2011年03月16日(水)東京電力本社で、記者会見(23:55)が行われた。
自衛隊のヘリコプターによる使用済燃料プールへの空中散水は、現場線量が高いことから本日16日の作業は中止になったことが分かった。福島第一の現状について記者から質問が多く上がるが、把握しておらず、確認項目が多く見られた。
2011年03月16日(水)東京電力本社で、記者会見(23:55)が行われた。
自衛隊のヘリコプターによる使用済燃料プールへの空中散水は、現場線量が高いことから本日16日の作業は中止になったことが分かった。福島第一の現状について記者から質問が多く上がるが、把握しておらず、確認項目が多く見られた。
【冒頭説明】
自衛隊のヘリコプターによる使用済燃料プールへの空中散水は、本日16日の作業は中止になった。現場線量が高いことも原因の一つだと考えられる。2号機南側に穴が開いたという話があるが、そのような事実は確認していない。ただし海側ブローアウトパネルは開いている。
柏崎刈羽原発の3,5号機でヨウ素が検知されたが、これは福島第一への応援者が柏崎に戻り、検査した時に検出されたものと推定している。福島原発の管理区域から退域するとき、福島第2で4Bq未満まで除染している。
【質疑応答】
■Part 1
(00:15:17からQA)
‐‐総理から撤退するなという話があったが、東電では撤退を考えたのか?
「一刻も早く原子力安全の確保にに全力をあげている」
‐‐機密性は?
「2号機DW圧力は上昇傾向、気密性は保たれていると考えている」
‐‐プラントパラメータの数値に不可解な点があるが?
「計器読み取り者が複数おり、メガで読んでキロに直すなど手数をかける箇所もあり、勘違いなどが発生したためと考えている」
‐‐自衛隊ヘリでの散水中止の理由は?
「現地の状況確認し、問題があったからと聞いている。放射線が高いということも理由の一つではないか考えられるが、詳細は不明」
‐‐線量計のデータは?
「今、把握していない」
‐‐3号付近の線量が高いようだが、事実関係は?
「昨日の10:00現在3号機の山側で400mSv/hを計測、これが一番高い値」
‐‐警視庁の高圧放水車が向かっている?
「ふくいち構内に一台到着している、準備中と聞いている。どこに放水するかは確認する」
‐‐誰が作業するのか?
「(東電が)警視庁と協力して行うことを予定している」
‐‐高圧線の接続作業は順調に終わったのか?何が期待できるのか?
「今日はまだそこまで至っていない。鋭意作業中。現場の線量が高くむずかしい。接続後、変圧器やモーターまで接続し、動作できるか確認する必要がある」
「プラントパラメータについて訂正。炉圧2号機、01:35からマイナスの値になっている。ゲージ圧。負圧になっている。負圧になることは考えにくく現場確認したところ、計器に使用するバッテリー電圧が低くなったためで、マイナス部分は測定ができていないものと判断する」
‐‐放水者の到着は何時か?
「確認する」
‐‐炉圧マイナスは負圧は孔があいているとかではなく、バッテリー切れでありえないことなのか?
「バッテリー切れで、ありえないこと」
‐‐バッテリー切れは確実か?
「100%確認はできていないが、過去にも同様の経験があり間違いないと思う」
‐‐バッテリーを新しくすれば回復するのか、バッテリーの手配は?
「Yes.手配については確認する」
‐‐米軍の対応状況は?
「情報入っていない」
‐‐SFP温度について
「確認する」
‐‐自衛隊の作業は何か?
「いくつかあるだろうが詳しくは聞いていない」
‐‐2号機の炉圧、
「2号機の炉圧、マイナスの値について、夕方の会見時にはバッテリーまで思い至らなかった」
‐‐確認事項が多すぎるが、現地との連絡体制はどうなっているのか?
「現地とは本部のTV会議システム、電話等で常時連絡とりあっている。現場は非常に少人数で、非常に大きな対応をしている。その中で必要なデータを最優先で集めている。そういう対応を行っているの。優先順位の関係や、データの報告より現場の検討のほうが重要であり、緊迫感のある現場なので (※回答途中 00:29:46ごろに中断)」
一時中断
00:30:15
‐‐放射性物質を含んだ水道水が発見されたが、土壌中にしみ込んでいる可能性はないのか?
「現段階で、構外への漏洩は確認がとれていない。周辺には、放射線物質やそれを含むものが飛び散っており、それらが風に乗って水の中に入ることも考えられる」
‐‐注水ができなかった場合、考えられる最悪のシナリオは?
「原子炉に注水できなくなれば、燃料の温度が上がり、燃料が溶ける」
「溶けた燃料が底に流れ、水素が発生し、水素爆発が起こる、それに伴い放射性物質の外部への放出が起こる。その前段として燃料が破損し、燃料中の放射性物質が外部へ放出される状況が考えられる」
‐‐現状ではなく、今後の最悪の事態はどこまで想定しているか?
「早急に検討したい、宿題にしてください」
‐‐いままでに想定していないのか?
「手元にない。整理して回答する」
‐‐今出ているデータで放出量が記載されているが、敷地外での人体への影響はどの程度あると考えているのか?
「現在の状況から、発電所の周囲に避難区域、屋内退避区域が設定されており、住民への被害を防ぐためと思っている」
‐‐技術者の立場からみて、避難の範囲は妥当できるものか?
「そのように考えている」
‐‐線量が高く、作業が難しいが、人員のやりくりがつくのか?
