野田佳彦新内閣各大臣の就任記者会見 2011.9.2

記事公開日:2011.9.2取材地: テキスト動画
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 2011年9月2日(金)に行われた野田佳彦新内閣各大臣の就任記者会見の模様をまとめました。

【玄葉光一郎外務大臣就任会見】

【平岡秀夫法務大臣就任会見】

 

【小宮山洋子厚生労働大臣就任会見】

【細野豪志環境大臣就任会見】

【中川正春文部科学大臣就任会見】

 【安住淳財務大臣就任会見】

 

  • 日時 2011年9月2日(金)
  • 場所 東京都千代田区

 【鉢呂吉雄経済産業大臣就任会見】

サポーター有志による、文字起こしを掲載しています。

 鉢呂「皆さんこんばんは。大変遅れまして申し訳なく思っております。経済産業大臣を拝命いたしました鉢呂吉雄でございます。よろしくお願い申し上げます。それでは最初からご質問を受けたいと思いますが、幹事社の皆さん」

 質問(幹事社)「官邸のほうでも記者会見がありまして若干質問が重なるかもしれませんが、まず原発からお尋ねしたいと思います。再稼動問題ですけども、どのような状況になれば再稼動可能と判断するのか」

 鉢呂「現在停止中の原子力発電所の、我々は再起動という言い方をしておるようですが、再起動問題については、安全をより厳格にすると。そのことは最も一番大事なことであると思っております。そういう中で、再起動の基準といいますか、どういったことでということだろうと思います。私の請けと持ておるところは、ストレステストを今やっておりますから、ストレステストを実施をして、それに基づいて最終的な判断は総理も今日、記者会見でお話しているとおり、原子力保安院のみで行うということではなくて、最終的にどの段階で行うのか、詰めを行って参りたいというふうに述べてます。前政権段階では総理、官房長官、経産大臣、原子力担当大臣等で最終的な判断をするということでありましたが、その関係を詰める必要があるという総理のご判断でありますから、具体的にどういう形をとるのか、私のほうでも関係大臣、総理を含めて詰めてみたいと思ってます。
 問題は再起動に当たっては、関係自治体、県知事、市町村のご理解を得なければなりませんから、その理解を得るためにどうすべきなのか、ここも大きな問題になってくると思いますから、そこは先ほど言った判断でいいのかどうかも含めて、さらに詰めていきたいと。先ほどというのは、最終の詰めと同時にそれだけで本当にいいのかどうか。そういうことだろうと思っておりますので、今は私の就任した段階でありますから、そういうふうに思っております」

 質問(幹事社)「安全性の確認について、前政権で確認していましたけども、更に何か考えが必要か」

 鉢呂「そこは、考えるべきものがあるのかどうかさらに詰めていきたい。これはいつまでもということではないと思いますから、前政権の判断では、年内にもというふうに記憶しておりますから、いつまでというものもあるんだろうと思いますから、そういう中で地元の皆さんがご理解いただけるものを、ちゃんと作っていきたいと思います」

 質問(幹事社)「TPPについて」

 鉢呂「農業を含めた第一次産業の、我が国におけるあり方というのは、私が国会議員になって21年になるわけですが、かなり国民的な合意が深められてきておると判断してます。食料自給率の向上、やっぱり40%切るような現状は食料の安全保障上は問題があると。それから、食べ物ですから、安全上の問題についても国民的な理解が深まっておると。これは一般的な国民だけでなくて、経済界もこのことについての理解は深まってきておると。ともすれば日本の経済の国際化に対して、農業第一産業が足を引っ張っておるかの画一的な見方というものはあったんですが、しかしそれを超えて第一次産業に対しての理解が生まれて来たところだと思っておりました。昨年以来TPPの問題でそれが後退するような論調が、両極端な論調があるんですが、何とかこれも。僕はいつも言ってるんですが僕はどこの業界の見方でも、偏った見方であってもならないと。問題はそういった、利害は相反するところはあるかもわかりませんが、そこの対話が去年以来後退しているのを、もう一度十分話をして、国民的にもそれが合意できるような形が非常に大事ではないかと思ってますから、出身の所に固定的な見方で見られるという面は日本では非常に強いかもしれませんが、私自身はそういう気持ちで。農業を含めて第一次産業も国民の口に入るまでにはかなりの、食品加工というんですが、経済産業的にはそういうものを経過して付加価値も付けれるわけですから、私の役割は、経済産業相という役割は、第一次産業、農業を含めてですね、独自化という表現もしておりますが、まさに経済産業省でそこを担っていくと。農水省か第一次的にはそれをやっておりますが、これも縦割りにならないようにしていく必要があるのではないかと思います」

