核燃料サイクルの中止などを主張した。

 また被災地の発展的復興の課題もある。首都圏直下型、西日本超巨大地震の可能性。ゆえに分散型国土の創世。東北地方をゆるやかな中心にする。エネルギー政策をはじめあらゆる国家政策の根本的是正」などと提言した。

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 「現代日本の原子力行政は敗戦前の帝国軍隊に似ている。政府・電力会社・御用学者が大自然を客観的・真摯に見ようとせず、既定路線に固執して詭弁を弄し、マスメディアは無批判に大本営発表を報道、芸能人やスポーツ選手が宣伝に動員され、国民のほとんどが原発は必要で安全と信じ切っている。

 1995年阪神淡路大震災、2005年宮城沖地震、2007年志賀原発、柏崎刈羽原発で震災被害など、今回の事故をみて、地震は日本に段階的に忠告を発していたと思った」と語った。

 石橋氏は、「原発震災はおこる。日本列島の既存原発は本質的に地震に弱い。なぜなら建設当時の地震学は黎明期で知識が古かった。同時に日本は地震活動期ではなかった。地震動などの想定が甘い。危険性の合理的な認識と真摯な対応精神が欠落している。危険な原発でも1基たりとも整理しようとしない。

 地震列島での原子力発電所の問題では、原発震災、依存都市の大停電の危険性、長期停止による安定供給特性が劣悪になる。など大きな経済的リスクも内包している。また使用済み核燃料の処理の問題などが考えられる。日本国内だけで原発の是非を語っているのは、もはや不毛な議論だ」と話した。

 また、地震の一般的知識、地震の本体とは? 大きさ、マグネチュード、地震動、震度、最大加速度(ガル)について解説した。震災とは地震災害のことで社会現象、地震は自然現象だ。

 プレートテクトニクスから見た地震の分類として、プレート間地震、スラブ内地震、陸のプレート内地震、海洋プレート内の浅い地震などを取り上げ説明し、どれも福島原発は現在、施設の復旧作業での危険性も多分にあるが、さらにおこる大きな地震によるリスクもまだまだ大きい、と指摘した。後半、質疑応答が行われた。

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