2011年9月24日、IWJとニコニコ生放送のコラボレーション企画として、岩上安身をホストに、『決断できない日本』(文春新書)がベストセラーとなっている元在沖縄総領事、国務省東アジア・太平洋局日本部部長ケヴィン・メア氏と元外交官孫崎享氏を迎えてトークセッションが行われた。
メア氏は2006年から2009年まで勤めた沖縄総領事時代に多くの問題発言を残したことで知られる。
話題は主に今後の日米同盟の推移におよび、普天間基地移設問題をめぐっては、メア氏が極東における安全保障上の観点から沖縄の米軍基地の必要性を主張した一方、孫崎氏は現地住民の反発から辺野古への基地移設は不可能であると述べた。
【以下、全文書き起こし】
岩上「みなさん、こんばんは。ジャーナリストの岩上安身です。今夜はニコニコ生放送と、私が主宰するIWJこと、インディペンデント・ウェブ・ジャーナルのコラボレーション企画、『ニコ生×IWJ』の第1回目の配信になります。これから、月1回こうしたコラボ企画をしていくことになりますので、みなさんよろしくお願いいたします。
今夜は、ユーストリームの方でのIWJの中継も見ることが出来ます。また、ニコ生も、会員のみなさんだけではなく、無料で会員の制約というものを外しておりますので、ご視聴することが出来ます。第2回以降の中継はニコ生になりますので、みなさんよろしくお願いしたいと思います。
今夜は、ゲストに、今年の3月に物議を醸す発言をしたとされる、元アメリカ国務省日本部長でもありました、ケビン・メア(*)さんをお招きしております。ケビンさん、よろしくお願いいたします」
(*)ケビン・メア(沖縄タイムス ケビン・メア氏略歴 2011年3月7日より)
1954年生まれ。81年、米国務省入省。在日米大使館安全保障部長、駐福岡米領事などを経て2006年~2009年まで駐沖縄米総領事。
総領事時代の2008年夏、普天間飛行場周辺に住宅地が密集する状況について「なぜ市が建設を許しているのか疑問がある」と発言、普天間爆音訴訟の原告らから「即刻、沖縄から退島するよう」求める決議書を手渡された。2009年4月には総領事館近くのコーヒー店で男に突然コーヒーをかけられる被害を受け、沖縄県警が男を逮捕している。
帰米後も国務省日本部長として日米の実務者協議などの際にたびたび来日している。東大客員研究員の経験もあり、日本語が堪能。
ケビン「よろしくお願いいたします。こんばんは」
岩上「もう1人のゲスト、こちらは日本の外務省元国際情報局長の孫崎享(*)さんです。よろしくお願いします」
(*)孫崎 享(Wikipediaより)(まごさき うける、1943年~)は、日本の元外交官、元防衛大学校教授、作家。『日本外交 現場からの証言』で山本七平賞受賞。元外務官僚出身だが、メディアには、元防衛大学校教授の肩書で登場することが多い。
孫崎「よろしくお願いします」
岩上「ケビンさんは、『決断できない日本』(*)、大変厳しいタイトルなんですけれども、『アメリカからみた「日米同盟の真実」』という副題の付いたこの本を文芸春秋の文春新書からお出しになられて、何と今もう既に10万部突破していると、8月20日に出たんだけれどももう10万部を突破。大変なベストセラーになっております。
(*)『決断できない日本』 (Amazon.co.jpより)
ケビン・メア (著)、 出版社: 文藝春秋 (2011/8/18)
内容(「BOOK」データベースより)
「沖縄はゆすりの名人」などとレッテルを貼られ更迭された米国務省元高官が明かした事件の真相。対日政策三十年のキャリアをもつ外交官が見た「トモダチ作戦の内幕」「沖縄基地問題の迷走」「日本の政治家たちへの評価」などアメリカ政府の本音を激白する。
この中で、3.11以降、日本政府は何をしていたのか、大変狼狽していた日本政府を、アメリカ側の担当者として見ていた、との記述もあれば、今回の、『沖縄はゆすりの名人』とケビンさんが発言(*)したとされる、今年の報道その内実、ケビンさん側の立場からのご発言なんですけれども、その内容。さらには、日米同盟のあり方について、アメリカの国務省サイドにかつて責任者として立っていた立場からのご発言も書かれております。大変興味深いので、1時間という時間の中で、この本の内容を網羅できるかどうかは非常に難しいんですが、できる限りスピーディに進めて、お話を伺っていきたいと思います。
さて、本題に入る前に、ユーザーのみなさんにアンケートをさせていただこうかな、と思うんですけれども、メアさんは、『沖縄はゆすりの名人』と発言したといわれている訳ですけれども、事実かどうかというところに論争があるんです。まずは、この報道を聞いてみなさんがどのように思われたか、ということについて、四択でアンケートを出していただきたいと思います。アンケートに少し時間が掛かっているようですね、分かりました。そうしましたら、どういう発言があったのか、というお話をまず伺いましょう。
(*参考)ケビン・メア発言『沖縄はゆすりの名人』に関する報道
和の文化「ゆすりの手段に使う」 メア米日本部長が発言 2011年3月6日 共同通信 (47NEWS)
メア日本部長発言録全文(日本語) 2011年3月8日 沖縄タイムス
「講義記録は正確」 アメリカン大教員、学生が再証言 2011年3月10日 琉球新報
差別的発言のメア氏が国務省退職 前日本部長 2011年4月7日 共同通信 (47NEWS)