 質問(七尾)「第三者評価委員会で、保安院から各電力会社へヤラセ支持があったと認定され、同様の疑いが5件明らかにされました。委員会は9月末を目処に最終報告を行う方針ですが、これについてのご見解と、これによる原発再稼動への影響についてお聞かせください}

 鉢呂「大変遺憾なことで、ヤラセかあったと。まず大変遺憾であるから国民の皆さんの信頼性を損なう大変大きな問題である。従ってそれを早急に究明する。検討委員会で今なされておると。調査結果にひかえておりますし、出来るだけ早く9月中にも行って、その調査結果に基づいて国民の皆さんがちゃんと理解できる方策を経産省として採るべきだ。従ってそれはきちんと解決することによって再起動に影響を与えるようなものにしてはならないと思います。
 私、平成8年に金融問題で大蔵政務次官として護送船団的な金融の行政の推進と、チェック機能が混在して大変大きな6850億という税金を使うというものに直接遭遇いたしました。今回も、原子力行政を推進する部分と、チェックをする部分が混在をして、機能が損なわれておるということですから、今回来年4月を目処に分離するというふうに進んでますから、経産相の原子力推進していく部分についても安全というものを第一に掲げて、これのあり方の見直しをていく。その場合は、ヤラセなんてものは生じてはならない。経産省自体にもそういうものがあったというふうにも聞いてますから、経産省自体ももう反省をして当たっていきたい。
 しかし、経産相の行政がそのことによって萎縮したり、停滞をしたり後退するということがあってはなりませんから、物事のけじめはきちんとつけなければなりませんが、早く前向きに経産省としての取り組みができるものを作ることが私の役割だと思っています」

 質問(テレビ朝日)「先ほどの原発再起動への道程についての確認なんですが、総理、官房長官、経産大臣などの合意を以て最終判断をするという。このプロセスを見直されるということなのか、見直しに対する考え方をもう一度お願いします」

 鉢呂「再起動のためのストレステストが出てくると思います。事務的にはそういうことで、テストが行われます。最終的な政治的な判断というものをどういうふうにするのか、その構成メンバーあるいは、これは1回きりじゃありませんから、どういう基準でその段階で評価をして再起動していくのか、具体的な基準作り、基準というのか政治的なというところもありますから、最終判断をする基準というものを作っていく必要がある。事務段階の形ではなく、最終の政治の判断のところですから、それはどういうものがあるのか早急につめてみたいということも含めてお話をさせていただきました」

 質問(テレビ朝日)「見直すということですね」

 鉢呂「見直しをするというか、前政権時代はそこまで具体的なものはなかったのではないかと。人が変わることによって、違う判断になる可能性を含めたんでは客観的なものではないのではないかと。そういうことも含めて、新たに判断する基準を作るというふうに受けと持ていただいてよいと思います」

 質問(朝日新聞)「TPPについて。9月に首相訪米と11月にAPECまでに、今の……TPP合意が大事だということを仰いましたが、そこまで2ヶ月しかないので、その2ヶ月の間にまとめられるとお考えですか」

 鉢呂「11月に判断をすべきはそこまでなったばかりであるということもありますが。震災が起きたということの影響もありということは8月5日の『日本再生のための戦略にむけて』の中で述べております。若干判断の時期はそれによって。もっと実際は早かった。実際にはね。震災前の判断の時期は。そのことも含めてどうすべきか、今ここで私がどう答えるか。もう少し省庁と詰めさせていただきたい」

 質問(朝日新聞)「11月に何らかの交渉に参加する可能性を排除しない?」

 鉢呂「排除する、しないも含めてもう少し私のところだけで出来ることではありませんから、詰めさせていただきたい。早期判断すると文書的にはなっておりますが、それがいつなのかと。それ以上に国民的な合意という観点で、そこまで日本としての立場を出して、国民の理解を得る時間的な問題があるかどうかも含めて検討させていただきたい」

 質問「二国間EPAについて。TPPと違って二国間EPAについて大臣のお考えをお聞きしたい。新聞報道で、2009年マニフェストの中で………。日米。選挙戦の中で、関税は下げないという趣旨の姿勢を決めたということがありますが、そういうチラシは作られたんでしょうか」

