「私のほうからコメントする話ではない」――昨年9月、野田政権が尖閣諸島を国有化した際、米軍の射爆撃場として供与されている久場島が外された件について、今後の安倍政権の対応を聞かれた山本一太・領土問題担当大臣は、「外交上の話、安全保障上の話、それから防衛省の立場もあるので、私のほうからコメントする話ではない」と述べた。また、海上保安庁のホームページに、久場島が「黄尾嶼射爆撃場」、大正島が「赤尾嶼射爆撃場」と、それぞれ中国名を冠した表記がされている件についても、コメントを控えた。
他方、中国共産党の機関誌『人民日報』が5月8日付けで「歴史的未決である琉球問題について再度議論すべき時が到来した」という論説記事を掲載したことについて、「極めて筋違い。中国政府のセンスを疑う」と語り、日本政府の外交筋に抗議するよう要請するとした。
- 日時 2013年5月10日(金)
- 場所 東京都千代田区
以下、IWJ平山記者による質問と山本一太大臣のやり取り
平山記者
「インターネットメディアIWJの平山と申します。初めて会見に参加させていただきます。よろしくお願いいたします。
尖閣に関する情報発信について改めてちょっと確認させていただきたいことがあるんですけれども、魚釣、北小島、南小島以外の国有化されなかった久場島に関してなんですけれども、過去に米軍の射爆場として供与されていたということをうかがっているんですが、 こちらの政府として今後どのような御対応をされていくのかということをちょっと確認させてください。
それから、久場島と大正島が海上保安庁のホームページによりますと、黄尾嶼射爆撃場、それから赤尾嶼射爆撃場と中国側文書に基づいた表記がされているんですけれども(※)、これはちょっと政府見解と異なるというか、矛盾するというか誤解を招くような情報発信かと思うんですけれども、ちょっと大臣の御見解をおうかがいできますでしょうか」
※海上保安庁HP「在日米軍訓練基地一覧」
山本大臣
「今の話はいろいろ外交上の話、あと安全保障上の話、防衛省の立場等々もあるので、これはちょっと私の方からコメントする話ではないと思います。せっかく聞いていただいたのに」