「五輪招致を巡る不適切発言、IOCはもうそれでオッケー。既に終わったこと」 ~猪瀬直樹 東京都知事 定例記者会見 2013.5.2

記事公開日:2013.5.2取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・中川/澤邉)

 2013年5月2日(木)15時から、東京都新宿区の東京都庁で「猪瀬直樹東京都知事 定例記者会見」が開かれた。ニューヨーク・タイムズ紙のインタビューでのイスラム諸国誹謗発言、さらにツイッターでの「今回の件で誰が味方か敵か、よくわかったのは収穫」という発言に質問が集中したが、「すでに終わったこと」「これからは、ちゃんとやる」といった答弁を繰り返した。

■ハイライト動画

  • 日時 2013年5月2日(木)15:00~
  • 場所 東京都庁(東京都新宿区)

 最初に猪瀬知事は、5月28日から6月2日までの日程でロシアのサンクトペテルブルクに出張し、そこで開催される「スポーツアコード」に出席すると発表した。この国際会議では、2020年オリンピック・パラリンピックに立候補している都市に、プレゼンテーションや記者会見の機会が用意されており、IOCの委員の約半数が出席することから、「極めて重要な機会と考えている」と述べた。

 次に、電力改革の部門として4月1日に発足した「都市エネルギー部」の目標設定を公表した。4月1日時点での新電力の契約、30施設・4万キロワットを、350施設・10万キロワットとすることを明かし、実現すれば「独占的な値付け、価格付けに対する1つのアンチテーゼになっていく」と語った。また、東京都の非常勤・非正規の職員の処遇改善に取り組み、「仕事の頑張りに応じて報酬額を引き上げる制度作りを関係各局に指示した」と報告した。

 質疑応答に入ると、2020年の夏季五輪招致を目指す猪瀬知事が、ライバル候補地のイスタンブールを批判したと疑われて謝罪し、その後、「今回の件で誰が味方か敵か、よくわかった」などとツイートした件について、発言の真意を問う質問があった。猪瀬知事は「フォロワーに対して、いろいろな人がいろいろなことを言ってくるので、言ったまで」と返答。記者から「都知事の口から『敵』という言葉が出てくるのは、ふさわしくないのでは」と投げかけられると、「普通の国語辞典の使い方の範囲ではないだろうか。つまり、友達とか、友達ではないとか、そういう話」と述べた。「30万人のフォロワーがいる知事が、悪意があると思われるものを『敵』という表現で切り捨ててしまうと、ツイッターに参加している東京都各局の職員が『これは都の敵だ』という認識をして、批判を受け入れない、考慮しないことになるという懸念を持つが」と問われると、「それは違う。根拠、ファクト(事実)を書いて意見を述べるということ。ただ、意見だけを言うのは、好ましくないと思っている」と話した。

 続けて、イスタンブールを批判したとされる発言に関して、具体的にどの部分が不適切だったか、説明を求められると、「すでに不適切だということで、IOCは、それでOKと言っているから、こちらも過去の話として、新しい招致活動をさらに意気込んで行おうとしている。終わった話に触れてもしょうがない」とだけ答えた。さらに記者が「今回の発言は、IOCの行動規範に抵触する、しないの話だと受け止めているのか。発言自体が、イスラム文化やイスタンブールの人たちに対する侮蔑的な響きを持って受け止められているのではないかと思うが」と問いただすと、「(ニューヨーク・タイムズの)質問が、途上国はこれからインフラ整備などいろいろとすることがありますね、という質問だった。若い人も年を重ねた人も、生涯スポーツをできるような環境を、東京は作っていきたい、という趣旨だった」と弁明した。

(…会員ページにつづく)

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