 鉢呂「決めたという報道が?」

 質問「はい、選挙戦の報道の中で」

 鉢呂「私は先ほどもありましたが1国経済主義でない、世界の経済との密接な関係これは否定しようがありません。最近とみに韓国があれに出されますが、EPA、FTA、ヨーロッパ、アメリカ、ということも韓国は協定をする、あるいは協定が発効できる段階にある。こういう事についても、我々としてまったく枠外だということにはならないと思う。従って、EPA、FTAの2国間の関係ですが積極的に推進するべき問題である。そういう中では、例外貿易品目は当然ありうる形で、交渉ごとの最大の課題にもなっておりますが、例外的なものも含めてやれるかどうか。
 オーストラリアと、停滞気味、日本と韓国ですが、再開等の問題については、現状は聞いてませんが、担当大臣の一人として現状の交渉の経過は内部で見て対応していきたい。基本的には前段に言ったとおりです」

 質問(日経新聞)「野田総理が原子炉政策について、『寿命のきた老朽化した原子炉については廃炉にしていく』と仰いましたが、実際には40年過ぎているようものがあったり、40年経とうとしてて、更に継続を申請がきてるものもありますが、大臣から見て具体的に原子炉の寿命というのは何年ぐらいですか」

 鉢呂「私もそこまでつめて具体的に何年ぐらいというのを詰めているわけではありません。先ほど言いましたように、もう少し具体的な形で論議をして、国民にも示していく必要がわが省としてあるのではないかと。従って、耐用年数というこのがどうであるのか。一般的にはやっぱり原子炉は劣化するのではないかと思われますので、再延長とかいう問題についてはかなり厳格な基準があって然るべき。耐用年数がどうであるのか。固定的に今作られたものの耐用年数と、40年以上前に作られた原子炉では、今の基準に照らしてどうなのかということについて、もっと精緻な判断をする基準を作っていくことがあるのではないか。私個人の意見ですが」

 質問(北海道新聞)「原発再稼動なんですけれども、総理は原発再稼動に関しては自ら地元に出向いて実現しなければならないと考えておられる。こうした地元への説明については大臣自身はどのように対処されるのか。
地元の選挙区に泊原発があると思います。例えば泊が自らの選挙区にあるということで、再稼動に際して率先して進めたいとお考えか」

 鉢呂「地元に、私の選挙区に原子炉が存在するのは事実ですが、そこを優先してどうするかという判断を決めるという立場には立ちません。総理がそのように仰ってたことは聞き及んでますが、立地県の皆さんのご理解を得る努力、これは所管の私に課せられた最大の課題であると思っております。昨日総理からも地元の皆さんの理解を得ることの重要性については、私にも電話ですが話がありました。総理が自ら出るかどうかは別にして、この種の問題は内閣全体で当たるべきであるが、総理の出番がないぐらいの、私の段階でご理解をいただくべき問題であると思う」

 質問(西日本新聞)「先ほどの会見で、新たに原発を作るのは困難だと。期限が来たものは廃炉にするというお話でしたが、現在建設中の原子炉についてはどう考えるか。最終的には時期は別としてなくなっていくわけですから、核燃料のサイクル事業についてはやめる報告だという考えか」

 鉢呂「今建設中の原子力発電所の問題。これは今事実上建設が凍結されていると聞いている。今後どうするかという問題は、まだ最終判断をしておりません。基準があれば建設を最終的に止めるのかどうすべきかはもう少し待っていただきたい。
 それから、核燃料サイクル問題についても、建設途上で色々事故があったりして、これがなかなか起動するまで至ってないと、これを承知をしております。この問題はかなり起動させるところまでには、私には否定的に受け止めておりますが、これもまだ詳細な中身について十分承知をしておるわけではありませんので、もうしばらく待って頂きたいと思います」

 質問(共同通信、飯田)「3点ありまして。1つは地域に分布はしないと。廃炉になっていくには40年、50年後には原発をなくすというような会見内容を振り返ってですが、このような見解を共有されているのかどうか、ということが1点。
 2点目は全然違うのですが、電力会社の発送電分離に関してどういうお考えを持っておられるのか?
 3点目なんですが、エネルギー政策の議論の仕方を今まで総合エネルギー調査会という場でやられてきたけれども、中身とともにこの議論の進め方が閉鎖的で委員の人たちだけで行われているのではないかという批判があるのはご存じだと思うんですが、今後のエネルギー政策の進め方というのはやはり今までのような仕方で進めていくべきか、あるいはもっと大きな開かれた形で進めていくべきとお考えか、以上3点」

