福島原発事故の本当の被害の大きさは 原子力発電が生み出す「死の灰」 ~人権と文化のつどい 小出裕章氏 講演「原子力発電の現実 ~福島の事故から~」 2013.4.13

記事公開日:2013.4.13取材地: 動画
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( IWJテキストスタッフ・八幡愛)

 福島原発事故によって、どれだけの放射性物質(セシウム137)が放出されたのか。小出裕章(京都大学原子炉実験所助教)は「大気中だけで広島原発168発分と国は発表したが、これは過小評価であり、実際は何倍もの数値だと思う」と語る。4月13日、岡山市の岡山県総合福祉会館で「2013年度人権と文化のつどい」が開かれ、小出氏が「原子力発電の現実 ~福島の事故から~」というテーマで講演を行った。

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・1/3(13:30~ 37分間)

・2/3(04/20 14:00~ 41分間)

・3/3(15:27~ 1時間42分)

  • 13:30~ 主催者あいさつ 景山一正氏(人権岡山 副代表)
  • 13:35~ 津軽三味線ミニライブ 蝦名宇摩(えびな・うま)さん
  • 14:08~ 講演 小出裕章氏(京都大学原子炉実験所 助教)「原子力発電の現実 ~福島の事故から~」
  • 15:50~ 質疑応答
  • 日時 2013年4月13日(土)
  • 場所 岡山県総合福祉会館(岡山県岡山市)
  • 主催 地域人権運動岡山市連絡会(詳細

 小出氏は講演で、使用済み核燃料について、「原発はトイレの無いマンションと言われながら、いつか科学がなんとかしてくれると期待してきたが、70年研究を続けてきても見通しがたたない」と前置きしたうえで、「再処理と聞くと、放射能のゴミを再利用するというように聞こえるが、実際は、発電の為に出てきた使用済み燃料を再処理工場へ運び、そこでプルトニウムを取り出すというものである。プルトニウムは長崎に落ちた原爆の材料になる。その材料を米国が手に入れるために作られた技術であり、いずれにしても、ゴミの後始末は残る」と語り、たまっていく一方である低レベル放射性廃棄物を、青森県六ケ所村で埋捨てにしている実態や、高レベル廃物の隔離処分について唯一残された方法である、地層処分についても、言及した。

 続いて小出氏は原子力発電について、「原子力発電とは簡単に言うと湯沸し装置。中に入っているのは死の灰、ウラン。広島原爆の1000倍を超えるウランがある原発が事故を起こしたら大変になることは誰もが知っていたので都会には作れなかった」と語った。広島原爆で燃えたウランの質量は800g。100万KWの原子力発電所1基が1年運転するごとに燃えるウランの質量は1トンである。

 そして福島第一原発事故について、「原子力発電は何があっても、原子炉の中心部を冷やさないといけない機械であるのに、3.11の時は地震と津波で全ての電気が奪われ、冷やすことができなくなり、原子炉が溶け出し、水素爆発に至った。運転中だった福島原発の溶け落ちた原子炉は、それが今現在どこにあるのかすら分からない」と、現在の状況を解説。さらにこの事故の影響について、「福島原発事故の本当の被害の大きさは、果てしないその封じ込め作業と労働者の被曝。すでに大量に放出された放射性物質。そして今現在もこれからも続く、住民の被曝。失われる土地、崩壊する1次産業、崩壊する生活。倒産するのは東京電力だけでなく、日本国が倒産しても賄いきれない被害」と、今後の被害拡大に警鐘を鳴らした。

「こうなってしまった責任は、原発を推進してきた人たちにももちろんあるが、この事実を見過ごしてきた私たちにも責任があり、未来の子どもたちに問われる」と語る小出氏は最後に、原子力の今後について、「原子力は即刻廃絶できる。その後、大きな痛みを伴わないように、時間をかけて、人々の意識を変え、そして社会構造を変えていく。できれば皆さんの力も借りて、この日本を少しでもまともな国に変えて行きたい」と聴衆に訴えた。

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