「先の会見でも回答したが、現場厳しい状況が続いている。対応として、KKから応援など、他の発電所から応援を得て作業をできるだけ早く発電所を落ち着いた状況にできるよう対応を進めているところ」
‐‐17日にヘリによる散水作業は予定しているのか?
「作業してもらえると期待している。詳細は聞いていない」
‐‐MOX燃料はどれくらい入っているか
「3号機548体中32体がMOX燃料。これが全て」
‐‐プルトニウムが出ている可能性はないのか?
「U燃料だけに比べ、MOX燃料による放射性物質の出方の差異は無い。気密性が保たれていれば外部へ放出されることはない」
‐‐燃料が損傷しても外部への放射性物質の放出は2%と想定しているが、現状の状況をみると、どれくらいと見積もるのが妥当か、再評価しているのか?
「している。1号機で格納容器ベントを行う時に想定した2%は見直すことが適切だと考えている。2%より多いだろう」
‐‐KKからの応援30名だけなのか?
「わからない。そうした動きがあれば適宜報告したい」
‐‐昨日の本部との会議はどういう内容だったか?
「TV会議で随時、現地と連絡を取り合っている」
‐‐プールへの放水について、現場の線量が高く作業が難しいが、警察の車両が到着しているということはガレキ撤去などすすんだのか?
「現地の詳しい状況は情報がまだ入っていない」
‐‐今日の4号機の火災で、消防が出動したが、消火作業の状況は?
「不明。整理して回答したい」
‐‐TV会議の内容は?
「現場での状況、対応策など」
‐‐先ほどの宿題の回答はいつになるか?
「準備ができしだい速やかに」
‐‐ポンプ車による給水の体制はどうなっているか、今後の計画は?
「現状、1号機1台、いろんなタイプがある。2号機2台。3号機1台。他にいろんなところに手配しているが、具体的な数字はわからない」
‐‐自衛隊ヘリや政府に現場線量を伝えたか?
「把握していない」
‐‐最新の現場の人数は分かるか?
「把握していない」
‐‐先ほどの回答で人数が少なくてと回答したが、ありうるべき人数はわかるのか?
「最低限の人数で行っているという意味。人数は今朝の会見で180名程度と回答している。昨日の時点では70名だった。その日の作業に必要な人数で作業を行っている」
‐‐3号機、水蒸気が上がっているように思うが、燃料の気密性は保たれているのか?
「3号機使用済み燃料プールは屋根が損傷しているため、水蒸気が発生したら外部へ放出されるがMOX燃料はない。炉内にはMOX燃料があるが、圧力容器/格納容器の気密性との兼ね合いになると思う」
‐‐石棺にする可能性はあるのか?
「注水作業に集中して取り組んでいるところ」
‐‐プルトニウムは水蒸気に含まれることになるのか?
「水蒸気から外へは移行しにくい元素だと理解している。理由は重金属だからだと理解している」
‐‐注水作業を一時中断し、線量を下げてから注水を再開するようなことは考えられないのか?
「注水作業の進め方を含めて検討している」
「電源を強化し大きなポンプで注水するなど考えている」
■Part 2
‐‐4号機プールの水温が上昇しているが、水蒸気がでないまま水が干上がることは考えられるか?
「状況が確認できないため、どのような可能性があるか回答するのは難しい」
‐‐3号機で白煙がみえるが、干上がって火災の原因になっているという指摘は?
「4号機SFP水が蒸発しても、上部屋根で凝縮して戻ることも考えられる」
‐‐保安院の会見では水素爆発の可能性もでているが?
(回答部分は記録途切れ)
■Part 3
‐‐バッテリー切れでデータがとぎれているが、現状2号機の圧力はどうなっていると想定しているのか?
「水位、圧力のデータが大きく変わっていない、ポンプは動いている、ということから、圧力は維持できていると考えている。大きな損傷はないと考えている」
‐‐他の号機でも計器故障の可能性があるが、安心材料になる鍵なので、きちんと説明してほしい
「努力します」
‐‐他の場所の計器故障の可能性は
「今のところないが、数値は疑ってきちんと確認する」
‐‐バッテリーの交換はできるのか
「その可否も含めて検討する」
‐‐使用済燃料は建屋だけで覆われており、より危険性が大きいと思うが?
「SFPは建屋の健全性が失われると外の障壁がなくなると認識している。そういう状況もふまえ、SFP,燃料に対する冷却を早期に確実に行うよう準備を進めている」
‐‐5,6号機の温度傾向は?
「14:00時点で5号機62.7℃、6号機60℃、上昇傾向にある」
‐‐燃料棒部分の水位の理論値はどうなっているか?
「こういう状況を想定していないので、解析できるのかどうかも含めて検討中。まだそこまで余裕がない状態」
‐‐メーカーの見解は?
「一刻でも早く炉心を冷却し安定した状況にもっていくように検討している。理論値解析も、できるだけ早く冷却するという方向で行っている」
‐‐メーカー側で評価しないのか
「メーカーから受けた解析結果を東電で評価した上で方策を検討している」
‐‐放水車の今後の作業見通しは?
「見通しがつかない」
‐‐放水作業者の状況は
「詳細確認する。車両は機動隊だが作業者は自衛隊員」
‐‐警視庁高圧放水車について
「放水先は優先順位を見て検討中」
‐‐5,6、号機のプール温度、正常時は何度か?
「通常30-40℃」
「詳細は確認して回答する」
‐‐何を確認するのか?確認項目を述べてほしい
「(はっきりと答えられず)」
‐‐一旦一時間後にでも確認状況を説明しにきてほしい
(Part 3, 00:13:03で会見終了)