 鉢呂「新規建設についての問題については総理大臣と共有しておると思います。繰り返しになりますが、そうだからといって、新規と廃炉をどういうプロセスでやるかということについてはもっと詰めた論議をして、これもまたさっきも言いましたけど、両極端というような今の国民的なものから、それでいいのかどうか、そういうことも含めて、そのプロセスをしっかり国民に提示をする責任が私どもにあるのではないかと思います。
 それから、発送電分離の問題はまだ私は必ずしもこの中身を承知しておりませんので、良い面悪い面があるのかもしれません。日本は非常に電力会社の経営形態がいまは独占の経営形態になっておりますので、それらの問題も含めて、これもどこかのところできちんと具体的に論議する場が必要だと私は思います。
 それから3つ目の総合エネルギー調査会の閉鎖的な審議状況というのは、私はまだそこまで承知はしておりません。ただ、一般的に非常に原子力ムラに象徴されるように、国民の理解を得る手段を抜きで様々な原子力協議が行われてきたのではないかと思いますから、先ほど言ったようにやっぱり国民によく理解をして、その合意を得る手段だと思いますので、この9月にも発足をさせて論議を始めたいと。その調査会の委員の人選も含めて、私が相当なリーダーシップを取って、幅広い皆さんのご意見、そして国民の皆さんにも開かれた論議をしていくべきだと思います。現状が非常に閉鎖的かどうか、そこは今ちょっと私は分かりませんので、そこは論評抜きにして、そういうふうに思います」

 質問(フリーランス、上出)「先ほど出た、泊原発。報道によりますと、2008年の問題で、北海道で開催した保安院が主催したプルサーマルの説明会、例のやらせメールがあったという報道があります。それを踏まえて再稼働、営業再開を遂げた3号機について、これは(***0:47:13.9)じゃないかという声も同時に聞こえてるんですけども、これについては大臣自身はどういうふうなご認識でどうあるべきかということ、もう決めてしまったことで、高橋はるみさんが決めてしまったことで良いのか、あるいは私からすると十分に議論していないというふうに見えるんですがいかがですか?」

 鉢呂「3号機の営業運転についてのやり取り。経産省自体もその日に意見を北電から求めて、申請を正してその日のうちに許可をするかのような、あれ自体はやっぱり高橋知事が遺憾であるというふうに言うことは私は当然ではなかったかなと。同時に、必ずしもそれは最終的には猶予を持つという海江田前大臣のご発言があったんですが、そうであれば北海道側でもっと道民の声を聞く、あるいは道議会でも必ずしもあの短期間の中で結論を出すことについては党を超えてあったというふうに思いますから、そこはもうすこし。国がそういうふうにさせておったのかも分かりませんが、論議があってもよかったのではないかと思います。
 ただ、そのこととヤラセの問題を繋げるのが良いのかどうか。ヤラセの問題はいま中身を検討され調査されておるのではないかと思いますから、先ほどの官邸でのご質問は次のストレステストを経ての再起動にそれを評価の一つにすべきだという話でしたが、その前にこれらの問題の中身を究明して道民の理解をきちんと得ていくということが大切ではないかなと思います」

 質問(フリー、上出)「海江田大臣の決められたことについては、きっぱりその通りであるということで」

 鉢呂「そういう判断で行われましたから、道民の1人としてはそういう感想は述べさせていただき、ますけども、これを元に戻すということはなかなか難しいのではないかと思います」

 質問(エネルギーと環境、?)「今の質問にも関係するのですが、首相官邸と経産省との関係というのが、相当、海江田前大臣としては軽くあしらわれていると。経産省の言うことは信頼できないということまで言われていたようであります。大臣が変わられて、総理も変わって、その辺の修復というか。今まで出た質問でも、経産省が主導性を発揮するためにはやはり官邸との距離の保ち方というか、それが非常に大事になると思うんですが、その辺をどう工夫されてやっていかれるお積もりなのかというのが第1点。
 それから、もうひとつは再生可能エネルギーとか、あるいは原発が縮小してくると、電力会社は赤字がこの短期の決算では必至になってますけども、来年も恐らく赤字でしょう。そうすると電気料金の値上げ、あるいは再生可能エネルギーのコストなどを誰が負担していくのかという問題になってくるのだと思いますけれども、その辺をどういうバランスを取っていかれるのか。あるいはどういう考え方で対処されようとするのか。その2点」

