【第64-66号】岩上安身のIWJ特報!今回の衆院選は憲法違反!選挙に投じた清き1票は、実は0.2票だった 升永英俊護士インタビュー 2012.12.30

記事公開日:2013.1.2 テキスト独自
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(岩上安身)

 12月16日に投開票が行われた第46回衆議院議員総選挙で、自民党は294の議席を獲得し、与党に返り咲いた。そして26日、自民党の安倍晋三総裁は、第96代の首相に選出され、新内閣を発足させた。報道各社は、安倍新内閣への支持率が、不支持率を大きく上回っていると発表し(*1)、多くの国民が、新政権に期待していると報じている。

*1:12月28日付の新聞各紙の支持率は以下の通り。毎日新聞は、支持率52%、不支持率26%。朝日新聞は、支持率59%、不支持率24%。日経新聞は、支持率62%、不支持率29%。読売新聞は、支持率65%、不支持率27%。

 しかし、第61号のIWJ特報でお伝えしたように、今回の総選挙における自民党の得票率は、小選挙区で24.67%、比例区では15.99%と非常に低い値となっており、さらに民意と選挙結果との間に、大きな隔たりがあることも明らかになっている。

 さらに忘れてならないことは、そもそもこの選挙が「違憲状態」のまま行われたという「事実」である。今回当選した衆議院議員は全員、その「違憲状態」の選挙制度で選ばれた議員であるということだ。

 2011年3月23日、最高裁は、2009年に行われた衆議院議員総選挙に対して、「違憲状態である」という判決を下した。その判決から1年8カ月後の2012年11月16日、民主党の野田佳彦前首相は、解散直前に選挙制度改革関連法案をなんとか成立させたが、今回の衆院選には、該当選挙区の区割り見直し作業が間に合わなかった。

 そうした中行われた今回の衆院選に対して、衆院選翌日の12月17日に、「一票の格差」是正を求める弁護士グループが、選挙のやり直しを求め、全国の高裁・高裁支部で一斉に訴訟を起こした。今号では、その弁護士グループの中心人物の一人である升永英俊弁護士へのインタビューの模様をお届けする。

 升永弁護士は、「一人一票実現国民会議」の発起人であり、「一票の格差」をなくすため、「一人一票」を求めて、多くの違憲訴訟を行っている。インタビューでは、「一票の格差」がなぜ生まれるのか、「違憲状態」とは何なのか、といった基本的な問題から、本当の民主主義を実現するために我々は何をすべきなのかといったことまで、お話をうかがった。

記事目次

  • 民主主義は多数支配が大前提
  • アメリカの大統領選と日本の選挙の違い
  • 「悲鳴」としてのデモ
  • 2012年最高裁判決の意味するところ
  • 衆院選の翌日に訴訟を起こす
  • 違憲国家を国民が訴える
  • 日本の民主主義に緊張感はあるか
  • 民意を正確に反映しない現行の選挙制度
  • プレイヤーとして社会に関わる

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「【第64-66号】岩上安身のIWJ特報!今回の衆院選は憲法違反!選挙に投じた清き1票は、実は0.2票だった 升永英俊護士インタビュー」への1件のフィードバック

  1. 岩上休め より:

    IWJがこの件で大手メディアと同じ論調を採っていることに危険を感じます。なので、異議を申し立てます。

    「一人一票実現国民会議」の発起人名簿から、主な人物を挙げます(http://www.ippyo.org/hokkinin.html より)。奥谷禮子、勝間和代、川本裕子、櫻井よしこ、すぎやまこういち、古賀茂明、田原総一朗、野村修也、升永英俊、三木谷浩史、宮内義彦、屋山太郎。すべて在京の新自由主義者です。

    また「一人一票実現国民会議」のサイトのリンク先を見ると、経済同友会の「一票の格差是正ウェブサイト」(http://www.doyukai.or.jp/kakusa/index.html)が見つかります。「一人一票実現国民会議」の背後に経済同友会が控えているのは明白です。

    例えば一人一票ではなく一県一票であれば、TPPは地方対都市の問題として争点設定されず、都市勢力に押し切られることはなかったと考えます。米国やスイスの上院のように、参議院は各都道府県の議席数を平等にし、地域代表で選出したほうが、現実的な問題に対して効果を挙げると私は考えています。(もちろん、比例代表や全国区制で統一するという方法もあります。)

    IWJは経済同友会に追随しています。この論調をお続けになるようでは、地方の人はIWJの会員になりたがらないですよ。議決権が奪われ、お金まで取られるのですから。

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