2013年5月12日(日)13時30分から、青森県青森市の県民福祉プラザで「青森県平和委員会・学習会 平和憲法9条と国民のくらし」として、東奥日報の斉藤光政編集委員の講演が行われた。米軍三沢基地のある青森の新聞記者として、在日米軍基地問題に詳しい斉藤氏が、日米安保、安倍政権と憲法改正などについて語った。
(IWJテキストスタッフ・荒瀬/奥松)
2013年5月12日(日)13時30分から、青森県青森市の県民福祉プラザで「青森県平和委員会・学習会 平和憲法9条と国民のくらし」として、東奥日報の斉藤光政編集委員の講演が行われた。米軍三沢基地のある青森の新聞記者として、在日米軍基地問題に詳しい斉藤氏が、日米安保、安倍政権と憲法改正などについて語った。
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斉藤氏は、日米安全保障条約について、「日本に外国が攻めてきたら、アメリカは日本を助ける義務があるが、アメリカが他国から攻められても、日本は手助けする義務がない。このような偏った条約は、世界でも珍しい。この背景には、アメリカが、ロシアや中国、朝鮮に対する防衛として、日本にどうしても基地を持ちたかった一方で、日本には軍隊を持たせたくなかった、という事情が挙げられる。しかし、アメリカの予測に反して、日本は戦後、経済発展を遂げ、今や世界第3位という経済大国になった。それで、アメリカがお金を要求するようになり、『思いやり予算』が作られるようになった」と説明した。
斉藤氏は「安倍首相が、集団的自衛権にこだわるのは、国益の名の下に海外に出て行く軍隊を持ちたい、と思っているからだ。しかし、今の中国・アメリカ・日本の関係は、経済関係であり、アメリカは、その関係を崩したくないと考えている。日本は尖閣問題で中国を刺激し、石原慎太郎氏のように「侵略に定義などない」などと、中国や韓国からの反発を買うようなことをしている。アメリカの世論は、これを好ましく思っていない。ニューヨークタイムス紙は、安倍首相について『不必要な愛国心を振りまいている。古くて内向きで、憲法改正にしか頭にない。アメリカの国益も損なうものだ』と批判している」と述べた。
憲法改正の議論については、「安倍首相は、国防軍を作りたいと言っており、手始めに憲法96条を改正したいと考えている。憲法は、ほかの法律と違って特別法であり、国家の暴走を防ぐためにあるものだ。それを(現行憲法では国会議員の2/3以上の賛成が必要だが)、国会議員の1/2以上の賛成で変えられるようにすることは、非常に危険だ」と語った。さらに、斉藤氏は「もし、国防軍が実現すれば、徴兵制が復活する可能性がある。(戦闘員以外の)建設、運輸、医療関係者なども、徴用される可能性が出てくることを、忘れてはいけない」と警鐘を鳴らした。