 鉢呂「後段の方から。再生可能エネルギーについては法案が前通常国会で成立いたしました。そのなかでも第3者委員会を作ってその電力料金等の問題については、国会が選ぶ委員会で行い、また国会にも報告する事だったと思います。また、全国の再生可能エネルギーの負担する費用というのは、また全国で、電力会社を乗り越えたところで共同計算をして負担をし合うということでありますが、今すぐこの1,2年でどんどん増えていくとものではありませんから、だけどもっと早急に増やす必要もありますから、実際にそういった再生可能エネルギーが増える段階で見直しをすべきものは見直しをしていく。あるいは本当に電気料金にどんどん加算していくのか。あれも1キロワット0.5円でしたか、ちょっと数字は忘れましたが、それを超えないというのもあったと思いますので、その中で、当面やりながらもっとそれは増えてくれば、負担が増えてくるのかどうか、見直し条項もあったかと思いますので、やっていくべきだと思います。
 それから、首相官邸と。これはやはり総理との連携というものは密接に行って、そのギクシャクぶりが国民や立地する県民のみなさんに不信感があってはならないと。ですから、政府としての考え方というものをちゃんと統一をしていく必要があると思いますし、また経産省内部でのあり方は私がその責任を負うわけでありますから、リーダーシップを発揮してちゃんと方向付けをするための様々なファクターをいうものを出して頂いて、そして一体でこの問題を解決していくことにあると思っています」

 質問(エネルギーと環境)「電気料金の値上げということは容認するお考えですか?」

 鉢呂「この分の、先ほど言った1キロワット0.5は容認というか、そういう中身になっています。ただ、それが全体で果たして他の料金よりもずっと高いという事も言われてましたから、そう本当になるのかどうか。原子力の単価というものも本当に安いのかどうか。あるいは今回の東電の事故についての問題についても料金の引き上げということに繋がらないように、これは全力を挙げるべきだと思います」

 質問(エネルギーと環境)「鉢呂大臣として官邸との距離を上手く図っていく中、色々なアイディアがあるんでしょうか?官邸との協力を図っていくアイディアは何か」

 鉢呂「これはやっぱり総理との頻繁な意思疎通にあると。昨日も最初に発言したのは、私に相談があるという表現でありました。あるいはこれはまた、党の方でもやれという相談かなと思いました。経産省という形でございましたが、言ってみればそういうことで分け隔てなく問題を出し合って、これはその段階の透明性という問題もあるかも分かりませんが、見方によってはギクシャクしているということは国民からよく見えるということでありまして、これはなかなか難しいです。透明性が見えるから最終的なところで落ち着いたんではないかという見方も。これは海江田さんも菅さんも最終的には何も、という。ただ、地元に行ったり。また、行かなかったらまた、何も相談がなくて方向を打ち出したという事も言われますし、これはなかなか今の時代、皆さんがちゃんと横に付いておりますから難しい問題であります」

 質問(日刊工業新聞)「まず円高と(***0:57:36.3)化について大臣の評価をお伺いしたいと、それを踏まえたうえで中小対策について、今後なんの政策をどんなふうにしていくか。方向感を」

 鉢呂「総理もこれも述べております。金融対策で総理はこのたび財務大臣をやってきましたが、いわゆる経済対策、今の空洞化、中小企業。いま第3次補正に向けて継続のものを予算的にも拡充する。それから新しく行なうというものを今まとめておるところであります。特に今、中小企業含めて、新たに工場を立地する、あるいは産業の為の研究開発施設を新設する場合はかなり思い切って補助をすると。立地の為の補助を。これは従来もやってきたようですが、かなり有効に使われておると聞いてますから、もっとこの第3次補正で、もちろん震災地の中小企業含めてでありますが。震災地は本当にもう壊滅的な打撃ですから全てが新たな工場とも言える訳ですから、そこは徹底してやりたいし、震災地に私ども、ちょっと目を注ぐところが大きいんですが、先ほど言った円高の問題はこれ単独でも大変大きな問題として国民の皆さんに投げかけられるところでありますから、そこのところは、まだ様々な新たな施策も用意しておりますが、今ここで述べる段階か、まだ私も入って、もっと大胆に予算的にも増加をさせてやるべきか、ということがありますから、具体的なものは先ほど言った立地補助のようなものでありますが、よろしくお願い申し上げたいと思います。
 中小企業については毎度言われますが、やってる事は中小企業庁も含めてやっておるんですが、これ日々変わってきます。今日の中小企業の皆さんのアンケート調査も今朝ニュースで見ただけですが、経産省のニュースですが、かなり海外移転、空洞化、20数%でしたか、検討しているということでしたから、本当に危機的な状況だと思いますが、逆にまた超円高というのは輸入品目に対してはまたプラスの大きな効果。これをどういうふうに行うのか。あるいは海外、アジアの様々なインフラ整備等も含めて日本が役立つ面はあるのではないかと。そういうところを積極的にやっていきたいと思います」

 質問(ロイター通信、あべ?)「2点。先ほど、東電の事故について燃料費等が上がっているので電力料金をあげたいという要望がたぶん電力会社から出てくると思うんですけども、それについて経産:大臣としては、ご判断はつまり国民の合意を得ず燃料が上がったから値上げに踏み出すのか、それともそうではなく、もっとインフラや輸送等を圧縮しようというふうなことになるのか。この件は海外的にかなり興味を持たれているんですけども、2020年の温暖化の問題でも、マイナス25%という(***1:01:49.1)けども、これについて大臣はどのようにお考えでしょうか」

 鉢呂「燃料費が電力料金に加算されるかどうか、これも私、正確に、間違ってるかも分かりませんが、そういった変動は価格にONすると。あるいは下がった場合には下げると。そういうのが民間ベースでといいますか、役所が関わる形でないスキームに今はなっておるのではないかなと。そういう中で、長期的には上げ下げがありますが、短期的には円高の、いま段階ですが、その下げるというファクターもあると。今の円高の状況の中で。そういうときには国民の目の見える形で下げる必要があるのではないかと。
こと、今回電力会社では北海道電力だけが現状維持であとは上げたんでしたかね。最近発表された部分は」

 質問(ロイター)「原発が止まっているせいでかなり燃料費の負担は相当採算が―――」

 鉢呂「あ、そういう感じのね」

 質問(ロイター)「ええ。負担は電力業界にかかっていて、それを電力需要者に負担して欲しいという要望がたぶん経産大臣の方に来ると思うんですけども、海江田さんはその時は(***1:03:24.2)で、現大臣のお考えを」

 鉢呂「電力料金のそういうコストについては反映するというか、国がなにか規制するものでないというスキームになってると承知してましたがこれ自体が間違ってれば、訂正したいと思いますが、どんなふうになっているんですか?私が聞くのはおかしいんですが」

 質問(ロイター)「でしたら、2番目の―――」

 鉢呂「2020年の地球温暖化のCO2 25%削減問題については、これは鳩山政権時代に国連でぶち上げた問題、その後にこういう原子力発電の問題が出てきてその枠組み自体がかなり変わってきておる。原子力発電所で相当賄うというスキームではなかったかと思いますので、そこの段階についてはやはり見極めをしていく必要があると。今の段階では、私の段階ではそういうふうに見極めていく必要があると」

 質問(ロイター)「それを変えた方がいいという」

 鉢呂「変えるべきかどうか、変えずにその旗の下に原子力から違う方に移るんですが、先ほど言った耐用年数の切れた形も含めて、25%堅持できるかどうか、もう少し具体的に検討することが必要だと」

 質問(上出?)「細野大臣は厳戒に25%を守っていくと言ったんですが」

 鉢呂「細野大臣?私はそこまで断定的に言えませんので、検討していくと述べさせていただきます」

 質問(テレビ東京、鈴木)「先ほどの中小企業対策と(***1:05:48.7)ですけども、経済が減速している中にあって、大臣所管の経済産業を受け持って、景気対策や経済成長に対してどのような事を具体的にやられるのかということをお聞かせください」

 鉢呂「経済対策、景気対策。先ほども言いましたが、中小企業対策として継続したものもあるんですが、さきほど掌握した段階では必ずしも23年度予算の増額が図れてないものもあります。さっき言った立地補助なんかは、23年度は非常に少なくなっております。しかしかなり効果的に使われておると思ってますから、そこを予算的にも膨らますと。また、内容においてももっとやれる事があるのかないのか。僕はやれると思ってますが、例えば、雇用の問題も絡ませて、現状も絡ませておるのですが、絡ませた場合にもっと優遇的なものが、中小企業の場合は2分の1補助となっておるようですが、それを増額する事が出来るか出来ないか。色々、最高限度の制限も、あらゆる機会、そういった見直しも早急に行っていきたいと。私はさっき事務段階にも、もっと大胆に行う必要があるし、そのためのちょうど今第3次補正の精査をしている編成途上でありますから、今ならやれると。そこをちゃんと野田内閣として示すことが私は必要ではないかと」

 質問「中小企業対策以外、大企業とかそういったところへの対策は」

 鉢呂「中堅企業が資本を下回るような、設備投資における毀損を受けた場合に、それを支援する、これは今まではなかった。「中堅」が果たしていいのかどうか、大企業も私は入ると思いますが、そういう問題も今、検討途上でありますが、必ずそういうものをやって行く必要があると」

 質問「エネルギー基本計画を今後見直していく上で、いつごろ示すつもりか。広く意見を募集したいと仰っていましたが、どういう方法が一番国民の声を聞けるか、アイデア段階で何か考えがあるか」

 鉢呂「先ほどいいました、「エネルギー環境会議」は今、立ち上がって、年内にも中間の指針というものを出したい。それに伴う、総合資源エネルギー調査会、はその(***01:09:10)に立たないと意味ありませんので、9月にも人選をして、早急に立ち上げて、年内の前に出したいと思います。
 広く国民の意見というのは、「パブリックコメント」という方法がありますから、それは最低限の不可欠の余力ですし、やらせで大変みなさんからお力被ってますから、そういう直接的な、意見を聞く会というのを、全国各地でやってもいいのではないかな、と思います」

 質問(日刊薬業、中川)「日本経済を牽引する産業として、医薬品産業があると思うが、大臣、医薬品産業の振興についてどのようにお考えですか」

 鉢呂「あまり深い知識はありませんが、許認可が非常に慎重ではあるんですが、かなり年数かかって、輸入製剤等についてもかなり時間がかかって、『使えない』という問題もあります。本来、国内で作っている薬剤、薬品についても、私は世界のこの健康に資するものですから、輸出産業としても、十分日本が担っていける所があるのではないかと思います。何か最近は、日本の医療機関で、アジアのみなさんが、観光も兼ねて、健康診断を行うことがあるようですが、医薬品については今、どんなレベルであるのか、詳細に分かりませんが、まだまだ、色々な形で世界に貢献できるのではいかと思います」

 質問(日本食糧新聞)「TPPの件、極端な議論がある中で国民的合意を得ることが大切だと仰ったが、具体的なイメージが掴めないが、どういった場面を想定しているのか」

 鉢呂「両方の団体は自己主張はするんですが、もっと、団体間の相互の連携、対話、というのが、例えば、北海道であれば、道経連、農業団体が恒常的に話をして、さまざまな北海道の食糧について、共に販売努力する、加工に対する色々な努力をする。具体的にやっております。それがなぜ、経済の国際的な枠組を決める段になりますと、単に、こぶしを振り上げることになるのか。
 カロリーベースの自給率は39%とか40%とか、急激に下がっていますか。総合自給率、金額に関しては必ずしも急激に下がっておりません。70%を越えるような自給率、金額ベースですね。それだけ、色々な野菜、果物等で、高付加価値のものを作っておるのが日本だと思いますから、もちろん土地が必要になるとはあると思いますが、もっともっと相互に連携する道があるのではないか。
 建前で、農業経営に企業が入ってくるのでは、最終的に農地が荒廃するとか、いづれは干上がるとか、こういう建前論だけで注視しているのですが、それを越えていく、そこい相互に連携するための、行政が何を仲介できるのか、そういうものを、私の立場で、経済界のみなさんと論議する、対話する機会が多くなると思いますから、良くなるようにやっていく必要があると思います。本当に負担するのであれば、日本の中で農業経営が成り立つための負担はしてもいいし、大規模化と口でいうだけでは、日本の農業は変わっていけないと思います。」

 質問「耐用年数を超えた原発は廃炉にされると思うが、30年超えたものは何年で廃炉にするか。その結論をいつまでに出すのか。9月に立ち上げる調査会とは現在あるものか、新たに新設するのか、人選は」

 鉢呂「私の聞いている限りでは、そういうものは恒常的にはあるんでしょうが、人選は9月に改めて行って、新たな陣容で論議していくということだと思います。廃止炉の問題については、精緻な議論という言葉で、本当に30年でいいのかという問題もあると思います。色々設置しているその条件、施設の耐用年数だけによるのか、立地条件も評価が低ければそれも早まるのかもしれません。30年を越えても大丈夫なものがあるのか。54基、一つ一つですねやっていく必要があるし、廃止に近づいてきた場合に、もっと具体的な廃止をするための基準を作っていく必要があるのではないか。
 今までは、私分かりませんが、一定の耐用年数に近づいても、電力会社が申請すれば、一定の見直しは要求するのかもしれませんが、少し安易に延ばしてきたのではないかと、そうならない厳格な基準を設定する必要があるのではないか。いづれにしても私もその中身についても知っているわけではありません。耐用年数が来たら、廃止。基本はそうだと思いますが、耐用年数も若干の違いがあるのかどうか、その見極めも、いづれにしても、いつまでのスケジュールかという話もありましたが、それも含めて、早急に、できれば年内に、さきほどいった所で出していくべきではないかな、と思います。」

 質問(ジャパンタイムズ、ながた)「経産省の改革について。大臣は経済産業省はがけっぷちにいると言ったと。今回の福島の事故でも、経産省は当事者にもかかわらず、明確に事故の責任を取っているというふうには世間からは見えていない。更迭された幹部が割り増しで退職金をもらっていたりとか、そういったことも含めて大臣の経産省の改革ビジョンのイメージを示して欲しい」

 鉢呂「先ほど、幹部のみなさんに、今の経産省の立っている現状の話はしました。単なる私の訓示だけでいいのか、今お話したような、もっときちんとした改革という視点でのものが、幹部みなさんが持っている危機感ということからいけばですね、そういう改革をする為の、組織的な取り組みがあってしかるべきかな、と思いますので、もう少しどういうふうにやっていくのか。そりゃ訓示だけではなかなかいかんということは思いますので、組織的には、原子力安全にかかる部分は環境省に移管するわけですけど、そうは言っても、移管すればそれで物事が済むわけではないですので、従来の経産省の考え方をどのように立て直していくのか、そこも私の大きな、重い役割として認識はしています」

 質問(NHKの大久保)「この夏、福島の原発の事故をうけて、電力使用制限というものを、東北電力管内と東京電力管内で行ったわけですけど、原発の再機動の問題というのが早期に進まないとしたら、この冬からさっそく電力使用の需給が切迫することが指摘されています。供給面をどうしていくのか、ということと、この冬に電力使用制限に踏み切らざるを得ないということが視野に入っているのか、それとも、法律に基づく、電力使用制限っていうのは絶対しちゃいけないという、今の段階でのお考えがあるのでしょうか」

 鉢呂「今9月に入りまして、かなり節電の国民的な、企業的な努力があったという評価が出ておりますので。しかしそれも、党幹部の皆さんには中身をしっかり精査をして欲しいと。冬は皆さん今ご指摘あったように夏以上に逼迫するという予測を見せられました。これについてももっと、この夏を踏まえて、検討して対応すべきだとお話させていただきましたので。電力制限命令(節電命令)でしたね。今そこまで予測してという形は私は今頭にはありません」

 鉢呂「最後の質問にさせてもらえますか、広報秘書も疲れておりますので。10分とか15分とか聞いておったんですが。(会場笑い)」

 質問(フリーランス、畠山)「経産省の現役官僚で、2009年12月から大臣官房付になっている古賀茂明さん、改革派官僚と言われてベストセラー本も書かれてる方なんですが、古賀さんはご存知のように『仕事が与えられていない。仕事を与えて欲しい』というふうに訴えていらっしゃるんですが、大臣は古賀さんの処遇について何かお考えはございますか」

 鉢呂「今その話は初めて聞かされました。一般的には委員会等で問題になったことは承知してますが、今、経産大臣としてこの問題を答弁する材料持ち合わせておりません。一般的には個別の人事案件だという感じはありますが、今日のご指摘は明日以降精査をしてみたいと思います。

  あの、いいですか?最後までやってもいいけども、いつからやったか、何分やったか忘れちゃったけど、10分ではなかった気がするけど。私は徹底して、あまり質問がなかったらこちらから指名してやってた鉢呂でありますので、ぜひ質問を揃えて、今後ともよろしくお願い申し上げます。遅くまでありがとうございました」

 【文字起こし:ボランティアスタッフ@sekilalazowie, @gigimaki, @KinocoMX】

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